サッカー(特にイギリスのフットボール)ファンの方、そしてファッションやカルチャー好きの方にも知っていただきたい「カジュアルズ」について描いた映画「アウェイデイズ」が公開されていました。見たかった方は間に合ったでしょうか・・・。
1979年イングランド北部のマージーサイド州バーケンヘッド。カーティとエルヴィスはエコー&ザ・バニーメンのライブで奇跡的な出会いを果たし意気投合。母親を亡くしたばかりのカーティーは中産階級の父と妹と暮らし、下級公務員として働く19歳。一方エルヴィスはアートや音楽、詩などが大好きな青年で、悪名高いギャング集団「パック」の一員でした。「パック」はヨーロッパ各地に観戦に出向いては喧嘩して問題を起こし、警察にも目をつけられる存在。しかし、カーティの「パック」への憧れはどんどん増していき、危険な世界の扉を徐々に開いていくのだった・・・というお話。
イングランドのマージーサイドは、ザ・ビートルズの地リヴァプールがあるあの辺りですね。フットボールでもリヴァプールFCっていう強いチームがあるところです。バーケンヘッドは、リヴァプールからマージー川っていう大きな川を挟んだところにある町でちょっと田舎の場所でもあります。
こういうところで生まれ育つというのは、映画のセリフにも出てくるんですが「未来が選択できる人生」か「決められたレールの上をただ歩く人生」かどちらかというわけです。夢や希望が何かわからないまま一部の男の子たちが夢中になっていたもの、それが(ざっくり言えば)ファッションであり喧嘩であったということなんですね。
では、カジュアルズとは。
スポーツウェアを中心としたファッションの一大ブームメントのことをいいます。発祥はリヴァプールとマンチェスターという説があるんですが、この映画からいくとリヴァプールってことになるんですかね。この映画の中の「パック」っていう集団はみんなカーキのナイロンジャケットを羽織っているんですけど、実際のファッションアイテムとしては、フレッドペリーのポロシャツとかジャージーにジーンズ、そして肝心なのがアディダスのシューズ(スタンスミス)ですね。映画のシーンに出てくるのは「おまえ、そのアディダスのシューズ昔のヤツだろ」という感じで最新のアイテムを身につけるのがカッコイイ、というか、当たり前みたいな雰囲気なんですね。つまり、カジュアルズって、あちこち移動してフットボール観戦して洋服も買わなきゃいけないわけですから、これができた男の子たちっていうのは貧しかったわけじゃないっていうこともわかります。
もうひとつ、このスポーツウェアに身を包むファッションにしたっていうのには、このカジュアルズの中には映画に出てくるように喧嘩ばかりしてた子もいたわけです。そういう子たちが警察から身を隠すためにスポーツウェアだと都合がよかったということなんですね。で、そういうカジュアルズが一気にイギリス全土に広まったんです。
で、そういうカジュアルズが好んで聴いていた音楽が今流れているJoy DivisionやDavid Bowieだったといいます。この映画の魅力は劇中にポストパンクやニューウェイヴがいっぱい流れるっていうことです。Joy Divisionの他にもThe Cure、Echo&The Bunnymen、Ultravox、Magazineなどなどイギリスのロックが好きな方は必見です。
映画「アウェイデイズ」今回見逃した方は、機会がありましたらぜひご覧ください。
一番使われていた音楽はUltra Voxでした。
監督さん、ファンなのかな・・・。
2020年12月10日
2020年11月25日
主演男優賞&助演男優賞でオスカー獲っちゃう!?映画「シカゴ7裁判」
もう11月も下旬になります。このくらいになると、そろそろ騒がれるのが来年の大きな映画祭に向けての賞レースです。「アカデミー賞大本命!」と言われるものが何個が出てくるとぶっちゃけ「大げさだなぁ。そうかもしれないけど。」とか私は思っちゃうんですけど、この作品はまさに来年のアカデミー賞大本命作品となります。映画「シカゴ7裁判」。ベトナム戦争の反対運動をきっかけに、抗議デモを企てたとされ逮捕・起訴された7人の男「シカゴ・セブン」の衝撃の裁判を描いた実話に基づく物語です。
監督・脚本をつとめるのは「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞脚色賞を受賞しました、「マネーボール」や「スティーブ・ジョブズ」など数々の実話に基づく作品を独自の目線で手がけてきたアーロン・ソーキンです。感動的なストーリーにするのがお得意な方ともいわれています。
そして、出演する俳優が豪華なんです。
「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主人公で知られ、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエディ・レッドメイン。
「(500)日のサマー」「ダークナイト ライジング」のジョゼフ・ゴードン=レヴィット。
「レ・ミゼラブル」のサシャ・バロン・コーエン。
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞主演男優賞ノミネートのマイケル・キートン。
「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマーク・ライランスなどなど、他にも実力派ぞろいで演技のぶつかり合いは本当に見応えがありました。

ときは1968年、シカゴでの民主党大会。「(当時の)ニクソン大統領を倒してほしい」「ベトナム戦争に反対!」と、市民や活動家たちが集まってデモをしていました。当初は平和的に行われるはずだったデモでしたが、徐々に激化していき、警官と衝突してしまいます。デモの首謀者とされた7人の男たちが「暴動を煽った罪」で起訴され、彼らの裁判の行方をアメリカ全土が注目するのですが・・・というお話。
この男たちですが、立場は様々で、エディ・レッドメイン演じる学生が「民主社会学生同盟」のリーダーで、とにかく真面目な感じ。それに対して「青年国際党」っていって公園を使って音楽(ロック)を鳴らして平和を訴えよ〜みたいな2人組もいるんですよ。そこが本当に馬が合わなくて、裁判の流れとともに、そのデモで何が起こったかっていうのも紐解かれていくんですが、デモに参加した人たちのそれぞれの思いや行動っていうのも非常に興味深いです。
さらに、黒人の男がひとりいて、彼は「ブラックパンサー党」のリーダーで、これもあからさまに人種差別なんですけど彼には代理人があてがわれないために発言をさせてもらえないんですね。裁判長がもうわかりやすく検察寄りの人でひどいこともするんですよ〜。ま、この作品は事実に基づいているとはいえ、史実からかけ離れているという点もいくつかあるので、全体としてこういうことがあったっていうストーリーとして見ていただければと思います。
ラストシーンが素晴らしいです。
今年はブラック・ライヴズ・マターがありました。人種問題があって、警察官による発砲があったり、デモをすれば血が流れるっていう場面も目にすることになり、この映画の時代がまるで今と重なってるなぁと感じざるを得ないところも、今年を代表する一作品なのかなと思います。
主題歌はセレステ。ぴったりでしたね・・・。
映画「シカゴ7裁判」センチュリーシネマにて公開中。Netflixにて配信中です。
監督・脚本をつとめるのは「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞脚色賞を受賞しました、「マネーボール」や「スティーブ・ジョブズ」など数々の実話に基づく作品を独自の目線で手がけてきたアーロン・ソーキンです。感動的なストーリーにするのがお得意な方ともいわれています。
そして、出演する俳優が豪華なんです。
「ファンタスティック・ビースト」シリーズの主人公で知られ、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したエディ・レッドメイン。
「(500)日のサマー」「ダークナイト ライジング」のジョゼフ・ゴードン=レヴィット。
「レ・ミゼラブル」のサシャ・バロン・コーエン。
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でアカデミー賞主演男優賞ノミネートのマイケル・キートン。
「ブリッジ・オブ・スパイ」でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマーク・ライランスなどなど、他にも実力派ぞろいで演技のぶつかり合いは本当に見応えがありました。
ときは1968年、シカゴでの民主党大会。「(当時の)ニクソン大統領を倒してほしい」「ベトナム戦争に反対!」と、市民や活動家たちが集まってデモをしていました。当初は平和的に行われるはずだったデモでしたが、徐々に激化していき、警官と衝突してしまいます。デモの首謀者とされた7人の男たちが「暴動を煽った罪」で起訴され、彼らの裁判の行方をアメリカ全土が注目するのですが・・・というお話。
この男たちですが、立場は様々で、エディ・レッドメイン演じる学生が「民主社会学生同盟」のリーダーで、とにかく真面目な感じ。それに対して「青年国際党」っていって公園を使って音楽(ロック)を鳴らして平和を訴えよ〜みたいな2人組もいるんですよ。そこが本当に馬が合わなくて、裁判の流れとともに、そのデモで何が起こったかっていうのも紐解かれていくんですが、デモに参加した人たちのそれぞれの思いや行動っていうのも非常に興味深いです。
さらに、黒人の男がひとりいて、彼は「ブラックパンサー党」のリーダーで、これもあからさまに人種差別なんですけど彼には代理人があてがわれないために発言をさせてもらえないんですね。裁判長がもうわかりやすく検察寄りの人でひどいこともするんですよ〜。ま、この作品は事実に基づいているとはいえ、史実からかけ離れているという点もいくつかあるので、全体としてこういうことがあったっていうストーリーとして見ていただければと思います。
ラストシーンが素晴らしいです。
今年はブラック・ライヴズ・マターがありました。人種問題があって、警察官による発砲があったり、デモをすれば血が流れるっていう場面も目にすることになり、この映画の時代がまるで今と重なってるなぁと感じざるを得ないところも、今年を代表する一作品なのかなと思います。
主題歌はセレステ。ぴったりでしたね・・・。
映画「シカゴ7裁判」センチュリーシネマにて公開中。Netflixにて配信中です。
2020年11月18日
自撮り撮影の動画って若い子には見やすいのかな・・・映画「PLAY 25年分のラストシーン」
主人公のマックスが25年間撮りためたホームビデオの映像をつなぎ、青春を振り返るフランス映画「PLAY 25年分のラストシーン」。
1990年代〜2010年代までの25年間には日本人の私たちが見ても「懐かしい」と胸ときめき、思わず自分のあの頃も思い返してしまう映画です。
1993年、パリ。両親からビデオカメラを贈られた13歳のマックスは、温かな家族や幼馴染との日々を撮り始めます。いつしかそれは彼のライフワークとなり、25年分の歳月が大量のテープに保存されていきました。
2018年、38歳になったマックスは仕事もプライベートも低空飛行。そんなある日、撮りためた25年を映像作品にしようとテープの山を整理し始めます。
親友たちとの夜遊び、バルセロナ旅行、サッカーW杯フランス大会、ミレニアムの興奮、ずっと意識していた女の子エマとの2ショットや失恋・・・素直になれなかったことで失ってしまったものを取り返すべく、マックスはとっておきのラストシーンを準備する・・・というお話です。
撮影をビデオ画質にするためにかなりこだわったそうで、映画が始まってすぐに映像の質感ですぐに懐かしい気持ちにさせてくれます。
また、この懐かしいっていう感覚は、フランスも日本もあんまり変わらないのかなぁっていうくらい共通するものがたくさんあって、「こっくりさん」とか「ストリートファイター2ごっこ」とか「初代プレイステーション」とかが出てきて、フランスの子供たちがやっているのに、なんか童心に帰ってしまいました。

