2021年07月27日

映画「フィッシュマンズ」は見終わった後しばらく動けなかった。




今朝ご紹介する映画、というか日本のこのバンドっていうことになるでしょうね。
1991年にデビューシングル「ひこうき」でデビューしたフィッシュマンズ。今年30周年ということで公開になったのがドキュメンタリー映画「フィッシュマンズ」です。
フィッシュマンズは現在、東京スカパラダイスオーケストラでドラムを担当している茂木欣一さんが元々活動しているバンドですね。結成は1987年、明治学院大学の音楽サークルで茂木さんとボーカルの佐藤伸治さんが出会ったことでした。





今では国内外で高く評価されているフィッシュマンズの音楽ですが、その道のりは平坦ではありません。セールスの不調。レコード会社の移籍。相次ぐバンドメンバーの移籍。そして、1999年にボーカルの佐藤さんがこの世を去りました。

2005年に北海道のRISING SUN ROCK FESTIVALに出演し、再始動。このときに脱退したメンバーが再び集まり、ゲストボーカルには、原田郁子、ハナレグミ、山崎まさよし、UA、そして忌野清志郎などが参加。東京公演には、ファーストアルバムをプロデュースしたこだま和文が出演しました。このファーストアルバムはオーストラリアでレコーディングされた作品なんですが、その時のエピソードをこだまさんが映画では語ってくださっています。





映画「フィッシュマンズ」栄のセンチュリーシネマに月曜日に見に行ったんですけど、私が去年と今年映画館で見た映画で一番人が入っていました。お昼すぎの回だったんですけどね。笑
ボーカルの佐藤さんを中心とした、佐藤さんのドキュメンタリーと言っても過言ではない作品。長さがなんと約3時間あるんですけど、もっともっと見ていたかったですね・・・。


【ネタバレあり】

時代が80年代終わりから90年代、同期のスピッツやウルフルズが売れていく中で、実はフィッシュマンズもめちゃくちゃ売れたいバンドだった、っていうのも興味深かったですけど、ヴァージンレコードでタイアップの曲の依頼がきて思いっきりポップな曲にしたのに結果は売れなかった。それを機に佐藤さんは自分が好きな音楽(自分が信じる音楽)しかやらなくなった。。フィッシュマンズが独自の音楽性でポップスを奏でたことは、今の日本の音楽シーンに多大な影響を与えているなぁと思いました。

また、原田郁子さんやUA、ハナレグミが当時のフィッシュマンズの印象や曲について語っているんですけど、佐藤伸治さんから生まれてくる言葉や、歌詞の文と文の行間っていうんですかね。。ホント自然に一緒にいて独特な優しい言葉で背中を押してもらってるような。
いろんなフィッシュマンズのよさに気づかせていただきました。

実はフィッシュマンズは私はリアルタイムというよりは後追いで好きになったんですけど、身近にフィッシュマンズが好きで好きでしょうがないっていう女性スタッフさんがいたんですよ。
そうすると自分はそこまでのファンじゃないからちょっと引いちゃうというか好きだけど遠慮しちゃうところがあったんですが、このドキュメンタリーを見ると本当によくわかるんです。人柄、佐藤さんのイメージと音楽への向き合い方の相対するところ、茂木さんはじめバンドメンバーの魅力、レコード会社の人たちやマネージャーさんが話すエピソードから知る皮肉的なところやファンを大切にしてるところとか。

フィッシュマンズの大ファンが楽しめるのはもちろんですが、そんなに知らなかったって人もあらためてきっと大ファンになると思います。映画「フィッシュマンズ」現在公開中です。





97年AL「宇宙 日本 世田谷」から。
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2021年07月21日

新聞と冷蔵庫と掃除機でのライブシーンはブラボー!映画「ベルヴィル・ランデブー」

「ベルヴィル・ランデブー」が、なんと現在、伏見ミリオン座でリバイバル上映が行われています。
アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされた2003年の作品です。制作からまもなく20周年記念なんですね。





先ほどアカデミー賞の話をしましたが、この作品がどのくらい評価されているかと言いますと、今年の2月にNewsweekが発表した批評家が選ぶ100本の映画15位、アメリカのエンターテインメントメディアIndieWireが発表した21世紀のベストアニメーション映画26位、その他ロッテントマトやタイムアウトなどがトップ100に選出するなど、時が経っても残すべきアニメーション作品として選ばれているんですね。





音楽的にもとても評価された作品で、この”ベルヴィル・ランデブー”という主題歌はフランスのアカデミー賞と言われるセザール賞を受賞。アカデミー賞のほうでも歌曲賞にノミネートしました。ノスタルジー感じる・・・ジャズです。カッコイイ。

そして、映画ですが、キャバレーシーンから始まります。
こういうタッチのギターを刻むキャラクターとして描かれているのが、ジャンゴ・ラインハルト。映画「ギター弾きの恋」で知った方もいるでしょう。スウィングギターの伝説のギター奏者です。
その脇には、腰にバナナをぶら下げて踊っている女性が・・・こちらはジョセフィン・ベーカー。こういった実在する人たちがちょっとクスッとするような幕開けをしてくれます。

ストーリーは、両親を失った男の子、シャンピオン。
内気で寂しそうな孫を元気付けようとおばあちゃんが自転車を買ってあげたことをきっかけに猛特訓し、シャンピオンは世界最大のロードレース、ツール・ド・フランスに出場することになります。ゴールのマルセイユに向かうのですが、体力は限界。仕方なく救護車に乗ると、なんとその車は偽物で、船に詰め込まれたシャンピオンたちはベルヴィルという大都市に連れて行かれるのでした、というお話。

おばあちゃんは飼っている犬のブルーノと一緒にシャンピオンを助けるために後を追っていきます。誘拐されてしまったシャンピオンを取り戻すっていうのがストーリーの軸にはなるんですが、ここでおばあちゃんに協力するのが老婆の三つ子の姉妹なんですよ。
出会いが、おばあちゃんがベルヴィルについたものの途方に暮れて自転車の車輪を楽器に見立てて音を奏でていたら、おうちに連れて行かれるんですけど、その三つ子は実はいつもステージをやっているミュージシャンで、(ここがユニークなのが)音を鳴らす楽器が新聞と冷蔵庫と掃除機なんですよ・・・そこにおばあちゃんの自転車の車輪が鉄琴のように加わってライブをするんですけど、これがもう最高に素晴らしいです。

シルヴァン・ショメ監督の絵のタッチが独特で、砂時計みたいにウエストが細かったり、黒い羽子板みたいなマフィアいたり、とても惹きつけられるアニメーションとセリフが一切ないのにストーリーがわかるという、その世界観もぜひ体感してください。
映画「ベルヴィル・ランデブー」現在伏見ミリオン座で公開中です。


ちょっとネタバレになりますので、見たい方だけどうぞ。




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2021年07月11日

「一緒に歌おう。70年代どこにいた?」なんて会話も愛おしい映画「スーパーノヴァ」

映画「スーパーノヴァ」が現在公開中です。

これまでもゲイカップルの作品とか、脇役にゲイカップルが存在するっていう映画は何本か見てきたんですけど、そのときは、なんというかこれも上手く言えていないかもしれませんが「応援して見る」とか「キャラクターのように見る」とか少し遠目で見ていたような気がするんですけど、今回の作品は感情移入して号泣してしまいました。大恋愛映画の傑作です!





20年来のパートナーである、ピアニストのサムと作家のタスカーがキャンピングカーで旅に出るというお話しです。
不器用で無口、でも胸の奥に熱い愛情を燃やし続ける「サム」を演じるのが、「英国王のスピーチ」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファース。「ブリジット・ジョーンズの日記」とか「キングスマン」でもおなじみのイギリスの国民的俳優ですね。

そして、人を惹きつける才能に溢れ、いつも周囲に笑いをもたらすタスカー役は、「ラブリーボーン」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたスタンリー・トゥッチ。彼は、「プラダを着た悪魔」で、メリル・ストリープ演じる編集長の右腕として働くアート・ディレクター役をやってたメガネの男性で、そのときもゲイの役だったんですよね。「トランスフォーマー」とかいっぱい出演しているニューヨーク出身の人で、まぁ、この2大紳士俳優が恋人同士ということで、すごいです!

