2025年10月17日

父子の絆づくりにレシピがあるならば…映画「モロカイ・バウンド」

ハワイを舞台にした映画といえば、

リアルタイムで見てカッコイイ〜と思った「ブルー・クラッシュ」(2002)
同じサーフィンが題材でも実話が元になった感動作「ソウル・サーファー」(2011)

この2本は個人的に思い入れが深いですね。あなたはどの映画ですか?
美しい海、ビーチ、鮮やかな色を添えるレイなどを目にするとハワイ気分に浸ることもできるので、新作でハワイが舞台とわかるとチェックしたりするのですが・・・

ハワイでの生活は自然に囲まれながら穏やかに暮らしているようなイメージがある中で、必ずしもそうではない現実を描いたのがこの作品です。

本日10/17より恵比寿ガーデンシネマ他で公開の映画「モロカイ・バウンド」





ハワイの中でも観光地化されておらず、手つかずの自然が残るモロカイ島。そんなモロカイを離れ、オアフ島で暮らすネイティブ・ハワイアンのカイノアは、ある事情で服役後、仮釈放される。
「前科者」というレッテルに苦しみながら、カイノアは疎遠になっていた息子のジョナサンとの繋がりを取り戻そうとするのですが・・・

というストーリー。
ジョナサン君はとても長い髪の毛を結っていて、言動には出てきませんがネイティブハワイアンでありルーツを大切にするであろうということが伝わってきます。13歳なので多感なお年頃。
そんな彼を学校で待ち伏せして「お父さん帰ってきたから」って言われても、単純に喜べないし、そんなすぐには打ち解けられないですよね。

と思うのは女性だけなのか、ふたりは釣りへ出掛けて会話をしていくうちに自然と信頼関係を築いていきます。

男の子にとってのお父さんの存在とはどのようなものなのでしょうね。
息子を持つ友人が以前そのことについての悩みを話していたのを思い出しました。この映画の感想は、女性と男性では感じることが大きく異なるかもしれません。いずれにしても、主人公カイノアの思いがジョナサン君に伝わってほしいな、と願わずにはいられない映画です。





(少しネタバレの可能性があります)


アリカ・テンガン監督はこの作品に「社会復帰を目指す人々に対する共感を生み出すことを目指している」と語っています。

当たり前ですが、海が青く美しいからといって人々の生活が余裕で豊かになるわけではありません。
どの国にいてもそうかもしれませんが、ほんのちょっとのかけ違いで人生を踏み外すことはあります。ましてや、その背景に貧困があるとすれば・・・

それを理解しようとしたり、助けたいと尽力する人も必ずいて、しかしながらそれはリスクを伴うし、時に傷ついたり他人に理解されないこともあります。
そして、その行為(厚意)に肝心の本人は感謝することもないかもしれません。そんな心のゆとりはないからです。

カイノアを助けようとするのは、まず刑務所まで迎えに行き自分の家に住まわせてあげる妹、そして、彼を見守る保護観察官ですが、映画を見る人ひとりひとりにもその問いを投げかけているようにも思いました。


父と息子の絆は繋ぐことができるのか・・・
その方法があるとするならば、それは何なのか。

映画「モロカイ・バウンド」ぜひ見てみてください。

ちなみに映画とは関係ありませんが、モロカイ島はココナッツにメッセージを書いて郵便局から送れるそうですよ。素敵な所ですね。





この映画、名古屋では11/8にナゴヤキネマ・ノイにて公開となります。
ここって、今池のシネマテークが閉館して、替わりにオープンした映画館なんですね。このバンドから名前とったのかなぁ・・・なんて。
posted by なりたま at 15:28| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月05日

記憶が宝物であることを知る。映画「さまよえ記憶」

「記憶」

とは、学術的に説明すると
「過去の経験の内容を保持して後にそれを思い出すこと」だそうです。

日本学術会議のWebサイトには
「人間は脳を使って、運動したり、感じたり、泣いたり笑ったりしています。
そして、これからの生き方を考え、行動していきます。
もしも「記憶」がなかったら、これらのどれもが不可能になってしまいます。」

とあります。
つまり、自分が今行動していることや計画していることは記憶に頼りながら判断しているということです。

では、もしその「記憶」が失われた場合、自分はどうなっているのか・・・。

昨日から東京・池袋で公開されました映画「さまよえ記憶」。
8/11からは名古屋・ミッドランドスクエアシネマ他、全国で公開となります。





24分という短編映画ですので、あらすじは省略しますね。
私は6月に試写会で観ることができました。

ストーリーに入り込んだ瞬間に、あっという間に終わってしまった作品です。
今思い出してもシーンのひとつひとつが鮮明に思い出されます。

クリエイトがとても丁寧な作品でした。
伝えたいものが明確にあるものの、その想いをどこまで演出するかの加減がベストだったと思います。

クオリティーの面で、アカデミー賞短編実写映画賞を受賞した「SKIN 隔たる世界の2人」を思い出しました。
(ストーリーは全く違いますけどね。)


