2025年10月17日

父子の絆づくりにレシピがあるならば…映画「モロカイ・バウンド」

ハワイを舞台にした映画といえば、

リアルタイムで見てカッコイイ〜と思った「ブルー・クラッシュ」(2002)
同じサーフィンが題材でも実話が元になった感動作「ソウル・サーファー」(2011)

この2本は個人的に思い入れが深いですね。あなたはどの映画ですか?
美しい海、ビーチ、鮮やかな色を添えるレイなどを目にするとハワイ気分に浸ることもできるので、新作でハワイが舞台とわかるとチェックしたりするのですが・・・

ハワイでの生活は自然に囲まれながら穏やかに暮らしているようなイメージがある中で、必ずしもそうではない現実を描いたのがこの作品です。

本日10/17より恵比寿ガーデンシネマ他で公開の映画「モロカイ・バウンド」





ハワイの中でも観光地化されておらず、手つかずの自然が残るモロカイ島。そんなモロカイを離れ、オアフ島で暮らすネイティブ・ハワイアンのカイノアは、ある事情で服役後、仮釈放される。
「前科者」というレッテルに苦しみながら、カイノアは疎遠になっていた息子のジョナサンとの繋がりを取り戻そうとするのですが・・・

というストーリー。
ジョナサン君はとても長い髪の毛を結っていて、言動には出てきませんがネイティブハワイアンでありルーツを大切にするであろうということが伝わってきます。13歳なので多感なお年頃。
そんな彼を学校で待ち伏せして「お父さん帰ってきたから」って言われても、単純に喜べないし、そんなすぐには打ち解けられないですよね。

と思うのは女性だけなのか、ふたりは釣りへ出掛けて会話をしていくうちに自然と信頼関係を築いていきます。

男の子にとってのお父さんの存在とはどのようなものなのでしょうね。
息子を持つ友人が以前そのことについての悩みを話していたのを思い出しました。この映画の感想は、女性と男性では感じることが大きく異なるかもしれません。いずれにしても、主人公カイノアの思いがジョナサン君に伝わってほしいな、と願わずにはいられない映画です。





(少しネタバレの可能性があります)


アリカ・テンガン監督はこの作品に「社会復帰を目指す人々に対する共感を生み出すことを目指している」と語っています。

当たり前ですが、海が青く美しいからといって人々の生活が余裕で豊かになるわけではありません。
どの国にいてもそうかもしれませんが、ほんのちょっとのかけ違いで人生を踏み外すことはあります。ましてや、その背景に貧困があるとすれば・・・

それを理解しようとしたり、助けたいと尽力する人も必ずいて、しかしながらそれはリスクを伴うし、時に傷ついたり他人に理解されないこともあります。
そして、その行為(厚意)に肝心の本人は感謝することもないかもしれません。そんな心のゆとりはないからです。

カイノアを助けようとするのは、まず刑務所まで迎えに行き自分の家に住まわせてあげる妹、そして、彼を見守る保護観察官ですが、映画を見る人ひとりひとりにもその問いを投げかけているようにも思いました。


父と息子の絆は繋ぐことができるのか・・・
その方法があるとするならば、それは何なのか。

映画「モロカイ・バウンド」ぜひ見てみてください。

ちなみに映画とは関係ありませんが、モロカイ島はココナッツにメッセージを書いて郵便局から送れるそうですよ。素敵な所ですね。





この映画、名古屋では11/8にナゴヤキネマ・ノイにて公開となります。
ここって、今池のシネマテークが閉館して、替わりにオープンした映画館なんですね。このバンドから名前とったのかなぁ・・・なんて。
posted by なりたま at 15:28| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月05日

記憶が宝物であることを知る。映画「さまよえ記憶」

「記憶」

とは、学術的に説明すると
「過去の経験の内容を保持して後にそれを思い出すこと」だそうです。

日本学術会議のWebサイトには
「人間は脳を使って、運動したり、感じたり、泣いたり笑ったりしています。
そして、これからの生き方を考え、行動していきます。
もしも「記憶」がなかったら、これらのどれもが不可能になってしまいます。」

とあります。
つまり、自分が今行動していることや計画していることは記憶に頼りながら判断しているということです。

では、もしその「記憶」が失われた場合、自分はどうなっているのか・・・。

昨日から東京・池袋で公開されました映画「さまよえ記憶」。
8/11からは名古屋・ミッドランドスクエアシネマ他、全国で公開となります。





24分という短編映画ですので、あらすじは省略しますね。
私は6月に試写会で観ることができました。

ストーリーに入り込んだ瞬間に、あっという間に終わってしまった作品です。
今思い出してもシーンのひとつひとつが鮮明に思い出されます。

クリエイトがとても丁寧な作品でした。
伝えたいものが明確にあるものの、その想いをどこまで演出するかの加減がベストだったと思います。

クオリティーの面で、アカデミー賞短編実写映画賞を受賞した「SKIN 隔たる世界の2人」を思い出しました。
(ストーリーは全く違いますけどね。)


IMG_4093.jpeg


試写会では、終了後にトークセッションもありました。

この映画は、ハッピーエンドだと思うか、悲しいエンディングだったと思うか、あなたはどっちだと思いますか?
という問いを観客にしたところ、なんとビックリ!半々でした!

出演されていた俳優のモロ師岡さんの
「思い出が水切りで表現されているのが凄い」
というコメントが印象的でしたね。

喜びの跳ねる石
悲しみを表すような沈んでいく石
美しい子を描く様など、ぜひ注目してみてください。
ちなみに、それらの水切りは水切りのチャンピョンの方が石を投げてくださったそうですよ。


Do something worth remembering. by Elvis Presley

記憶する価値のあることをするんだ、というエルヴィス・プレスリーの名言です。
あえて力を入れる必要はないと思いますが、日々なんとなくな生活になっていないか、何かに一生懸命になれているか、楽しめているか、周りの人たちと笑い合っているか、そういう意識を持たせてくれる言葉。


「さまよえ記憶」ぜひみて見てくださいね。


posted by なりたま at 11:24| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月02日

映画「ウムイ 芸能の村」で想う沖縄と我が故郷。

ウムイとは、沖縄の方言で「想い」のことだそうです。
「想い」という言葉に方言があるって素敵ですよね。

場所は、沖縄県宜野座村。
沖縄本島の那覇より北の東海岸で、コバルトブルーの海と亜熱帯の緑を両方楽しめ、鍾乳洞もある自然の宝庫。
そして、そこには「芸能」があるというんですね・・・。





大人も子供もしっかりと信念を持って芸能活動をしている様子が予告編からも伝わってきます。
道路を歩く獅子が目を引きますが、この獅子は悪霊を払って人々を守っているんだそうです。

伝統芸能を守ろうとする人々を追ったドキュメンタリー映画。
三線を演奏するおじいちゃん。
会社で勤務しながら夜は踊りの稽古をする女性。
笛や琴を習う女の子たち。
海に網を張る舞をする女性。

それぞれの人たちが想いを語ります。
後継者不足からなんとか子供たちに関心を持ってもらいたい、と奮闘する姿も。

船で踊りの稽古に通う男の子の純粋さにも惹かれましたね。
4歳の時に伝統芸能と出会ったそうで、将来の夢も語ってくれます。
そういえば、私のおばあちゃんは舞踊の先生だったんですけど、ちっちゃい頃に一緒に踊った記憶があります。
踊りたかったから、というよりは無意識に踊っていたような気がしますが、宜野座村で生まれ育つと自然とそうなるのかもしれませんね。

後半には、ヌンチャクを母から教わる女性も登場します。
戦争を経験したお母さんのお話や想い出話などもぜひ聞いてください。





監督は、沖縄を拠点に活動しているスペイン系スイス人のダニエル・ロペスさん。
沖縄芸能を大切にしたい気持ちが伝わってくるし、同時にどこで生まれ育った人にも故郷を思い出させるような温かい作品になっています。
最初に出てくる卵焼きがめっちゃ美味しそうです。笑

私は故郷の虫送りという伝統行事を思い出しました。
五穀豊穣を願う夏のお祭りですが、今もやってるのかな・・・。


映画「ウムイ 芸能の村」、現在都内で公開中。今月は関西でも公開となります。
エンドロールで流れるピアノも素敵です。


posted by なりたま at 22:53| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年02月11日

海外の数々のアワードで受賞した日本の映画「私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・」今日公開です!

ご縁あって試写会で一足早く見させていただきました。
今日、渋谷シアター・イメージフォーラムで公開の映画
「私はどこから来たのか、何者なのか、どこへ行くのか、そしてあなたは・・・」

デヴィッド・ボウイの名言に
「Once you lose that sense of wonder at being alive, you’re pretty much on the way out…
 (生きていることに対する不思議な感覚を失ったら、もう死にかけているということさ。)」

というのがあります。
自分に問うという行為は日頃されている方もいれば、しない、それどころじゃない、という方まで様々いらっしゃると思いますが、その中でも「なぜ生きているんだろう」ということに関しては誰にとっても必要不可欠であり自然な考えなのでしょう。
せっかくなので、この映画でぜひしてみてほしいです!