ずっとカメラを回しているので、仲良しだったお父さんとお母さんにもそうじゃないときがやってきます。主人公も離婚の危機が訪れて、その一連の流れもビデオカメラに収まっているわけなんですが・・・「現代ビジネス」がこの映画紹介からフランス人の「結婚観」について書かれていて、私はフランスに住んでいたこともあるので、とても共感しながら読ませていただいたんですけど・・・。フランスって愛の国といわれるように、自分の愛に正直な分、離婚率も高かったり、そもそも結婚しないカップルも多いし、事実婚も法的なものとそうじゃないもの2種類あるっていう国なんですよね。その代わり、子供に関しては、離婚しても共同親権のもとに育児の義務を平等に共有しますし、子育て支援が手厚いので国立なら大学院まで学費は無料なんですね。なので、子供がいても離婚するのは至極当然だ、と。これは私もそう思いました。多様性になると、こうなるのかなぁ、とも思いますけどね。そういうお国柄も知っておくと、この映画も理解しやすいかも。
そして、音楽の使われ方がまたニクいですね。レニー・クラヴィッツ、ウィーザー、オアシス、アラニス・モリセット、ジャミロクワイなどなど、懐かしい洋楽が連発です。
今流れているPIXIESの”Where Is My Mind”は、「自分のマインド(考え)はどこへ行った?」ということで、主人公が初恋の相手に素直になれなかったばかりにタイミングを逃すっていうシーンがあるんですけど、そこでしょんぼりするときに流れるんですよ。そういう気持ちや状況とリンクして選曲している曲もたくさんあったのがよかったですし、自分のあの頃の1曲をも思い出させてくれる映画でした。
映画「PLAY 25年分のラストシーン」現在センチュリーシネマ、ミッドランドシネマ名古屋空港にて公開中です。
冒頭に流れるこの歌は「年相応にしなよ」って言われる中で「俺の年っていくつだっけ?」と言って大人になりきれない自分を歌っている曲です。
とはいえ、他人のことを笑っていられる自分がいるのかどうか・・・。
1990年代〜2010年代までの25年間には日本人の私たちが見ても「懐かしい」と胸ときめき、思わず自分のあの頃も思い返してしまう映画です。
1993年、パリ。両親からビデオカメラを贈られた13歳のマックスは、温かな家族や幼馴染との日々を撮り始めます。いつしかそれは彼のライフワークとなり、25年分の歳月が大量のテープに保存されていきました。
2018年、38歳になったマックスは仕事もプライベートも低空飛行。そんなある日、撮りためた25年を映像作品にしようとテープの山を整理し始めます。
親友たちとの夜遊び、バルセロナ旅行、サッカーW杯フランス大会、ミレニアムの興奮、ずっと意識していた女の子エマとの2ショットや失恋・・・素直になれなかったことで失ってしまったものを取り返すべく、マックスはとっておきのラストシーンを準備する・・・というお話です。
撮影をビデオ画質にするためにかなりこだわったそうで、映画が始まってすぐに映像の質感ですぐに懐かしい気持ちにさせてくれます。
また、この懐かしいっていう感覚は、フランスも日本もあんまり変わらないのかなぁっていうくらい共通するものがたくさんあって、「こっくりさん」とか「ストリートファイター2ごっこ」とか「初代プレイステーション」とかが出てきて、フランスの子供たちがやっているのに、なんか童心に帰ってしまいました。
ずっとカメラを回しているので、仲良しだったお父さんとお母さんにもそうじゃないときがやってきます。主人公も離婚の危機が訪れて、その一連の流れもビデオカメラに収まっているわけなんですが・・・「現代ビジネス」がこの映画紹介からフランス人の「結婚観」について書かれていて、私はフランスに住んでいたこともあるので、とても共感しながら読ませていただいたんですけど・・・。フランスって愛の国といわれるように、自分の愛に正直な分、離婚率も高かったり、そもそも結婚しないカップルも多いし、事実婚も法的なものとそうじゃないもの2種類あるっていう国なんですよね。その代わり、子供に関しては、離婚しても共同親権のもとに育児の義務を平等に共有しますし、子育て支援が手厚いので国立なら大学院まで学費は無料なんですね。なので、子供がいても離婚するのは至極当然だ、と。これは私もそう思いました。多様性になると、こうなるのかなぁ、とも思いますけどね。そういうお国柄も知っておくと、この映画も理解しやすいかも。
そして、音楽の使われ方がまたニクいですね。レニー・クラヴィッツ、ウィーザー、オアシス、アラニス・モリセット、ジャミロクワイなどなど、懐かしい洋楽が連発です。
今流れているPIXIESの”Where Is My Mind”は、「自分のマインド(考え)はどこへ行った?」ということで、主人公が初恋の相手に素直になれなかったばかりにタイミングを逃すっていうシーンがあるんですけど、そこでしょんぼりするときに流れるんですよ。そういう気持ちや状況とリンクして選曲している曲もたくさんあったのがよかったですし、自分のあの頃の1曲をも思い出させてくれる映画でした。
映画「PLAY 25年分のラストシーン」現在センチュリーシネマ、ミッドランドシネマ名古屋空港にて公開中です。
冒頭に流れるこの歌は「年相応にしなよ」って言われる中で「俺の年っていくつだっけ?」と言って大人になりきれない自分を歌っている曲です。
とはいえ、他人のことを笑っていられる自分がいるのかどうか・・・。
2020年11月05日
映画「朝が来る」はあちこちから、すすり泣きが・・・。
河瀬直美監督の最新作「朝が来る」。
実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てられなかった14歳の少女をつなぐ「特別養子縁組」によって新たに芽生える家族の絆と胸を揺さぶる葛藤を描いたヒューマン・ミステリー作品。原作は「ツナグ」の辻村深月です。
2020年のカンヌ国際映画祭公式選出作品であり、アメリカのアカデミー賞国際長編映画賞に日本代表の1本として選出されたことも発表されました。
一度は子どもを持つことを諦めた夫婦、佐都子と清和(永作博美&井浦新)が「特別養子縁組」という制度を知り、男の子「朝斗(あさと)」を迎え入れます。6年経ったある日のこと、朝斗の生みの親だと名乗る女性から一本の電話がかかってきます。「子どもを返してほしい。さもなければ、お金をください。」佐都子が会った実の母親であった当時14歳の女の子の面影は感じられません。家にまでやってきた彼女の目的は・・・というお話。

響くものがたくさんあった映画でした。女性だけでなく男性にも見てほしいですね。
なんといっても、公開のタイミングがタイミングがいいですね。
今「不妊治療」に対しての保険適用が実現化に向かっているじゃないですか。。不妊治療っていうものが一般的に知られる機会になるっていうのはいいことだと思うし、あとは、これまで経済的に子どもを諦めていた人でもハードルが下がるっていうことで不妊治療にのぞむ人や同時に養子を考えるご夫婦も増えていくと予想されるんですけど、そういう人たちが「もう一つ深く」考えるきっかけにもなるだろうなぁと感じました。
欧米の文化でいいなぁって思っていることがありまして、それは、普通の出産同様、養子を迎え入れた時も向こうの人たちって「Congratulation!(おめでとう!)」って周りの人がみんな言うんですよ。当たり前のことだそうです。
とある映画紹介記事によりますと、日本で「特別養子縁組」が成立する数が年間約500組で、ヨーロッパの経済大国に比べると10分の1ほどしかないんだそうで、日本では単純に数が少ないっていうのはあるのかもしれませんが、
養子については隠すことではないですし、どんな子どもでもみんなに愛されるべきだし、そういう子どもと出会えたことに感謝と祝福をすること・・・この映画を見ていて、そういうことって大事だな〜ってつくづく思いました。

河瀬直美監督といえば樹木希林さんが主演した「あん」という映画でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今回の作品でも河瀬直美さんの世界観が全面に、そして細部にまで行き渡っていて、特に「光」の効果が登場人物の心情とすごくリンクしているのが印象的でしたね。それは蒔田彩珠(まきたあじゅ)演じる14歳で母になる女の子の役名が「ヒカリ」だからっていうのも関係してくるのかなと思います。
あとは、途中で養子縁組した家族とか、ヒカリが出産のために遠く離れた施設で生活をするシーンがあるんですけど、そこに出てくる人たちが役者さんなのか本当にそこにいる人たちなのか(たぶん素人さん?)、ところどころのリアリティと、役者さんの名演技、といっても演技しすぎない自然なままを撮ることにこだわったそうなので、それらが入り混じったストーリーをぜひ見ていただければと思います。
映画「朝が来る」現在全国にて公開中です。
実の子を持てなかった夫婦と、実の子を育てられなかった14歳の少女をつなぐ「特別養子縁組」によって新たに芽生える家族の絆と胸を揺さぶる葛藤を描いたヒューマン・ミステリー作品。原作は「ツナグ」の辻村深月です。
2020年のカンヌ国際映画祭公式選出作品であり、アメリカのアカデミー賞国際長編映画賞に日本代表の1本として選出されたことも発表されました。
一度は子どもを持つことを諦めた夫婦、佐都子と清和(永作博美&井浦新)が「特別養子縁組」という制度を知り、男の子「朝斗(あさと)」を迎え入れます。6年経ったある日のこと、朝斗の生みの親だと名乗る女性から一本の電話がかかってきます。「子どもを返してほしい。さもなければ、お金をください。」佐都子が会った実の母親であった当時14歳の女の子の面影は感じられません。家にまでやってきた彼女の目的は・・・というお話。
響くものがたくさんあった映画でした。女性だけでなく男性にも見てほしいですね。
なんといっても、公開のタイミングがタイミングがいいですね。
今「不妊治療」に対しての保険適用が実現化に向かっているじゃないですか。。不妊治療っていうものが一般的に知られる機会になるっていうのはいいことだと思うし、あとは、これまで経済的に子どもを諦めていた人でもハードルが下がるっていうことで不妊治療にのぞむ人や同時に養子を考えるご夫婦も増えていくと予想されるんですけど、そういう人たちが「もう一つ深く」考えるきっかけにもなるだろうなぁと感じました。
欧米の文化でいいなぁって思っていることがありまして、それは、普通の出産同様、養子を迎え入れた時も向こうの人たちって「Congratulation!(おめでとう!)」って周りの人がみんな言うんですよ。当たり前のことだそうです。
とある映画紹介記事によりますと、日本で「特別養子縁組」が成立する数が年間約500組で、ヨーロッパの経済大国に比べると10分の1ほどしかないんだそうで、日本では単純に数が少ないっていうのはあるのかもしれませんが、
養子については隠すことではないですし、どんな子どもでもみんなに愛されるべきだし、そういう子どもと出会えたことに感謝と祝福をすること・・・この映画を見ていて、そういうことって大事だな〜ってつくづく思いました。
河瀬直美監督といえば樹木希林さんが主演した「あん」という映画でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今回の作品でも河瀬直美さんの世界観が全面に、そして細部にまで行き渡っていて、特に「光」の効果が登場人物の心情とすごくリンクしているのが印象的でしたね。それは蒔田彩珠(まきたあじゅ)演じる14歳で母になる女の子の役名が「ヒカリ」だからっていうのも関係してくるのかなと思います。
あとは、途中で養子縁組した家族とか、ヒカリが出産のために遠く離れた施設で生活をするシーンがあるんですけど、そこに出てくる人たちが役者さんなのか本当にそこにいる人たちなのか(たぶん素人さん?)、ところどころのリアリティと、役者さんの名演技、といっても演技しすぎない自然なままを撮ることにこだわったそうなので、それらが入り混じったストーリーをぜひ見ていただければと思います。
映画「朝が来る」現在全国にて公開中です。
2020年10月28日
聴き込むにはいいタイミングでした。映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」
ロックバンド、ザ・バンドのドキュメンタリー映画が公開中です。
「アメリカのバンド以上にアメリカのバンド」とも言われた、メンバー5人中4人がカナダ人というバンドで、バンドの中心メンバーだったロビー・ロバートソンが人生を振り返った2016年に出版した自伝の映画化となります。
まずはザ・バンドをあらためて紹介していきましょう。
最初はロカビリーシンガーのバックバンド、ザ・ホークスが母体ですね。その後、アコースティックからエレキギターに持ち替えようとしていたボブ・ディランに声をかけられてバックバンドを務めます。(映画では毎日ブーイングを浴びていたっていうその頃の心境についても語られています。)その後、ウッドストックでピンク色に塗られた「ビッグ・ピンク」と呼ばれる家で創作活動に励み、ボブ・ディランとセッションして残された曲は100曲以上に及びます。その時の曲が収められている作品がアルバム「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」ですね。
1968年、バンド名を「ザ・バンド」とした彼らはいよいよデビューし、サイケリック全盛の時代にルーツ・ミュージックの魅力を独自の解釈で再発見した音楽は反響を呼びました。”ザ・ウェイト”は映画「イージー・ライダー」で使用され、それまでボブ・ディランのバックバンドというイメージが強かった彼らですが、瞬く間にザ・バンドとして成功を収め、次々とヒット作品を世に送り出します。
コンサートでも様々な歴史に名を残しています。1969年にはアメリカのウッドストック・フェスティバル、イギリスのワイト島フェスティバルに出演。両国のロックフェスの原点となるフェスですからね・・・すごいです。
ウッドストックからカリフォルニアに拠点を移し、活動を続けましたが、1976年11月25日サンフランシスコで「ザ・ラスト・ワルツ」というラスト・ライブを行い、活動停止を表明。このライブには、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、マディ・ウォーターズなどなどザ・バンドゆかりのバンドが登場しました。映画「タクシー・ドライバー」のマーティン・スコセッシ監督によって映画化もされ、ロック・ドキュメンタリー映画の傑作として語り継がれています。
1994年に「ロックの殿堂」入り。2008年にはグラミー賞の「功労賞」を受賞。
と、まぁ、偉大なバンドです。
で、このドキュメンタリー、いい意味でスッキリしていて、音楽ファンなら誰でも楽しめる作りになっているんですけど、それはなぜか・・・なんと監督が当時26歳の監督なんですね。両親の影響でザ・バンドのファンになったというダニエル・ロアー監督。
彼がインタビューで言っていたんですけど「ロビー・ロバートソンは音楽人として、物語や神話を作る人。実際、すごく神格化された人物でもある。でもそういうイメージは”嘘っぱち”とまでは言わないけど、もっとニュートラルにしたくて、そういう側面はあえてバッサリ切ろうと思っていた。代わりに、彼が人生をかけた大仕事である”ザ・バンド”とは何だったのか?という核心に客観的に触れるような作品にしたかった。」と。
ロビーは、その26歳の彼を信頼して任せたそうです。それが上手くいっていると思います。メンバーも5人中3人が他界していますし、活動停止に向かっていくのに苦悩や問題もありましたからね。
ただ映画が爽やかに感じるのには、ザ・バンドを敬愛するブルース・スプリングスティーンのザ・バンド愛コメントがあったり、エリック・クラプトンが笑いを誘ったり、そういう次から次へと出てくるミュージシャンがよかったです。ジョージ・ハリスンが出てきたときは、ちょっと胸が熱くなりました。
初心者にはわかりやすいし、コアなファンにはたまらない映像もいっぱいです。
映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」今日、名演小劇場にて公開です。
イントロのギターもめちゃかっこいいですよね。
初めてと言っていいくらいThe Bandを聴き込む機会となりました。
ロビー・ロバートソンは、ギター・ヒーローというより引きのタイプ。けど、かっこいい、みたいな。映画でも、「ラストワルツ」でのエリック・クラプトンのストラップが外れるシーンをさりげなくフォローする場面が出てきます。
バンドっていいなぁって純粋に思えたドキュメンタリーでした。
「3人がバンドのフロントマンになれるバンド」ってドキュメンタリーの冒頭でも言われていたのですが、ホントその通りの音楽性です。
「アメリカのバンド以上にアメリカのバンド」とも言われた、メンバー5人中4人がカナダ人というバンドで、バンドの中心メンバーだったロビー・ロバートソンが人生を振り返った2016年に出版した自伝の映画化となります。
まずはザ・バンドをあらためて紹介していきましょう。
最初はロカビリーシンガーのバックバンド、ザ・ホークスが母体ですね。その後、アコースティックからエレキギターに持ち替えようとしていたボブ・ディランに声をかけられてバックバンドを務めます。(映画では毎日ブーイングを浴びていたっていうその頃の心境についても語られています。)その後、ウッドストックでピンク色に塗られた「ビッグ・ピンク」と呼ばれる家で創作活動に励み、ボブ・ディランとセッションして残された曲は100曲以上に及びます。その時の曲が収められている作品がアルバム「地下室(ザ・ベースメント・テープス)」ですね。
1968年、バンド名を「ザ・バンド」とした彼らはいよいよデビューし、サイケリック全盛の時代にルーツ・ミュージックの魅力を独自の解釈で再発見した音楽は反響を呼びました。”ザ・ウェイト”は映画「イージー・ライダー」で使用され、それまでボブ・ディランのバックバンドというイメージが強かった彼らですが、瞬く間にザ・バンドとして成功を収め、次々とヒット作品を世に送り出します。
コンサートでも様々な歴史に名を残しています。1969年にはアメリカのウッドストック・フェスティバル、イギリスのワイト島フェスティバルに出演。両国のロックフェスの原点となるフェスですからね・・・すごいです。
ウッドストックからカリフォルニアに拠点を移し、活動を続けましたが、1976年11月25日サンフランシスコで「ザ・ラスト・ワルツ」というラスト・ライブを行い、活動停止を表明。このライブには、ボブ・ディラン、エリック・クラプトン、ジョニ・ミッチェル、ニール・ヤング、マディ・ウォーターズなどなどザ・バンドゆかりのバンドが登場しました。映画「タクシー・ドライバー」のマーティン・スコセッシ監督によって映画化もされ、ロック・ドキュメンタリー映画の傑作として語り継がれています。
1994年に「ロックの殿堂」入り。2008年にはグラミー賞の「功労賞」を受賞。
と、まぁ、偉大なバンドです。
で、このドキュメンタリー、いい意味でスッキリしていて、音楽ファンなら誰でも楽しめる作りになっているんですけど、それはなぜか・・・なんと監督が当時26歳の監督なんですね。両親の影響でザ・バンドのファンになったというダニエル・ロアー監督。
彼がインタビューで言っていたんですけど「ロビー・ロバートソンは音楽人として、物語や神話を作る人。実際、すごく神格化された人物でもある。でもそういうイメージは”嘘っぱち”とまでは言わないけど、もっとニュートラルにしたくて、そういう側面はあえてバッサリ切ろうと思っていた。代わりに、彼が人生をかけた大仕事である”ザ・バンド”とは何だったのか?という核心に客観的に触れるような作品にしたかった。」と。
ロビーは、その26歳の彼を信頼して任せたそうです。それが上手くいっていると思います。メンバーも5人中3人が他界していますし、活動停止に向かっていくのに苦悩や問題もありましたからね。
ただ映画が爽やかに感じるのには、ザ・バンドを敬愛するブルース・スプリングスティーンのザ・バンド愛コメントがあったり、エリック・クラプトンが笑いを誘ったり、そういう次から次へと出てくるミュージシャンがよかったです。ジョージ・ハリスンが出てきたときは、ちょっと胸が熱くなりました。
初心者にはわかりやすいし、コアなファンにはたまらない映像もいっぱいです。
映画「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」今日、名演小劇場にて公開です。
イントロのギターもめちゃかっこいいですよね。
初めてと言っていいくらいThe Bandを聴き込む機会となりました。
ロビー・ロバートソンは、ギター・ヒーローというより引きのタイプ。けど、かっこいい、みたいな。映画でも、「ラストワルツ」でのエリック・クラプトンのストラップが外れるシーンをさりげなくフォローする場面が出てきます。
バンドっていいなぁって純粋に思えたドキュメンタリーでした。
「3人がバンドのフロントマンになれるバンド」ってドキュメンタリーの冒頭でも言われていたのですが、ホントその通りの音楽性です。
2020年10月22日
映画「スパイの妻」ある戦争のもしも・・・。
先日、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞にあたります)に輝きました黒沢清監督の最新作「スパイの妻」。
歴史ドラマであり、サスペンス映画であるというこの作品は、1940年代太平洋戦争間近の神戸を舞台に、戦争に翻弄される夫婦を描いています。その夫婦を演じるのは映画「ロマンスドール」でも夫婦役だった蒼井優と高橋一生です。
1940年、貿易会社を営む福原優作の趣味は映画の撮影。妻・聡子に演技をさせては、その作品を会社の忘年会で鑑賞するほどでした。そんな優作が「本当に危なくなる前に、大陸をこの目で見ておきたい」と旅立ったのが物資が安い満州。ところが、その満州で恐ろしい国家秘密を知ってしまった優作は、その秘密を持って、まもなく敵国になるであろうアメリカに渡ると告げます。それは国家にとって、不利益な真実。
「スパイの妻と罵られるようになっても、それがあなたの正義ですか?」と詰め寄る聡子に「不正義の上に成り立つ幸福で君は満足か」と言い返す優作。
「私は正義より幸福をとります」と言い放った聡子ですが、愛する夫とともに生きるためにある決断をするのでした・・・というストーリー。
貿易会社の経営者夫婦ということで、日本人の中でもより世界の文化や考え方に影響を受けているというのが、ファッションや飲んでいるお酒とか、外国人との取引のシーンなどいろんなところで感じることができます。建物とか装飾とか見ているだけでも、その時代を感じて楽しむことができると思います。