IMG_4093.jpeg


試写会では、終了後にトークセッションもありました。

この映画は、ハッピーエンドだと思うか、悲しいエンディングだったと思うか、あなたはどっちだと思いますか?
という問いを観客にしたところ、なんとビックリ!半々でした!

出演されていた俳優のモロ師岡さんの
「思い出が水切りで表現されているのが凄い」
というコメントが印象的でしたね。

喜びの跳ねる石
悲しみを表すような沈んでいく石
美しい子を描く様など、ぜひ注目してみてください。
ちなみに、それらの水切りは水切りのチャンピョンの方が石を投げてくださったそうですよ。


Do something worth remembering. by Elvis Presley

記憶する価値のあることをするんだ、というエルヴィス・プレスリーの名言です。
あえて力を入れる必要はないと思いますが、日々なんとなくな生活になっていないか、何かに一生懸命になれているか、楽しめているか、周りの人たちと笑い合っているか、そういう意識を持たせてくれる言葉。


「さまよえ記憶」ぜひみて見てくださいね。


posted by なりたま at 11:24| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月02日

映画「ウムイ 芸能の村」で想う沖縄と我が故郷。

ウムイとは、沖縄の方言で「想い」のことだそうです。
「想い」という言葉に方言があるって素敵ですよね。

場所は、沖縄県宜野座村。
沖縄本島の那覇より北の東海岸で、コバルトブルーの海と亜熱帯の緑を両方楽しめ、鍾乳洞もある自然の宝庫。
そして、そこには「芸能」があるというんですね・・・。





大人も子供もしっかりと信念を持って芸能活動をしている様子が予告編からも伝わってきます。
道路を歩く獅子が目を引きますが、この獅子は悪霊を払って人々を守っているんだそうです。

伝統芸能を守ろうとする人々を追ったドキュメンタリー映画。
三線を演奏するおじいちゃん。
会社で勤務しながら夜は踊りの稽古をする女性。
笛や琴を習う女の子たち。
海に網を張る舞をする女性。

それぞれの人たちが想いを語ります。
後継者不足からなんとか子供たちに関心を持ってもらいたい、と奮闘する姿も。

船で踊りの稽古に通う男の子の純粋さにも惹かれましたね。
4歳の時に伝統芸能と出会ったそうで、将来の夢も語ってくれます。
そういえば、私のおばあちゃんは舞踊の先生だったんですけど、ちっちゃい頃に一緒に踊った記憶があります。
踊りたかったから、というよりは無意識に踊っていたような気がしますが、宜野座村で生まれ育つと自然とそうなるのかもしれませんね。

後半には、ヌンチャクを母から教わる女性も登場します。
戦争を経験したお母さんのお話や想い出話などもぜひ聞いてください。





監督は、沖縄を拠点に活動しているスペイン系スイス人のダニエル・ロペスさん。
沖縄芸能を大切にしたい気持ちが伝わってくるし、同時にどこで生まれ育った人にも故郷を思い出させるような温かい作品になっています。
最初に出てくる卵焼きがめっちゃ美味しそうです。笑

私は故郷の虫送りという伝統行事を思い出しました。
五穀豊穣を願う夏のお祭りですが、今もやってるのかな・・・。


映画「ウムイ 芸能の村」、現在都内で公開中。今月は関西でも公開となります。
エンドロールで流れるピアノも素敵です。


posted by なりたま at 22:53| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月11日

海外の数々のアワードで受賞した日本の映画「私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・」今日公開です!

ご縁あって試写会で一足早く見させていただきました。
今日、渋谷シアター・イメージフォーラムで公開の映画
「私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・」

デヴィッド・ボウイの名言に
「Once you lose that sense of wonder at being alive, you’re pretty much on the way out…
 (生きていることに対する不思議な感覚を失ったら、もう死にかけているということさ。)」

というのがあります。
自分に問うという行為は日頃されている方もいれば、しない、それどころじゃない、という方まで様々いらっしゃると思いますが、その中でも「なぜ生きているんだろう」ということに関しては誰にとっても必要不可欠であり自然な考えなのでしょう。
せっかくなので、この映画でぜひしてみてほしいです!