さぁ、いかがでしょう・・・

「その人はあなたにとって必要?」
「命とは何か?」
「人間として生きるということは?」
この中の一つだけでも、う〜ん、と考え込んでしまいそうですが、これらがひたすら続く新感覚の映画です。

静かに始まるこの映画。
主人公はショートヘアーの女性で、部屋の壁に並べられた写真を一つ一つ見ています。
次のシーンから、その写真に写った場所を探していることに気が付きます。
一緒に暮らしていた男性が突然いなくなってしまったんですね。

東京を写真を手に彷徨い歩きながら、彼女は4人の人物に出会い会話を重ねます。
失うことへの不安、焦燥、自らが信じていたものへの疑問。
様々な想いを掻き立てられながら、次々と立ち現れる”問い”に内なる対話を深め、
彼女は、自らの中にあったはずの何かを埋め戻そうともがくのですが・・・というお話。

海外ですでに高い評価を得ています。

PRISMA Rome Independent Film Awards PRISMA FEBRUARY「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
ASTI INTERATIONAL FILM FESTIVAL「Premio del PUBBLICO(観客賞)受賞」
GOLDEN WHEAT AWARDS「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Madrid Art Film Festival「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Logcinema Art Films「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Silk Road Film Awards Cannes「BEST FEATURE FILM(最優秀長編映画賞)受賞」
Across the Globe Film Festival「BEST FEATURE FILMノミネート 最優秀主演女優賞ノミネート(石川 理咲子) 最優秀助演俳優賞ノミネート(小野塚 老)」
World London Film Festival 「Gold Selection選出」

などなど、これでも一部のアワードだけ抜粋していますが、もう受賞しまくってます!


私はどこから.jpg


すごいんですよ・・・始まってしばらく無音です。
状況を把握しながら不思議な感覚で夢中になって見ていたら、やっと人の声がしたときには私ビクッとしてしまって。笑
そこから「問い」のセリフのシャワーです。
最初に出会う初対面の女性との会話では、なんでそこまで言われなきゃならないんだ!と、心の中でツッコミもしましたが、そうしているうちに数々の問いを観客が考えるようになるんですね・・・。

北尾和弥監督に、海外から評価された点の一つをお伺いしたところ「漂白された音の部分」とおっしゃっていました。
確かに、いろんな音が四方八方から聞こえてくる渋谷の街のシーンでも、数少ない音しか聞こえていなかったんです。これって、ちょっとした違和感なんですよね。
でも、実際の生活でも周りの音がサイレントになる自分だけの世界ってあるので、そこでだんだん主人公と自分を重ねられていくんだろうなと思いました。

セリフの中で「あなたの記憶は印象でしかない」というのが個人的には印象的で、過去の(特に誰かとのコミュニケーションを)思い出すことがよくあるのですが、時が経ってそれらはおそらく私の都合のいいように映像も含めて塗り替えられているんだろうなぁ・・・


そんなことを色々考えさせられる作品です。
今日からシアター・イメージフォーラムで公開。
名古屋でも上映されるといいですね。

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2022年02月25日

シーアのカラフルカラーは多様な世界を優しく包み込んで。映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」

今日公開となります「ライフ・ウィズ・ミュージック」。

ZIP-FMではよくオンエアされているシンガーソングライター、Siaの初監督作品となります。
原案、脚本、製作、全てをSiaが担当。で、内容も、自身の実体験です。かつて薬物やアルコール依存症に陥り、自殺を試みるほど絶望した彼女を救ったのが友人や音楽だった・・・その苦しみを乗り越えてきた半生を主人公に託したというもの。そして、その主人公ズーを演じるのが映画「あの頃ペニーレインと」のケイト・ハドソン。そして、注目は妹役!Siaの大ヒット曲”シャンデリア”のMVで踊っている女の子です。





アルコール依存症のリハビリテーションプログラムを受け、孤独に生きる(ケイト・ハドソン演じる)ズーは、お婆さんが亡くなったという一本の電話を受け、久しぶりに家に帰ります。するとそこで久しぶりに再開したのが自閉症の妹ミュージック。(ミュージックちゃんっていう名前!)
妹と暮らすことになったズーですが、環境の変化に敏感なミュージックとの生活に困惑してしまいます。そこに優しく手を差し伸べてくれたのが、隣に住む男性エボ。3人での穏やかな生活に居心地の良さを覚え始めたズーは、孤独や弱さと向き合い、自身も少しずつ変わろうとしていくのですが・・・というストーリー。

この作品、第78回ゴールデングローブ賞(コメディ・ミュージカル)最優秀作品賞にノミネートされました。すごいですね〜。レディガガに続き、こちらは監督としてですがSiaも凄い!
で、このゴールデングローブ賞でケイト・ハドソンは最優秀主演女優賞にノミネートしたので、やはり彼女の演技の貢献も素晴らしいんですが、音楽モノが合うんですよね。
SNSでケイトが歌っているところを見たSiaが少しかすれ気味の声、だけどソウルフルで繊細な歌声に「主人公のキャラクターにピッタリだわ!」とオファーすると、ケイトからも「もちろん!」と即答だったそうです。

で、もう一人。素晴らしいのが妹ミュージック役のマディ・ジーグラーという女優さんというか、ダンサーの方なのかな。表現者っていうんですかね。”シャンデリア”はMVの再生回数が22億回を誇っているんですけど、その理由はやはりこのマディちゃんのダンス、存在感でして、今回の映画では自閉症っていう難しい役なんですけど、常にヘッドフォンで音楽を聴いていて、音楽から色とりどりの世界が広がっているっていうイマジネーション豊かな女の子なんですよ。それが、彼女以外考えられないっていうくらい、Siaの音楽を表現するのが彼女だけなんだと思うんですけど、とにかく凄いし、魅力的!

この映画は、最初から歌とダンスで始まります。それが、セットも衣装もSiaならではのポップカラー。はっきりとした赤とか、オレンジ、ピンク、イエロー、ブルー、グリーン、要は、妹のミュージックの頭の中の世界を表現しているんですけど、何ていうか・・・楽しくもあるし華やかでもあるし、でも、この映画っていうのは、Siaが自閉症のお子さんを抱えている女性と出会ったときに「自分がいなくなってしまったら、誰がこの子を愛してくれるのかしら?」っていう言葉を聞いたことから着想を得たんですって。そう考えると、行動が自分で制御できない意思疎通が難しいかもしれない、そんな子が放つポップカラーをどう輝かせ続けてあげられるのか・・・。

そこには、やはり多様な人々が暮らす社会について考えさせられる作品でもありますし、普通のミュージカルとちょっと違うミュージック・ムービーを楽しむこともできるし、あとは、家族を愛することで自分の心が愛で満たされるっていうことを主人公のズーが知っていくので、それが結構感動するんですよ。ぜひ人を愛しいって思う気持ちもこの映画から感じてください。

映画「ライフ・ウィズ・ミュージック」今日全国公開です。





全曲Siaが映画のために書き下ろしています。


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2022年01月28日

音楽に魔法がかかる未来であってほしいのです。映画「ロックフィールド」

1960年代、イギリスの片田舎に世界初の滞在型スタジオを作った兄弟がいました。 キングズリーとチャールズによるウォールズ兄弟は家業の酪農家を継いだ音楽好き兄弟。 ふたりはアーティストになることを夢見てロンドンへ向かいましたがあっけなく夢は破れ、かわりに自分たちの農場を録音スタジオに改造します。 その場所で生まれたロックの傑作は数知れず・・・。





先週末公開されました映画「ロックフィールド」 1970年代から2000年代にかけてブリティッシュロックの名曲を生み出した伝説のスタジオ「ロックフィールド」のドキュメンタリー映画となります 。





ブラック・サバス、クイーン、エコー&ザ・バニー・メン、イギー・ポップ、デヴィッ ド・ボウイ、ジューダス・プリースト、ロバート・プラント、シンプル・マインズ、モー ターヘッド、ダムド、アズテック・カメラ、ピクシーズ、ブー・ラドリーズ、ザ・シャー ラタンズ、コールドプレイ、マニック・ストリート・プリーチャーズ、ストーン・ローゼ ズ、ザ・キュアー、XTC、スエード、カサビアン、ニュー・オーダー、オーシャン・カ ラー・シーン、ポール・ウェラー、ジョー・ストラマー、そして、オアシスなどなどが、 曲作りをしたスタジオです。

これ、場所はイングランドではないですね、ロンドンから西へ230キロ離れたウェールズ になります。広大な土地で周りには何もないところ。最初はただ趣味で音楽機材を屋根裏に運んだことから始まったのですが、開いている部屋を宿泊用に改修したことから、宿泊 が可能な滞在型の音楽スタジオを設立します。 では、ここからはネタバレを含みますので知りたくない方はお気をつけください。
この「ロックフィールド」というスタジオの話題が徐々に広まり、ミュージシャンが使いたいといい始めます。まず最初に使用したのが!





はい、ブラック・サバス。オジー・オズボーンがこの作品で最初に語ってくれます。 録音スタジオ自体が初めてだったというオジーですが、農場も初めてだったそうです。 オジーは、イングランドのバーミンガム出身でちょっと都会っ子なんですね。 牛や馬や鶏が自由にのびのびしている光景に驚きます。

広々とした敷地に沼っていうか池があって、そこでイカダに乗ってはしゃいだりする様子がみられるんですが、何よりよかったのは、どんだけ音量をデカくしても迷惑にならないっていう環境ですよね。この”パラノイド”はここで生まれました。続いて!





はい、ジッピーにもおなじみのボヘミアン・ラプソディ。 外でブライアン・メイとロジャー・テイラーかな・・・フリスビーで遊んでいたそうで、 レコーディングは?って聞いたら「いや~、今フレディがピアノ弾いてんだよ」と。 まぁ、あとは想像にお任せしますが、このピアノのフレーズが生まれた場所がロック フィールドのどこか、というのが仰天です!