そんな日常が一変するのが戦争の現実ですね。
1940年っていうのは、前の年に第二次世界大戦が始まって、ドイツとイタリアと日本が三国同盟を締結した年です。1941年には、アメリカによる対日本への「石油輸出禁止」が決定し、この年12月の「ハワイ真珠湾攻撃や太平洋戦争」へと流れていくわけなんですが・・・過去の方へ遡っていくと、1931年に満州事変が起きて、満州には日本軍がいっぱいいたわけですね。そういう時代背景があってのストーリーを、サスペンスにして、最後までハラハラさせながら見ていくっていう作り方がかなり繊細に作られていました。
海外で評価される、ウケる要素っていうのもセリフに見られましたしね。
(【ネタバレ】個人的には「自分はコスモポリタンである」というセリフが印象に残りました。)
そして、スパイの妻ですから、その妻の愛について、なんですが・・・
今では女性の活躍をって言って社会的な男女平等っていうのがありますけど、さすがに戦争ってなると、行って戦う人は男の人じゃないですか。妻は、待つ側というか。けど、「お国のために」って言って「バンザーイ」って送り出すのがほとんどの中で、自分の夫だけがまさかの真逆に志を持っちゃったっていう、誰の助けも借りられない、なんなら誰にも話すことさえできない中で、夫だけを信じるって・・・キツイですね。
けど、愛する人と生きる、もしくは、愛する人を守るってことに関して女性っていうのは、きっと本能で大胆になるし、少しクレイジーにもなれるんだと思うんですよね。それが、蒼井優演じる聡子の行動にどんどん現れてくるので、圧倒されてください。
「スパイの妻」公開中です。
歴史ドラマであり、サスペンス映画であるというこの作品は、1940年代太平洋戦争間近の神戸を舞台に、戦争に翻弄される夫婦を描いています。その夫婦を演じるのは映画「ロマンスドール」でも夫婦役だった蒼井優と高橋一生です。
1940年、貿易会社を営む福原優作の趣味は映画の撮影。妻・聡子に演技をさせては、その作品を会社の忘年会で鑑賞するほどでした。そんな優作が「本当に危なくなる前に、大陸をこの目で見ておきたい」と旅立ったのが物資が安い満州。ところが、その満州で恐ろしい国家秘密を知ってしまった優作は、その秘密を持って、まもなく敵国になるであろうアメリカに渡ると告げます。それは国家にとって、不利益な真実。
「スパイの妻と罵られるようになっても、それがあなたの正義ですか?」と詰め寄る聡子に「不正義の上に成り立つ幸福で君は満足か」と言い返す優作。
「私は正義より幸福をとります」と言い放った聡子ですが、愛する夫とともに生きるためにある決断をするのでした・・・というストーリー。
貿易会社の経営者夫婦ということで、日本人の中でもより世界の文化や考え方に影響を受けているというのが、ファッションや飲んでいるお酒とか、外国人との取引のシーンなどいろんなところで感じることができます。建物とか装飾とか見ているだけでも、その時代を感じて楽しむことができると思います。
そんな日常が一変するのが戦争の現実ですね。
1940年っていうのは、前の年に第二次世界大戦が始まって、ドイツとイタリアと日本が三国同盟を締結した年です。1941年には、アメリカによる対日本への「石油輸出禁止」が決定し、この年12月の「ハワイ真珠湾攻撃や太平洋戦争」へと流れていくわけなんですが・・・過去の方へ遡っていくと、1931年に満州事変が起きて、満州には日本軍がいっぱいいたわけですね。そういう時代背景があってのストーリーを、サスペンスにして、最後までハラハラさせながら見ていくっていう作り方がかなり繊細に作られていました。
海外で評価される、ウケる要素っていうのもセリフに見られましたしね。
(【ネタバレ】個人的には「自分はコスモポリタンである」というセリフが印象に残りました。)
そして、スパイの妻ですから、その妻の愛について、なんですが・・・
今では女性の活躍をって言って社会的な男女平等っていうのがありますけど、さすがに戦争ってなると、行って戦う人は男の人じゃないですか。妻は、待つ側というか。けど、「お国のために」って言って「バンザーイ」って送り出すのがほとんどの中で、自分の夫だけがまさかの真逆に志を持っちゃったっていう、誰の助けも借りられない、なんなら誰にも話すことさえできない中で、夫だけを信じるって・・・キツイですね。
けど、愛する人と生きる、もしくは、愛する人を守るってことに関して女性っていうのは、きっと本能で大胆になるし、少しクレイジーにもなれるんだと思うんですよね。それが、蒼井優演じる聡子の行動にどんどん現れてくるので、圧倒されてください。
「スパイの妻」公開中です。
2020年10月13日
はたから見ると恋人に見える父娘関係、ちょっとうらやましいです。映画「オン・ザ・ロック」
さぁ、少し想像してみてください。もし自分のお父さんが女性にもてる男性だったら・・・。また、お父さんジッピーは、もし娘の夫が浮気をしていたら・・・。
ソフィア・コッポラ監督3年ぶりの新作は、そんな父と娘によるコメディ映画。ニューヨークを舞台に自由奔放な父と堅物な娘を描いています。
有能なビジネスマンを夫に持ち自分は作家の仕事をする(ラシダ・ジョーンズが演じています)ローラは、二人の娘の世話もあって毎日忙しくしながらも充実した日々を送っています。しかし、夫の会社に新しい同僚が入ると、なぜか帰りが遅くなったり急な出張が入ったり・・・不信に思ったローラは、なぜかプレイボーイだった自分の父親に連絡をし、父は「男と女の話は任せろ」とローラの夫の追跡調査をすることになるのですが、いつのまにか振り回されて・・・というお話。
原題は「On The Rocks」で、ウイスキーなど氷を入れて飲むお酒以外に「座礁する、行き詰まる」って意味があります。つまり主人公ローラが女性として、妻として母として行き詰まっているっていうことも言えますし、その行き詰まりがはちゃめちゃな父によって開かれるっていう捉え方もできます。
この父親役が、ビル・マーレイ。父親役はあまりイメージにないので新鮮ですね。
普通のお父さんが言わないようなことを娘にどんどんいってきます。
「オンナは35歳から39歳が一番いい」とか
「オスが4つ足だったときは尻にひかれてたけど、2つ足になってからは胸に惹かれる」とか・・・そういうことをサラッと言えちゃうのが、このビル・マーレイですね。
で、ローラのほうは、夫が大好きなんですけど、ベッドでちょっとロマンティックな雰囲気になっても子供たちに呼び出されて夫が二の次になってしまったり、子育てと仕事のことについて夫に相談しても「君の好きなようにすればいいよ」と優しいからそう言われているんですけど、なんとなく宙ぶらりんな自分が否めない・・・30代後半、アラフォー女性にとっては共感すること多いのではないでしょうか。そして、そんなときに、夫に不倫疑惑が生じてしまって、信じているはずなのにどこか不安だし、よりによって父に相談しちゃって自ら不安を煽ってしまったわけです。