さらに、この配役は、最初から元々友達同士の人をセッティングしようっていうことだったそうです。
その息の合う感じをそのまま撮影する・・・さらには、キャンピングカーで旅する話なので基本2人の映画で、ロンドンから北西に400kmも行った湖水地方っていう大自然「ピーターラビット」の世界が広がるようなところにまで撮影しに行ったときには、毎日2人っきりで過ごしていたそうです。スタンリー・トゥッチが毎日ご飯を作っていた、なんていうエピソードもあります。





さぁ、ということで、この2人の演技に引き込まれていく映画「スーパーノヴァ」なんですが、行き着く先は「愛の終わり方」です。

サムがキャンピングカーを運転して、喧嘩をしてもタスカーが皮肉交じりのジョークで笑わせてくれたり、そんなどこにでもいそうなカップルなんですが、サムが食料を買い込んで車に戻るとタスカーがいなくなっているんですね。なぜか・・・車を出て、呆然と立ちすくんでいるんです。「薬はもう飲まないよ」というセリフからもわかってきます。タスカーは、若年性認知症。少しずつ記憶がなくなっていくんですね。

一方サムは、そんなタスカーを支えようとするんですが、目の前で病状が悪化していくタスカーを見て、胸が張り裂けそうに(というか張り裂けちゃってる〜泣)・・・。タスカーは、愛するの人の記憶も失っていく中で、サムのお姉さん夫婦が暮らす家でサムのためのサプライズパーティーを懐かしい友人達を呼んで開くんですけど、そのときのスピーチが、また愛と感謝が詰まってて、グッときちゃいます。

最愛の相手に死が訪れることがわかったときに、どういう風に送り出すのが一番いいのか、わかっていても受け入れがたい現実でもがくなかで、その答えを見つけていく、という・・・ぜひ見てください。





映画で流れるドノヴァン。
♪リリリリ〜雨が木の葉を涙で濡らすよ〜♪と歌っています。

タスカーの記憶があるうちにたくさん声を録ろうっていうことなんでしょう。テープに二人で録音するシーンがあって、明るく「認知症アワーへようこそ〜」なんてラジオ風に話すシーンがあるんですけど、すごく素敵なシーンでしたね。


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2021年06月23日

東ドイツのボブ・ディランと言われたシンガーソングライターのドラマ。映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」

昔「ベルリンの壁崩壊」という歴史的な出来事がありました。鮮明に覚えていらっしゃると思います。
この映画の主人公はミュージシャンで「東ドイツのボブ・ディラン」と呼ばれた男性なんですが、実は同時にシュタージと呼ばれる秘密警察の一員でもありました。
ドイツ映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」、この作品は実話となります。





では、「シュタージ」とは何かというと・・・
東ドイツの秘密警察・諜報(ちょうほう)機関である国家保安省の通称です。盗聴や密告を通して東ドイツ全域を監視して、ドイツ社会主義統一党の支配体制維持を目的に、反体制運動や危険思想を持つとみなされる人物を弾圧していたんですね。

主人公はグンダーマン。昼間は褐炭(かったん)採掘場でパワーショベルを運転する労働者ですが、仕事が終わるとステージに上がり、自分が作った曲を仲間とともに歌っていました。夢や希望に溢れた歌は人々に感動を与え、人気者になっていました。その一方で、シュタージに協力するスパイとして仲間を裏切っていたグンダーマンは、1990年の東西ドイツ統一後、自分も友人にスパイされていたことを知ります。自分の過去に対して葛藤を覚える彼は自分について調べ始めるのですが・・・というお話。

2019年ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞で作品賞、監督賞、主演男優賞を含む6部門で最優秀賞を受賞。こういう映画が多大な評価を受けたことがまず興味深いですよね。
ドイツの人たちって、やっぱり戦後に西ドイツと東ドイツに分かれて国のあり方が全く違ってしまったことが根強くあって、歴史にきちんと向き合うことだったり、反省して二度と同じ過ちを繰り返さないんだ、っていう国民性みたいなものも伝わってくる映画でした。

グンダーマンの外見はサラサラの長髪でメガネをかけた男性で・・・。

ライブシーンがすごく多いんですけど、歌詞の中に「君のために節約してきた」とか「仕事に疲れても義務を果たし」とか「配給の安酒があった」というのがあって、まさに東ドイツならではのフォークソングなんだなぁとも思いましたし、グンダーマンが石炭を掘る作業場で偉い立場の人にちょっと楯(たて)つくシーンがあるんですが、そのときにバンドメンバーで後に恋愛パートナーになるコニーっていう女性に「そんなこことしたら党にいられなくなる。バンドを続けられなくなるわ。」って言われるんですよね。

音楽って楽しいものだったり励ましてくれるものだったりすると同時に、なにか訴える役割を果たすこともあるとは思うんですが、そういう国民の(特に過酷な労働を強いられている人々の)代弁をすることの難しさもあるんだろうなぁ、っていうのも感じましたね。
そんな中で、ストーリーはなぜグンダーマンがシュタージに協力することになったのか、そこで裏切った人たちがどうなっていくのか、それを知った彼がどういう行動を起こすのか、と展開していきます。

映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」シネマテークで上映されていましたが、7/9からは刈谷日劇にて公開されます。
ぜひ見てみてください。





Ich mache meinen Frieden(イシ・マシェ・メイネン・フリーデン)

映画ではグンダーマンを演じているアレクサンダー・シェーアが歌っていました。
曲タイトルは「私は自らの平和を作る」という意味です。



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2021年06月02日

ミック・ジャガーもノリノリ!アレサのゴスペル・ライブの映画化「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」

「ソウルの女王」と呼ばれた、アレサ・フランクリンの映画が公開中です。
アレサ・フランクリンといえば、





1967年の曲”リスペクト”が、当時盛り上がっていた公民権運動やフェミニスト運動と相まって世界的に大きな影響を与えました。アカデミー賞では、R&Bヴォーカル・パフォーマンス賞を1968年から8年連続で受賞。また、ロックもカバーしていた彼女、”Let It Be”は本家のThe Beatlesよりも実は少し早くリリースされていたんですよね。
女性として初めて「ロックの殿堂入り」を果たしたアーティストでもあります。


では、映画「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」について。

1972年1月13日&14日、アメリカ・ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたライブがありました。それを収録したアルバム「AMAZING GRACE」は300万枚を超える大ヒットを記録したライブアルバムで、おそらく今聴いているジッピーの中にも、そのアルバムを持っているという方いらっしゃるのではないでしょうか?

このライブを指揮したのが、ゴスペル界の大御所ジェームス・クリーヴランド。
バンドメンバーには、ギターにコーネル・デュプリー、ベースがチェック・レイニー、ドラムはバーナード・パーディー、と・・・この人たちは、後に、ビートルズなどのロックから、ファンク、ジャズ、フュージョン、そしてヒップホップの、ファンはもちろん、数多くのミュージシャンにもリスペクトされている演奏家たちですね。そこに、サザン・カリフォルニア・コミュニティ聖歌隊が加わってのゴスペル・ライブとなります。
私、今回の映画を見て「あぁ、ゴスペルとはこういうものなんだな」と理解しましたね。





アレサ、可愛い♡

音でのアルバム作品はあったのに、なぜ今映画が公開されることになったのかというと、ちゃんと当時撮影はしていたんです。ところが、カットの始めと終わりのカチンコがなかったために音と映像をシンクロさせることができないというトラブルに見舞われて、完成できないまま頓挫することになったんですね。それがテクノロジーの発展でついに映画にすることができたそうで、これが実現できちゃったのはものすごいことなんですって。

教会の会場に、黒人だけでなく白人のお客さんも結構いて、ジェームス・クリーブランドが司会みたいな感じでもあるんです。「ここは教会。主への(神への)気持ちを体で表そう」と話すと白いドレスのアレサが登場してグランドピアノを弾いたり、教壇で歌を歌うんですね。神の教えを伝える人みたいですよ。子供の頃は神童と呼ばれて、16歳のときにはキング牧師の巡回演説に同行していたアレサですが、もう観客の心の掴まれ方が半端ないんですね。”アメイジング・グレイス”はもう鳥肌ものだったんですけど、聖歌隊の人まで涙を流しちゃったりとか・・・この映像化は本当に貴重だし残すべきものだなと思いました。

ゴスペルを体験して感じたのは、特にやっぱりアメリカの黒人たちですかね、生まれながらの劣等感みたいなものがあるのか、救われる声と言葉があるんだろうな、これが信仰(神を信じて崇めること)なんだろうな、と。そういう音楽ですよね。

2日目には、あれ?ノリのいい白人青年いるなぁと思ったら、なんとローリング・ストーンズのミック・ジャガーがいたので、ぜひ見つけてください。

映画「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」センチュリーシネマにて公開中。岐阜と三重は7月公開に公開となります。


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2021年05月26日

公開延期となっていた「AMERICAN UTOPIA」あさって公開です!

70年代から80年代のロックを語る上で必ず偉大なバンドとしてピックアップされるトーキング・ヘッズというバンドがいるんですが、その元トーキング・ヘッズのフロントマンで、グラミー賞受賞ミュージシャンのデヴィット・バーンが2018年に発表したアルバムが「アメリカン・ユートピア」で、この作品が2019年にブロードウェイ・ミュージカルとして再構築され大評判となりました。
で、その舞台を映画「ブラック・クランズマン」でオスカーを受賞したスパイク・リー監督が映画化したのが、
あさって公開となります映画「アメリカン・ユートピア」。素晴らしいです。





ユートピア・・・日本語でいうと理想郷のこと。
現実には存在しない社会、しかし、ユートピアを描くことによって現実の社会に対して問題提議を行うことでも表現として使われるのが「ユートピア」ですけど、そんなユートピアを「実現できる可能性についても伝えたかった」そうです。

この舞台にまずデヴィット・バーンがひとりで登場してこう言います。
「赤ん坊の神経細胞のつながりは、大人のそれよりも多く、成長することで減るというデータがある。人間は愚かになっていくのだろうか?」と。
このショーを通じて、コミュニケーションの大切さや選挙の重要性、人種問題など、現代の様々な問題について問いかけ、まさに「アメリカのユートピア」というものを、スコットランドからの移民であるデヴィット・バーンが問いかけるわけです。

で、ブロードウェイ・ミュージカルっていいましたが、いわゆる演劇仕立ての物語っていうものではなくて、デヴィット・バーン+11人のミュージシャンとダンサーによる、マーチングバンドを意識したライブ・パフォーマンスでして・・・楽器が全てコードレス、ステージからはコードやアンプといった機材が全く見えないようになっています。ドラム代わりに、パーカッションだけで6人いて、ちょっと鼓笛隊みたいに肩からぶら下げて、そのトータル12人が円陣を組んだり、並列になったり、振り付けも完全に決まっていて、それをしながら、デヴィット・バーンのアルバム「アメリカン・ユートピア」から5曲。トーキング・ヘッズの代表曲からは9曲、計21曲を次々に演奏していくっていう舞台なんですね。