さぁ、いかがでしょう・・・

「その人はあなたにとって必要?」
「命とは何か?」
「人間として生きるということは?」
この中の一つだけでも、う〜ん、と考え込んでしまいそうですが、これらがひたすら続く新感覚の映画です。

静かに始まるこの映画。
主人公はショートヘアーの女性で、部屋の壁に並べられた写真を一つ一つ見ています。
次のシーンから、その写真に写った場所を探していることに気が付きます。
一緒に暮らしていた男性が突然いなくなってしまったんですね。

東京を写真を手に彷徨い歩きながら、彼女は4人の人物に出会い会話を重ねます。
失うことへの不安、焦燥、自らが信じていたものへの疑問。
様々な想いを掻き立てられながら、次々と立ち現れる”問い”に内なる対話を深め、
彼女は、自らの中にあったはずの何かを埋め戻そうともがくのですが・・・というお話。

海外ですでに高い評価を得ています。

PRISMA Rome Independent Film Awards PRISMA FEBRUARY「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
ASTI INTERATIONAL FILM FESTIVAL「Premio del PUBBLICO(観客賞)受賞」
GOLDEN WHEAT AWARDS「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Madrid Art Film Festival「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Logcinema Art Films「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Silk Road Film Awards Cannes「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Across the Globe Film Festival「BEST FEATURE FILMノミネート 最優秀主演女優賞ノミネート(石川 理咲子) 最優秀助演俳優賞ノミネート(小野塚 老)」
World London Film Festival 「Gold Selection選出」

などなど、これでも一部のアワードだけ抜粋していますが、もう受賞しまくってます!


私はどこから.jpg


すごいんですよ・・・始まってしばらく無音です。
状況を把握しながら不思議な感覚で夢中になって見ていたら、やっと人の声がしたときには私ビクッとしてしまって。笑
そこから「問い」のセリフのシャワーです。
最初に出会う初対面の女性との会話では、なんでそこまで言われなきゃならないんだ!と、心の中でツッコミもしましたが、そうしているうちに数々の問いを観客が考えるようになるんですね・・・。

北尾和弥監督に、海外から評価された点の一つをお伺いしたところ「漂白された音の部分」とおっしゃっていました。
確かに、いろんな音が四方八方から聞こえてくる渋谷の街のシーンでも、数少ない音しか聞こえていなかったんです。これって、ちょっとした違和感なんですよね。
でも、実際の生活でも周りの音がサイレントになる自分だけの世界ってあるので、そこでだんだん主人公と自分を重ねられていくんだろうなと思いました。

セリフの中で「あなたの記憶は印象でしかない」というのが個人的には印象的で、過去の(特に誰かとのコミュニケーションを)思い出すことがよくあるのですが、時が経ってそれらはおそらく私の都合のいいように映像も含めて塗り替えられているんだろうなぁ・・・


そんなことを色々考えさせられる作品です。
今日からシアター・イメージフォーラムで公開。
名古屋でも上映されるといいですね。

posted by なりたま at 10:15| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年07月12日

スペインの野外ロックフェス「MAD COOL」に行ってきました。

スペインに行ってきました🇪🇸久しぶりの海外旅行です😄

7月から海外の便が増えたこともあり、たまたま希望通りのスケジュールでフライトが取れましたが、ワクチン摂取証明書の取得やSpain Travel Health=SpTHの健康管理フォームへの入力が必要だったり結構準備は大変で、しかもロシアの上空を飛べない関係で行きのフライトは乗り継ぎのミュンヘンまででも14時間半かかりました💦

しかし、今回の目的はマドリードの野外フェス「MAD COOL 2022」☀️


MADCOOLにやってきた.jpg


市内から地下鉄一本で行ける都市型フェスで日本で言うとサマソニに近いロックフェスで5日間開催されているうち4日参加してきました!


マッド風景.jpg

リストバンドに入金.jpg


会場内は現金が一切使用できません。
リストバンドにチャージして食べ物や飲み物を買ったり、バンドTシャツなどの物販で買い物ができるシステム。
なので、会場内にあるチャージポイントでリストバンドにお金を入れるのですが、ここでも現金はNGでクレジットカードのみ。徹底してますよね。
使いきれなかったら後日返金するシステムとなっています。


ビールとモヒート.jpg


とにかく暑いスペインの夜。
また、スペインは暗くなるのが夜の10時くらいなので、とにかく明るかったですね〜。ビールとモヒートでリフレッシュ✨

で、長方形の会場にステージが7つ。一番大きいSTAGE1とSTAGE2が交互にライブを行うようなタイムテーブルになっています。

ざっくりSTAGE1のヘッドライナーを紹介すると
7/6 水曜日 メタリカ
7/7 木曜日 ザ・キラーズ
7/8 金曜日 ミューズ
7/9 土曜日 フローレンス+ザ・マシーン
7/10 日曜日 ジャック・ホワイト