テーマは普遍的なのに、浮気する者、される者、誰に共感するかは見る人に委ねられる作りになっています。ぜひ、いろんなセリフから汲み取っていただけたらなぁと思います。
個人的には、娘のローラが「(夫に愛される)魅力的な女性でいるためにはどうしたらいい?」という問いに対して、父のビル・マーレイ演じるフェリックスが答えるところ・・・すごく響きましたね。
そして、ソフィア・コッポラといえば、音楽にロックを数多く使用することでも有名なんですけど、旦那さんがロックバンドPhoenixのフロントマン、トーマス・マーズで、今回も音楽はそのトーマスが担当しているんですが、曲のほうで使われている音楽は全体的にジャズです。途中で雰囲気がすごくウッディ・アレンぽいなぁとも思いました。舞台もニューヨークですしね〜。
なので、冒頭もチェット・ベイカーの”I Fall In Love Too Easily”で始まります。
「あまりにも簡単に恋に落ちてしまうんだ
痛い目にだってあっているんだから、もっと学ぶべきなのに・・・」という歌ですね。
かかっているジャズの曲に浸って意味をとらえながら見ると、またさらに味わい深く作品が楽しめると思います。
映画「オン・ザ・ロック」現在、愛知、岐阜、三重、浜松で公開中。また今月23日からAppleTV+で配信開始です。
ソフィア・コッポラは「ヴァージン・スーサイズ」「マリーアントワネット」「サムウェア」など10代の少女を撮らせたら右に出る者はいないという女性監督ですが、今回ガラリと変えてきました。父は「ゴッド・ファーザー」の監督フランシス・コッポラ、そんな父との関係についても、ここで一区切りつけられたのでは・・・なんて憶測もあります。
番組ではお話ししませんでしたが、実はこの映画を見たときに少し紹介の仕方について困った自分もいました。なぜなら私は幼い頃に父を亡くしているので、父と娘の双方の心情というものが全く想像ができないためです。でも、大人になっても(ドタバタはともあれ)一緒に旅ができるお父さんがいたら素直に楽しいだろうなぁとは思います。プレイボーイだったら・・・う〜ん。笑
ソフィア・コッポラ監督3年ぶりの新作は、そんな父と娘によるコメディ映画。ニューヨークを舞台に自由奔放な父と堅物な娘を描いています。
有能なビジネスマンを夫に持ち自分は作家の仕事をする(ラシダ・ジョーンズが演じています)ローラは、二人の娘の世話もあって毎日忙しくしながらも充実した日々を送っています。しかし、夫の会社に新しい同僚が入ると、なぜか帰りが遅くなったり急な出張が入ったり・・・不信に思ったローラは、なぜかプレイボーイだった自分の父親に連絡をし、父は「男と女の話は任せろ」とローラの夫の追跡調査をすることになるのですが、いつのまにか振り回されて・・・というお話。
原題は「On The Rocks」で、ウイスキーなど氷を入れて飲むお酒以外に「座礁する、行き詰まる」って意味があります。つまり主人公ローラが女性として、妻として母として行き詰まっているっていうことも言えますし、その行き詰まりがはちゃめちゃな父によって開かれるっていう捉え方もできます。
この父親役が、ビル・マーレイ。父親役はあまりイメージにないので新鮮ですね。
普通のお父さんが言わないようなことを娘にどんどんいってきます。
「オンナは35歳から39歳が一番いい」とか
「オスが4つ足だったときは尻にひかれてたけど、2つ足になってからは胸に惹かれる」とか・・・そういうことをサラッと言えちゃうのが、このビル・マーレイですね。
で、ローラのほうは、夫が大好きなんですけど、ベッドでちょっとロマンティックな雰囲気になっても子供たちに呼び出されて夫が二の次になってしまったり、子育てと仕事のことについて夫に相談しても「君の好きなようにすればいいよ」と優しいからそう言われているんですけど、なんとなく宙ぶらりんな自分が否めない・・・30代後半、アラフォー女性にとっては共感すること多いのではないでしょうか。そして、そんなときに、夫に不倫疑惑が生じてしまって、信じているはずなのにどこか不安だし、よりによって父に相談しちゃって自ら不安を煽ってしまったわけです。
テーマは普遍的なのに、浮気する者、される者、誰に共感するかは見る人に委ねられる作りになっています。ぜひ、いろんなセリフから汲み取っていただけたらなぁと思います。
個人的には、娘のローラが「(夫に愛される)魅力的な女性でいるためにはどうしたらいい?」という問いに対して、父のビル・マーレイ演じるフェリックスが答えるところ・・・すごく響きましたね。
そして、ソフィア・コッポラといえば、音楽にロックを数多く使用することでも有名なんですけど、旦那さんがロックバンドPhoenixのフロントマン、トーマス・マーズで、今回も音楽はそのトーマスが担当しているんですが、曲のほうで使われている音楽は全体的にジャズです。途中で雰囲気がすごくウッディ・アレンぽいなぁとも思いました。舞台もニューヨークですしね〜。
なので、冒頭もチェット・ベイカーの”I Fall In Love Too Easily”で始まります。
「あまりにも簡単に恋に落ちてしまうんだ
痛い目にだってあっているんだから、もっと学ぶべきなのに・・・」という歌ですね。
かかっているジャズの曲に浸って意味をとらえながら見ると、またさらに味わい深く作品が楽しめると思います。
映画「オン・ザ・ロック」現在、愛知、岐阜、三重、浜松で公開中。また今月23日からAppleTV+で配信開始です。
ソフィア・コッポラは「ヴァージン・スーサイズ」「マリーアントワネット」「サムウェア」など10代の少女を撮らせたら右に出る者はいないという女性監督ですが、今回ガラリと変えてきました。父は「ゴッド・ファーザー」の監督フランシス・コッポラ、そんな父との関係についても、ここで一区切りつけられたのでは・・・なんて憶測もあります。
番組ではお話ししませんでしたが、実はこの映画を見たときに少し紹介の仕方について困った自分もいました。なぜなら私は幼い頃に父を亡くしているので、父と娘の双方の心情というものが全く想像ができないためです。でも、大人になっても(ドタバタはともあれ)一緒に旅ができるお父さんがいたら素直に楽しいだろうなぁとは思います。プレイボーイだったら・・・う〜ん。笑
2020年09月16日
秋のはじめにフランス映画を。「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」
世界中が大絶賛!日本でもヒットしました映画「最強のふたり」のエリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュのふたりの監督のタッグが再び実現しました。
新作のタイトルは「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」日本の副題が長いです。笑。そして実話が基になっています。
ふたりの人物が描かれています。
まずは、自閉症の子供たちをケアする団体を運営しているブリュノ。毎日朝から晩まで忙しい彼の口癖は「なんとかする」。ケアする子たちは様々です。その中のひとりはやっと洗濯機工場への仕事が決まった青年で、職場へひとりで通う道を教えたり、職場での会話の仕方を教えたり・・・でも、ボタンを見かけると押してしまうその青年は電車の非常ベルを押しては鉄道警察に取り押さえられて、それを迎えに行ったり・・・。そんなときに、緊急地域医療センターから連絡があって行ってみると、症状が重すぎるからと他の施設に断られ続けた少年の介助を頼まれます。彼は頭突き防止のヘッドギアをつけて、ひとりでは立ち上がることもできません。ブリュノは受け入れることにします。
もうひとりの人物は、そのブリュノの相棒と言っていいマリク。マリクは、ドロップアウトした若者たちを社会復帰させる団体を運営していて、教育した青少年をブリュノの施設に派遣しています。先ほど実話を基にしているって言いましたけど、モデルとなった方は自閉症の子供たちやティーンエイジャーを支援する青年を訓練するお仕事をされている方で、なので、映画でも居場所のない子供たちになんとか社会で働けるチャンスを作ろうとするわけです。
そんなふたりが日々奔走している中、監査局の調査員がやってきます。「半沢直樹」でいう黒崎じゃないですけど、ブリュノが運営している施設が無認可であることやスタッフたちが資格を持っていないことなどを攻め寄って、ブリュノが関わる人たちにも詰め寄ります。さぁ、ピンチです。施設は閉鎖に追い込まれてしまうのか、そんなときに事件も起きてしまい・・・というストーリー。
フランスでは公開されると、動員数200万人を突破。フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞では9部門にノミネートされる高評価となりました。私も久々にフランス映画を見て「あぁ、フランス映画ってやっぱいいなぁ」としみじみ思ってしまいました。笑えるしグッときますし、あとはフランスならではのすぐ恋愛になりそうっていう。笑

映画を見てひとつ知ったのは「療養」の重要性ですね。療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助することをいうんですけど、一時的なことでいったら施設とか病院にいてもいいのかもしれませんが、じゃ大人になって、いつの日か親もいなくなって、とかその子供の未来を真剣に考えたときにどうするのがいいのか、っていうことです。で、閉じ込められたままだと、もちろん社会になんて出られるわけもないですし・・・そういうことについて考えさせられましたし、あとは、自閉症はじめ障害者のケアのお仕事されてる方をはじめ、老人介護などの福祉施設で働いている方、また保育士さんなど、他人の命を預かってるお仕事の人ってやっぱりすごいな〜ってリスペクトの気持ちでいっぱいになりました。
では、そんな大変なお仕事をなぜやるのか、その仕事に見いだすほんの少しの報われるシーンがあって、たぶんみんな自閉症のダンサーたちだと思うんですけど、舞台のシーンで・・・ 微笑ましさと切なさが混じりながらも見入ってしまう印象的なシーンでした。
映画「 スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」
公開中です。
余談ですが、主演のヴァンサン・カッセルは2年前に30歳年下のモデルさんと再婚しています。お父さんも俳優。ファッションセンスもよくちょいワルオヤジな一面もあり「超おしゃれなフランス人俳優」として有名です。映画の印象と違うかもしれませんが実力派の俳優さんです。
新作のタイトルは「スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」日本の副題が長いです。笑。そして実話が基になっています。
ふたりの人物が描かれています。
まずは、自閉症の子供たちをケアする団体を運営しているブリュノ。毎日朝から晩まで忙しい彼の口癖は「なんとかする」。ケアする子たちは様々です。その中のひとりはやっと洗濯機工場への仕事が決まった青年で、職場へひとりで通う道を教えたり、職場での会話の仕方を教えたり・・・でも、ボタンを見かけると押してしまうその青年は電車の非常ベルを押しては鉄道警察に取り押さえられて、それを迎えに行ったり・・・。そんなときに、緊急地域医療センターから連絡があって行ってみると、症状が重すぎるからと他の施設に断られ続けた少年の介助を頼まれます。彼は頭突き防止のヘッドギアをつけて、ひとりでは立ち上がることもできません。ブリュノは受け入れることにします。
もうひとりの人物は、そのブリュノの相棒と言っていいマリク。マリクは、ドロップアウトした若者たちを社会復帰させる団体を運営していて、教育した青少年をブリュノの施設に派遣しています。先ほど実話を基にしているって言いましたけど、モデルとなった方は自閉症の子供たちやティーンエイジャーを支援する青年を訓練するお仕事をされている方で、なので、映画でも居場所のない子供たちになんとか社会で働けるチャンスを作ろうとするわけです。
そんなふたりが日々奔走している中、監査局の調査員がやってきます。「半沢直樹」でいう黒崎じゃないですけど、ブリュノが運営している施設が無認可であることやスタッフたちが資格を持っていないことなどを攻め寄って、ブリュノが関わる人たちにも詰め寄ります。さぁ、ピンチです。施設は閉鎖に追い込まれてしまうのか、そんなときに事件も起きてしまい・・・というストーリー。
フランスでは公開されると、動員数200万人を突破。フランスのアカデミー賞にあたるセザール賞では9部門にノミネートされる高評価となりました。私も久々にフランス映画を見て「あぁ、フランス映画ってやっぱいいなぁ」としみじみ思ってしまいました。笑えるしグッときますし、あとはフランスならではのすぐ恋愛になりそうっていう。笑
映画を見てひとつ知ったのは「療養」の重要性ですね。療育とは障害のある子どもの発達を促し、自立して生活できるように援助することをいうんですけど、一時的なことでいったら施設とか病院にいてもいいのかもしれませんが、じゃ大人になって、いつの日か親もいなくなって、とかその子供の未来を真剣に考えたときにどうするのがいいのか、っていうことです。で、閉じ込められたままだと、もちろん社会になんて出られるわけもないですし・・・そういうことについて考えさせられましたし、あとは、自閉症はじめ障害者のケアのお仕事されてる方をはじめ、老人介護などの福祉施設で働いている方、また保育士さんなど、他人の命を預かってるお仕事の人ってやっぱりすごいな〜ってリスペクトの気持ちでいっぱいになりました。
では、そんな大変なお仕事をなぜやるのか、その仕事に見いだすほんの少しの報われるシーンがあって、たぶんみんな自閉症のダンサーたちだと思うんですけど、舞台のシーンで・・・ 微笑ましさと切なさが混じりながらも見入ってしまう印象的なシーンでした。
映画「 スペシャルズ!政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」
公開中です。
余談ですが、主演のヴァンサン・カッセルは2年前に30歳年下のモデルさんと再婚しています。お父さんも俳優。ファッションセンスもよくちょいワルオヤジな一面もあり「超おしゃれなフランス人俳優」として有名です。映画の印象と違うかもしれませんが実力派の俳優さんです。
2020年09月10日
90年代のROCKやHip-Hopが流れ続けてサイコーです!映画「Mid90s」
90年代への愛と夢が詰まったスケートボード青春ムービー「Mid90s」。
90年代のカルチャーがあちらこちらに散りばめられていて、スーパー・ファミコンやカセットテープ、ストリート・ファイターなどが出てくるので、どのシーンをみてもワクワクするでしょうし、もしかすると、あの頃の自分を思い返して胸が熱くなったり、甘酸っぱい思いに浸ったりする方もいるかもしれません。
日本でもヒットした「ミッドサマー」やアカデミー賞候補作品「レディ・バード」「ムーンライト」などを製作して、今大注目の気鋭の映画スタジオ「A24」の作品。
監督は俳優のジョナ・ヒル。彼は映画ブラットピット主演の「マネーボール」やレオナルド・デカプリオ主演の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に出演してアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるほどの実力派俳優なんですけど、この作品はジョナ・ヒル監督の半自伝的な10代の思い出をもとにして作られた作品です。
90年代真ん中くらい、スケートボードって流行ったんですよね〜。
ロサンゼルスのスケートパークで今はナイキが所有しているそうなんですけど、コートハウスっていう場所、、ジョナ・ヒル監督はそこで10歳の頃から遊んでいたそう。で、今回その場所が撮影場所になっていて、グラフィティとかゴミまでも90年代を再現できたそうです。そこに上手い子下手な子、プロまでもいて、男の子女の子がワイワイしてたんですね〜。
懐かしい気持ちになりました。余談ですけど、私も昔々ですよ・・・友達がみんなボードやってたんで集まっては滑って、喋って、みたいな。笑。高くは飛べないんで「ヤクルトジャンパーズ」って名前つけて集まってたんですけど・・・あの頃のことも思い出が蘇りました。
ま、話はそれましたが、
ストーリーは、13歳のスティーヴィーが主人公。力では全く勝てないお兄ちゃんとお母さんと3人で暮らしているんですけど、ある日、街のスケートボード・ショップに思い切って入っていくと、そこでその店を出入りする少年たちと仲良くなります。彼らの自由でかっこよくて、その憧れから彼らとつるむようになるんですが・・・っていうお話。