さぁ、オアシスはリアム・ギャラガーがFワードを何連発するんだ!ってくらい連呼して いましたが、思い出はいい思い出もノエル・ギャラガーとの喧嘩の思い出もいろいろ話してくれています。スタジオで働くミキサーの男性がオアシスのメンバーを昼間からパブへ送り迎えしなきゃいけない、それも仕事だったっていうのが面白かったですね。





はい、この曲もここロック・フィールドで生まれました。意外な本音も聞けました。 Simple Mindsは、デヴィット・ボウイがやってきたエピソードが楽しかったです。

Manic Street PreaturesやThe Charlatansも語っています。
ここは悲しいことも起きた場所で、ティム・バージェスがその状況を話してましたね。





この曲が生まれたのは、なんとロック・フィールド!
本当に星が出ていた夜で「わぁ、見て!星が出ているよ」という瞬間だったそう。。

詳しくはぜひ映画でご覧ください。


ロックフィールド.jpg


で、このドキュメンタリーで語られていたことなんですが 今の時代、10代のバンドではレコード会社はお金をかけられない。 コンピューターで録音もできてしまうことも原因にある、と。 完璧さを求めればそれはできるのだけれど、音楽には魔法がかかることがある。 それが、ロックフィールドだった、っていう話で・・・ジーンとしちゃいましたね。

映画「ロックフィールド」現在、伏見ミリオン座で公開中です。
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2022年01月21日

お家騒動もポップな名曲の数々で心情がしっかりと。映画「ハウス・オブ・グッチ」

先週末全国公開されまして、映画業界や映画ファンが注目するのはもちろん、ファッション業界やファッションがお好きな方や、レディ・ガガのファンももうご覧になった方いらっしゃると思います。映画「ハウス・オブ・グッチ」。
イタリアのラグジュアリー・ファッション・ブランド「グッチ」の実話に基づいた映画ですが、他のファッションブランドの映画と何が違うかというと・・・お家騒動の話になっているところですね。





貧しい家庭出身ですが野心的なレディガガ演じるパトリツィア・レッジャーニ。
とあるパーティーで、イタリアで最も格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチと出会います。
パトリツィアの美貌と知性に心奪われた彼は父親の反対を押し切り結婚。
しかし、次第にパトリツィアは一族の権力争いまで操り、強大なファッションブランドを支配しようとするのですが・・・というお話。





一族、ですから、グッチが誰のモノになっていくのかは、候補者が何人かいるわけです。
結婚した段階で、グッチはマウリツィオのお父さんとそのお兄さん(伯父さん)の二人で仲良くやっていて、そのおじさんっていうのがアルド・グッチっていうグッチを世界展開してビジネスを拡大した人で、映画ではアル・パチーノが演じています。重要人物ですね。彼が、自分の息子(映画ではバカ息子って呼んでるんですがw)その息子よりマウリツィオとパトリツィアを可愛がっていくわけです。
じゃ、その息子は・・・っていうと、自分では斬新なデザインや色使いでグッチに新しい風を吹かそうとしている、でも理解されない、なぜか、ちょっと変わり者でクセがあるんですね。そのパオロ・グッチ役を映画「ダラス・バイヤーズクラブ」のジャレット・レトが演じているんですが、クセがすごいんじゃ〜っていうキャラで、特殊メイクも施しているんで全然ジャレット・レトってわからないんですけど、とにかく彼が出てくるたびにクスッとしちゃいますね。

あと、笑うといえば、アル・パチーノが最初登場するとき日本語なのが映画館で笑いが起きていましたね。時代的に、日本はバブルで高級ブランドが売れまくった時代だったと思うんですけど、そういう描写がいくつか出てくるのでぜひ楽しんでください。





そして、意外だったのが音楽の使い方ですね。
最初に流れる印象的な曲が今流れているジョージ・マイケルの”Faith”。目の前に現れた魅力的な女性に対して「恋の駆け引きはお見通しさ」と言いつつ「でも今は自信がないんだよ」っていうまさにアダム・ドライバー演じるマウリツィオの心境を代弁しているかのようなんですね。
その後に、ドナ・サマーが何曲か使われているさっきかかってたのは”I Feel Love”って曲ですけど、もう1曲”Love To Love You Baby”っていう邦題が”愛の誘惑”っていう曲、これはおそらくちょっとセクシーな意味合いが含まれているんですけど、そういうシーンもあるので、結構効果的に使われていたり・・・New OrderもDavid Bowieも流れます。


ハウスオブグッチ.jpg


そして、Blondieの”Heart of Glass”ですね。
本当に素敵な恋だったのに・・・お願い、私を捨てないで。きっとうまくやっていけるわ、と。

映画は、夫マウリツィオに対してレディ・ガガ、妻のパトリツィアの、復讐、そして殺人に至る姿が描かれていく、という展開になっていきます。

いやぁ、本当に純粋にグッチが好きでグッチの服着てます!って人は見ないほうがいいかもしれないですね。夢が壊れるとまでは言わないですけど、エンターテインメントとしてサスペンス映画を楽しむつもりで見ていただけたらなと思います。
あぁ、でもグッチの歴史のような感じで服とかカバンとかいっぱい出てくるから、やっぱりグッチ好きは見ないとダメかな。笑

映画「ハウス・オブ・グッチ」現在公開中です。





この曲も「雨のように降り注ぐ記憶や感情はあなたによるものなのよ」っていう、夫への愛と執着っていうのが完全に音楽で表現されている、そんな曲です。

ちなみに、イタリア、グッチ家のお家騒動ということなんですが、この作品、本家グッチ家は腹を立てているそうです。
妻による暗殺事件っていうのは事実なんですが、問題なのは人物描写らしくて、さっきお話ししたアル・パチーノやジャレット・レトが演じているグッチ家の人々。
要は、なんか茶化してるんじゃないか、みたいな。小馬鹿に、じゃないですけど。
あとは、レディ・ガガが主演なので、そっちが被害者っぽく描かれていないか、と。
グッチ一族に人物について聞いたりとかしなかったみたい・・・。


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2022年01月07日

年が明けるとデヴィット・ボウイを想う。映画「ジギー・スターダスト」再び公開。

2022年は、デヴィッド・ボウイ生誕75年、そして、彼をスーパースターに押し上げた、ロック史上燦然(さんぜん)と輝く名盤「ジギー・スターダスト」が発売されて50年となります。その「ジギー・スターダスト」を提げて行ったツアーの伝説的な最終公演を収めたライブ映画「ジギー・スターダスト」が、誕生日の前日1月7日に公開となります。





5年後に滅びようとする地球に異星(地球以外の星)からやってきたスーパースター「ジギー・スターダスト」にデヴィッド・ボウイが扮し、ロックスターとしての成功から、その没落、絶望、そして復活までを描いたのがコンセプト・アルバム「ジギースター・ダスト」です。

この映画では、デヴィッド・ボウイが1972年から73年にかけてイギリス、アメリカ、日本で行ったツアーの最終公演、ロンドンのハマースミス・オデオン劇場での伝説的なライブを撮影しています。





「ジギー・スターダスト」
”スターマン”は、ラジオでジギーの曲を初めて聴いた子どもの視点で書かれた曲。
”屈折する星屑”はそのジギーが絶頂から没落するのをバック・バンドの視点で描いた曲になっています。で、そこから復活する曲”ロックンロールの自殺者”は後ほどお届けしますが、とにかく、この時のボウイは神格化(神様)だった訳で、ライブに訪れた若い男女ともにものすごい熱狂的かつ、ボウイがやってることが先を行き過ぎていて、はっきり言ってよくわかっていないっていうファンも多かったんですよね。狂気と歓喜と戸惑いが同時にある感じ。
それが、この映画を見ると、とてもよくわかると思います。結局はかっこいいんですけどね。

この時のステージ衣装には、ロンドンでコレクションをして間もない27歳の山本寛斎が担当。
この衣装を手がけることになった最初の出来事っていうのが、とても素敵なエピソードで、ある日友人から「今すぐニューヨークへ来い!」って電話があったんですね。
それで、仕事のスケジュールを急遽変えてニューヨークに向かい、デヴィッド・ボウイのショーを見たら、なんと天井から舞い降りてきた彼の衣装が自分がデザインしたものだったと。
思わず涙が出たそうなんですが、そこから仲良くなって、このジギー・スターダストの衣装を手がけることになったそうです。
でも、この世界観は衣装なしでは完璧にならなかったでしょうから、とても大きな役割ですよね。





そして、映画を見ていて興奮するのは、ギタリスト、ミック・ロンソンの存在ですね。
70年代をボウイと共に駆け抜けたミュージシャンですが、様々な映画やエピソードから紐解くに、バンドメンバーっていうのはボウイに言われるがままの演出をしているだけなので、衣装とか特に全く理解不能で、なんだこの派手な衣装は?みたいな反応だったらしいんですけど。笑
まぁ、ミック・ロンソンに至っては、これもミックのドキュメンタリーからのエピソードですが、デヴィッド・ボウイって、物語を描いたり、見せ方においては秀でた才能の持ち主ですが、機械いじりはできなかったミュージシャンだったんですよね。この頃は特に。
その部分を補っていたのが、ミック・ロンソンだったわけです。ま、でもミックはとても謙虚な人で、とにかくボウイの横でギターを弾いてるのが楽しい!っていう感じがこのライブでも溢れ出ています。

監督は、ボブ・ディランの「ドント・ルック・バック」で音楽ドキュメンタリーの歴史に一線を画した、アカデミー賞名誉賞受賞監督のD.A.ペネベイカー。
全曲の歌詞の翻訳を、シュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎が行っています。
この日本語訳も素晴らしいので、ぜひ堪能してください。

映画「ジギー・スターダスト」今日からセンチュリー・シネマで公開。
その後、イオンシネマ長久手や三重の進富座などで順次公開となります。
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2021年12月17日