メンバー全員がグレーのスーツに裸足っていうのも洗練されていてめちゃくちゃかっこいいんですけど、それも理由があって、照明の演出上、明かりを消すと見えなくなり、明かりをつけると、パッと浮かび上がる・・・まさに、ライブとブロードウェイのハイブリッドですよね。新しいスタイルというより、デヴィッド・バーンだからこそできるニューヨーク・スタイルを見せてもらった感じで。1曲終わるごとに、観客からは拍手喝采、感動しすぎて全員が常に立ち上がってしまうっていうシーンも多数ありました。

その臨場感がすごく伝わってくるので、私は一足早く試写会で見させていただいたんですが、思わず拍手してしまいましたね。
こういうライブの表現方法があるのか、とただただ感動もしましたし、芸術でもあり、プロテストでもあり、多様性でもあり、希望でもあった・・・そんな時間でした。

今回の11人のミュージシャンっていうのも、国籍がバラバラで、最後の方にはブラック・ライヴズ・マターを訴えたシーンもあったんですけど、そこではジャネール・モネイの”Hell You Talmbout”っていう曲を演奏するんですよ。これが、また凄い・・・。

映画「アメリカン・ユートピア」今日から伏見ミリオン座で公開です。





この曲をめぐっては、ふたつの解釈が語られます。
家に来ることを内心快く思っていないバージョンと、家に招き入れるバージョン。
それについてデヴィッド・バーンが話しているシーンもクスッと笑えます。
ファンの方はもちろんですが、初めて知った方もアート作品として、ぜひ見てみてください。
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2021年05月19日

映画「ファーザー」親のことを考える。自分もこうなるのかねぇ。

アンソニー・ホプキンスがアカデミー賞主演男優賞を受賞した作品、映画「ファーザー」が公開中です。
受賞した時は会場にいなかったというアンソニー・ホプキンス。まさか受賞するとは思っていなかったそうですが、この映画での彼の演技を見れば納得でしょう。現在83歳で史上最高齢の受賞、映画「羊たちの沈黙」レクター博士から29年ぶりの快挙となります。





イギリス・ロンドンで一人暮らしを続ける81歳の(アンソニー・ホプキンス演じる)アンソニー(役も同じ名前です)は老いによって記憶がどんどん薄れていっているのですが、本人はそれを受け入れられず、娘のアンが介護人(ヘルパーさん)を紹介しても拒み続けます。
そんな中、娘のアンがパリで新しい恋人と暮らすと言いショックを受けるのですが、その後、今度は自宅に知らない男が・・・なんでも10年以上住み続けていると言います。
もうひとつ気になるのは、アンの妹であるもう一人の娘ルーシーはどこへ消えてしまったのか・・・さて、真実は一体なんなのか・・・というお話。

この映画、こういう風にストーリーが紹介されるのは、主人公が80代のアンソニーで、そのアンソニー視点で描かれているからなんですね。なので、ボケていくおじいちゃんとその家族の物語、みたいな客観的な視点のほっこり映画ではないんですよ。

娘のアンがいたはずなのに、次の瞬間は違う女性だったり、アンがパリに行くって言ってたはずなのに、夫と名乗る男が同居してたり、でも認知症って、そういうことのなのかなって思わされるんですよね。
なんていうか、それらのいくつかは真実なんだろうけど、どれが真実なのかがはっきりしないまま、娘のアン含めて周りの会話についていくのがやっとで、というか、ついていけないまま、その状況に対応していかないといけない。シーンが切り替わると、主人公のアンソニーにとっては自分のおうちなのに、常に自分の理解できない状況にいきなり置かれる感じなんですよ。なんか、ミステリーっていうかホラーみたいな感じ。
基本的にずっと家のシーンばかりなんですが、この一部始終をずっと目をそらさず観客に見せられるのは、アンソニー・ホプキンスだからこそですね。あっぱれの演技です。





娘のアンを演じているのは映画「女王陛下のお気に入り」でアカデミー賞主演女優賞を受賞したイギリス人女優のオリヴィア・コールマン。
介護において、クセのあるお父さんなので苦労の連続なんですね。「腕時計がない」って言って「きっとあいつが盗んだんだ」とか。これ認知症あるあるじゃないですか。
でも、施設に預けるのを躊躇して、父を見捨てたくはない、と。なのにアンソニーはアンよりも妹のルーシーを溺愛しているんですよ。それはアンが可哀そう。

やっぱり、親の老いっていうのは誰しもが経験するじゃないですか。うちは母が来年70代に突入するんですけど、運転大丈夫かなぁって不安になったこともありますし、今は病気はしてないですけど、あと何年か後にはこういう風になるんだろうな、って思うと、今できる親孝行ってなんだろう、とか。ものすごく考えさせられました。

先日「家庭の企画」っていうコーナーでお母様のお悩みメッセージが届いたばかりですけど、ちょうど親の心配をされてる世代の方たちには、ぜひ見てほしい作品です。
映画「ファーザー」ミッドランド・スクエアシネマ、TOHOシネマズ浜松他で公開中、その後、他の愛知、岐阜、三重の映画館で順次公開となります。
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2021年04月28日

アカデミー賞はこんなもん。映画「ミナリ」と音楽について。

アカデミー賞、「ノマドランド」が受賞しましたね。

監督賞がアジア人女性初の受賞となったことでも話題となりました。作品賞の後に主演男優賞の発表となったことで昨年亡くなった「マ・レイニーのブラックボトム」のチャドウィック・ボーズマンが受賞してみんなで彼を悼みエンディングなのかと思ったら、まさかのアンソニー・ホプキンス。
このことについていろんな意見が映画評論家から発せられていますが、各部門受賞した作品や俳優さんを一歩引いてみてみると、純粋な評価はもちろん、やはり人種のバランスが取れた結果だったのかなぁとも思います。アワード自体がメッセージを訴えることも必要ですが、分断をなくしたいというのも今は世界共通の願いでもあるので、こういう風になるのは自然な気もしますし、それでアワードの在り方に疑問を感じる人や関心がなくなる人が増えるのかもしれませんが、長い歴史ですから、これまでがすべて順調だったわけでもないと思います。
ただ、最優秀作品や最優秀俳優さんたちの名は永遠に残りますからね〜。その背景や出来事もしっかりと残し、伝えていく必要が少なくともメディアや評論家には必要なんだと思います。


さて、そんなこんなで、結構前から公開されていましたがアカデミー賞でもノミネートされました「ミナリ」、まだ間に合います。





成功を夢見てアメリカ南部に移住する韓国系移民一家を描いたお話しです。ミナリっていうのは「芹(七草のひとつ)」のことを言いますね。英語と韓国語両方が使われています。

主人公の男は夢を持って大きな土地を手に入れて農業を始めます。住む場所はなんとトレーラー。話が全然ちがう!と心折れそうになりながらも、妻は夫を支えようとします。
生計を立てようと、ふたりでひよこの雄雌(おすめす)を分ける仕事もするんですが、そうすると二人いる子供の面倒を誰かに見てもらいたい・・・そこでお願いするのが、妻の母、つまり、お婆ちゃんなんです。

このお婆ちゃんがユニークなお婆ちゃんで、ホント自由というかハチャメチャというか、言葉遣いも荒いので悪い言葉もいっぱい言うんですよ。男の子のお漏らしのシーンで、「ディンドン・ブロークン」って言うんですけど、股間が壊れたっていう意味で、そこはいろんなアメリカ人が爆笑したんじゃないかなぁって思いますね。
仲の悪かった男の子とも心通じ合うようになっていく過程もいいんです。このお婆ちゃん役のユン・ヨジュン、アカデミー賞助演女優賞を見事受賞しましたね。スピーチも(特にブラッドピットに「やっと会えた。初めまして。」と挨拶したシーン)ユニークでしたね。

映画「ミナリ」は現在全国で公開中。ユナイテッド・シネマ阿久比と三重・新富座は公開になったばかりです。





そして、音楽がよかったですね。

Emile Mosseri & Han Ye-riによる"Rain Song"です。
このエミール・モッセリという人は、ここ数年で映画音楽で頭角を表してきている音楽家で、2019年の「ザ・ラスト・ブラックマン・イン・サンフランシスコ」も手がけています。「ミナリ」ではアカデミー賞のスコア部門でノミネートされました。

で、この方、The Digというニューヨークのバンドのベース/ボーカルです。





アメリカのドラマ「スーツ」で使われていたようですね。なので、アメリカではある程度は有名なんだと思います。
まだ35歳。エミール・モッセリが音楽を手がける映画は今後も注目です。


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2021年04月22日

カリフォルニアに旅行気分で映画「パーム・スプリングス」を見る。

一風変わった”タイムループ”をテーマにしたラブ・コメディ映画「パーム・スプリングス」。
昨年1月に「サンダンス映画祭」で大きな評価を得た作品で、でも2020年ってコロナで映画館での公開がままならなかったじゃないですか・・・そんな中、ドライブインシアターでの上映で絶大な人気を誇ったというのがこの作品です。