ポイントはなんといっても、出演している主人公もその仲間となるちょっとお兄さんたちも全員スケーターだっていうところです!
主人公の当時11歳だったサニー・スリッチくんだけはプロのスケーターで俳優さんなんですけど、他に出演している、ナケル・スミス(黒人の人で映画では主人公を優しく面倒見てくれるレイ役)はAdidas、Supuremeなどに所属する超有名プロスケーター。ほかにも、ブロンドロングヘアのオーラン・ブレナット、彼は世界中を回るライダーであり、ファッション界でもグッチやヴェルサーチ、レイバンのモデルを務めちゃうような子で・・・つまり、この作品で演じているスケーターたちは演技をやったことない人たちが演技をしているんです。ところがそれが素晴らしい!
スケートのシーンが多いっていうのもあるんですけど、やっぱり、雰囲気とか喋り方ですよね。ちょっと悪っぽそうな、でも超いい奴!みたいな・・・そういうのを象徴するシーンもたくさん出てきます。
すっごく素敵なセリフがあって・・・スケートボードショップでの仲間たちとの会話でブラックジョークをいうシーンがあって、黒人であるレイに向かって誰かが「黒人は日焼けをするのか?」って尋ねるんです。「お前はどう思う?」って意見を求められた主人公のスティーヴィーが言ったセリフが・・・「黒人って何?」と。スティーヴィーのおうちでは「黒人は〜白人は」みたいな会話がないってことなんでしょうかね〜、、その純粋な姿に場が和むんです。大好きなシーンです。
音楽は、NINE INCH NAILSのトレント・レズナーが担当。そして、使われている楽曲はニルヴァーナ、ピクシーズ、モリッシー、サイプレス・ヒル、ミスフィッツ、ア・トライブ・コールド・クエストなどなど・・・音楽も時代とカルチャーを表現しています。
曲によっては歌詞がちゃんと翻訳されて字幕で出てくるので楽しめると思います。
映画「Mid90s」は伏見ミリオン座、ユナイテッド・シネマ豊橋18にて公開中です。
モリッシー、The Smithsファンも必見です!
90年代のカルチャーがあちらこちらに散りばめられていて、スーパー・ファミコンやカセットテープ、ストリート・ファイターなどが出てくるので、どのシーンをみてもワクワクするでしょうし、もしかすると、あの頃の自分を思い返して胸が熱くなったり、甘酸っぱい思いに浸ったりする方もいるかもしれません。
日本でもヒットした「ミッドサマー」やアカデミー賞候補作品「レディ・バード」「ムーンライト」などを製作して、今大注目の気鋭の映画スタジオ「A24」の作品。
監督は俳優のジョナ・ヒル。彼は映画ブラットピット主演の「マネーボール」やレオナルド・デカプリオ主演の「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に出演してアカデミー賞助演男優賞にノミネートされるほどの実力派俳優なんですけど、この作品はジョナ・ヒル監督の半自伝的な10代の思い出をもとにして作られた作品です。
90年代真ん中くらい、スケートボードって流行ったんですよね〜。
ロサンゼルスのスケートパークで今はナイキが所有しているそうなんですけど、コートハウスっていう場所、、ジョナ・ヒル監督はそこで10歳の頃から遊んでいたそう。で、今回その場所が撮影場所になっていて、グラフィティとかゴミまでも90年代を再現できたそうです。そこに上手い子下手な子、プロまでもいて、男の子女の子がワイワイしてたんですね〜。
懐かしい気持ちになりました。余談ですけど、私も昔々ですよ・・・友達がみんなボードやってたんで集まっては滑って、喋って、みたいな。笑。高くは飛べないんで「ヤクルトジャンパーズ」って名前つけて集まってたんですけど・・・あの頃のことも思い出が蘇りました。
ま、話はそれましたが、
ストーリーは、13歳のスティーヴィーが主人公。力では全く勝てないお兄ちゃんとお母さんと3人で暮らしているんですけど、ある日、街のスケートボード・ショップに思い切って入っていくと、そこでその店を出入りする少年たちと仲良くなります。彼らの自由でかっこよくて、その憧れから彼らとつるむようになるんですが・・・っていうお話。
ポイントはなんといっても、出演している主人公もその仲間となるちょっとお兄さんたちも全員スケーターだっていうところです!
主人公の当時11歳だったサニー・スリッチくんだけはプロのスケーターで俳優さんなんですけど、他に出演している、ナケル・スミス(黒人の人で映画では主人公を優しく面倒見てくれるレイ役)はAdidas、Supuremeなどに所属する超有名プロスケーター。ほかにも、ブロンドロングヘアのオーラン・ブレナット、彼は世界中を回るライダーであり、ファッション界でもグッチやヴェルサーチ、レイバンのモデルを務めちゃうような子で・・・つまり、この作品で演じているスケーターたちは演技をやったことない人たちが演技をしているんです。ところがそれが素晴らしい!
スケートのシーンが多いっていうのもあるんですけど、やっぱり、雰囲気とか喋り方ですよね。ちょっと悪っぽそうな、でも超いい奴!みたいな・・・そういうのを象徴するシーンもたくさん出てきます。
すっごく素敵なセリフがあって・・・スケートボードショップでの仲間たちとの会話でブラックジョークをいうシーンがあって、黒人であるレイに向かって誰かが「黒人は日焼けをするのか?」って尋ねるんです。「お前はどう思う?」って意見を求められた主人公のスティーヴィーが言ったセリフが・・・「黒人って何?」と。スティーヴィーのおうちでは「黒人は〜白人は」みたいな会話がないってことなんでしょうかね〜、、その純粋な姿に場が和むんです。大好きなシーンです。
音楽は、NINE INCH NAILSのトレント・レズナーが担当。そして、使われている楽曲はニルヴァーナ、ピクシーズ、モリッシー、サイプレス・ヒル、ミスフィッツ、ア・トライブ・コールド・クエストなどなど・・・音楽も時代とカルチャーを表現しています。
曲によっては歌詞がちゃんと翻訳されて字幕で出てくるので楽しめると思います。
映画「Mid90s」は伏見ミリオン座、ユナイテッド・シネマ豊橋18にて公開中です。
モリッシー、The Smithsファンも必見です!
2020年08月05日
T.Rexがこんなにかっこよく響くとは・・・映画「LETO-レト-」
現在センチュリーシネマで公開中の映画「LETO」。
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、カンヌ・サウンドトラック賞「最優秀作曲家賞」を受賞した作品で、その他各国の映画祭で数々の受賞&ノミネートを果たし、世界中の映画・音楽ファンを熱狂させました。ロックファンはぜひみてほしい作品です。監督は、反体制的な芸術活動が要因で無実の容疑で国に拘束され、現在もロシア政府の監視下にある前衛的な芸術家キリル・セレブレンニコフ。1年半の自宅軟禁のさなかにこの映画を完成させました。
時は1980年代になります。なのでロシアではなく、ソビエト(ソ連)の時代で、当時はアフガニスタン戦争があって、若い男子は徴兵制度があったり、80年代後半は「ペレストロイカ」っていうゴルバチョフ政権による経済や社会の立て直しの時期があるんですが、舞台はその前になるので、若者たちもちょっと鬱憤(うっぷん)が溜まっていたりストレスを抱えたりもしているんですね。そのころには、ソ連とはいえ、70年代のイギリスのパンクロックが入ってきていたりして、影響を受ける若者もいたわけです。ロックが「規制からの解放」という役割をも果たしていたんですね。でも、そうなると西側諸国(資本主義諸国)の文化はダメだ!って取り締まる大人も当然いて、そんな中で、モスクワに次ぐ大都市のレニングラードのアンダーグラウンド・シーンはますますロックの音楽が花開こうとしていた・・・というお話。
実在したロシアの伝説的バンドが「キノ」っていうバンドなんですけど、そのヴォーカルであるヴィクトル・ツォイのデビュー期を基にしています。両親が朝鮮人とロシア人だった人で、映画でも演じているのはユ・テオっていう見た目はアジア系のドイツ人の俳優さんなんですけど、このキノっていうバンドのヴォーカルだったヴィクトルさんって、28歳の若さで亡くなった方で、そのときは大きなニュースになって、後を追うファンがいて問題になったほどだったそうです。
で、彼の才能を見出したのが、マイク・ナウメンコっていう、この人もロシアロック界で知らない人はいないっていう人で、彼がヴィクトルに目をかけてデビューさせようとするんですが、一方でマイクの奥さんのナターシャとヴィクトルがちょっと恋心が芽生えていい感じになっちゃうんですよ・・・切ない・・・。
ミュージシャンで、ジョージ・ハリスンの奥さんもエリック・クラプトンと恋に落ちたりとかありますけど、ミュージシャンってそういうなにかあるんですかね・・・。
でも、70年代80年代のロックが流れて、その流れ方もただ流れているだけじゃなくて、そのシーンに合わせて、ミュージカルっぽい演出で、列車の中で乗客も一緒にトーキング・ヘッズの”サイコ・キラー”が歌われたり、バスの中でルー・リードの”パーフェクト・デイ”が歌われたりするのは、まさかロシアの状況とか風景とこんなにリンクするとは思わなかったので、、ロシアにもロックが根付いていることもわかるし、すごくスタイリッシュに描かれているので、ぜひ楽しんでください。
ビーチではしゃぐ大勢の男女のシーンもなんか青春感じましたね。
デヴィッド・ボウイ、Tレックス、イギー・ポップ、トーキング・ヘッズなど、あの当時のロックがお好きな方は必見の作品。ロックミュージシャンを夢見た青年と彼を見出したロックスター、そして、その妻のある意味三角関係のストーリーでもあるこの映画、こんなに胸がキュンとするロシア映画は初めてでした。
第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、カンヌ・サウンドトラック賞「最優秀作曲家賞」を受賞した作品で、その他各国の映画祭で数々の受賞&ノミネートを果たし、世界中の映画・音楽ファンを熱狂させました。ロックファンはぜひみてほしい作品です。監督は、反体制的な芸術活動が要因で無実の容疑で国に拘束され、現在もロシア政府の監視下にある前衛的な芸術家キリル・セレブレンニコフ。1年半の自宅軟禁のさなかにこの映画を完成させました。
時は1980年代になります。なのでロシアではなく、ソビエト(ソ連)の時代で、当時はアフガニスタン戦争があって、若い男子は徴兵制度があったり、80年代後半は「ペレストロイカ」っていうゴルバチョフ政権による経済や社会の立て直しの時期があるんですが、舞台はその前になるので、若者たちもちょっと鬱憤(うっぷん)が溜まっていたりストレスを抱えたりもしているんですね。そのころには、ソ連とはいえ、70年代のイギリスのパンクロックが入ってきていたりして、影響を受ける若者もいたわけです。ロックが「規制からの解放」という役割をも果たしていたんですね。でも、そうなると西側諸国(資本主義諸国)の文化はダメだ!って取り締まる大人も当然いて、そんな中で、モスクワに次ぐ大都市のレニングラードのアンダーグラウンド・シーンはますますロックの音楽が花開こうとしていた・・・というお話。
実在したロシアの伝説的バンドが「キノ」っていうバンドなんですけど、そのヴォーカルであるヴィクトル・ツォイのデビュー期を基にしています。両親が朝鮮人とロシア人だった人で、映画でも演じているのはユ・テオっていう見た目はアジア系のドイツ人の俳優さんなんですけど、このキノっていうバンドのヴォーカルだったヴィクトルさんって、28歳の若さで亡くなった方で、そのときは大きなニュースになって、後を追うファンがいて問題になったほどだったそうです。
で、彼の才能を見出したのが、マイク・ナウメンコっていう、この人もロシアロック界で知らない人はいないっていう人で、彼がヴィクトルに目をかけてデビューさせようとするんですが、一方でマイクの奥さんのナターシャとヴィクトルがちょっと恋心が芽生えていい感じになっちゃうんですよ・・・切ない・・・。
ミュージシャンで、ジョージ・ハリスンの奥さんもエリック・クラプトンと恋に落ちたりとかありますけど、ミュージシャンってそういうなにかあるんですかね・・・。
でも、70年代80年代のロックが流れて、その流れ方もただ流れているだけじゃなくて、そのシーンに合わせて、ミュージカルっぽい演出で、列車の中で乗客も一緒にトーキング・ヘッズの”サイコ・キラー”が歌われたり、バスの中でルー・リードの”パーフェクト・デイ”が歌われたりするのは、まさかロシアの状況とか風景とこんなにリンクするとは思わなかったので、、ロシアにもロックが根付いていることもわかるし、すごくスタイリッシュに描かれているので、ぜひ楽しんでください。
ビーチではしゃぐ大勢の男女のシーンもなんか青春感じましたね。
デヴィッド・ボウイ、Tレックス、イギー・ポップ、トーキング・ヘッズなど、あの当時のロックがお好きな方は必見の作品。ロックミュージシャンを夢見た青年と彼を見出したロックスター、そして、その妻のある意味三角関係のストーリーでもあるこの映画、こんなに胸がキュンとするロシア映画は初めてでした。
2020年07月29日
ジミークリフがまだ頭の中で流れてる・・・映画「パブリック 図書館の奇跡」
今月の番組の月一コーナーPayday for the Musicでは「黒人差別とアメリカ音楽」 と言うテーマでBlack Lives Matter(黒人の命は大切だ)の運動についてお話しをさせていただきました。
「弱者が声をあげることは無意味なのか?」今のアメリカを見ていると明らかにそんなことはないわけで、声をあげることっていうのは、ときには勇気や忍耐力が必要なので苦しい時間も長いでしょうけど、やっぱりここぞ!ってときには必要なんですよね。
ホームレスたちのために声をあげた図書館館員が主人公の映画「パブリック 図書館の奇跡」公開中です。
米オハイオ州シンシナティの公共図書館に勤める主人公スチュアートは、実直な性格でピザ代を節約するためにトマトを家庭菜園するほど節約にもそつがないメガネの独身男。
ある日、図書館の常連のホームレスから「今夜は帰らない。ここを占領する。」と告げられます。なぜなら外は大寒波で死者が出るほどにもかかわらず、緊急シェルターが満杯で行き場がないというのです。状況を考慮したスチュアートは、約70人のホームレスとともに図書館に立てこもり平和的なデモを行うことになったのですが、そこに警察やメディアがやってくると自体は思わぬ方向へねじ曲がってゆき・・・というお話。笑えるシーンが多くありながら考えさせられる映画です。
「パブリック」っていうのは、シンシナティの公共図書館のことをいうそうなんですけど、オハイオ州のこの場所はアメリカのニュースでも度々取り上げられる極寒の地だそうです。で、そこに住むホームレスたちが、開館時間が近づくと列を作って開くのを待つわけです。屋根があって暖がとれますし、トイレではホームレスたちが顔を洗って歯磨きしてるっていう・・・みんな顔見知りだから日々の会話は和やかで、なんなら図書館の館員やセキリュティーの人も一緒になって。だから、立てこもるシーンで本音を語るシーンも出てくるんですね。
「自分たちは退役軍人(軍人としてアメリカのために頑張った人たち)なのに、なんでこんな生活をしなきゃいけないんだろう。」と。でも、ポジティブに生きようとするんです。その黒人ホームレスのセリフの中に「人から妬まれることも奪われるものもない。自由なんだぜ。」っていうのがあるんですけど、それってこの世に自分の存在がまるでないかのような虚無感のようにも感じられて、とても胸が痛かったです。