ロンドンの60年代はこんな感じでは体験したくない!? 映画「ラストナイト・イン・ソーホー」

番組ではザ・ビートルズとかローリング・ストーンズの曲をよくかけているので、1960年代のイギリスのロックサウンドに割と耳が慣れていらっしゃるジッピーがきっと多いと思うのですが、まさにその当時のロンドンのカルチャー好きにはたまらない作品です。
しかし、この映画、ただのカルチャー映画ではありません。現代と過去、異なる時代の2人の女性の夢と恐怖がシンクロする、タイムリープ・サイコ・ホラー「ラストナイト・イン・ソーホー」が現在公開中です。





ファッション・デザイナーを夢見るエロイーズは、田舎から上京してロンドンに移住してきました。しかし、60年代のスタイルが好きな彼女は今時の女子たちである同級生たちとの寮生活に全く馴染めません。逃げ出すように、ソーホー地区で一人暮らしを始めることにします。
ところが、この新居のアパートで不思議なことが起こるんです。ベッドで眠りにつくと60年代のソーホーにいることに気づきます(タイムリープ、つまり時間を飛び越えちゃったんですね)。

そこには、歌手を夢見る魅惑的なサンディがいて、なんと自分の体や感覚とシンクロしています。その体験が自分の創作活動にも影響を与えて充実するようになり、エロイーズはタイムリープを繰り返していきます。ところが、ある日、夢の中でサンディが殺されているところを見た彼女は、恐怖に怯え、精神を蝕まれてしまいます。そんな中、サンディを殺した殺人鬼が現代にも生きていることを知り、エロイーズはたった一人で真相を突き詰めようとするのですが・・・というお話。

ソーホーっていうのは、街(地区)の名前ですね。特にこの時代は、映画とかファッション、音楽などが流行して、「スウィンギン・ロンドン」っていう言葉を聞いたことある方も多いと思いますが、日本だとモデルのツィッギーの登場でミニスカートが大流行したことも有名ですよね。

で、映画は、謎解きも入るので最後まで楽しめるんですが、ま、あとは音楽がウォーカー・ブラザーズだったり、ザ・キンクスとか60年代のイギリス音楽がずっと流れてて、気は紛れるんですが・・・ホラーじゃないですか。もう、なんだか知らないけど、私、気づいたら、喉からっからになってました。笑





監督は、「ベイビードライバー」が大ヒットして大きな評価も得たエドガー・ライト監督。
で、女優さんが今見るべき2人ですね。
エロイーズ役が映画「ジョジョ・ラビット」にユダヤ人少女の役で出てたトーマシン・マッケンジー、そしてサンディ役が Netflixのドラマ「クイーンズ・ギャンビッド」でチェスの天才少女の役を演じたアニャ・テイラー=ジョイ。鏡に映るシーンは実際に同時に演技をしていたそうです。

さらに、知っておくと楽しめるのが、エロイーズが住むアパートのオーナーさん、この女性は1階に住んでいるんですけど、その役をダイアナ・リグっていう大女優さんが演じています。
この方、1969年に「女王陛下の007」のボンドガールを演じてた方で、その前はテレビドラマ「おしゃれ探偵」の主役でスウィンギン・ロンドンを象徴するファッション・アイコンのひとりだった女優さんなんですね。彼女が存在としては大きい。

もうひとつは、さっき鏡に映るシーンの話をしましたが、エロイーズとサンディのそばにクローク係の男性がいるシーンがあるんですよ。で、同時に撮影してるってことは、その男性も2人いないといけないじゃないですか。それを何と、ハリーポッター・シリーズの双子のフェルプス兄弟が演じているので、ほんのちょこっとのシーンなんですが、ハリポタファンは見逃さないでくださいね〜。

映画「ラストナイト・イン・ソーホー」、現在全国の映画館で公開中です。





映画ではサンディが歌っているんですが、こちらはオリジナルバージョンで。


ラストナイトインソーホー.jpg


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2021年12月03日

ザ・スミス漬けになります。映画「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」

1980年代、イギリス・マンチェスターにザ・スミス。というバンドがいました。
ZIP-FMでも今後ろでかかってる”This Charming Man”とかオンエアされていたりしますが・・・

ここ5年くらいですと、ボーカリストのモリッシーが来日公演で名古屋に来てくれたり、ギタリストのジョニー・マーがフジロック・フェスティバルに出演したりしていて、存在は知っているという方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。
日本でもずっと大ファンって人が多くて、クラブイベントだと今でも「ザ・スミス・ナイト」と銘打って一晩中ザ・スミスの曲ばかり流すっていうのもあるくらいですが。
さぁ、そんなザ・スミスを題材にした青春ムービー「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」が今日公開です。





関係者やファンの間で長年語り継がれてきたザ・スミスファンのラジオ局ジャック事件に着想を得たという作品です。ポイントはアメリカが舞台、ということですね。





コロラド州、デンバー。
ザ・スミスの解散を知ったスーパーで働く女の子、クレオはニュースが流れても普段と変わらない日常に傷ついていました。レコード店で働く男性店員ディーンに「この町の連中に一大事だとわからせたい」と訴えます。
ディーンはクレオをデートに誘いますが、友達が軍隊に入るから仲間と集まると断られ一人に。
するとなんとディーンは拳銃を持って、地元のラジオ局に押し入りザ・スミスの曲をかけろ、と脅し、占拠したスタジオでひたすらザ・スミスの曲をオンエアしていくのですが・・・というお話。

これジャックすることになる地元のラジオ局っていうのが、ヘビーメタル専門の放送局っていうのが面白いんですね。アメリカだとラジオ局がたくさんあるじゃないですか。
細分化されていて、ジャンルごとにラジオ局が存在するので、今回ジャックしたラジオ局がヘビメタ専門っていうのも設定としては不思議じゃない・・・んですが、そのラジオ局にたった一人いるラジオDJっていうのが、スタッズとかKISSのアップリケの付いたGジャンのベストに長髪を一つに結んで髭を生やした、いかにもヘビメタを愛していそうっていうDJなんですよ。

銃を突き付けられらから渡されたザ・スミスのレコードを次々かけていくんですけど、二人のやりとりが、最初はもう笑いの連続です。これヘビメタファンも見たら絶対笑えます。
で、ザ・スミスの曲を聴きながら音楽の話だけでなくプライベートの話にまでなっていって、もう、とにかく・・・いいんですよ。





一方、女の子のクレオちゃんの方は、仲良しの男女4人でパーティーに出かけていくんですが、ザ・スミスファンであることで男性だけど顔にメイクを施しているのをイジられたり、女の子の方も価値観の合わない男の子とのコミュニケーションで、改めて自分の気持ちに気付いて傷付いたりするんですけど、その繊細さが、まるでザ・スミスの曲みたいなので。
馬鹿騒ぎする中で、それぞれ悩みを抱えているっていう描かれ方もすごく良かったですね。

監督はロック作品で有名なスティーブン・キジャックで、ミックジャガー直々の依頼でストーンズの映画手掛けたり、ジャズ・ベースプレイヤーのジャコ・パストリアスのドキュメンタリーを監督した人です。

ザ・スミスの曲が20曲以上使われていて、まるで目くるめく感じです。
ファンの方は絶対に絶対に見てください。見ないと後悔しますよ〜。

映画「ショップリフターズ・オブ・ザ・ワールド」今日、伏見ミリオン座、TOHOシネマズ赤池、109シネマズ明和で公開となります。ぜひ足を運んでください。





【超ネタバレです!】


映画始まってすぐ、あんなに本物のThe Smithsが出てくるとは思いませんでした。
しかも結構ラストまで出てくるんですよね。ファンにはたまらないでしょう。

数多くの楽曲の使用許可が出ていることからも、かなり信用性の高い作品なんだなと思いました。
80年代を舞台にした青春ムービーではありますが、完全なスミス映画と言って過言ではない作品です。


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2021年11月12日

コロナという時代をきちんと残して。映画「HARUOMI HOSONO SAYONARA AMERICA」

日本を代表する音楽家、細野晴臣さんのドキュメンタリー映画が今日公開です。





「エイプリルフール」でデビュー、その後「はっぴぃえんど」「ティン・パン・アレー」そして「Yellow Magic Orchestra」として活動、80年代には松田聖子、中森明菜などの楽曲を手がけ、フォーク、ロック、ポップス、テクノ、アンビエント、ワールドミュージック、エレクトロニカなど様々な音楽を探求する一方、映画「万引き家族」ではサウンドトラックも手がけました。
2019年に音楽活動50周年を迎え、初のアメリカ、ソロライブを行ったんですが、そのアメリカ公演を追ったドキュメンタリー映画「SAYONARA AMERIKA」。





映画の中でもおっしゃっていたんですが、2019年、まさか直後にコロナがやってくるとは予想しないわけで・・・このアメリカでのライブは決まっていたんですが、これを映画にするにあたって、
今の自分の考えを入れていこう、コロナで生きることも精一杯な中で感じたことも盛り込みたいということで、細野さん自身も制作に関わっています。

なので、映画の構成としては、アメリカでのライブと観客へのインタビュー、それから細野さんの語りとバンドメンバーとの振り返りトーク、という風になっています。

ライブは2019年5月28日&29日、ニューヨークのグラマシー・シアター。
6月3日、ロサンゼルスのマヤン・シアター。これが、細野さんにとって初のアメリカ、ソロライブだそうです。細野さんはかなり不安だったらしいんですけど、蓋を開けてみたら、NY公演がチケットソールドアウトになって、2日目は追加公演だったんですよね。
映画は、そのライブの開場を待つ、ファンの長蛇の列の映像から始まります。
アメリカ人だらけです!