舞台は砂漠のリゾート地、パーム・スプリングス。
妹の結婚式に居心地の悪さを感じていた主人公サラですが、アロハシャツを着た一見場違いな男ナイルズに興味を抱きます。いい雰囲気になるふたりですが、謎の老人がやってきて突如ナイルズを襲撃。負傷したナイルズは近くの奇妙な洞窟に逃げ込んでいきます。
それを追うサラ。ナイルズは止めようとしますが、サラも洞窟に入ってしまい、一度眠りに落ちるとなんと結婚式の日の朝に”タイムループ”しているのでした・・・というお話。

まぁつまり、どんな1日を送ろうとも眠ってしまえば、また同じ朝がやってくるということです。ナイルズがすべてわかったような態度をとるのは、このタイムループが原因で、
このループにハマっていることで、ずぅーっと同じ日を繰り返しているんですね。
で、仲良くなったふたりはめちゃくちゃ楽しい時間を過ごすんですが、でもいつまで経っても明日が来ない、これでいいのか・・・ということで、、

テーマとしては単純なんですけど、眠ったら同じ朝を迎えるだけでなく、例えば死んでも同じ朝を迎えるんですよ。なので、試しにじゃないですけど、なんとか状況を変えようとしてむちゃくちゃな行動を起こしたりするんですが、それ以上に蓋を開けたら、その結婚式の日に至るまでの真実もむちゃくちゃで、映画館で何度も笑ってしまいましたね。

ゴールデン・グローブ賞では、コメディ・ミュージカル部門の作品賞と主演男優賞にノミネートされた作品なんですけど、、





そのナイルズ役をやっている俳優がアンディ・サムバーグという人で、この映画の製作も兼ねています。コメディの部門ではこれまで数多く賞を受賞している人で、「サタデーナイトライブ」っていう1975年から放送が続くアメリカの長寿人気番組があるんですけど、2000年代の後半からはこの人が加わったことで番組が盛り上がったんだそうです。日本でいうと山田孝之さんのような、俳優でもあり製作にも関わり常に面白いものを作り続ける存在みたいな人ですね。アメリカでは知らない人はいないんでしょうけど、ぜひこの機会にアンディ・サムバーグさんにも注目してください。





音楽もいいんですよね〜。カリフォルニアのパームスプリングス、場所は砂漠って言ったんですけど、結婚式のパーティー会場(宿泊の場所)にはプールがあって、そのバックに流れる音楽にクルアンビンが使われていたり、ナイルズとサラがビリヤードがあるバー(プールバー)でダンスするシーンにはパトリック・カウリーっていうディスコ音楽の人なんですけど・・・そういうオープニングからエンディングまで(ダリル・ホール&ジョン・オーツ)すべてのBGMがタイムループを楽しくさせたりラブストーリーをカラフルにしたりしているので、ぜひ音楽にも耳を傾けてみてください。








David Bowieが使用されたのは予告編だけでした。笑


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2021年04月06日

モリッシーの歌詞を踏まえるとこれもまた納得。映画「ノマドランド」

フランシス・マクドーマンド主演の映画「ノマドランド」が公開中です。
アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞の主要6部門にノミネート。注目なのは、監督賞ですね。先日のゴールデン・グローブ賞では、クロエ・ジャオ監督が、アジア人女性の監督として、初のノミネート、初の受賞に輝きました。では、ストーリー。





リーマンショックで企業が倒産し、長年住んでいた家を手放すことになってしまった60代女性のファーン(フランシス・マクドーマンドが演じています)は、キャンピングカーに亡き夫の思い出を詰め込んで”現代のノマド(遊牧民)”として車上生活を送ることにします。定職に就くことができないファーンは季節労働者として、雄大なアメリカの大地を車で走る生活を送りますが、先々で出会うノマドたちとの交流とともに誇りをもった彼女の旅はどこまで続いていくのか・・・というお話。

アメリカを車で横断するので、大自然が広がる映像と、「人生は旅である」みたいなところで、(洋画ファンの方はご存じかと思いますが)映画「イントゥ・ザ・ワイルド」と比較される方もいるんですけど、、


【ここからはネタバレ含みます】

この作品はジャーナリストが書いたノンフィクションが原作になっていて、この「ノマド」という存在、そして実際のノマドたちの生活をそのまま映画にしたのが、この作品となります。
企業の経営破綻で工場がなくなったりして、そこで急に仕事を失った人たちが住んでいた家をも手放してキャンピングカー(トレーラー)ひとつでなんとか生きていくわけで、それが主に高齢者の人たちだったというのが現実としてあるんですね。で、この作品の主人公ファーンは、夫に先立たれるんですけど、きっと子供もいないんだろうなぁ、ってのもわかる。

じゃ、寂しいばかりかというと、そんなこともなくて、広大なアメリカであっても、このノマドのコミュニティーみたいなものがちゃんとあって、集まって焚き火をしながら円を作ってみんなで話をしたり、食べ物飲み物を分け合ったり、仕事の情報を共有したり、仲良くなっていけば、それはそれで「そんな生活もアリかな」と思えちゃうんですよね。
野外フェスが好きな人にとっては、朝霧JAMとかGO OUTとかの光景と変わらないので、自然のなかで着の身着のままっていうんですかね・・・

で、後から知ったんですけど、あまりにもそういう風景が自然だったり、ノマドの人たちの言葉に説得力があるなぁって思ったら、なんと本物のノマドたちが出演していまして、なのでこの作品は役者が演じてもいるんですが、半分はドキュメンタリーみたいにもなっているっていうのが、ポイントの作品でもあります。

リンダ・メイっていう、この人ノンフィクション本にも登場しているノマドの女性なんですけど(白髪のポニーテールのおばあちゃん)、そのまま本人役で出ていて主人公のファーンを助ける仲良くなる役でとても人間的魅力のある方です。自分が癌を患っていることから余生について考え、絶対に病院で死ぬのはイヤ!と旅をしている女性・・・カヤック、ペリカン、ツバメの美しさを語りながら放った"My Life Is Complete"という言葉が印象的でした。





映画では始まってすぐこの曲についてのエピソードが出てきます。
ファーンが働く工場で一緒に働く同僚が腕にこの曲の歌詞のタトゥーを入れているんです。
ここでは「家とは心の中にあるもの」という和訳が字幕に出てきます。

では、実際この曲はどういう曲なのかというと、
Home is a Question Mark
Home is Some Place... I Dunno (I Don't Know)
家とはどんな場所なのか疑問に思うところから、

Home is it just a word ? 家とはただの言葉なのか
Or is it something you carry within you 何か心の中にあるものなのか

と問い、もしも自分が家を見つけたらと思い巡らせますが、
最後には「俺がそんなことすると思うか?俺は何度も自分自身を守ってきたんだぜ」とモリッシーらしい締めくくりを聞かせます。
まぁ、別にこの曲が直接映画には関係ないんですけどね・・・でも照らし合わせると、最後のファーンのシーンがとてもポジティブに力強く感じ取ることができます。

The Smiths(ザ・スミス)のファンにもぜひ見てほしいですね。


映画「ノマドランド」全国公開中です。
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2021年03月24日

音楽は割とブラック系でこれが合ってました、映画「トムとジェリー」

全国公開中です映画「トムとジェリー」





♪トムとジェリー 仲良く ケンカしな♪  わぁ、懐かしい。
大好きだった方いらっしゃるんじゃないですか?日本でテレビアニメとして放送されたのは1964年(昭和39年)だそうです。そうですよね〜、生まれた時からあったってイメージですもん。

器用だけどツメが甘くてお調子者のトム
見た目は可愛いけれどずる賢いイタズラねずみのジェリー。

今回舞台はニューヨークです。





現代のお話で実写版ですね。まさかクラシックなキャラクターのトムとジェリーがそこにピタッとハマるとは思わなかったんですけど、今の技術ってすごいですね。人間とトムとジェリー、しっかり馴染んでひとつのストーリーに仕上がりました。こんな感じなら、私の世界にも出てきてくれないかなぁ・・・あ、でも部屋めちゃくちゃにされたら困るか〜とも思ったんですけどね。笑

楽器の演奏が得意なトムはセントラルパークでキーボードを弾いて路上生活をしていました(ちょっとスティービーワンダー風?)。そこに久々の再会で現れたジェリーとケンカしたことで、トムはキーボードもチップも失ってしまいます。一方ジェリーはニューヨークの最高級ホテル「ロイヤルゲート」に居候し快適な生活を送ります。
そのホテルには、新入りのイベントプランナー、ケイラが経歴を偽って仕事をしていました。ネズミがホテルにいることが問題になり、ネズミ駆除を任されたケイラはトムを雇い入れます。
そんな中、世界中が注目するセレブカップルのウェディングパーティーが行われることになるのですが・・・というストーリー。





映画が始まると、もう最初から最後まで”あの”トムとジェリーなので、もう楽しくて終始微笑みっぱなしだったんですけど、トムが、挟まれるは、押しつぶされるは、車にひかれるは、感電するわ、で相変わらず「痛そ〜」な目にあってばっかりで。笑
わかります?トムが壁とか突き抜けると、その壁がトムの形になってるみたいな。
それもこれも全てジェリーのせいなんですけどね。
でもジェリーはなんか可愛くて許されちゃうんですよね。

誕生から80年というトムとジェリーですが、今回の映画のために二次元の原画を製作したのがイギリスとアメリカの総勢29人のアニメーターだそうで、描いた原画はトータルで2万5000点以上にも及ぶそうです。苦労もあったと思いますが、トムとジェリー愛も十分に伝わってきます。