この作品の監督であり主演もしているエミリオ・エステベス。この方、お父さんが「地獄の黙示録」のウィラード大尉役だったマーティン・シーン、弟がチャーリー・シーンっていう芸能一家に生まれ育った人で、本人も監督と俳優の2足のわらじで実力が認められている人なんですが、インタビューで語っていたのは「この国にはホームレスを”不憫だけど仕方がない”って思う人がたくさんいる。自力で苦境を打破するための一歩を踏み出さないのは個人の責任だと。でもそもそも一歩を踏み出すためには靴が必要なんだよ」と。「図書館や公共の施設にとってホームレスや生活困窮者を助けるのは道徳上の任務。人の心を持っていれば、それはしごく当然のことだと思う」ということなんですね。

そんな監督がセットでこだわったのが、図書館内の飾りだそうです。数々の偉人による名言がかかげられているんですが、その中からひとつ、宇多田ヒカルさんも歌詞の中に取り入れていると言われている「ニーバーの祈り」を最後にご紹介しましょう。
「神よ。変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものを、識別する知恵を与えたまえ」
この映画で歌われる1曲。「どんよりしていた僕の人生、これからは明るくなっていくんだ」っていう歌です。
図書館が舞台。本好きの方はより楽しめるシーンもたくさん出てきますよ〜。
「弱者が声をあげることは無意味なのか?」今のアメリカを見ていると明らかにそんなことはないわけで、声をあげることっていうのは、ときには勇気や忍耐力が必要なので苦しい時間も長いでしょうけど、やっぱりここぞ!ってときには必要なんですよね。
ホームレスたちのために声をあげた図書館館員が主人公の映画「パブリック 図書館の奇跡」公開中です。
米オハイオ州シンシナティの公共図書館に勤める主人公スチュアートは、実直な性格でピザ代を節約するためにトマトを家庭菜園するほど節約にもそつがないメガネの独身男。
ある日、図書館の常連のホームレスから「今夜は帰らない。ここを占領する。」と告げられます。なぜなら外は大寒波で死者が出るほどにもかかわらず、緊急シェルターが満杯で行き場がないというのです。状況を考慮したスチュアートは、約70人のホームレスとともに図書館に立てこもり平和的なデモを行うことになったのですが、そこに警察やメディアがやってくると自体は思わぬ方向へねじ曲がってゆき・・・というお話。笑えるシーンが多くありながら考えさせられる映画です。
「パブリック」っていうのは、シンシナティの公共図書館のことをいうそうなんですけど、オハイオ州のこの場所はアメリカのニュースでも度々取り上げられる極寒の地だそうです。で、そこに住むホームレスたちが、開館時間が近づくと列を作って開くのを待つわけです。屋根があって暖がとれますし、トイレではホームレスたちが顔を洗って歯磨きしてるっていう・・・みんな顔見知りだから日々の会話は和やかで、なんなら図書館の館員やセキリュティーの人も一緒になって。だから、立てこもるシーンで本音を語るシーンも出てくるんですね。
「自分たちは退役軍人(軍人としてアメリカのために頑張った人たち)なのに、なんでこんな生活をしなきゃいけないんだろう。」と。でも、ポジティブに生きようとするんです。その黒人ホームレスのセリフの中に「人から妬まれることも奪われるものもない。自由なんだぜ。」っていうのがあるんですけど、それってこの世に自分の存在がまるでないかのような虚無感のようにも感じられて、とても胸が痛かったです。
この作品の監督であり主演もしているエミリオ・エステベス。この方、お父さんが「地獄の黙示録」のウィラード大尉役だったマーティン・シーン、弟がチャーリー・シーンっていう芸能一家に生まれ育った人で、本人も監督と俳優の2足のわらじで実力が認められている人なんですが、インタビューで語っていたのは「この国にはホームレスを”不憫だけど仕方がない”って思う人がたくさんいる。自力で苦境を打破するための一歩を踏み出さないのは個人の責任だと。でもそもそも一歩を踏み出すためには靴が必要なんだよ」と。「図書館や公共の施設にとってホームレスや生活困窮者を助けるのは道徳上の任務。人の心を持っていれば、それはしごく当然のことだと思う」ということなんですね。
そんな監督がセットでこだわったのが、図書館内の飾りだそうです。数々の偉人による名言がかかげられているんですが、その中からひとつ、宇多田ヒカルさんも歌詞の中に取り入れていると言われている「ニーバーの祈り」を最後にご紹介しましょう。
「神よ。変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについては、それを受け入れる冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものを、識別する知恵を与えたまえ」
この映画で歌われる1曲。「どんよりしていた僕の人生、これからは明るくなっていくんだ」っていう歌です。
図書館が舞台。本好きの方はより楽しめるシーンもたくさん出てきますよ〜。
2020年07月22日
Frank Ocean好きすぎの監督による映画「WAVES」。
現在公開中の映画「WAVES(ウェイヴス)」。
今から問う質問に少しでも心当たりのある方は、ぜひ見てほしい作品です。
@子供に過剰な期待を寄せて、勉強やスポーツなどでプレッシャーをかけていませんか
A咄嗟に言ってしまった言葉で家族や恋人を傷つけてしまったことはないですか
Bずっと連絡を取っていない家族に、本当は会いたいと思っていませんか
どれをとっても、後悔してからでは遅いけど、でも自分の心から逃げずに時を待って伝えれば、きっと乗り越えられる、そんな希望を与えてくれる映画です。
高校生のタイラーは、成績優秀でレスリング部のエリート選手。彼女はチアリーディング部で超かわいい女の子。おうちには厳格なお父さんがいて、ちょっと口うるさいけど、お父さんが再婚した母とも上手くやっているし、何より、この家庭は黒人の一家なんですけど、中流階級でおうちも広い立派なお屋敷だし、何不自由ない生活を送っているんです。
ところが、タイラーが肩の怪我を試合で悪化させたことで、選手生命が危ぶまれて、しかも、そんなときに彼女から妊娠を告げられて、もう自分自身がわからなくなって、ある夜取り返しのつかない行動を起こしてしまうんですね・・・

映画の前半が、今お話しした兄のタイラーを主軸にしたストーリーです。青春時代の挫折っていうのは、まぁ、ありますよね。お父さんだって、息子に対して厳しいことに悪気はないんです。でも親子の確執って生まれちゃうんですよね。
で、後半は、一年経って、今度はタイラーの妹エミリーが主軸になります。お兄ちゃんのことがあって学校では友人ができないし、SNSも全て消さなければいけなかった・・・思春期の女の子にはなんて過酷な状況かと思いますが、そんなエミリーにひとりの白人青年との出会いが訪れます。お茶に誘うんですけど、誘った理由を聞かれて「君を美しいと思ったから」って言うんですよ。そのシーンがサラッとしてるんですけど素敵なんです。
そして、この映画、最大の魅力は31曲という膨大な曲を使った音楽での演出です。
テーム・インパラ、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、ダイナ・ワシントンなどなど、まるでクラブDJがまわしてるかのようにめくるめく感じで曲が流れることもあれば、面白いのが、テイラーやエミリーの気持ちを曲が代弁することもあって・・・
例えば、タイラーが恋人を探すために夜パーティーにやってきて、まちぶせしてるときの曲にタイラー・ザ・クリエイターの”IFHY”って曲が。「お前が憎い、でも愛してる。俺たちは面倒に巻き込まれるのが得意なんだ。」とか。
エミリーが彼氏と一緒にスプリンクラーで戯れるシーンがあるんですけど、そこで流れるアニマル・コレクティブの”Loch Raven”って曲の歌詞は「僕は君を見捨てない」だったり・・・そして、ヒップホップ中心の選曲なはずなのに美味しいところを持っていったのがレディオヘッドで、ま、ここでは言いませんが家族の再生の場面で使われています。
さらに、それだけ音楽を使っているにもかかわらず、この映画で音楽担当をしているのはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロス。不安や葛藤、悲しみ、許しなどを見事に表現しています。
映画「WAVES」今観るべき映画です。ぜひ映画館で。
監督が好きすぎてなんと彼の曲だけは5曲もこの映画で使ってしまったというフランク・オーシャン。すごく繊細な、神からの一筋の光を夢見るような歌です。

映画見ていて、途中であれっ?って私前のめりになってしまったのですが、テイラーが恋人を追っかけてから最悪の事態になるときに、映画のスクリーンがせばまって、昔のテレビサイズくらいになるんですよ。で、話しがエミリーの暗い学校生活から始まるときも狭いまま。で、彼氏になる青年と行動をともにしていくにしたがってスクリーンがまた横長のにもどるんです。精神的な部分をスクリーンでも表現しているんだそうで。撮影の手法にも思いを表現したというところもぜひ注目を。
今から問う質問に少しでも心当たりのある方は、ぜひ見てほしい作品です。
@子供に過剰な期待を寄せて、勉強やスポーツなどでプレッシャーをかけていませんか
A咄嗟に言ってしまった言葉で家族や恋人を傷つけてしまったことはないですか
Bずっと連絡を取っていない家族に、本当は会いたいと思っていませんか
どれをとっても、後悔してからでは遅いけど、でも自分の心から逃げずに時を待って伝えれば、きっと乗り越えられる、そんな希望を与えてくれる映画です。
高校生のタイラーは、成績優秀でレスリング部のエリート選手。彼女はチアリーディング部で超かわいい女の子。おうちには厳格なお父さんがいて、ちょっと口うるさいけど、お父さんが再婚した母とも上手くやっているし、何より、この家庭は黒人の一家なんですけど、中流階級でおうちも広い立派なお屋敷だし、何不自由ない生活を送っているんです。
ところが、タイラーが肩の怪我を試合で悪化させたことで、選手生命が危ぶまれて、しかも、そんなときに彼女から妊娠を告げられて、もう自分自身がわからなくなって、ある夜取り返しのつかない行動を起こしてしまうんですね・・・
映画の前半が、今お話しした兄のタイラーを主軸にしたストーリーです。青春時代の挫折っていうのは、まぁ、ありますよね。お父さんだって、息子に対して厳しいことに悪気はないんです。でも親子の確執って生まれちゃうんですよね。
で、後半は、一年経って、今度はタイラーの妹エミリーが主軸になります。お兄ちゃんのことがあって学校では友人ができないし、SNSも全て消さなければいけなかった・・・思春期の女の子にはなんて過酷な状況かと思いますが、そんなエミリーにひとりの白人青年との出会いが訪れます。お茶に誘うんですけど、誘った理由を聞かれて「君を美しいと思ったから」って言うんですよ。そのシーンがサラッとしてるんですけど素敵なんです。
そして、この映画、最大の魅力は31曲という膨大な曲を使った音楽での演出です。
テーム・インパラ、ケンドリック・ラマー、カニエ・ウェスト、ダイナ・ワシントンなどなど、まるでクラブDJがまわしてるかのようにめくるめく感じで曲が流れることもあれば、面白いのが、テイラーやエミリーの気持ちを曲が代弁することもあって・・・
例えば、タイラーが恋人を探すために夜パーティーにやってきて、まちぶせしてるときの曲にタイラー・ザ・クリエイターの”IFHY”って曲が。「お前が憎い、でも愛してる。俺たちは面倒に巻き込まれるのが得意なんだ。」とか。
エミリーが彼氏と一緒にスプリンクラーで戯れるシーンがあるんですけど、そこで流れるアニマル・コレクティブの”Loch Raven”って曲の歌詞は「僕は君を見捨てない」だったり・・・そして、ヒップホップ中心の選曲なはずなのに美味しいところを持っていったのがレディオヘッドで、ま、ここでは言いませんが家族の再生の場面で使われています。
さらに、それだけ音楽を使っているにもかかわらず、この映画で音楽担当をしているのはナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナーとアッティカス・ロス。不安や葛藤、悲しみ、許しなどを見事に表現しています。
映画「WAVES」今観るべき映画です。ぜひ映画館で。
監督が好きすぎてなんと彼の曲だけは5曲もこの映画で使ってしまったというフランク・オーシャン。すごく繊細な、神からの一筋の光を夢見るような歌です。
映画見ていて、途中であれっ?って私前のめりになってしまったのですが、テイラーが恋人を追っかけてから最悪の事態になるときに、映画のスクリーンがせばまって、昔のテレビサイズくらいになるんですよ。で、話しがエミリーの暗い学校生活から始まるときも狭いまま。で、彼氏になる青年と行動をともにしていくにしたがってスクリーンがまた横長のにもどるんです。精神的な部分をスクリーンでも表現しているんだそうで。撮影の手法にも思いを表現したというところもぜひ注目を。
2020年07月16日
ロマンティックとJAZZとニューヨークと。映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」
連日続く雨。やっかいな 雨でもありますが、何か恋の予感がする雨でもあります。
公開中の映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」。
ウディ・アレン監督は昨年「#Me Too」運動に巻き込まれまして、アマゾン・スタジオとの契約がダメになったり、この作品も一度は公開が無期限で延期となりました。あのときは正直「あぁ、これでウディアレンのキャリアは終了かな」とも思ったんですが、無事和解して、この映画が公開になって・・・本当によかった。ウディ作品の中でもアカデミー賞4部門を獲得した77年の「アニーホール」に並ぶ傑作です。
ティモシー・シャラメ演じるギャッツビーとエル・ファニング演じるアシュレーは大学生カップル。アシュレーが大学の課題で有名な映画監督にインタビューできることになり、ふたりはニューヨークにいくことになりました。ニューヨーク出身のギャッツビーはアリゾナ出身のアシュレーをどこに案内しようか張り切ってデートプランを考えます。
ところが、2時間で終わるはずのアシュレーのインタビューは終わらず、一方、ギャッツビーも久々にあった友人に頼まれて映画のエキストラをやることになり・・・というお話。