「好きなアルバムは『パシフィック』100万回聞いた」とか
「構築されていて、躍動感があって、愉快で気が利いている」とか。
「レコードが全部違う。でも音楽家に生涯変わらないでとは思わない」とか、
ファンの方の愛と理解も感じますし、音楽の聴き方がちゃんと自分の解釈があって、この映画のラストにもライブを見たファンの感想がたくさん出てくるんですけど、それを聞いているのも、すごくよかったですね。なんとなく、あー細野さんのファンぽいっていう雰囲気はみんな統一あるのも感じ取れました。笑





細野さんが1947年生まれで、幼少期はアメリカの音楽、映画、アメリカ文化で育っているので、曲紹介のときにそのエピソードが出てきたり、カバーしたアーティストのご本人とかアニメーションとかも出てきて・・・細野さんのアメリカン・ミュージックへの敬意とか愛が詰まっているのが、音楽からもライブそのものからも感じられるので、それが観客に伝わってお客さんも嬉しそう、っていうかすごくいい雰囲気なんですね。
ライブで細野さんのMCを目をキラキラさせて聞いている様子が、こちらも嬉しくなっちゃうので、その辺りもぜひこの映画で楽しんでください。

ライブメンバーは、G/高田蓮、Dr/伊藤大地、Ba/伊賀航、Key/野村卓史
さらに、細野さんのところに、ビーチボーイズの名曲を作ったヴァン・ダイク・パークスや、ラヴィン・スプーンフルなどでも知られるジョン・セバスチャンが訪れますので、それはもう微笑ましいですし、すごい2ショットですし、貴重なショットだと思いますので見逃さないでください。

映画「HARUOMI HOSONO SAYONARA AMERICA」は、名古屋センチュリーシネマ、MOVIX三好、ユナイテッド・シネマ豊橋18にて今日公開となります。





アメリカのライブでこの曲、人気でした。AL「フィルハーモニー」から。

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2021年11月05日

ブラフマンもちゃんと流れます、映画「きのう何食べた?」

累計発行部数815万部を突破した よしながふみによる人気漫画を、西島秀俊・内野聖陽のダブル主演でドラマ化した「きのう何食べた?」。料理上手で倹約家のシロさんと、その恋人で人当たりの良い美容師ケンジの二人の日常とシロさんの手作りご飯を描いた作品は、すぐに大人気となり、2019年4月にテレビ東京系で放送されるとTwitterでは世界トレンド1位になりました。私もリアルタイムで見ていましたが、内野聖陽さんが本当にケンジそのもので大興奮しましたね。
ま、そんなファンの熱も熱い作品の映画化「劇場版 きのう何食べた?」おととい公開となりました。





街の小さな法律事務所で働く雇われ弁護士、筧史郎(西島秀俊演じるシロさん)と、その恋人で美容師の矢吹賢二(内野聖陽演じるケンジ)。同居するふたりにとって、食卓を挟みながら取る夕食の時間は、日々の出来事や想いを語り合う大切なひとときです。
ある日、シロさんの提案で、ケンジの誕生日プレゼントとして「京都旅行」に行くことになります。
しかし、この京都旅行を機に、二人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい・・・というお話。

ここまで、お話しすると察していただけると思いますが、同性愛で作品としてはBL系という人もいるかも知れません。原作の漫画は「モーニング」に掲載されて今も続いています。
作者のよしながふみさんは「大奥」を書いていらっしゃった先生でもありますが、、

この「きのう何食べた?」が素晴らしいのは、日常がものすごく尊いものだということがすごく伝わってくる作品なんですね。生きていく上で、自分にとってどんな生活が大事なのか。パートナーや家族を大切にするっていうのはどういうことか、っていう・・・。
で、この作品読んでゲイの方たちのこともいろいろわかるんですけど、コミックの前半何巻かで出てくるのでお話しすると、例えば、親へのカミングアウトをどういう風にしたか、とか、同じ同性愛者の人と出会って付き合うまでどういう風なのか、どういう勇気が必要か、とか。
(このふたりの場合は、住むところがなくなったケンジに「うちに住む?」ってシロさんが誘って、もうそれがしっかりした恋人ってことですよ、みたいな意味合いもあったり・・・)。

あとは、結婚できない同性カップルにおいて、遺産相続を残したい場合どうするか、とか。

今回の映画では、両親に無事ケンジを紹介したシロさんだったんですが、その後再び「やっぱりお正月は彼は連れてこないでほしい」と言われて、そこで、また難局に直面するわけですね。
でも、これって、同性カップルだけに起こるわけじゃなくて、例えば姑が嫁を毛嫌いして困る、とか家族でも親戚でも友人同士でもあったりするじゃないですか。

そういう状況になったときに、この映画でシロさんが何を決断するのか、ケンジにどう向き合って、どう両親を大切にするのかっていうのを見て・・・なんか私は自分の中の何かがスッとしましたね。同じモヤモヤ抱えている人多いと思います。


監督は、最近ではドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の中江和仁。
脚本は、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の安達菜緒子。
仲良しの友人カップル山本耕史&磯村勇斗のドタバタも健在、そして今回新キャストにSixTONESで今NHKの朝ドラに出ている松村北斗が美容師役で登場しています。

大事なお料理のシーン、今回はキャラメルリンゴのトーストや、ローストビーフ、あと鍋のシメのシーンは男性4人でキャッキャしてるので、ぜひ楽しんでください。
笑って、笑って、おいしそーって言って、また笑って、ホロっと涙腺ゆるむ、そんな映画です。

映画「劇場版 きのう何食べた?」現在全国公開中です。


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2021年10月27日

映画「クルエラ」はロックだけでなくソウルのチョイスも最高でした!

今朝のZIP-FMは「Disney サウンドトラックDay」ということで、映画「クルエラ」をご紹介しました。
原作は名作アニメーション「101匹わんちゃん」。そもそもこっちの原作って、どのくらいの方がご存知なんでしょうね・・・犬は白に黒ぶちのダルメシアンで、子犬がいっぱい生まれるんですけど、クルエラは毛皮にするためにそれらダルメシアンを捕まえようとするって話ですよね。
ですが、こちら実写版はその悪名高きクルエラの誕生秘話をスタイリッシュなパンクロック映画に仕上げました。







Florence + The Machineが歌う主題歌"Call Me Qruella"。

舞台は、パンクロックが台頭していた1970年台のロンドン。髪の毛の片方半分が真っ白、もう片方が真っ黒の少女エステラは個性が強くやんちゃで、男の子とも喧嘩ばかり。お友達は愛犬しかいません。結局小学校を辞めることになります。何とか生活をしていかなければいけないと、お母さんととあるお城を訪れるのですが、なんとそこでお母さんが亡くなってしまいます。
月日は経ち大人になったクルエラは、反骨精神と独創的な才能を活かし、ファッション・デザイナーになることを決意。ロンドンで最も有名な百貨店に潜り込んでいたある日、伝説的なカリスマ・デザイナー、バロネスと出会うのですが、彼女の元で働いているうちにある真実を知ってしまい・・・というお話。その後エステラは、ファッショナブルで破壊的な復讐心に燃えるクルエラへと変貌していきます。





パンクカルチャーっていうのは、いわゆる一言で言えば「破壊」の文化ですから。笑
パンクロックもそうですし、この当時のイギリスのファッションもそうですし、で、この実写版では本来悪役だったクルエラの誕生秘話をこの”パンク”にスポッと当てはめてみたってことなんですけど、もうそれが絶妙にハマったという感じですね。
で、この作品。コロナの中、アメリカでは今年5月にDisney+の有料オプション「プレミアムアクセス」で公開となったんですが、たった数日でとんでもない興行収入を叩き出しまして、一週間ちょっとで早くも続編の制作に乗り出した、というニュースが出たほどの高評価の作品です。

主演エステラ/クルエラ役を演じるのは映画「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン、そして、カリスマ・デザイナー、バロネス役はエマ・トンプソン。彼女はベテラン女優さんですね。「ハリー・ポッター」シリーズでも有名ですが、クリスマス映画「ラブ・アクチュアリー」でジョニ・ミッチェルを聴きながら涙する女性の役で出ていた方です。このエマ・トンプソンがかなり悪い役をしっかり演じてくれているので、クルエラがどんだけ派手にやっても(復讐しようとしても)応援して見たくなるっていう感じですかね。





そして、音楽がもう最高です!
お酒飲んで百貨店のショーウィンドーをめちゃくちゃにするシーンにナンシー・シナトラを使ったり、バロネスが初めて登場するシーンにドアーズ、また、クルエラがゲリラ的にファッションショーをするシーンでは、Deep PurpleのHushが使われたり、その他、Queen、The Clash、ブロンディなどなど、あらゆるシーン全てで流れているロック、パンクだけでなく、今かかっているOHIO PLAYERSなどソウル系のチョイスもどれもエッジが効いててカッコ良かったです。

番組の選曲がお好きな方には間違いなく楽しんでいただける映画ですので、ぜひ映画「クルエラ」Disney+でご覧になってくださいね。





このカバーも最高でしたね・・・。



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2021年10月22日

イギリスに実在した音楽ライターの実話青春物語「ビルド・ア・ガール」

今朝ご紹介するのは、イギリスのジャーナリストでベストセラー作家でもあり、TV司会者も務めるキャトリン・モランの若かりし頃を描いた、映画「ビルド・ア・ガール」です。今日公開。





彼女は、16歳の時に週刊音楽雑誌「メロディ・メイカー」で史上最年少のロック評論家として活躍した人で、その当時90年代のロックシーンを体感しては、それを文章で表現してきたわけですが、さぁその評論というのも時代が時代ですからね・・・笑。