写真はMUSEのオープニング、新作のロゴが炎で燃えている様子と、PIXIESをまったり見ていた時のものです。


MUSE.jpg

PIXIES.jpg


どのライブを見ても特に大物バンドは大合唱になるし、日本とは一味違った雰囲気を楽しむことができました。
MUSEの時なんて、周りのファンたちの歌声が大きすぎてマシューベラミーの歌が何にも聞こえてこなかった。笑

MAD COOLのいいところは、会場がコンパクトでSTAGE1とSTAGE2はステージ前のそれぞれの鑑賞エリアからお互いのステージを見ることができるほど近くにあるんです。逆に言えば、アーティストにとっては、常に大勢の観客に見られている感じ。
すると、アーティスト側もテンション上がってくるので、自然と楽しい空気が出来上がってくる・・・いい循環になっているんです。


小さなステージ.jpg


スペインのガールズバンドIRENEGARRY。
うまく言えないけど、日本でいうちょっと羊文学っぽい感じのサウンドでした。


観覧車とヘッドホン.jpg


外が暗くなるとこれまたキレイ。
観覧車のスピードがぐるんぐるん早くてびっくりしたけど。


YAKISOBA.jpg

ピザ.jpg


食べ物はチョーおいしかったぁ。
ワールドレストランコーナーみたいなエリアがあって、日本食のお店もありました。
なんとメインは「YAKISOBA 焼きそば」。しかも大人気で食べてる人何人も見かけました。

ピザは種類があってフワトロサクでGOOD!
カレーもハンバーガーも食べたし、滞在時は毎日MAD COOLにいたのでフェスご飯ばかり。笑


そんなこんなのMAD COOL、また行きたいな。





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2022年02月25日

シーアのカラフルカラーは多様な世界を優しく包み込んで。映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」

今日公開となります「ライフ・ウィズ・ミュージック」。

ZIP-FMではよくオンエアされているシンガーソングライター、Siaの初監督作品となります。
原案、脚本、製作、全てをSiaが担当。で、内容も、自身の実体験です。かつて薬物やアルコール依存症に陥り、自殺を試みるほど絶望した彼女を救ったのが友人や音楽だった・・・その苦しみを乗り越えてきた半生を主人公に託したというもの。そして、その主人公ズーを演じるのが映画「あの頃ペニーレインと」のケイト・ハドソン。そして、注目は妹役!Siaの大ヒット曲”シャンデリア”のMVで踊っている女の子です。





アルコール依存症のリハビリテーションプログラムを受け、孤独に生きる(ケイト・ハドソン演じる)ズーは、お婆さんが亡くなったという一本の電話を受け、久しぶりに家に帰ります。するとそこで久しぶりに再開したのが自閉症の妹ミュージック。(ミュージックちゃんっていう名前!)
妹と暮らすことになったズーですが、環境の変化に敏感なミュージックとの生活に困惑してしまいます。そこに優しく手を差し伸べてくれたのが、隣に住む男性エボ。3人での穏やかな生活に居心地の良さを覚え始めたズーは、孤独や弱さと向き合い、自身も少しずつ変わろうとしていくのですが・・・というストーリー。

この作品、第78回ゴールデングローブ賞(コメディ・ミュージカル)最優秀作品賞にノミネートされました。すごいですね〜。レディガガに続き、こちらは監督としてですがSiaも凄い!
で、このゴールデングローブ賞でケイト・ハドソンは最優秀主演女優賞にノミネートしたので、やはり彼女の演技の貢献も素晴らしいんですが、音楽モノが合うんですよね。
SNSでケイトが歌っているところを見たSiaが少しかすれ気味の声、だけどソウルフルで繊細な歌声に「主人公のキャラクターにピッタリだわ!」とオファーすると、ケイトからも「もちろん!」と即答だったそうです。

で、もう一人。素晴らしいのが妹ミュージック役のマディ・ジーグラーという女優さんというか、ダンサーの方なのかな。表現者っていうんですかね。”シャンデリア”はMVの再生回数が22億回を誇っているんですけど、その理由はやはりこのマディちゃんのダンス、存在感でして、今回の映画では自閉症っていう難しい役なんですけど、常にヘッドフォンで音楽を聴いていて、音楽から色とりどりの世界が広がっているっていうイマジネーション豊かな女の子なんですよ。それが、彼女以外考えられないっていうくらい、Siaの音楽を表現するのが彼女だけなんだと思うんですけど、とにかく凄いし、魅力的!

