2021年09月17日

エレクトロ・ミュージックの登場でロックは死・・・?映画「ショック・ドゥ・フューチャー」

今朝ご紹介するのは、1970年代後半、時はエレクトロ・ミュージックの世界的なブレイクの直前くらいですね。シンセサイザーやリズムマシン、シーケンサーなどの電子楽器が普及し始め、日本でもYMOが結成された頃。未来的な音の響きに心躍らせる女性ミュージシャンと友人たちを描いたフランスの作品です。タイトルは「ショック・ドゥ・フューチャー」。
主演を映画監督の祖父を持ち、自身はモデルのアルマ・ホドロフスキー。めっちゃ可愛いです。





1978年、パリ。若手ミュージシャンのアナは、部屋ごと貸してもらったシンセサイザーで、依頼されたCMの作曲に取りかかっていましたが納得の曲が書けずにいました。すでにプロデューサーと約束した締め切りの時間は過ぎ、明日の朝にクライアントに提出しなければいけない担当者は何度も急かしにやってきます。
なのに、こんな時にかぎって機材が壊れ修理を呼ぶ羽目に。しかし、修理に来た技術者が持っていたのは日本製のリズムマシン(ROLAND CR-78)。すっかり魅せられてしまったアナは「これがあれば、ものすごい曲が作れるわ」と希望に胸を膨らませるのですが・・・というお話。





時代がいいですね。1978年。
主人公のアナが住む部屋のレコードのコレクションの中からパティ・スミスの名盤「Hoses」が見えるんです。1975年のアルバムなんですけどね。それで、アナが息巻いて言うんですよ。
「ロックは今にソファにくつろいで聴く音楽になるんだわ。ジャズと一緒よ。」と。

ロックは終わってく音楽になる・・・それがどうかは別として当時の20代の子からしたら、その感覚もわからなくないですよね。それまでにない斬新なサウンドを生み出すことに無我夢中になるし、それは電子音楽の中にあると信じているんですね。

で、電気グルーヴの石野卓球さんがこの映画に「たまらなくスタジオに行って曲を作りたくなった」とコメントを寄せているんですが、それが納得の壁一面の機材!これが圧巻です!
ツマミが何百個あるんだ!という・・・配線もいっぱいあって、シンセサイザーで音を出して、その音を加工して、バランスを調整して、録音するのはオープンリールですよ。わかります?
カセットテープのもっともっと大きい盤というか、ラジオも昔はオープンリールで素材とか声とか流したり、新曲がオープンリールで届くっていうこともありましたよね。

で、日本のリズムマシンROLAND CR-78に出会って、何がすごいかと言うと
「ドラムがいらないのね!?」っていうことなんですよ。電子音というものを鍵盤で奏でられるものがあっても、リズムを打ってくれる、これが画期的!
それまでは、曲作りはバンドで、もしくは作曲したら演奏家に演奏してもらって曲を作るのが当たり前だったわけですが、自分一人でも音楽が作れちゃうっていう感動があったんですね。

そのリズムマシーンのスイッチ(っていうんですかね)、リズムパターンに「ロック」とか「ディスコ」「ワルツ」とかあって、機材を見ていても楽しいし、単調な音にウイ〜ンとか重ねていって踊らせる音にしていく作業とか、映画を見ていると一緒に体験しているようで楽しいです。

で、アナはCM用の歌録りにやってきた女性歌手のクララと一緒にオリジナルの曲を作って、パーティーで大物プロデューサーに手渡しします。さぁ、どうなるのでしょうか。ぜひ映画館で。
映画「ショック・ドゥ・フューチャー」は現在、今池シネマテークで公開中です。





アナとクララのオリジナル曲。
手掛けているのは、なんと監督のマーク・コリンです。というのも、監督はヌーヴェル・ヴァーグっていう音楽ユニットのプロデューサーの方で音楽人なんですね。

監督で音楽プロデューサーのマーク・コリン。は向こうでは有名な方で、でペッシュ・モードのマーティン・ゴアとかスペシャルズのテリー・ホールなどをフィーチャーしてアルバム出してたりしています。あと、自身の制作会社を持っているんですが、その会社の名前がニュー・オーダーの曲名から拝借して「パーフェクト・キッス」っていう。笑

今では当たり前に流れているエレクトロ・ミュージックですが、それが生まれて世に出ていこうとする瞬間とトキメキが描かれているっていうのが素敵な映画です。
posted by なりたま at 00:00| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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