1993年、イギリス郊外に暮らすちょっとポッチャリのメガネ女子、ジョアンナ。
売れないのに今でもミュージシャン志望のお父さんと、2人の赤ちゃんが生まれて産後うつのお母さん、部屋をシェアする兄と素直で可愛い小さな弟の7人で暮らしています。
部屋に飾ってある歴史的有名人やアーティストたちと会話するほどの想像力と、学校の課題に何倍もの文字量で応える文才を持っていながら、学校では冴えない生活を送っていました。
そんな日々を変えたい彼女は、ある日、大手音楽情報雑誌「D&ME」のライターに応募。単身で大都会ロンドンへ乗り込み、仕事を手に入れることに成功するのですが・・・というほぼ実話のお話しです。

今マニックスが流れていますけど、この映画でジョアンナはライブ自体、初めて体験するんですね。それがマニックスのライブなんですよ。ガツンと衝撃を受ける・・・素敵なシーンで、私は目が潤みましたね。笑
当時は今みたいにSNSなどはないですから、音楽雑誌の持つ影響力っていうのは絶大なんです。ジャーナリストにものすごくパワーがあった時代で、ライターの仕事をするにあたって、主人公ジョアンナもタダでライブが見られるパス(シールみたいな)をもらって中に入れてもらう。
どんどん仕事の楽しさを味わっていくんですが、ある時に取材で出会ったロックスターのジョンに夢中になることから、冷静な記事が書けなくなってしまいます。
すると、そこで同僚にアドバイスを受けます。「嫌われ者になるんだ」と。辛口評論家になることで、ドリー・ワイルドという名前で人気が爆発した彼女ですが、そうなったことで今度は自分の心を失っていってしまうという展開になっていきます。





この作品は映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の制作陣が手がけています。
配役も絶妙でして、まず主演のジョアンナ演じるビーニー・フェルドスタイン、彼女は映画「レディバード」の主人公の親友役だった女の子です。地味な女の子からド派手なロック好きに返信する様を見事に演じています。
父親役のパディ・コンシダインはイギリスの「マッドチェスター」という音楽ムーブメントを描いた「24アワー・パーティー・ピープル」に出てましたし、お兄さんの役はモリッシーの伝記映画でギタリストのジョニー・マーを演じていた若い俳優さんなんです。そういったロック映画に出演する俳優さんたち、やっぱりちょっとそういう雰囲気が感じられるので注目して見てください。





そして、主人公ジョアンナが辛口評論家になって、バンドたちをバッサバッサ切っていく文章が、シニカル好きにはたまらない、笑っちゃうんですけど、ネタバレになるのでここでは言いませんが、ちなみに、インタビューで主人公のモデルであるキャトリンさん、インタビューでエド・シーランについてお話ししていました。12年くらい前、まだ有名になる前にテレビに出ているのを見て「もし自分の子供がファンだったら、袋詰めにして湖に沈める」というジョークをツイートしたことがある。今は彼の音楽が好きだし、セクシーでクールだと思っています、と。笑

こういうジョークがお好きな方はめちゃくちゃ楽しい映画です。
さらには「もし人生がうまくいかなかったら」というメッセージも持っている作品です。
映画「ビルド・ア・ガール」は、名古屋センチュリーシネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋18にて今日公開です。





最高ですね。映画でこの曲も使われていましたが涙腺緩みます。

映画ではジョアンナが恋するジョンというミュージシャンが出てきますが彼の人柄もまた素敵です。


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2021年10月15日

デヴィッド・ボウイが世に羽ばたく前の貴重な瞬間を切り取った映画「スターダスト」

現在公開中の映画「スターダスト」デヴィッド・ボウイの映画になります。
これまでのデヴィッド・ボウイの作品というのは、彼のツアーを追ったドキュメンタリーとか、ずっとそばにいたギタリスト、ミック・ロンソンの映画とか、いろんなのがあるんですが、この作品、デヴィッド・ボウイが世に知れ渡る直前、若かりし頃の一時期を切り取った作品で、しかもデヴィッド・ボウイの楽曲の使用許可が下りなかったという作品です。





時は、1971年。
アルバム「世界を売った男」をリリースした24歳のデヴィッド・ボウイは、世界を目指すため、イギリスからアメリカに渡り、マーキュリー・レコードのパブリシスト、ロン・オバーマンと全米プロモーションツアーに挑みます。しかし、この旅で、自分が全く世間に知られていないことを知り愕然とします。そんな中で彼が出会ったのが、ベルベッド・アンダーグラウンドやアンディ・ウォーホル。彼らとの交流がデヴィッド・ボウイを刺激し、それは後にヒットする別人格”ジギー・スターダスト”を生み出すことになるのですが、病気を患っている兄の心配もあり・・・というストーリー。





俳優さんがミュージシャンを演じる映画ということで、今回この作品でデヴィッド・ボウイを演じているのは、ジョニー・フリン。代表作は「エマ」とか英国アカデミー賞に輝いた「BEAST」 とかNetflixの映画とか・・・でも日本だとまだそんなに知られていないかもしれませんね。でも、この方は同時にバンドもやっていて、そういうところから抜擢されたそうです。
さらには、今回デヴィッド・ボウイの曲が使えないということで、ジョニー・フリンが1曲書き下ろしているんですが、その曲がよかったですね。


デヴィッド・ボウイの実話のエピソードで、彼がベルベッド・アンダーグラウンドのルー・リードだと思って話していた人が実は違う人だったっていう話があるんですが、それでもルー・リードの音楽的な影響ってすごく大きくて、それをイメージしてのオリジナル曲となっています。
で、今回デヴィッド・ボウイの曲が使えなかったことが私は逆に見ていて良かったんじゃないかなぁと思いました。ジョニー・フリンも外見がデヴィット・ボウイに似ているわけではないので、ただ似せて演じるよりも、この映画は天才と呼ばれたデヴィッド・ボウイが実は自分に自信がなくて、弱くて、売れるためにどうしたらいいか迷いながらもやっぱり失敗する、っていう、これまでほとんど知られていなかかった部分(しかもほぼ真実)っていうところがユニークなので、それが見たい人にはオススメです。カッコ悪いデヴィッド・ボウイは見たくないんだ!っていうファンの方で、もしこの映画を見て描き方に批判する人がいたら、それも納得です。


で、映画とは少し離れますが、時代的にはこの後すぐ人気に火がつくんですけど、その時ツアー写真を撮っていた写真家のミック・ロックさんが語っていた話で、ファッションはキラキラ、ヒラヒラ、女性が履くようなサンダルを履いていたり、メイクしてヘアスタイルも奇抜で、本当に異星人をイメージさせる風貌だったから、72年にライブを観に来た若者たちはあっけに取られていたそうなんですよ。でも、73年になったらみんな熱狂してた・・・
デヴィッド・ボウイがやること、ファッションも全てが「これでいいんだ!俺も私もやりたい!」と魅了されたわけですね〜。

そう考えると、やはりこの変化の瞬間を知るのは面白いと思いますし、実は変化したのにはお兄さんのことも関係したのかなと想像させてもくれます。
映画「スターダスト」現在、伏見ミリオン座で公開中です。





映画を見ると1971年にリリースされたAL「Hunky Dory」の聴こえ方もガラッと変わってきます。
「変わるんだ ターンして個性と向かい合い 他のヤツとは違う人間になるんだ♪」

ちなみにアメリカに行っていたとき、当時の奥さんアンジーのお腹の中には子供がいました。彼女とのやりとりも出てきますが、本当に意見をはっきり言うアメリカ人女性で、彼女がパートナーだったことはよかったでしょうね。子供がこれから生まれるって時は、まだ売れていなかったと考えると・・・すごいですよね、お父さんはその後地球人じゃなくなる!みたいな。笑





若き日のデヴィッド・ボウイが兄テリーと共に車中で声高らかに2人のお気に入りの曲を歌うシーン。
お兄さんの存在が結構大きく影響しているように描かれていました。
二人が声高らかに歌っているのは、アンソニー・ニューリーがサミー・デイヴィスJr.に提供したという"What Kind Fool Am I"という曲です。




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2021年10月08日

「いいね」獲りの怖さを知るスタイリッシュな映画「メインストリーム」

最新の興行収入は007の最新作が1位に輝きましたが、ダニエル・クレイグにとっては最後の作品。こういう風に、常に世代交代というのは映画の世界にもつきものなわけですが・・・
今朝ご紹介する映画は、なんとゴッド・ファーザーのフランシス・コッポラのお孫さんに当たります。ソフィア・コッポラ監督の姪っ子にも当たる映画名門一家の新星、ジア・コッポラ監督の長編映画2作目となる作品「メインストリーム」が今日公開です。





テーマは「You Tuberの狂乱」です。
夢と野心が交差するアメリカ・ロサンゼルス。20代の女の子フランキーは、スマホで映像を撮影してはYouTubeにアップしていました。それでは生計が立てられないため、夜はコメディバーでアルバイトをするものの、そこに登場するパフォーマーたちには嫌気がさしていました。
そんなある日、目の前に現れた謎の着ぐるみの男。天才的な話術を持つ彼の名はリンク。
彼のカリスマ性に魅了されたフランキーは、同じくバーで働く作家志望のジェイクを巻き込んで本格的に動画制作をスタートするのですが・・・というストーリー。

このリンクという謎の男の役を、映画「アメイジング・スパイダーマン」の主役だったアンドリュー・ガーフィールドがカリスマ的にスリリングに演じています。
このリンクが演者、つまり動画のスターになって、彼が破天荒な行動をすればするほどYouTubeの再生回数が爆発的に伸びるわけです。そうすると、このSNSの「いいね」っていうのは、媚薬のようなものですよね。よく言えば自信になって創作意欲やアイデアがどんどん湧いてきて、実際スターダムを駆け上がっていくんですが、それが行き過ぎたとき、「いいね」欲しさに過激なことを繰り返したり、攻撃をしたり・・・そうすると今度は批判も当然ありますから、そこでこの若い3人がどのように変化していくのか、関係はどうなっていくのか。
そして、そもそもリンクという人物は一体何者なのか・・・と。