そして、もうひとつ、
この映画の楽しむべきポイントは音楽がジュークボックスのように次々と流れることなんですね。





結構R&BとかRAP、SOUL色が強くて、ここ最近の曲だとブルーノマーズとかリゾとかも使われてますし、懐かしいところだと、A Tribe Called Questとか今流れているジョデシィ、先ほどのジャギド・エッジ、T-Pain、それからFlo Rida、DJシャドウなどなど、そういうサウンドがトムとジェリーに自然に合ってるところが不思議でもあり、音楽に乗りながら見られてよかったです。

映画「トムとジェリー」まだの方はぜひご覧なってください。





そういえば、映画の中にトムの中の天使と悪魔がいるんですけど、日本語吹き替え版は、霜降り明星のせいやさんと粗品さんが担当。これよかったですよ〜。
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2021年03月17日

Tune-YardsやVashti Bunyanなど音楽がサイコーでした。映画「Babyteeth」

現在公開中の映画「Babyteeth」。私個人的にも好きなテイストの作品でした。
昨年公開された映画「ストーリー・オブ・マイ・ライフ/私の若草物語」で、長女をエマ・ワトソン、次女をアカデミー賞常連のシアーシャ・ローナン、四女を日本でも「ミッドサマー」がヒットしたフローレンス・ピューが演じていましたが、この作品「Babyteeth」は三女のエリザ・スカンレンが主演の映画です。





16歳の女子高生ミラは、ある日電車のホームで不良少年モーゼズと出会い、恋に落ちます。両親はミラの初めての恋を心配し、猛反対するのですが、ミラは怖いもの知らずで自分を特別扱いせず接してくれるモーゼズに惹かれ、彼との刺激的でカラフルな日々を駆け抜けていく・・・というお話。

なぜ、自分を特別扱いしないモーゼズに心を開くのか、っていうと、主人公のミラ、実は病を抱えていて残された命があとわずかなことをわかっているんですね。自分が生きられる時間があとどれくらいなのかを知るっていうのは、怖さは絶対的にあると思うんですが、そのときに「どうすれば自分らしく生きられるのか」ということも同時に強く思うと思うんです。それが、なおさら思春期の16歳というところで、反抗期だったり、恋愛などの初めての経験の輝きだったりっていうのが、切ないけどキラキラしています。





監督はアメリカの有名な雑誌ヴァラエティ誌で「2020年注目すべき映画監督10人」に選ばれ、香港、シンガポール、アフリカ、オーストラリアで育った女性監督シャノン・マーフィーさんなんですけど、この作品に関しては、子どものころ育った香港の景色、ノイズや視覚的な刺激の強い世界観が影響しているとのことでした。

音楽要素が強い作品で、主人公のミラはヴァイオリンの英才教育を受けていて、母がピアノを弾く人、その母を好きだった男がミラのヴァイオリンの先生なんですけど、演奏シーンもあれば、レコードをかけて語るシーンもあって、お話自体が音楽と常に絡んでいるっていうのがすごく良かったです。
また、そのレコードでかかるソウルの曲とかも最高ですし、さらに今バックで流れているTune-Yardsとかイギリスのフォークシンガー、バシュティ・バニヤンなど、音楽がストーリーの美しさと切なさを彩っていたのが印象的でした。





ミラが、居場所がなく悪そうなひとりの青年と出会い、それまで窮屈だった生活や思いを彼になら吐き出せる中で、その彼も含めての家族とのお話となるんですが、

一言で「家族っていいね」とは言えないんです。
辛くて薬に頼るのが・・・全員だったり(苦笑)、そういう今にも壊れそうな人たちが、精一杯の中で、家族でいることを丁寧に描いている作品です。
ミラは、髪の毛を剃って、鮮やかなグリーンのウィッグをつけて過ごします。
ファッションも可愛いですし、おうちのインテリアや食器などもすごく素敵なので、そういうのに興味がある方にもオススメの作品です。


ヴェネチア国際映画祭では、最優秀新人賞、ベストカップル賞、ビサト・ドーロ部門最優秀作品賞、そして、サウンドトラック部門・審査員特別審査員賞を受賞しています。
現在、伏見ミリオン座公開中の映画「Babyteeth」ぜひご覧ください。
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2021年03月12日

アジアン・アメリカンの魅力が存分に伝わってくるディズニー最新作「ラーヤと龍の王国」。

新時代のディズニーのヒロインといえば誰を思い浮かべますか?
「アナと雪の女王」シリーズのエルサ、「モアナと伝説の海」モアナとかでしょうか。
新しいヒロインの名はラーヤ。自分だけを信じてきた”ひとりぼっち”の救世主ラーヤが、バラバラになった龍の王国を救うため、伝説の”最後の龍”シスーの力を蘇らせる冒険を描いたスペクタクル・ファンタジーディズニー映画の最新作「ラーヤと龍の王国」が公開中です。





かつて聖なる龍に守られていた”クマンドラ”という王国、そこでは人と龍が共存し平和に暮らしていました。しかし、ある日のこと、突如現れた魔物によってすべての龍が犠牲になってしまいます。残された人々は信じ合う心を失い、王国は分断。「龍の石」の守護者一族の娘ラーヤは、バラバラになった世界を再びひとつにするために戦士となり、伝説の「最後の龍”シスー”」を探す旅にでるのですが・・・というお話。

なぜ、人を信じられなくなってしまったのか・・・大きな出来事があるんです。
大好きなお父さんが、理想主義的な人物で5つに分かれてしまったクマンドラは、きっと自分たちの想いでまたひとつになれると信じているんですね。
だけど、じゃ他の4つの地はどうか、というと、う〜ん。と。今私たちが生きている世界と一緒ですね。国境がなぜ存在するのか。分かれて別の国になってしまった理由はなんだろう。過去のことを許し、思いやり、再び仲良くなるには・・・そんな想像さえしてしまいます。

物語では、お父さんを失ったことで、主人公のラーヤは自分だけを信じて生きていくんですが、そんな彼女の相棒がトゥクトゥクっていって、ペットのようでもあるんですが、乗り物にもなります。可愛い。そして、伝説の龍シスー、割とすぐに出てくるんですけど、ノリがいいっていうかポジティブシンキングで「うわぁ、こういうアメリカ人女性いるー」みたいな。笑
誰が声優やってるのかと思ったらアジア系アメリカ人で映画「フェアウェル」でゴールデン・グローブ賞の主演女優賞に輝いたオークワフィナだったんですね。ラッパーでもあるひとなんですけど、シスー役がすごくいい感じ。で、他人をすぐ信じちゃうっていうところでも、物語がかなり笑えてラーヤとも名コンビになっていくんですね。





この作品、ディズニー初の東南アジアのプリンセスとなります。なので、ラーヤはベトナムの「かぶり笠」みたいなさんかくの帽子をかぶっているんですね。取材のために訪れたという、タイ、ベトナム、カンボジア、シンガポール、ラオス、インドネシアと、海に浮かぶ数々の国・・・私は行ったことがないんですけど、それぞれの国の雰囲気の違いとかが、きっと映画にも反映されているんだろうなぁとも思いますし、海に囲まれた小さな国々の魅力がこの映画で伝わってくるので、出てくる辛そうなスープとかの食べ物も美味しそうなんですが、ちょっと旅してみたいなって思いました。ちなみに、ラーヤの声を演ってるのは、両親がベトナム戦争を逃れて難民としてアメリカにやってきた映画「スターウォーズ/最後のジェダイ」のローズ役だったケリー・マリー・トランなんですよね。

こういう配役を見てみても、アジア系への親しみっていうんですかね、ひとつのこれもまた多様性を表してアメリカ人として肯定した作品であるんだと思います。
強いて言えば、強いのがみんな女性のキャラで、そこは偏りがあるかな、とも思ったんですが、これに関しても今の世の中を表していて、求められているものなんでしょうね。
ディズニーがこういうメッセージを発しているのは、とても意味があることです。

映画「ラーヤと龍の王国」公開中です。





だから、主題歌もこの方なんですね。日系アメリカ人のジェネイ・アイコ。


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2021年02月17日

映画「37セカンズ」邦画ではめちゃオススメ作品です。

先日「日本アカデミー賞」のノミネートが発表された時に、ある映画評論家の記事に「これらの作品がなぜノミネートされないのだろう」みたいなことを書いていまして、それをきっかけに私は今朝ご紹介する映画を見ました。で、私も「こういう作品がノミネートされたらいいのに」ってやっぱり思いました。とはいえ、後日発表された「第94回キネマ旬報ベストテン」で日本映画第6位にランクイン。昨年少し公開されていたようなのでご覧になった方もいるかもしれません。映画のタイトルは「37セカンズ」です。





障害を持った女の子の成長物語です。
海外の評価が高い作品で、「ベルリン国際映画祭」では「新人監督賞」にノミネートし、「パノラマ観客賞」と「国際アートシアター連盟賞」をダブル受賞。その他の国の映画祭でも数々ノミネートされたり受賞したりしています。

そんな「37セカンズ」ですが、37セカンズっていうのは37秒ってことですね。
生まれた時に37秒息をしていなかったことで、体に障害を抱えてしまった主人公がユマちゃんっていう女の子。23歳。お母さんと二人暮しで、お風呂とか身の回りの世話はすべてお母さんがしてくれています。