まず、アシュレーは初めての大都会で普段は会えないような有名な監督や脚本家と出会い、そういうちょっと華々しいというか、映画業界の裏側をのぞけるというか、「かわいいね」とも言ってもらえるし、ちょっと浮き足立つわけです。そうしているうちに、スクープがもらえるかもしれないって言って、彼氏のギャッツビーのところになかなか戻らないんですね。いわゆる「こんなチャンス二度とないかも」というやつです。その好奇心、ちょっとわからなくもないのですが。笑
で、ギャッツビーは裕福ないいとこの坊ちゃんで古き良きを愛するっていう役で、ファッションもティモシー・シャラメがラルフローレンのヘリンボーンのジャケットを着たりして、そして、ウディアレンの脚本ならではの「早口しゃべり」でセリフをいうのが本当にたまらないんですね。笑。そのギャッツビーはアシュレーに放って置かれちゃうので、ひとりでプラプラしてるうちに、さっき言った映画のエキストラでセレーナ・ゴメス演じるチャンとキスシーンをすることになるんですよ。このキスシーンが、雨の車の中、曇ったフロントガラス越しのなんと素敵なこと。で、このチャンは、ギャッツビーの昔の彼女の妹なので顔見知りなんですが、ちょっと大人になったチャンはギャッツビーがからかおうとすると言い返すし、減らず口をたたくんだけど的を得たこともいってくるんです。
流れでメトロポリタン美術館に一緒に行って、ギャッツビーが「自分が何をしたいのかわからない」と嘆くシーンがあるんですけど、チャンがそこで言います。「現実は夢をあきらめた人の世界よ」と。
ウディ・アレンの映画はいつもセリフに様々な名言があって、とりわけ、こういう夢の世界っていうんですかね。映画業界を舞台にしていたり、映画「ミッドナイト・イン・パリ」であれば有名画家たちが活躍した1920年代にタイムスリップしたり、そういう舞台を一歩引いた目で見て「夢の中にいる人々」を描くっていうパターンが多いんですけど、ウディ・アレン自体もずっと夢の中にいるままの映画人だと思います。84歳ですよ。まだまだ映画を撮っていただきたい・・・。
もう、ニューヨークも登場人物もロマンティックすぎて、2回体が浮きました。笑
現在公開中の映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」ぜひご覧ください。
ティモシー・シャラメ演じるギャッツビーがニューヨークに実在する5つ星ホテル、ザ・カーライルのバーでピアノを弾き語りするシーンがあるんですが、演奏して歌うのは"Everything Happens To Me"。素敵なシーンでした。
公開中の映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」。
ウディ・アレン監督は昨年「#Me Too」運動に巻き込まれまして、アマゾン・スタジオとの契約がダメになったり、この作品も一度は公開が無期限で延期となりました。あのときは正直「あぁ、これでウディアレンのキャリアは終了かな」とも思ったんですが、無事和解して、この映画が公開になって・・・本当によかった。ウディ作品の中でもアカデミー賞4部門を獲得した77年の「アニーホール」に並ぶ傑作です。
ティモシー・シャラメ演じるギャッツビーとエル・ファニング演じるアシュレーは大学生カップル。アシュレーが大学の課題で有名な映画監督にインタビューできることになり、ふたりはニューヨークにいくことになりました。ニューヨーク出身のギャッツビーはアリゾナ出身のアシュレーをどこに案内しようか張り切ってデートプランを考えます。
ところが、2時間で終わるはずのアシュレーのインタビューは終わらず、一方、ギャッツビーも久々にあった友人に頼まれて映画のエキストラをやることになり・・・というお話。
まず、アシュレーは初めての大都会で普段は会えないような有名な監督や脚本家と出会い、そういうちょっと華々しいというか、映画業界の裏側をのぞけるというか、「かわいいね」とも言ってもらえるし、ちょっと浮き足立つわけです。そうしているうちに、スクープがもらえるかもしれないって言って、彼氏のギャッツビーのところになかなか戻らないんですね。いわゆる「こんなチャンス二度とないかも」というやつです。その好奇心、ちょっとわからなくもないのですが。笑
で、ギャッツビーは裕福ないいとこの坊ちゃんで古き良きを愛するっていう役で、ファッションもティモシー・シャラメがラルフローレンのヘリンボーンのジャケットを着たりして、そして、ウディアレンの脚本ならではの「早口しゃべり」でセリフをいうのが本当にたまらないんですね。笑。そのギャッツビーはアシュレーに放って置かれちゃうので、ひとりでプラプラしてるうちに、さっき言った映画のエキストラでセレーナ・ゴメス演じるチャンとキスシーンをすることになるんですよ。このキスシーンが、雨の車の中、曇ったフロントガラス越しのなんと素敵なこと。で、このチャンは、ギャッツビーの昔の彼女の妹なので顔見知りなんですが、ちょっと大人になったチャンはギャッツビーがからかおうとすると言い返すし、減らず口をたたくんだけど的を得たこともいってくるんです。
流れでメトロポリタン美術館に一緒に行って、ギャッツビーが「自分が何をしたいのかわからない」と嘆くシーンがあるんですけど、チャンがそこで言います。「現実は夢をあきらめた人の世界よ」と。
ウディ・アレンの映画はいつもセリフに様々な名言があって、とりわけ、こういう夢の世界っていうんですかね。映画業界を舞台にしていたり、映画「ミッドナイト・イン・パリ」であれば有名画家たちが活躍した1920年代にタイムスリップしたり、そういう舞台を一歩引いた目で見て「夢の中にいる人々」を描くっていうパターンが多いんですけど、ウディ・アレン自体もずっと夢の中にいるままの映画人だと思います。84歳ですよ。まだまだ映画を撮っていただきたい・・・。
もう、ニューヨークも登場人物もロマンティックすぎて、2回体が浮きました。笑
現在公開中の映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」ぜひご覧ください。
ティモシー・シャラメ演じるギャッツビーがニューヨークに実在する5つ星ホテル、ザ・カーライルのバーでピアノを弾き語りするシーンがあるんですが、演奏して歌うのは"Everything Happens To Me"。素敵なシーンでした。
2020年07月08日
今池シネマテークで映画「SKIN」を見た。白人至上主義について知る。
「Black Lives Matter」で連日アメリカのニュースを目や耳にしますが、そんな中でひときわ注目されている作品が公開中です。
幼い頃両親に捨てられ、白人至上主義者に洗脳されて育った筋金入りのレイシスト、ブライドン・ワイドナーの狂気と贖罪を描いた映画「SKIN」。実話です。
人種差別の思想から、実際レイシストの人がどんなことをしているのか、どうやって仲間が集まってくるのか、また、そこから逃れようとしたときにどんなことが起こるのかっていうのを知ることができました。
スキンヘッドで顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥーを持つ、主人公のブライオン。
彼は白人至上主義者に育てられ、差別と暴力に生きてきました。ある日、シングルマザーで3人の娘を育てるジュリーと出会うと、自分の人生に迷いを感じ始めます。グループを抜けてジュリーと新しい生活を始めようとしますが、前科とタトゥーが障害となりなかなか仕事に就くことができません。また、彼の裏切りを許さない組織から執拗な脅迫や暴力を受け、容赦なくジュリーたちにも向けられていきます。
そんなとき、以前は対立していた反ヘイト団体を運営する黒人のダリルが、白人至上主義者からの転向を手助けすると申し出てきました。タトゥー除去に資金を提供する人が現れ、ブライオンは計25回、16ヶ月に及ぶ除去手術に挑む・・・というお話。
顔や体に彫ってあるタトゥーは鉤十字とか強い意味を持つものが極太でしっかりと刻まれているんですね。タトゥーを入れるときだってウイ〜ンとやって墨も入れて痛いはずなのに、これらタトゥーを除去するっていうのはもっともっと痛いんだそうですね。大の男がうめく姿、しかも全身、顔も指も、その覚悟がどれだけのものかっていうのもタトゥーの除去シーンからも伝わってきます。

このブライオンを演じたのが、映画「リトルダンサー」のジェイミーベル。しなやかにバレエを踊る少年が、スキンヘッドでタトゥーまみれのネオナチを演じているわけです。
このタトゥーをメイクで入れるのに3時間ほどかかったそうですけど、ジェイミーベルはそのタトゥーが入ったまま数日生活をしたそうです。役作りをして、撮影に臨んだ彼の姿はダークサイドに堕ちたように常に怒っていて、怪物と化していたそうなんですね。
映画を見る前に「怖かったらどうしよう」って思ったんですけど、目を覆いたくなるような怖さっていうのはなくて・・・実際同じ人間で「白人以外はアメリカ人じゃない。黒人は殺してもいいんだ。」なんて本気で思っている人たちってこういう風に生まれてくるんだ、っていう人間の闇っていうのが何かを知らなければ根本的な解決にはならないんじゃないかなっていう気持ちで見ることができました。
で、監督はイスラエル出身のガイ・ナティーヴさんっていう方なんですけど、おじいさんがホロコーストの生き残りの方で、「ヘイト=憎む」っていうことの恐ろしさや虚しさっていうのも知っているし、次の世代のためにも伝えたかった、と。
ただ、最初はすぐにこの実話の映画化ができたわけではなくて、こういうテーマだけにプロデューサーに反対された、と。そこで資金調達のために、同じ人種差別をテーマにした短編の作品を作ったところ、それが数々の賞を受賞し、ついに2019年アカデミー賞短編映画賞を受賞。たまたま映画を見たスティング夫妻が気に入ったそうで、妻のトゥルーディー・スタイラーがプロデューサーとして協力してくれたことが資金面での支えに。そして、監督曰く、トランプ大統領が誕生したことが長編制作への追い風となったそうです。「アメリカの裏が、表に出た」と。皮肉ではありますが、多くの人たちがあらためて人種について考え、この作品や出来事(人物)に興味をもったということになります。
現在公開中、映画「SKIN」ぜひ見て、今起きていることについても知ってください。