日本でYouTuberの方たちがコロナ禍にもかかわらず飲み会をやって叩かれたことあったじゃないですか。。そのニュースで「YouTuberって結構横つながり(交流)があるもんなんだなぁ」って私は驚いたんですけど、でも今、人気とかアクセス数を上げるためには、それってすごく大事で疎かにはできないものなんでしょうね。映画の中にも、人気が出始めたリンクを招いて人気YouTuberたちが集まって喋る動画制作のシーンがあったんですけど、その新参者を味方にするか敵にするかの見極める感じの雰囲気みたいなものもあって、興味深かったですし、、
しかも、SNSだと、シカトをできなかったり言葉の受け止め方のコントロールが難しかったり、コミュニケーションのとり方が難しい・・・若い子たちも上手くやっているようでできてない、追い詰められたりしてね・・・なんか考えさせられました。今聞いてる親御さんジッピーの中にも、さぞかし複雑な思いでお子さんを見守ってらっしゃる方もいるんじゃないですかね。

SNSの現実社会に切り込んで皮肉る手法っていうのは、ソフィアコッポラにとても近いものは感じたんですけど、このカルチャーっていうのは、きっとソフィアでは撮れなくて、ジア・コッポラ監督だからこそ撮れた作品だと思います。SNSの持つ、人気が出れば出るほどコントロールの効かない世界の恐ろしさ、ぜひ堪能してください。

ちなみに、動画撮影にのめり込んでいく女の子フランキーを演じているのは、これまた2世俳優のマヤ・ホーク。俳優のユマ・サーマンとイーサン・ホークの娘さんでいらっしゃいます!
もう娘たちの時代・・・なのか?笑

ということで、映画「メインストリーム」今日ミッドランド・スクエアシネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋18、MOVIX三好で公開です。





音楽のチョイスも少しソフィア・コッポラ的なセンスを感じます。


ジア・コッポラ
1987年生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルス出身。フランシス・F・コッポラの孫にして、ソフィア・コッポラの姪。写真家としても活動する傍ら、水原希子を起用したユナイテッドアローズのCMディレクターや様々なMVの監督としても活躍、若いながらコッポラファミリーの一員として着実にキャリアを重ねている。そのキャリアからファッション業界とも精通しており、2016年にはGucciのPre-Fallのコレクションと関連した短編フィルムも発表。前作『パロアルト・ストーリー』(15)に続き、長編映画作品2作目にあたる本作でも脚本と監督を務めた。
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2021年09月23日

映画「MINAMATA」たくさんの人に見てほしい問題提議&アート的な作品でした。

今日が秋分の日、祝日ということで今日公開の映画がいくつかあります。その中のひとつが、「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズや「チャーリーとチョコレート工場」「シザーハンズ」など個性的なキャラクターを演じてきたジョニー・デップの最新作「MINAMATA」です。
驚くのは先ほどあげた強烈なキャラは全くチラつかないほど、もうジョニー・デップだって意識することがない完璧な演技です。演じているのはフォトジャーナリズムの歴史に多大な功績を残したユージン・スミス。水俣病を世界に発信したアメリカ人カメラマンです。





1971年、ニューヨーク。報道写真家のユージン・スミスは、「LIFE」の編集長のボブに、自分の回顧展で「LIFE史上最高の写真家だ」とスピーチしてくれ、と頼みますが断られてしまいます。腕は一流でも輝かしい時代は過ぎ去り、金もなく安酒に溺れる日々を送っていました。そんな時に日本のCM撮影の仕事で訪れた、通訳のアイリーンから、日本の大企業チッソが、熊本県水俣市の海に垂れ流している工場排水によって、病気になり命を落としている人々を取材してほしいと頼まれるのですが・・・というお話。

実話になります。このユージン・スミスは、第二次世界大戦の沖縄戦の取材中に大ケガを追っていて一度は断るんですね。でも、アイリーンが置いていった水俣の人々の写真を見て、その後「LIFE」に連絡をとり、この水俣病と大企業チッソという会社を追うことになるんですが、なんせ相手がデカいですから・・・そう簡単に事は進まないんですね。

で、アイリーンと一緒に水俣市を訪れて被害者家族のところに取材に行きます。このお父さん役を浅野忠信が演じていたり、チッソ社を訴える側の役を真田広之、環境活動家の役に加瀬亮、そして、チッソ社の社長を國村隼が演じていまして日本からも有名俳優が多数出演。
ストーリーは、障害を持ったり、亡くなってしまった人の家族とユージン・スミスは関わっていく中で、本人も大変な目に遭いながら、世界を変える写真を撮影することになるという展開になっていきます。ちなみに、映画で詳しくは描かれませんが、アイリーンは両親がアメリカ人と日本人の女性なんですけど、ユージン・スミスと結婚してジャーナリストとしても夫婦としてもパートナーとなりますね。

ということで、1975年に発表された写真集「MINAMATA」を映画化したような作品なんですが、監督はニューヨーク出身で環境問題にも深く関わってきたアンドリュー・レヴィタスという方で、水俣を訪れたのはもちろん、出演者やスタッフ用に400ページもの資料を用意したそうです。真田広之さんが役者以外でも色々手伝ってくれたそうで、看板書いたりしたそうですよ。
さらに、音楽は我らが教授、こと坂本龍一が手がけています。ピッタリでした・・・。

私は試写会で見させていただきましたが、とてもわかりやすく伝わる作りです。
誰かどこかを責めすぎることなく、闘う人々もヒーローな感じには描いていないですし、日本人らしい内に秘める怒りや悲しみの感情表現もきちんと日本に寄せていると思いました。


ラストシーンがネタバレになっちゃうので言いませんが、ぜひ見てほしいです。
美しさがあって、その背景にあるものや伝わるものがたくさんあるシーンとなっています。

自然環境に配慮していこうっていう今の世の中で、この作品は世界中の人たちに響く作品になると思います。ま、日本の出来事なのでちょっと複雑ですけどね・・・。
でも、時間も経っていますし、未だに補償問題も解決していない、ということも踏まえて、この機会にぜひ映画を見て知ってください。

映画「MINAMATA」今日全国公開です。





カメラとか撮影がお好きな方も必見。
ニューヨークのパートでは70年代のコダックフィルム、日本のパートでは70年代のフジフィルムを使用。ビンテージカメラも使用しています。
また、水俣での音は、水とか風、虫、鳥、雷などの環境音を録音して使うというこだわりがあったそうです。


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2021年09月17日

エレクトロ・ミュージックの登場でロックは死・・・?映画「ショック・ドゥ・フューチャー」

今朝ご紹介するのは、1970年代後半、時はエレクトロ・ミュージックの世界的なブレイクの直前くらいですね。シンセサイザーやリズムマシン、シーケンサーなどの電子楽器が普及し始め、日本でもYMOが結成された頃。未来的な音の響きに心躍らせる女性ミュージシャンと友人たちを描いたフランスの作品です。タイトルは「ショック・ドゥ・フューチャー」。
主演を映画監督の祖父を持ち、自身はモデルのアルマ・ホドロフスキー。めっちゃ可愛いです。





1978年、パリ。若手ミュージシャンのアナは、部屋ごと貸してもらったシンセサイザーで、依頼されたCMの作曲に取りかかっていましたが納得の曲が書けずにいました。すでにプロデューサーと約束した締め切りの時間は過ぎ、明日の朝にクライアントに提出しなければいけない担当者は何度も急かしにやってきます。
なのに、こんな時にかぎって機材が壊れ修理を呼ぶ羽目に。しかし、修理に来た技術者が持っていたのは日本製のリズムマシン(ROLAND CR-78)。すっかり魅せられてしまったアナは「これがあれば、ものすごい曲が作れるわ」と希望に胸を膨らませるのですが・・・というお話。





時代がいいですね。1978年。
主人公のアナが住む部屋のレコードのコレクションの中からパティ・スミスの名盤「Hoses」が見えるんです。1975年のアルバムなんですけどね。それで、アナが息巻いて言うんですよ。
「ロックは今にソファにくつろいで聴く音楽になるんだわ。ジャズと一緒よ。」と。

ロックは終わってく音楽になる・・・それがどうかは別として当時の20代の子からしたら、その感覚もわからなくないですよね。それまでにない斬新なサウンドを生み出すことに無我夢中になるし、それは電子音楽の中にあると信じているんですね。

で、電気グルーヴの石野卓球さんがこの映画に「たまらなくスタジオに行って曲を作りたくなった」とコメントを寄せているんですが、それが納得の壁一面の機材!これが圧巻です!
ツマミが何百個あるんだ!という・・・配線もいっぱいあって、シンセサイザーで音を出して、その音を加工して、バランスを調整して、録音するのはオープンリールですよ。わかります?
カセットテープのもっともっと大きい盤というか、ラジオも昔はオープンリールで素材とか声とか流したり、新曲がオープンリールで届くっていうこともありましたよね。

で、日本のリズムマシンROLAND CR-78に出会って、何がすごいかと言うと
「ドラムがいらないのね!?」っていうことなんですよ。電子音というものを鍵盤で奏でられるものがあっても、リズムを打ってくれる、これが画期的!
それまでは、曲作りはバンドで、もしくは作曲したら演奏家に演奏してもらって曲を作るのが当たり前だったわけですが、自分一人でも音楽が作れちゃうっていう感動があったんですね。