車椅子生活なんですが、お仕事はしていまして、何してるかっていうと漫画を描いてお金をもらっているんです・・・ただし親友のゴーストライターとして。その親友はちょっとコスプレっぽいことをしながらユーチューバーもしてバンバン表舞台でも活躍してて人気者。自分は陰の存在。そういう毎日がだんだん息苦しくなってきたユマが、ある日、自分の漫画をもっていろんな出版社をあたります。すると、ちょっとアダルトな漫画専門のところで、板谷由夏さんが演じている編集長に「人生経験が少ない作家に、いい作品は書けない」ま、もうちょっとストレートにいうと「経験はあるのか?」ってことを言われて、ユマはインターネットで調べてデッサンしたりするんですが、これがエスカレートして、母に内緒で夜の街に繰り出し、大人の世界を知っていく、っていうストーリー。

私は障害者の方の性の話っていうのは本で何冊か読んでいるので少し知ってはいるんですけど、電話してホテルに来てもらうプロ方って言ったらいいですかね、そういう風俗に頼ることって普通にあるんですけど、ユマちゃんもチャレンジするんですよ・・・。
度胸ありますよね。それで、ハプニングがある中で、新しい出会いがあったりして、ユマちゃんのそういう勇気ある(あるいは無謀な?)行動から、家族を結びつける方向へと事は進んでいきます。





主人公ユマを演じたのが、これまた役と同じく脳性麻痺をわずらっている演技初挑戦という佳山明(かやまめい)。 約100人の応募の中から選ばれたそうです。20歳を過ぎて少し大人になった彼女の、夢を追いかける純粋さと、性に対しての好奇心、それから艶やかさみたいなものがちゃんと入り混じる演技が素晴らしかったです。

作り方がすごくポップなところがあって、仕事中のシーンでは漫画が使われたり、あとは何と言っても途中で流れる音楽が今欧米でも人気を誇るCHAIってところが、かなりパワー与えています。見終わった後、ものすごく爽やかな気持ちになりましたね。エンディングテーマもCHAIの"Neo"でした。

監督はHIKARIさんという方で、アメリカで学んで、現在はスターウォーズ・シリーズのJ・J・エイブラムス監督やクウェンティン・タランティーノ監督と同じ事務所に所属しています。今ハリウッド作品のオファーもあるそうなので、これからもっともっと有名になられるでしょう。

映画「37セカンズ」全国で公開中なんですがZIPエリアは残念ながら現在はやっていなくて、私はNetflixで見たんですが、最新の情報によると2/20土曜日(金曜深夜)午前0時50分からNHK Eテレで放送されますのでぜひこの機会に。年齢制限ありですけど、NHKで放送していいのかな・・・笑。


posted by なりたま at 18:48| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月13日

映画「マンク」がアメリカの映画人に支持される理由がなんとなくわかった気がした。かな。

現在、伏見ミリオン座で公開中、Netflix作品となります映画「マンク」。
監督は「ソーシャル・ネットワーク」や「ゴーン・ガール」の鬼才デヴィッド・フィンチャーです。マンクっていうのは、クラシックの名作で「市民ケーン」っていう映画があるんですけど、その脚本家ハーマン・J・マンキウィッツを描いた作品。マンクはマンキウィッツの愛称ですね。Netflixではすでに配信されているので見たんですが・・・この作品「市民ケーン」がわかっていないとちんぷんかんぷんです。なので、まずは「市民ケーン」のお話から。





本当に「Mank/マンク」は難易度5段階でいったら「5」だな〜ってくらいの作品で、私は何にも考えないで1回見たときにあんまり意味がわからなくて、それで「市民ケーン」を一度見てから「マンク」の2回目を見ました。これ、大変かもしれませんが、両方見ると面白いです。

まず「市民ケーン」は、1941年の作品で、モデルとなったのは新聞王と呼ばれた大富豪ウィリアム・ランドルフ・ハーストという人で、死ぬ間際に「ROSEBUD(バラの蕾)」という言葉を残していったことから、ケーンについて取材することになった記者が、その「バラの蕾」の謎を解き明かそうとするっていうお話。
ケーンの生涯を描いているんですが、重要なのは彼には女優のマリオン・デイヴィスっていう愛人がいて、ケーンは彼女のために映画会社まで作ってしまったっていう、これ実話なんですけど、そのマリオンも「市民ケーン」では2番目の奥さんとして登場します。
で、この新聞王のハーストって「売れるのであれば捏造しろ」っていう人で、それで発行部数がどんどん伸びて、新聞社で成功すると、次はラジオ局も買収してメディア王になり、その人気で政界にまで進出した人なんですよね。それが「市民ケーン」では描かれていて、さらにはストーリーとしては、その主人公ケーンが衰退していって生涯を終えるっていう話なので・・・。

で、結果「市民ケーン」は、その年のアカデミー賞9部門にノミネートされたんですが、映画を不快に思ったハーストがそれを権力を使って邪魔したことでも有名です。ただ、その後、この「市民ケーン」は、アメリカ映画協会の「アメリカ映画ベスト100」で1位になったり、10年おきに選ばれるイギリスの「批評家が選ぶ史上最高の映画ベスト10」で5回連続1位に輝いています。なので、そんな歴史に残る名作の脚本を手がけたマンクについて描かれた作品っていうのは、大注目作でもあるし、批評家や映画関係者には早くも大きな評価を得ていて、今年のアカデミー賞もNetflix作品で初めて作品賞を受賞するのではないか、とも言われています。





ということで、映画「Mank/マンク」ですが、マンクを演じるのはゲイリー・オールドマンです。アルコール中毒でハリウッドの問題児ながら茶目っ気のある役を見事に演じています。史実を基にしていますが、ノンフィクションではありません。脚色しています。描いているのは、マンクがどんな人で、脚本をどんな風に書き、なぜ最初はこだわらなかった自分の名前を最終的にクレジットさせることにしたのか。あとは、ハーストの愛人だったマリオンとマンクは映画の中で仲がいいんですよ。その会話がウィットに富んでいて面白かったです。

脚本はデヴィット・フィンチャー監督のお父様であるジャック・フィンチャー。
2003年にはお亡くなりになっています。実はこの作品の着想って30年も前だったそうで、でも映画を白黒のモノクロにすることや音声をアナログにするということに、ずっと誰からも理解を得られなかったんだそうです。それが今Netflixっていう配信サービスができたことで映画化が実現した。興行収入にこだわらないカルチャー映画の製作が実現できるようになった・・・というわけなんですね。

1930〜1940年代の話ではあるのですが、女性の描かれ方は今っぽさを感じました。マンクの周りにいる女性たち、例えばマンクの脚本をタイピングするイギリス人女性役のリリー・コリンズとか、ハーストの愛人マリオン役のアマンダ・セイフライド。マンクの奥さん役など、女性たちの描かれ方が男性と同等な立場な感じにシーンを作っているのがよかったですね。

そして、音楽はNINのトレント・レズナーが担当しています。時代に合わせて1940年代に存在する楽器しか使っていないというこだわり。音楽で雰囲気を味わうだけでも楽しめます。

映画「Mank/マンク」ぜひご覧ください。アカデミー賞ではいくつの賞を受賞していくでしょうかね〜。

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2021年02月03日

激しいメタルのサウンドから静寂の世界へ放り出されたドラマーの決断は。映画「Metal of Sound」

先日アメリカン・フィルム・インスティチュート(AFI)が2020年の映画トップ10を発表しました。AFIが選ぶ映画というのは、その年のアカデミー賞ノミネート作品のリストといっても過言ではないほど権威があるんだそうで、そこにノミネートされた作品のひとつが映画「Sound of Metal」。聴覚を失っていくドラマーを描いた作品です。




(日本のprime videoには日本語の字幕がありますのでご心配なく。)


あらためてこの作品は、突然耳の聞こえが悪くなる病気に直面したヘヴィメタルのバンドのドラマーが主人公の映画です。邦題も入れると「Sound of Metal〜聞こえるということ」となります。

主人公のルービンは彼女のルーとトレイラー暮らし。(キャンピングカーみたいな車ですね。)アメリカ中を横断しては、彼女はボーカル&ギター、彼はドラムを叩くバンドでライブをする日々を送っています。
メタルバンドなので、ルービンは見た目も迫力があって、体じゅうタトゥーバリバリで、金髪のショートヘアー。朝食を準備しながらスクワットと腕立て伏せをしているんですね。で、ラブラブのふたりは抱き合ってダンスするシーンもあったりして・・・。

そんなある日のこと、キーーーーーと耳鳴りがします。翌朝咳をすると、音がうちにこもるんです。お医者さんに診てもらうと自分の耳で聞こえるのは2割程度だということがわかります。耳の状態が急に悪化し、キャリアとアイデンティティを失うことを恐れるルービン。自暴自棄になる恋人を新しい環境に適応させるため、ルーは彼をろう者の施設に預けるのですが、というお話。

主演のルービン役は、リズ・アーメッド。スターウォーズのスピンオフ映画「ローグ・ワン スターウォーズ・ストーリー」とか「ヴェノム」に出演。今回の映画での演技がめちゃくちゃ評判がよいので、もしかすると賞レースで最優秀男優賞に名前が連なるかもしれません。





ライブ中に、音が聴こえていない中でドラムを叩いているというシーン。音がなくなっていくところとか、すごくリアルなんですね。

で、ろう者の施設に入るんですけど、代表の人でカウンセラーみたいな人が出てきて、その人は唇を読むことができるんですけど、その人が今度は言葉を発するとパソコンのスクリーンに喋った言葉が全部出てくるんですよ。それで、会話をするんですね。
共同生活をするろう者の人たちの食事シーンとか、あと、ルービンがこどものろう者の学校に入れてもらって手話を習得するんですけど、不思議と字幕なしでも何を言っているのかがわかるような映画の作りになっていて、ろう者の人たちの生活の一部がわかるっていうのだけでも新鮮な作品でした。ニックネーム(愛称)ってあるじゃないですか。ろう者は「サインネーム」っていうんですね。そういのも知ることができたり。