この映画は、最初から歌とダンスで始まります。それが、セットも衣装もSiaならではのポップカラー。はっきりとした赤とか、オレンジ、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン、要は、妹のミュージックの頭の中の世界を表現しているんですけど、何ていうか・・・楽しくもあるし華やかでもあるし、でも、この映画っていうのは、Siaが自閉症のお子さんを抱えている女性と出会ったときに「自分がいなくなってしまったら、誰がこの子を愛してくれるのかしら?」っていう言葉を聞いたことから着想を得たんですって。そう考えると、行動が自分で制御できない意思疎通が難しいかもしれない、そんな子が放つポップカラーをどう輝かせ続けてあげられるのか・・・。

そこには、やはり多様な人々が暮らす社会について考えさせられる作品でもありますし、普通のミュージカルとちょっと違うミュージック・ムービーを楽しむこともできるし、あとは、家族を愛することで自分の心が愛で満たされるっていうことを主人公のズーが知っていくので、それが結構感動するんですよ。ぜひ人を愛しいって思う気持ちもこの映画から感じてください。

映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」今日全国公開です。





全曲Siaが映画のために書き下ろしています。


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2022年01月28日

音楽に魔法がかかる未来であってほしいのです。映画「ロックフィールド」

1960年代、イギリスの片田舎に世界初の滞在型スタジオを作った兄弟がいました。 キングズリーとチャールズによるウォールズ兄弟は家業の酪農家を継いだ音楽好き兄弟。 ふたりはアーティストになることを夢見てロンドンへ向かいましたがあっけなく夢は破れ、かわりに自分たちの農場を録音スタジオに改造します。 その場所で生まれたロックの傑作は数知れず・・・。





先週末公開されました映画「ロックフィールド」 1970年代から2000年代にかけてブリティッシュロックの名曲を生み出した伝説のスタジオ「ロックフィールド」のドキュメンタリー映画となります 。





ブラック・サバス、クイーン、エコー&ザ・バニー・メン、イギー・ポップ、デヴィッ ド・ボウイ、ジューダス・プリースト、ロバート・プラント、シンプル・マインズ、モー ターヘッド、ダムド、アズテック・カメラ、ピクシーズ、ブー・ラドリーズ、ザ・シャー ラタンズ、コールドプレイ、マニック・ストリート・プリーチャーズ、ストーン・ローゼ ズ、ザ・キュアー、XTC、スエード、カサビアン、ニュー・オーダー、オーシャン・カ ラー・シーン、ポール・ウェラー、ジョー・ストラマー、そして、オアシスなどなどが、 曲作りをしたスタジオです。

これ、場所はイングランドではないですね、ロンドンから西へ230キロ離れたウェールズ になります。広大な土地で周りには何もないところ。最初はただ趣味で音楽機材を屋根裏に運んだことから始まったのですが、開いている部屋を宿泊用に改修したことから、宿泊 が可能な滞在型の音楽スタジオを設立します。 では、ここからはネタバレを含みますので知りたくない方はお気をつけください。
この「ロックフィールド」というスタジオの話題が徐々に広まり、ミュージシャンが使いたいといい始めます。まず最初に使用したのが!





はい、ブラック・サバス。オジー・オズボーンがこの作品で最初に語ってくれます。 録音スタジオ自体が初めてだったというオジーですが、農場も初めてだったそうです。 オジーは、イングランドのバーミンガム出身でちょっと都会っ子なんですね。 牛や馬や鶏が自由にのびのびしている光景に驚きます。

広々とした敷地に沼っていうか池があって、そこでイカダに乗ってはしゃいだりする様子がみられるんですが、何よりよかったのは、どんだけ音量をデカくしても迷惑にならないっていう環境ですよね。この”パラノイド”はここで生まれました。続いて!





はい、ジッピーにもおなじみのボヘミアン・ラプソディ。 外でブライアン・メイとロジャー・テイラーかな・・・フリスビーで遊んでいたそうで、 レコーディングは?って聞いたら「いや~、今フレディがピアノ弾いてんだよ」と。 まぁ、あとは想像にお任せしますが、このピアノのフレーズが生まれた場所がロック フィールドのどこか、というのが仰天です!