そのリズムマシーンのスイッチ(っていうんですかね)、リズムパターンに「ロック」とか「ディスコ」「ワルツ」とかあって、機材を見ていても楽しいし、単調な音にウイ〜ンとか重ねていって踊らせる音にしていく作業とか、映画を見ていると一緒に体験しているようで楽しいです。

で、アナはCM用の歌録りにやってきた女性歌手のクララと一緒にオリジナルの曲を作って、パーティーで大物プロデューサーに手渡しします。さぁ、どうなるのでしょうか。ぜひ映画館で。
映画「ショック・ドゥ・フューチャー」は現在、今池シネマテークで公開中です。





アナとクララのオリジナル曲。
手掛けているのは、なんと監督のマーク・コリンです。というのも、監督はヌーヴェル・ヴァーグっていう音楽ユニットのプロデューサーの方で音楽人なんですね。

監督で音楽プロデューサーのマーク・コリン。は向こうでは有名な方で、でペッシュ・モードのマーティン・ゴアとかスペシャルズのテリー・ホールなどをフィーチャーしてアルバム出してたりしています。あと、自身の制作会社を持っているんですが、その会社の名前がニュー・オーダーの曲名から拝借して「パーフェクト・キッス」っていう。笑

今では当たり前に流れているエレクトロ・ミュージックですが、それが生まれて世に出ていこうとする瞬間とトキメキが描かれているっていうのが素敵な映画です。
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2021年09月08日

終わらない夏、映画「サマー・オブ・ソウル」でフェス体験を。

コロナがあって、今年も数々のイベントやフェスが中止になって、何か忘れかけていた熱気やみんなで集まって何かメッセージを発信すること、そういうものを思い出させていただきました。
先週末公開になりました映画「サマー・オブ・ソウル」。50年間封印されていたソウルミュージックの音楽フェスのドキュメンタリー映画です。





ドキュメンタリーですけど、もうフェスそのものって言ってもいいような内容の映画でした。

時は1969年。1969年といえば、そうです。ロックではウッドストック・フェスティバルが開催された年ですが、同じ年の夏に160キロ離れた場所で開催された歴史的なフェスティバルが「ハーレム・カルチャラル・フェスティバル」という6週間に渡って行われたフェスティバルです。

場所はニューヨーク北部のハーレム。そう、ハーレムといえば黒人が多く住む街として有名です。
映画では「ハーレムは、貧困層の街。しかし、都であって、発信地であるのよ。」なーんて語られていましたが、そのハーレムに30万人以上が集まったんですね。





彼が19歳の時ですね。映画はスティーヴィー・ワンダーのドラムソロで始まるんですよ。
彼はマルチ・プレイヤーですけれども、ドラムのプレイは本当に凄まじくって圧巻でした。

監督がザ・ルーツのドラマー、クエストラブことアミール・トンプソンだったからこういう始まりになったんですかね。分かりませんが、とにかくもうクエストラブのソウル愛がたっぷり詰まった作りになっていました。40時間以上あった映像の中から2時間にまとめたのが、この作品です。





このフェス、貧困の黒人たちが住むこのエリアになぜ30万人も集まったのかというと、なんと無料だったんです。それが実現できたのがすごいですよね。

出演したアーティストも凄いんです。
スティーヴィー・ワンダー以外に、BB KING、ニーナ・シモン、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、スライ&ザ・ファミリーストーン、テンプテーションズを脱退したばかりのデヴィッド・ラフィン、今流れているフィフス・ディメンション・・・

フィフス・ディメンションは今のメンバーがコメントで登場して当時のことをお話ししてくれたんですけど、彼女たちはポップス扱い、白人の音楽をやっていると思われていた、と。だから、このフェスに出られたことはとても意味のあったことだと話していましたね。へぇ〜。





こちらは、メイヴィス・ステイプルズが彼の娘たちと結成したザ・ステイプル・シンガーズ。

このフェスの凄かったところは、ソウルだけじゃなく、ジャズもファンクもゴスペルもあったというところで、黒人音楽といってもそれぞれ音も違えば聴いている年代、ファン層も違うっていうのが、みんな一つの場に集まってみんなで気持ちや興奮、楽しさを共有できたってことなんですね。ゴスペルは、エドウィン・ホーキンス・シスターズの”Oh Happy Day”も聴けますしね。

あとは、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンとメイヴィス・ステイプルズ、二人による大熱唱。
これが、大きな見どころのひとつですね。この映画で2回泣きました。笑





【ネタバレあり】

当時人気絶頂!もう何もかも別格でした、スライ&ザ・ファミリー・ストーン。
音がモダンですね。

今でいうユニバーサルなバンド。ドラムが白人で、その頃はソウルバンドでそんな白人に叩けるのかとまで言われていたらしいです。しかも、トランペットが女性なんですけど、これもまた当時、女性のトランペッターは珍しかったそうですね。スライにとっては、ドラマーが白人だろうが、トランペッターが女性だろうが、そんなことはどうでもよかったんですね。固定概念がないっていうのも感じられました。


https://youtu.be/Bm64mp0hSyU

ニーナシモン36歳。この後パリに移ることになります。黒人パワーを過激にメッセージにしたアーティストでもあります。なんというか、思想もそうかもしれませんが、よくも悪くも歌が凄すぎて、聴く人を動かしてしまう力があって・・・要はジョンレノンと一緒のような感じですかね。パワフルでカッコイイとも思うけど好きだからこそ切なくもなります。


映画「サマー・オブ・ソウル」
現在、ミッドランドスクエア・シネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋で公開中です。

posted by なりたま at 15:27| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年08月24日

オンライン映画館で見た映画「ROCKS」で見るロンドン。音楽はクール。

東京・渋谷にBunkamuraル・シネマという映画館があるんですが、今月そのル・シネマがスマートフォンやタブレットから見られるオンライン映画館「APARTMENT by Bunkamura LE CINEMA」を開設。特徴は、独自に映画の権利を取得して公開するということで、劇場とは違ったラインナップになっています。そのオンラインシネマで公開中の映画「ROCKS」見ました。





イギリス映画となります。2021年はアメリカから「ノマドランド」「ファーザー」「ミナリ」などの大作があったんですが、英国アカデミー賞ではこれらを上回って監督賞を含む最多8部門にノミネート。ほぼ全てのキャストがプロの俳優ではなく無名だったにもかかわらず主演女優賞、助演女優賞にノミネートして、主役をつとめたブッキー・バックレイはライジングスター賞を受賞しました。

映画「ロックス」、ロックスっていうのは、主人公の女の子の名前です。
黒人でちょっと体格がしっかりしていて、15歳の彼女はいつも友達6人組でつるんでいるんですね。お喋りして騒いで、アクセサリーやサングラスでお洒落をしては生活指導の先生に注意されて・・・そして、進路のことも考えないといけません。
ロックスはメイクが得意で、メイクアップ・アーティストになることが彼女の夢でもあります。

そんなある日、お母さんが手紙とお金を残して家を出て行ってしまうんです。
公営住宅に住んでいる彼女は、隣に住む女性が福祉局に連絡をしたことを知り「もし母親がいないことが見つかってしまったら弟と引き離されてしまう」と恐れて、弟を連れて家を出ます。
右も左もわからないままロンドンの街を漂流するロックスですが、やがてお金も尽き限界を迎えて・・・というお話。





これロックスが住んでいるところが「カウンシル・エステート」って言って、建物なんですけど、地方自治体(カウンシル)が管理している低所得者向けの住宅のことをカウンシル・エステートって言うんですよ。これは1980年代のサッチャー政権のときに、家がない人たちが溢れてしまったときの対策で、こういう公共住宅がポコポコ建ったんですけど、ミュージシャンでいうと、そこで生まれ育ったのがSEX PISTOLSのフロントマン、ジョニー・ロットンです。他にもジェイク・バグとか結構います。
このカウンシル・エステートに住んでいる人たちは、ワーキングクラスの誇りを持っているっていうのも、このカウンシル・エステートの特性だそうです。

まぁ、映画の方に話を戻すと、そういうところで生活しているロックスの友達も、おうちの状況も違えば、国籍や人種もバラバラなんですね。ロックスの母のルーツはアフリカですし、親友のスマヤちゃんは宗教上、頭に布を巻いていてアフリカの民族衣装を着るシーンもあります。他の白人の女の子はあるセリフからドイツ系の女の子なんだってこともわかります。
男の子と出会うシーンでは「そんなんじゃ、クリスマスに何を食べるの?」なんて皮肉を言って笑っているシーンとかもあって、多くのシーンのいろんなセリフが今のイギリスの一部ですけど若い子たちを知る上で、とても興味深かったです。
そして、ラスト、いろいろあった女の子6人の思い切った行動、その結末、私はちょっと涙が止まらなかったですけどキラキラしてます。
今どきのイギリスの音楽、ヒップホップにあたるグライムっていう音楽が中心になりますが、もうめっちゃカッコイイです。それらに体揺らしながら楽しんでください。

ぜひ、オンライン映画「ROCKS」見てみてくださいね。





このKoffeeもGood!!
ジャマイカン・レゲエの新星だそうで。

そういえば、印象的なシーンに、主人公ロックスが自分のことを心配する親友のスマヤに「私にかまわないで」って突き放して喧嘩になるシーンがあります。ロックスは「味方なのにどうして何も話してくれないの」って言われて。自分の弱みを見せたくなかったり、でもどうすることもできずに不安だけが膨らんでいって・・・ブッキー・バックレイの演技は見事でしたね。これからどんどんオフォーがくる女優さんになるんだと思います。


posted by なりたま at 00:00| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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