で、主人公のルービンも生活が慣れていくと、子どもたちにドラムを教えるようになるんです。そうやって自分を取り戻していく中で、新しい価値観にも目覚めていく・・・という。ひとりの青年の人生の選択を描いた作品でもあります。また、ろう者たちによるデフ・コミュニティーのシーンが多いですが、恋愛映画としても結構深い内容になっていると思います。そして、タイトルが「サウンド・オブ・メタル」というところも、映画を観終わったあとに非常に腑に落ちるタイトルになっていますので、注目してみてください。

映画「Sound of Metal〜聞こえるということ」現在amazon prime videoで配信中です。


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2021年01月20日

悩む女子高生役ジョー・エレン・ペルマンが可愛かった。映画「ザ・プロム」

先月Netflixで配信がスタートし、現在伏見ミリオン座で公開中の映画「ザ・プロム」。
監督はテレビドラマ「glee」のライアン・マーフィー。出演は、ハリウッドの大女優メリル・ストリープ、ニコール・キッドマン、アメリカのトーク番組司会者でコメディアンのジェームズ・コーデン、そこに舞台俳優たちも加わるミュージカル映画となります。





プロムってわかります?

アメリカは日本より一年多い高校4年制になりますが、卒業間近の4年生がちょっとドレスアップして楽しむ卒業パーティーみたいなものですね。それがダンスパーティーっていうのがアメリカらしくて・・・映画でいうとジョン・トラボルタとオリビア・ニュートンジョンの「グリース」、あれがプロムを描いた代表作ですよね。
で、特徴といえば、ダンスパーティーなのでお相手を見つけて誘ってエスコートしたりされたりしてお出かけする・・・と。

この作品、数年前にミュージカルとして上演されたものの映像化なんですが、実は実話をもとにできあがった作品でして、それが何かっていうと2010年に女性の恋人を同伴しようとした女子高生がいて、なんと学校がそれに反対。プロムを中止して、非公式のプロムを推奨したというのでアメリカ全土で問題視されたそうなんですね。
要は、同性愛は学校としては認めません、というLGBTQに対しての姿勢ととれる行動だったということなんですが、女性ファッションメディア「VOGUE」のこの映画の紹介サイトには、この作品の舞台をインディアナ州にしたのは、ペンス副大統領がインディアナ州知事だったときに成立させた法律のことが載っていました。なので、ジェンダーフリーを訴えた作品ということになります。


ストーリーはニューヨークが舞台です。
元大人気舞台俳優のディーディー(メリル・ストリープ)と(ジェームズ・コーデン演じる)バリーは、新作ブロードウェイ・ミュージカルが大コケしてしまい、役者生命の危機が訪れ大ピンチ。
一方、インディアナ州の田舎町では、恋人同士の女子高生エマとアリッサがカップルとしてプロムに参加しようとするのですが、それが問題となり、プロム自体が中止となってしまいます。

そのことを知ったディーディーとバリーは役者のイメージを挽回しようと、同じくキャリアアップを図るアンジー(ニコール・キッドマン)らとともに計画を練ってインディアナに向かうのですが、高校生たちや学校と関わりを持つうちに騒動が起き、やがてそれは奇跡を呼び起こし・・・というお話。

落ちぶれた俳優たちがヨコシマな気持ちで人助けをしようとする、その道中から学校に乗り込んでいくところまでも面白く描かれていました。メリル・ストリープは、恋が訪れるっていう展開になるんですが、そのあたりの演技がさすがでしたし、純粋な女子高生によってニコール・キッドマン演じるアンジーもよき理解者になっていく・・・っていう、ストーリーはありがちかもしれませんが、メリル・ストリープとニコール・キッドマンがミュージカルをやっているということろで、ぜひ楽しんでみてください。

あと、ジェームズ・コーデンは洋楽好きの方は「カープール・カラオケ」車の中でドライブしながら歌う番組、あのMCの人ですね。彼はイギリス人なんですが、ハリー王子とメーガン妃の結婚披露宴に呼ばれていたそうで、それだけでもすごいのに、なんとハリー王子と兄のウィリアム王子、父のチャールズ皇太子の即興ダンスバトルの司会を務めて、大盛り上がりしたそうなんですね。日本だと知名度が低いんですが、アメリカ&イギリスは国民的人気の人です。





映画「ザ・プロム」現在公開中でNetflixでも見られます。
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2020年12月25日

『なりたま2020年のベストムービー』〜The 10 Best Movies of 2020〜

今年の映画を振り返ると、やはり「コロナ前」「コロナ後」というのがありました。
コロナ前はアカデミー賞ノミネートの大作の公開が続くので、例年通り、そのクオリティを楽しむ・・・例えば「スキャンダル」のメイクの技術に惚れ惚れしたり、「1917」で第一次戦争の一部を深く知ることで作戦や武器の歴史を辿っていったり。

しかしながら、コロナがあって、まず最初に直面したのは「ミニシアターが生き残れるかどうか」でした。

映画館に足を運ぶ人がいなくなり、その危機的状況をなんとかしたい、と、ミニシアターファンが必死に動いていたと思います。私もツイートをしたり、ニュースがあれば番組で紹介したりしました。結果的には多くの寄付が集まったようでよかった。「鬼滅の刃」の大ヒットもあって、シネコンの方も助かったと思います。よかったですね。

一方、映画撮影については、公開予定だったものが次々と延期になったり、映画館での公開を諦めNetflixなどの配信にしたりと、映画鑑賞のあり方の変化はますます加速したようにも思えます。

なので、今回選んだ今年のベスト10作品は、初めて映画館で見ていないものも含んでいます。
ネタバレがありますので、どうぞご注意ください。





手帳に映画を見終わった後「2重まる◎」とか「まる◯」とかつけているんですけど、この映画のところには「3重まる」がついていたので、よほどよかったんだと思います。笑

映画の中で、登場人物の気持ちを音楽で表現する手法は昔からあるのですが、この映画の場合はそれが全編に渡ってあるんですよね。まるでミュージカルのように。それが新感覚でした。
付き合っていた恋人にSNSをブロックされた気持ちをタイラー・ザ・クリエイターが歌ったり、車で暴走するとカニエ・ウェストの神の歌が流れたり、ロマンティックなスプリンクラーのシーンではアニマル・コレクティブ、そして「真実の愛は待っている。お願い去って行かないで。」とレディオヘッドによる強烈な一打。エンディングのアラバマ・シェイクスで、もうノックアウトでした。





このドキュメンタリーを見るために一定期間AppleTV+に加入しました。
これからはこういうのが増えるんだろうな。

もう最高でした。笑いました。泣きました。笑
マイクDとアドロックがM-1に出たら優勝するんじゃないかってくらい息ぴったりで面白かった。
アダム・ヤウクの人柄や貢献した数々のことについて、たくさん知ることができました。





ロシアではなくソ連時代のストーリー。
T.Rexの見方がこの映画でとても変わったんですよね〜。個人的にちょっと大きな出来事。
今年はロシアのニュースがあまり入ってこなかったなぁ・・・。





映画監督が私と同世代で、その人が若かりし頃をカルチャー含めて描いたら・・・そりゃ懐かしいに決まっているよねー。な感じで、スケボーが流行っていた頃を思い出しながら(ついでに当時の友人たちのことも思い返しながら)見た作品です。

今年はBLM(ブラック・ライヴズ・マター)があって、人種問題についてもあらためて深く考えさせられました。
この映画の大好きなシーンに、主人公の男の子が黒人を意味するニガーという言葉がわからなくて場が和む、というシーンがあるのですが、家庭内での会話って大事だと思います。親がもし差別的な言葉を日頃使っていたら、子供にも絶対に影響はあると思うし・・・。
この映画では、息子がつるんでいる仲間たちについて悩む母の姿もありますが、諦めずに話そうとしたり理解しようとしたり、とてもよく描かれています。





人種主義についてといえば、この作品になりますね。これはぜひ見てほしい映画です。
人を肌の色で差別するということは、本当に無慈悲で無意味なこと。この作品には短編もあるのですが、そちらは皮肉たっぷりの衝撃のストーリー。一方こちらは実在する人物をもとに、愛を知った青年が白人至上主義のグループから抜け出すというお話。

「リトル・ダンサー」のジェイミー・ベル、この難役を見事演じきったと思います。アメリカの歴史を描いた映画では、役によってはアメリカ人役であってもアメリカ人ではなく他の国の俳優さんが演じていることもしばしばですが、この作品はヒロイン役のダニエル・マクドナルドも合わせてすごいなぁと思いました。





守りたい人ができたとき、人は変わる、変われるというのを10歳の男の子に託した、というなんともズルい作品です。笑

ドイツの詩人、R.M.リルケの
『全てを経験せよ
 美も恐怖も
 生き続けよ
 絶望が最後ではない』

がラストに出てきます。
映画を見た後も心打たれた言葉ですが、今はコロナがあったことで希望をなくしてる人に届けたい。





スカーレット・ヨハンソンが続きます。ジョジョ・ラビットもこちらもどちらも母親役でしたね。
お互いを思いやっているはずなのに離婚に至り、その後もふたりの関係は続く・・・という、無理にハッピーエンドにしないリアルなストーリーに納得させられました。