さぁ、オアシスはリアム・ギャラガーがFワードを何連発するんだ!ってくらい連呼して いましたが、思い出はいい思い出もノエル・ギャラガーとの喧嘩の思い出もいろいろ話してくれています。スタジオで働くミキサーの男性がオアシスのメンバーを昼間からパブへ送り迎えしなきゃいけない、それも仕事だったっていうのが面白かったですね。





はい、この曲もここロック・フィールドで生まれました。意外な本音も聞けました。 Simple Mindsは、デヴィット・ボウイがやってきたエピソードが楽しかったです。

Manic Street PreaturesやThe Charlatansも語っています。
ここは悲しいことも起きた場所で、ティム・バージェスがその状況を話してましたね。





この曲が生まれたのは、なんとロック・フィールド!
本当に星が出ていた夜で「わぁ、見て!星が出ているよ」という瞬間だったそう。。

詳しくはぜひ映画でご覧ください。


ロックフィールド.jpg


で、このドキュメンタリーで語られていたことなんですが 今の時代、10代のバンドではレコード会社はお金をかけられない。 コンピューターで録音もできてしまうことも原因にある、と。 完璧さを求めればそれはできるのだけれど、音楽には魔法がかかることがある。 それが、ロックフィールドだった、っていう話で・・・ジーンとしちゃいましたね。

映画「ロックフィールド」現在、伏見ミリオン座で公開中です。
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2022年01月21日

お家騒動もポップな名曲の数々で心情がしっかりと。映画「ハウス・オブ・グッチ」

先週末全国公開されまして、映画業界や映画ファンが注目するのはもちろん、ファッション業界やファッションがお好きな方や、レディ・ガガのファンももうご覧になった方いらっしゃると思います。映画「ハウス・オブ・グッチ」。
イタリアのラグジュアリー・ファッション・ブランド「グッチ」の実話に基づいた映画ですが、他のファッションブランドの映画と何が違うかというと・・・お家騒動の話になっているところですね。





貧しい家庭出身ですが野心的なレディガガ演じるパトリツィア・レッジャーニ。
とあるパーティーで、イタリアで最も格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチと出会います。
パトリツィアの美貌と知性に心奪われた彼は父親の反対を押し切り結婚。
しかし、次第にパトリツィアは一族の権力争いまで操り、強大なファッションブランドを支配しようとするのですが・・・というお話。





一族、ですから、グッチが誰のモノになっていくのかは、候補者が何人かいるわけです。
結婚した段階で、グッチはマウリツィオのお父さんとそのお兄さん(伯父さん)の二人で仲良くやっていて、そのおじさんっていうのがアルド・グッチっていうグッチを世界展開してビジネスを拡大した人で、映画ではアル・パチーノが演じています。重要人物ですね。彼が、自分の息子(映画ではバカ息子って呼んでるんですがw)その息子よりマウリツィオとパトリツィアを可愛がっていくわけです。
じゃ、その息子は・・・っていうと、自分では斬新なデザインや色使いでグッチに新しい風を吹かそうとしている、でも理解されない、なぜか、ちょっと変わり者でクセがあるんですね。そのパオロ・グッチ役を映画「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャレット・レトが演じているんですが、クセがすごいんじゃ〜っていうキャラで、特殊メイクも施しているんで全然ジャレット・レトってわからないんですけど、とにかく彼が出てくるたびにクスッとしちゃいますね。

あと、笑うといえば、アル・パチーノが最初登場するとき日本語なのが映画館で笑いが起きていましたね。時代的に、日本はバブルで高級ブランドが売れまくった時代だったと思うんですけど、そういう描写がいくつか出てくるのでぜひ楽しんでください。





そして、意外だったのが音楽の使い方ですね。
最初に流れる印象的な曲が今流れているジョージ・マイケルの”Faith”。目の前に現れた魅力的な女性に対して「恋の駆け引きはお見通しさ」と言いつつ「でも今は自信がないんだよ」っていうまさにアダム・ドライバー演じるマウリツィオの心境を代弁しているかのようなんですね。
その後に、ドナ・サマーが何曲か使われているさっきかかってたのは”I Feel Love”って曲ですけど、もう1曲”Love To Love You Baby”っていう邦題が”愛の誘惑”っていう曲、これはおそらくちょっとセクシーな意味合いが含まれているんですけど、そういうシーンもあるので、結構効果的に使われていたり・・・New OrderもDavid Bowieも流れます。


ハウスオブグッチ.jpg


そして、Blondieの”Heart of Glass”ですね。
本当に素敵な恋だったのに・・・お願い、私を捨てないで。きっとうまくやっていけるわ、と。

映画は、夫マウリツィオに対してレディ・ガガ、妻のパトリツィアの、復讐、そして殺人に至る姿が描かれていく、という展開になっていきます。

いやぁ、本当に純粋にグッチが好きでグッチの服着てます!って人は見ないほうがいいかもしれないですね。夢が壊れるとまでは言わないですけど、エンターテインメントとしてサスペンス映画を楽しむつもりで見ていただけたらなと思います。
あぁ、でもグッチの歴史のような感じで服とかカバンとかいっぱい出てくるから、やっぱりグッチ好きは見ないとダメかな。笑

映画「ハウス・オブ・グッチ」現在公開中です。





この曲も「雨のように降り注ぐ記憶や感情はあなたによるものなのよ」っていう、夫への愛と執着っていうのが完全に音楽で表現されている、そんな曲です。

ちなみに、イタリア、グッチ家のお家騒動ということなんですが、この作品、本家グッチ家は腹を立てているそうです。
妻による暗殺事件っていうのは事実なんですが、問題なのは人物描写らしくて、さっきお話ししたアル・パチーノやジャレット・レトが演じているグッチ家の人々。
要は、なんか茶化してるんじゃないか、みたいな。小馬鹿に、じゃないですけど。
あとは、レディ・ガガが主演なので、そっちが被害者っぽく描かれていないか、と。
グッチ一族に人物について聞いたりとかしなかったみたい・・・。


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2022年01月07日

年が明けるとデヴィット・ボウイを想う。映画「ジギー・スターダスト」再び公開。

2022年は、デヴィッド・ボウイ生誕75年、そして、彼をスーパースターに押し上げた、ロック史上燦然(さんぜん)と輝く名盤「ジギー・スターダスト」が発売されて50年となります。その「ジギー・スターダスト」を提げて行ったツアーの伝説的な最終公演を収めたライブ映画「ジギー・スターダスト」が、誕生日の前日1月7日に公開となります。





5年後に滅びようとする地球に異星(地球以外の星)からやってきたスーパースター「ジギー・スターダスト」にデヴィッド・ボウイが扮し、ロックスターとしての成功から、その没落、絶望、そして復活までを描いたのがコンセプト・アルバム「ジギースター・ダスト」です。

この映画では、デヴィッド・ボウイが1972年から73年にかけてイギリス、アメリカ、日本で行ったツアーの最終公演、ロンドンのハマースミス・オデオン劇場での伝説的なライブを撮影しています。





「ジギー・スターダスト」
”スターマン”は、ラジオでジギーの曲を初めて聴いた子どもの視点で書かれた曲。
”屈折する星屑”はそのジギーが絶頂から没落するのをバック・バンドの視点で描いた曲になっています。で、そこから復活する曲”ロックンロールの自殺者”は後ほどお届けしますが、とにかく、この時のボウイは神格化(神様)だった訳で、ライブに訪れた若い男女ともにものすごい熱狂的かつ、ボウイがやってることが先を行き過ぎていて、はっきり言ってよくわかっていないっていうファンも多かったんですよね。狂気と歓喜と戸惑いが同時にある感じ。
それが、この映画を見ると、とてもよくわかると思います。結局はかっこいいんですけどね。

この時のステージ衣装には、ロンドンでコレクションをして間もない27歳の山本寛斎が担当。
この衣装を手がけることになった最初の出来事っていうのが、とても素敵なエピソードで、ある日友人から「今すぐニューヨークへ来い!」って電話があったんですね。
それで、仕事のスケジュールを急遽変えてニューヨークに向かい、デヴィッド・ボウイのショーを見たら、なんと天井から舞い降りてきた彼の衣装が自分がデザインしたものだったと。
思わず涙が出たそうなんですが、そこから仲良くなって、このジギー・スターダストの衣装を手がけることになったそうです。
でも、この世界観は衣装なしでは完璧にならなかったでしょうから、とても大きな役割ですよね。





そして、映画を見ていて興奮するのは、ギタリスト、ミック・ロンソンの存在ですね。
70年代をボウイと共に駆け抜けたミュージシャンですが、様々な映画やエピソードから紐解くに、バンドメンバーっていうのはボウイに言われるがままの演出をしているだけなので、衣装とか特に全く理解不能で、なんだこの派手な衣装は?みたいな反応だったらしいんですけど。笑
まぁ、ミック・ロンソンに至っては、これもミックのドキュメンタリーからのエピソードですが、デヴィッド・ボウイって、物語を描いたり、見せ方においては秀でた才能の持ち主ですが、機械いじりはできなかったミュージシャンだったんですよね。この頃は特に。
その部分を補っていたのが、ミック・ロンソンだったわけです。ま、でもミックはとても謙虚な人で、とにかくボウイの横でギターを弾いてるのが楽しい!っていう感じがこのライブでも溢れ出ています。