ふたりの演技に涙が2回。
夫婦であっても、それぞれ自分の人生があるわけで、夫婦だからといって必ずしも同じ方向で助け合えるとは限らない。この夫婦に起きたことは決して他人事ではない思います。





ウディ・アレン×ティモシー・シャラメがめちゃくちゃ嬉しかった!
「外は霧雨、灰色の空。ニューヨークの街がもやに包まれ、恋人たちは6時に待ち合わす」
このセリフからのラストには震えました。ありがとうを言いたい。
セレーナ・ゴメスがとても魅力的でした。





この若草物語が作られたことは、とても意味のあることだと思います。
今求められる女性像ですね。それをこのリメイクでは四女で表現したのです。演じたのは「ミッド・サマー」のフローレンス・ピューでした。

才能もあって好きな人にも好かれている次女を羨ましく思いながらも、己を受け止め強く生きていく女性。わがまま甘えん坊の末っ子キャラではなく、大人になってしっかりと自分の主張を信念を持って伝えられるようになる・・・そこには、人は成長できるし、素敵な大人になったことで望みが叶った、という希望が描かれていたと思います。





2019年公開で11月にNetflix配信されたので今年見た作品です。カンヌ国際映画祭批評家週間でグランプリ受賞し、世界最大のアニメ映画祭であるアヌシー国際アニメーション映画祭で最高賞を受賞したフランスの長編アニメーション。

視点が面白かったですね。切断された手が自分の体を探しに旅に出て、その間に自分の記憶を蘇らせ、好きな彼女を救うためにある行動を起こす・・・不思議な気持ちになりましたが、とても印象に残った作品です。


映画館で見た作品が少なく(公開映画自体少なかったですね)、Netflixで見た作品が多かったですね。新作が見られなかった代わりに、旧作をたくさん見たので、結局今年も100本くらいは鑑賞できたと思います。
そういえば「パラサイト」で流行った「チャパグリ」を作って食べました。美味しかった〜。「愛の不時着」もハマりましたね。撮影がすごかったし、朝鮮ギャグみたいな会話が面白かったんですよね〜。初めて韓流ドラマを見ました。

来年はたくさん映画館で映画が見られるといいな。


posted by なりたま at 14:53| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月16日

映画「ザ・ストーン・ローゼズ:メイド・オブ・ストーン」もUNDERDOGSでやってます!

今池のシネマテークで開催されている「アンダーグラウンドなロック・ドキュメンタリー」の期間限定の特集上映「UNDERDOGS」。
全部で9作品の上映で、先ほどご紹介した以外にも、歴代メンバーが多すぎて全容を把握しきれなかったというイギリスのパンクバンド、ザ・ダムドのドキュメンタリー映画や、アメリカLAハードコアの重鎮、バッド・ブレインズのドキュメンタリーもあります。

では、ここでは、シネマテークで12月19日夜7時に上映されるイギリス・マンチェスターのロックバンド、ザ・ストーン・ローゼズのドキュメンタリー映画「メイド・オブ・ストーン(Made of Stone)2012」をご紹介しましょう。





バンドが解散したのは1996年。たった2枚のアルバムをリリースしただけで、といっても、セカンドアルバムはあってないような作品だったので実質たった1枚の1stアルバムだけで伝説のバンドになってしまったのが、ストーン・ローゼズというバンドです。
オアシスがめちゃくちゃ敬愛しているバンドとしても有名です。

そんな彼らが、15年の時を経て再結成をするんですが、その解散から再結成までのドキュメンタリー映画なんですね。なので、どうやってバンドが誕生して〜とか、栄光の奇跡〜とか、そういうことは描かれていなくて、ただ再結成のときのことがドキュメントされているんですけど、これがすごいんですよね。

2011年に、メンバーのイアン・ブラウン、ジョン・スクワイア、マニ、レニの4人が記者会見したときのことは、私も今でも鮮明に覚えているんですけど、再結成なんて夢にも思わなかったので世界中のファンが驚き歓喜したわけです。特にイギリスは大ニュースですよね。しかも、ラジオ番組で、今日何時にどこどこでストーン・ローゼズがファンのために無料ライブを行う、と。もちろん本当にライブを行ったんですけど、そんなインフォメーションをしちゃったものだから、もう大騒ぎ。そのときの入場できる条件がストーン・ローゼズのファンであることを証明できるもの、例えばレコードとかTシャツ、ライブチケット、そういう何かしらを持っていけばストーン・ローゼズが見られるっていうんで、これちょっとネタバレになっちゃうんですけど、ファン(長い年月が経っていますからいい年したおっさんたち)が、その日の仕事を休んでストーン・ローゼズに会いに行くっていうファンの愛情がすごくて、めちゃくちゃ笑えるんですよ。笑えるしうるっとくる・・・。

他にもファンのローゼズ愛が凄すぎるエピソードがあるんですけど、それはぜひ映画を見て楽しんでください。
ちなみに、その後の地元マンチェスターでのライブは3日間で22万人を動員。日本には、フジロックフェスティバルで来日しました。
この再結成でフジロックも含むワールドツアーや作品のリリースで稼いだとされる金額は約17億円と公表されています。こういうロックバンドは彼ら以外ないですよね。

映画「Made of Stone」、ぜひ今池シネマテークでご覧なってください。





posted by なりたま at 13:52| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

名古屋にも「UNDERDOGS」やってきた。嬉しい!

今年も3週間をきりました。12月に入るとやはりバタバタと時間が過ぎていくのを感じますが、このタイミングで今池のシネマテークという映画館では、ロック好きにはたまらない企画がスタートしています。その名も「UNDERDOGS」。


underdog.jpg


“地下”にうごめく数々のアンダーグラウンドなロック・ドキュメンタリーにスポットをあてる期間限定の特集上映。東京、大阪に続き、ついに名古屋でも始まります。パチパチ。
数ある中から、今回シネマテークで上映されるのは、名古屋初公開作や伝説の傑作など9作品。この時間はどんなロック・ドキュメンタリーが上映されるのかご紹介しましょう。





まずは、「ジョウブレイカー/ドント・ブレイク・ダウン(Don’t Brake Down)2019」
ジョウブレイカーというバンドはGreen Dayのジョー・ストラマーが敬愛したバンドですね。1980後半〜1990年代にニューヨークからサンフランシスコに渡って活躍した人気インディーズバンドで、しかしながらメジャーデビューするとバンドは崩壊していくっていう、その賛辞からバッシングまでの10年間を描いたドキュメンタリーです。





次に、「デソレーション・センター(DESOLATION CENTER)2018」
デソレーション・センターっていうのは、アメリカのコーチェラ・フェスティバルっていう大きな音楽フェスがありますが、その元祖ともなった音楽イベントで、最大の特徴は、それを砂漠の中で行ったっていうことです。だだっ広い砂漠で民家もお店もないっていうのをいいことに、炎が噴き出たり、爆発したり、火花が散ったり、もう、むちゃくちゃです。笑。ソニック・ユースなどが出演していたアートでありパンクなイベント「デソレーション・センター」を追ったドキュメンタリー。





3つめ、「D.O.A 1980」。
1970年終わりごろに迎えた初期のパンク・ロックのファンは必見の作品。イギリスのバンド、セックス・ピストルズのアメリカツアーを中心に、デッド・ボーイズ、シャム69、ジェネレーションXなど、当時絶頂期を迎えていたバンドを追ったドキュメンタリー。私、この作品は見たことあるんですけど、この作品の貴重なところは21歳でこの世を去り後に多大な影響を与えたシド・ヴィシャスっていうセックス・ピストルズのベーシストがいるんですけど、生前付き合ってた彼女がナンシーっていうんですよ。まぁ、幸か不幸か二人はドラッグ漬けになっていくんですけど、そのシド&ナンシーの喋ってるシーンが結構長くて、この映画見るまでは二人を想像することしかできなかったので、この映画でふたりが喋ってるとこみたときはちょっとブルッとしましたね。笑





4つめ、「ザ・スリッツ/ヒア・トゥ・ビー・ハード(Here to be Heard: The Story og The Slits)2017」。
世界初の女性のみのパンク・バンドがザ・スリッツです。番組でザ・スリッツの話ができるだけで実はとても嬉しいんですけど、彼女たちは1970年代中頃に結成して、ザ・クラッシュのライブにサポートで出たりしたバンドです。1979年にリリースしたデビューアルバム「Cut」は、メンバーが森のなんとか族みたいな腰巻で裸に泥を塗りつけた写真がジャケットで、おっぱいもぽろろーんと出てて衝撃のジャケットなんですけど、音楽がいわゆるパンクロックとも違うエキゾチックな感じで、パンクの名盤に必ず挙げられる作品なんですね。そんな彼女たちの歴史がわかるドキュメンタリーです。





2015年にロックの殿堂入りを果たした、女性ギタリストでありロックンロールの象徴と言われたジョーンジェットの半生を描いたドキュメンタリー映画「ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション」も上映されます。イギー・ポップやBLONDIEのデボラ・ハリー、ビースティー・ボーイズのアダム・ヤウク、Green Dayのビリー・ジョーも登場して、彼女の魅力についてコメントしています。

ということで、「UNDERDOGS」は明日から25日金曜日まで毎日夜1回上映となります。気になった作品がある方はシネマテークのウェブサイトからスケジュールを確認して足を運んでください。


posted by なりたま at 13:40| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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