監督は、ボブ・ディランの「ドント・ルック・バック」で音楽ドキュメンタリーの歴史に一線を画した、アカデミー賞名誉賞受賞監督のD.A.ペネベイカー。
全曲の歌詞の翻訳を、シュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎が行っています。
この日本語訳も素晴らしいので、ぜひ堪能してください。

映画「ジギー・スターダスト」今日からセンチュリー・シネマで公開。
その後、イオンシネマ長久手や三重の進富座などで順次公開となります。
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2021年12月30日

『なりたま2021年のベストソング』〜The 10 Best Songs of 2021〜

今年も終わりますね。
コロナのまま終わるとは・・・う〜ん。
来年は楽しくフェスに参加したいですね。実家にも帰りたいです。
番組を聞いてくださったみなさんも本当にありがとうございました。

では、ベストソング10曲。こちらも軽くいきましょう。





Chaise Longue / Wet Leg

2021年、もうコレです。ひと聴き惚れ♡
100万回聴いても飽きないでしょう。テンション上がりまくった曲。
リアンちゃんとへスターちゃんによるイギリスは(フェスで有名な)ワイト島出身バンド。
来年4月にデビューアルバムだそうで。日本に来てください!
こちらは1stシングルですが2ndシングル"Wet Dream"もサイコーです!!





Body & Soul (feat. Biig Piig) / Emotional Oranges

たまたま出会って番組でめちゃオンエアしていましたが、昨年のフジロックに出演予定だったんですね。
The Internet好きの方もハマりそうですが、なんせ得体の知れないアーティストなんだそうで尚更生で見たかったです。
4月から20代前半の若いディレクターさんがチームに加わったので、彼女の担当の日にちょうどよいなぁと思って当てはめてたところもありました。





All My Time Is Wasted / Hannah Jadagu

こちらも番組でよくかけてたオルタナ女子ハナー・ジャダグ。
黒人でシルバーブロンドのドレッドヘアという外見もインパクト大でしたね。
昨年はbeabadoobeeがアジア系アメリカ人としてオルタナを奏でていましたが、今年は彼女って感じ。





Serotonin / girl in red

ラジオライクだったのは、この曲でしたね。
ポップソングなのに、EDMのような爆上がりをするっていう構成も面白いです。
ビリー・アイリッシュのお兄ちゃんフィニアスによるプロデュース。





Where’s My Brain??? / The Lazy Eyes

オーストラリアから出てきちゃいました、またまたサイケデリックなバンド。
今年出たEPが「EP2」で昨年「EP1」が出ていて、来年いよいよアルバムデビュー。
どっから声が出ているんだ、と頭からツッコミを入れたくなり、展開が素晴らしくラストまで聴いてしまう魅惑的な1曲。
昨年のEP1に収録の"Cheesy Love Song"っていう曲がこれまたたまらないですね。






Yebo Teacher / Moonchild Sanelly

髪の毛がフワフワモップのようなキュートな彼女は南アフリカのアーティストだそう。
この曲聴いてるとずっと「野暮ティーチャー(先生)」って連呼しているようで・・・クスッとしながらでもカッコイイ曲。





stupid / dvr

年明けにEPが出る彼は一見すると真面目そうですが実はかなりの皮肉屋さんなんじゃないかなぁと期待しています。
DVRって防犯カメラの映像を保存する機器のことですが、それを小文字にしたアーティスト名。
XL Recordingsからリリースされるようで楽しみです。





ZaZa and Some Runtz (Smoke Break) / Terry Presume

かっこいい〜。ちょっとBeastie Boysを聴いている時のテンションにも持っていかれるかな・・・。
あんまりよく知らないアーティストなんですが、なんでも8歳からリリックを書いていて詩がおそらく良いんだと思います。
アルペジオのギターの曲とかもあって「What Box?」っていうEPも聴き応えあります。





The Motion / Gustaf

NYのポストパンクバンド、グスタフのデビューAL「Audio Drag For Ego Slobs」から。
年間ベストアルバムに入れ忘れてしまったのでこちらで。笑
もう間違いなくカッコイイです。このユルさを出せちゃう余裕もすごい。見たい。





Blow You Away (Delilah) / Blue Lab Beats

ラストはロンドンのジャズシーンから。
20歳そこそこなはず。お洒落すぎてどーなってんだ。笑
いーなー、今の若い子。クラブ行きたい。と少し本気で思いました。


ということで、良いお年を。





posted by なりたま at 16:43| music | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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