映画の前に足を運んだ「大文字」。
中華そばのお出汁に心がジーンとなりました。
7席あるお席が現在はソーシャルディスタンスのため4席に。
こういう飲食店がきっとたくさんありますね。どこも頑張ってほしい。
幼い頃両親に捨てられ、白人至上主義者に洗脳されて育った筋金入りのレイシスト、ブライドン・ワイドナーの狂気と贖罪を描いた映画「SKIN」。実話です。
人種差別の思想から、実際レイシストの人がどんなことをしているのか、どうやって仲間が集まってくるのか、また、そこから逃れようとしたときにどんなことが起こるのかっていうのを知ることができました。
スキンヘッドで顔面に憎悪を象徴する無数のタトゥーを持つ、主人公のブライオン。
彼は白人至上主義者に育てられ、差別と暴力に生きてきました。ある日、シングルマザーで3人の娘を育てるジュリーと出会うと、自分の人生に迷いを感じ始めます。グループを抜けてジュリーと新しい生活を始めようとしますが、前科とタトゥーが障害となりなかなか仕事に就くことができません。また、彼の裏切りを許さない組織から執拗な脅迫や暴力を受け、容赦なくジュリーたちにも向けられていきます。
そんなとき、以前は対立していた反ヘイト団体を運営する黒人のダリルが、白人至上主義者からの転向を手助けすると申し出てきました。タトゥー除去に資金を提供する人が現れ、ブライオンは計25回、16ヶ月に及ぶ除去手術に挑む・・・というお話。
顔や体に彫ってあるタトゥーは鉤十字とか強い意味を持つものが極太でしっかりと刻まれているんですね。タトゥーを入れるときだってウイ〜ンとやって墨も入れて痛いはずなのに、これらタトゥーを除去するっていうのはもっともっと痛いんだそうですね。大の男がうめく姿、しかも全身、顔も指も、その覚悟がどれだけのものかっていうのもタトゥーの除去シーンからも伝わってきます。
このブライオンを演じたのが、映画「リトルダンサー」のジェイミーベル。しなやかにバレエを踊る少年が、スキンヘッドでタトゥーまみれのネオナチを演じているわけです。
このタトゥーをメイクで入れるのに3時間ほどかかったそうですけど、ジェイミーベルはそのタトゥーが入ったまま数日生活をしたそうです。役作りをして、撮影に臨んだ彼の姿はダークサイドに堕ちたように常に怒っていて、怪物と化していたそうなんですね。
映画を見る前に「怖かったらどうしよう」って思ったんですけど、目を覆いたくなるような怖さっていうのはなくて・・・実際同じ人間で「白人以外はアメリカ人じゃない。黒人は殺してもいいんだ。」なんて本気で思っている人たちってこういう風に生まれてくるんだ、っていう人間の闇っていうのが何かを知らなければ根本的な解決にはならないんじゃないかなっていう気持ちで見ることができました。
で、監督はイスラエル出身のガイ・ナティーヴさんっていう方なんですけど、おじいさんがホロコーストの生き残りの方で、「ヘイト=憎む」っていうことの恐ろしさや虚しさっていうのも知っているし、次の世代のためにも伝えたかった、と。
ただ、最初はすぐにこの実話の映画化ができたわけではなくて、こういうテーマだけにプロデューサーに反対された、と。そこで資金調達のために、同じ人種差別をテーマにした短編の作品を作ったところ、それが数々の賞を受賞し、ついに2019年アカデミー賞短編映画賞を受賞。たまたま映画を見たスティング夫妻が気に入ったそうで、妻のトゥルーディー・スタイラーがプロデューサーとして協力してくれたことが資金面での支えに。そして、監督曰く、トランプ大統領が誕生したことが長編制作への追い風となったそうです。「アメリカの裏が、表に出た」と。皮肉ではありますが、多くの人たちがあらためて人種について考え、この作品や出来事(人物)に興味をもったということになります。
現在公開中、映画「SKIN」ぜひ見て、今起きていることについても知ってください。
映画の前に足を運んだ「大文字」。
中華そばのお出汁に心がジーンとなりました。
7席あるお席が現在はソーシャルディスタンスのため4席に。
こういう飲食店がきっとたくさんありますね。どこも頑張ってほしい。
2020年07月01日
四女がすごいぞ!映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」
原作はアメリカの女性作家ルイザ・メイ・オルコットによる19世紀の傑作「若草物語」。これまで1933年、49年、94年と映画化されてきましたが、この度また現代版となって蘇りました映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」。日本では興行収入ランキング2週連続で2位となっています。
ときは南北戦争のころですね。作者が自身の姉妹をモデルに書いたお話で、まったく違うタイプの4姉妹が出てきます。
これまでの若草物語とは違うのが、彼女たちの幼少の頃からを描くというのではなく、まず主人公は次女のジョーが出てきます。彼女は作家を目指して出版社に自分の原稿を持ち込む・・・そこから、あぁこれはジョーという女性が夢を追う話なんだ、とわかる。
ニューヨークの街を走り抜けるシーンが瑞々しいです。この主人公を演じるのはシアーシャ・ローナン。26歳にしてアカデミー賞主演女優賞3度ノミネートしている女優さんですが、若草物語のジョー役も彼女以外には考えられないですね。

「わたしは一生結婚しない」と言って、好きだったはずの隣の家に住む仲良しのローリーのプロポーズの断ってしまう・・・
長女メグを演じるのはエマ・ワトソン。結婚することが自分の夢だとしながらも、現実に起きる貧乏生活の苦しみも描かれていて、でもそれに対する夫への愛情とか献身的なところ、それを言葉に変えられるところは、私は乏しい部分なので恐れ入りました。
3女のベスは、ピアノがとても上手いんですが、病弱で、物語の展開としても彼女の病気とともに大人になった姉妹がまた揃って、少女時代の回想シーンになっていきます。後半は映画館のあっちこっちからすすり泣く音が聞こえてきて私も頑張ってこらえました。
そして、ちょっとビビりました。4女エイミーがすごいですね。
女優さん誰かと思ったら日本でもロングヒットしています「ミッド・サマー」の主人公のフローレンス・ピューという人なんですが、今回の作品が4姉妹がある程度成長して大人になっている時間の方が長いから成り立つんだと思うんですが、このフローレンス・ピューって声が低音ボイスで、4女のエイミーは画家になるのが夢なんだけどジョーほどの才能はない、しかも片思いしているのはジョーを好きなローリーっていう状況で、それにめげず自分をうけとめて力強く行きて行く女性になっているんですよ。これまでだと、ただの甘えん坊の末っ子として描かれているので、そうじゃなくって、幼少の頃はわがまま娘に見えたエイミーも大人になって、いかに成長したか、乗り越えた先につかんだものもあった、というところをきちんと描写したのが、今回の若草物語なんですね。
つまり、この映画での「若草物語」の解釈は、みんなにはそれぞれの意志による輝かしい物語があるんだよ〜、それが「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」だと受け取りました。これは、もう監督グレタ・ガーウィグの手腕とセンスですね。
家族愛とロマンスのお話ですが、それで終わらせない清々しいラストパートもあっぱれです!

そして、アカデミー賞衣裳賞受賞しています。その衣裳が、今っぽいカッコ良さがあって、スタイリングをあえてそうしているんだと思うんですけど、戦争の最中なので贅沢できないっていう時代背景をとらえながら、ファッションでキャラクターの状況とそのキャラが発したい心情を見事表現できていると思います。
あとは、生活に困っている人を放っておけない母ローラ・ダーンと、ちょっとチャラいティモシー・シャラメも最高でした。(お金持ちで独身の叔母役メリル・ストリープ、彼女が出ていることでハリウッド作品にきちんとなっていたこともGOOD!笑)
映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」、現在公開中です。

この映画がお気に召した方は、ぜひグレタ・ガーウィグ監督の他の作品もぜひ。
ときは南北戦争のころですね。作者が自身の姉妹をモデルに書いたお話で、まったく違うタイプの4姉妹が出てきます。
これまでの若草物語とは違うのが、彼女たちの幼少の頃からを描くというのではなく、まず主人公は次女のジョーが出てきます。彼女は作家を目指して出版社に自分の原稿を持ち込む・・・そこから、あぁこれはジョーという女性が夢を追う話なんだ、とわかる。
ニューヨークの街を走り抜けるシーンが瑞々しいです。この主人公を演じるのはシアーシャ・ローナン。26歳にしてアカデミー賞主演女優賞3度ノミネートしている女優さんですが、若草物語のジョー役も彼女以外には考えられないですね。
「わたしは一生結婚しない」と言って、好きだったはずの隣の家に住む仲良しのローリーのプロポーズの断ってしまう・・・
長女メグを演じるのはエマ・ワトソン。結婚することが自分の夢だとしながらも、現実に起きる貧乏生活の苦しみも描かれていて、でもそれに対する夫への愛情とか献身的なところ、それを言葉に変えられるところは、私は乏しい部分なので恐れ入りました。
3女のベスは、ピアノがとても上手いんですが、病弱で、物語の展開としても彼女の病気とともに大人になった姉妹がまた揃って、少女時代の回想シーンになっていきます。後半は映画館のあっちこっちからすすり泣く音が聞こえてきて私も頑張ってこらえました。
そして、ちょっとビビりました。4女エイミーがすごいですね。
女優さん誰かと思ったら日本でもロングヒットしています「ミッド・サマー」の主人公のフローレンス・ピューという人なんですが、今回の作品が4姉妹がある程度成長して大人になっている時間の方が長いから成り立つんだと思うんですが、このフローレンス・ピューって声が低音ボイスで、4女のエイミーは画家になるのが夢なんだけどジョーほどの才能はない、しかも片思いしているのはジョーを好きなローリーっていう状況で、それにめげず自分をうけとめて力強く行きて行く女性になっているんですよ。これまでだと、ただの甘えん坊の末っ子として描かれているので、そうじゃなくって、幼少の頃はわがまま娘に見えたエイミーも大人になって、いかに成長したか、乗り越えた先につかんだものもあった、というところをきちんと描写したのが、今回の若草物語なんですね。
つまり、この映画での「若草物語」の解釈は、みんなにはそれぞれの意志による輝かしい物語があるんだよ〜、それが「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」だと受け取りました。これは、もう監督グレタ・ガーウィグの手腕とセンスですね。
家族愛とロマンスのお話ですが、それで終わらせない清々しいラストパートもあっぱれです!
そして、アカデミー賞衣裳賞受賞しています。その衣裳が、今っぽいカッコ良さがあって、スタイリングをあえてそうしているんだと思うんですけど、戦争の最中なので贅沢できないっていう時代背景をとらえながら、ファッションでキャラクターの状況とそのキャラが発したい心情を見事表現できていると思います。
あとは、生活に困っている人を放っておけない母ローラ・ダーンと、ちょっとチャラいティモシー・シャラメも最高でした。(お金持ちで独身の叔母役メリル・ストリープ、彼女が出ていることでハリウッド作品にきちんとなっていたこともGOOD!笑)
映画「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」、現在公開中です。
この映画がお気に召した方は、ぜひグレタ・ガーウィグ監督の他の作品もぜひ。
2020年06月17日
ヤバい、街行く人がゾンビに見えちゃう。映画「デッド・ドント・ダイ」
映画館が再開しまして久々に昨日言ってきたんですけど、映画館はやっぱりいいですね。

「伏見ミリオン座」に行ったんですが、席は1つおきに空けて距離をとって、いたるところに手を消毒するスプレーが置いてありました。平日だと普段もそんなに混んでいないんですけど、満席になる週末や夜の時間帯を考えると売上は半減以上ってことですからね・・・色んな方法で映画館がやっていけるよう願っています。
さぁ、では、何を見てきたかというと・・・ジム・ジャームッシュ監督最新作「デッド・ドント・ダイ」、ゾンビ映画です。
アメリカの田舎町センターヴィルである日、おかしな事件が起こります。それは、ダイナーで女性二人が何者かに襲われて(といってもゾンビなんですけど。笑)変死体として発見されます。ビル・マーレイ演じる警察署長クリフとアダム・ドライバー演じる巡査のロニーは謎を突き詰めるのですが、不吉な予感は当たり・・・というお話。
もう途中から一体何を見させられているのか、わけがわからず、というか映画が始まって、いろんな人が出てきて何かするたびに笑いが止まらないという・・・。ジム・ジャームッシュ好きにはたまりませんね。

イギー・ポップが始まってゾンビ役で出てくるんですけど、もう出てきた瞬間「出落ち」なんですよ・・・笑っちゃう。で、ダイナーに入ってきてもうひとり女性のゾンビがいるんですけど「コーフィー・・・コーフィー・・・」って。インパクトが強すぎる。
トム・ウェイツも出ていて、森で野宿する世捨て人っていう役で、役でもう出落ちですよ。笑。見た目がずるいもん!で、割とずーっと出ています。
結局、俳優さんにとって「映画がヒットするから出演したい、とかではなく、この監督だから出ます」っていうのがジム・ジャームッシュ監督で。こういう系の監督、日本だったら三谷幸喜監督とかでしょうか。いわゆる毎回出演する俳優さんもおなじみで・・・今作品では、
一番ぶっとんでるティルダ・スウィントンは「葬儀屋」の役です。東洋に傾倒していて、部屋には仏像があり、腰には常に日本刀を刺しているという・・・死体に対してあることもしますが、それは日本の慣習だと思います。
それから、ミュージシャンでいくと、ヒップホップのウータンクランのリーダーRZA(リッザ)出てます。ZIP-FMでかかるのはセレーナ・ゴメスですかね。彼女は若いですけどアメリカではもう完全に実力派の人になっていてNetflixの「13の理由」では製作総指揮をやっているんですよね。で、ジムジャームッシュが声をかけて集めたのは、いつものメンバーだけじゃなくて、若手ではもともとはSNSのインフルエンサーだったルカ・サバトっていう今注目の人だったり、「X-MEN」とかに出ているケイレブ・ランドリー・ジョーンズは日本でいう中村倫也さんのようなカメレオン俳優っていうんですかね、ミュージシャンでもあって奇抜なタイプの人なんですけど、そういった「今知っておいたほうがいい俳優さん」もいっぱい個性的すぎる役で出ています。
こういうことができるのが、ジム・ジャームッシュのすごいところなんですよね。
結局みんなゾンビになっていきますからね〜。むちゃくちゃです。笑
ただ、この構想は「今の時代に、スマホ中毒やコンピューター中毒になっている人たち」を見て思いついたそうで「今日(こんにち)人々の振る舞いというものが、よりゾンビ化している印象がある。みんな自分のことしか考えられなくなっている。そういう生き方が結果的に世界を破滅に追いやっているのに、多くの人が無関心だ。」とジムジャームッシュはおっしゃっています。さぁ、この映画は警鐘を鳴らせるでしょうか?
映画「デッド・ドント・ダイ」現在公開中です。

【ネタバレあり】
吹き出してしまったのは、土の中から出てきたゾンビたちが、自分たちが依存してきたものを追いかけさまよい歩くシーンがあるんですが「Wi-Fi〜 ワイファ〜〜イ」ってさまよってたのが爆笑でした。もう街で見かけるスマホに夢中な方々も、映画を思い出したらゾンビに見えてしまうかも。ま、自分も含めてですが・・・。
「伏見ミリオン座」に行ったんですが、席は1つおきに空けて距離をとって、いたるところに手を消毒するスプレーが置いてありました。平日だと普段もそんなに混んでいないんですけど、満席になる週末や夜の時間帯を考えると売上は半減以上ってことですからね・・・色んな方法で映画館がやっていけるよう願っています。
さぁ、では、何を見てきたかというと・・・ジム・ジャームッシュ監督最新作「デッド・ドント・ダイ」、ゾンビ映画です。
アメリカの田舎町センターヴィルである日、おかしな事件が起こります。それは、ダイナーで女性二人が何者かに襲われて(といってもゾンビなんですけど。笑)変死体として発見されます。ビル・マーレイ演じる警察署長クリフとアダム・ドライバー演じる巡査のロニーは謎を突き詰めるのですが、不吉な予感は当たり・・・というお話。
もう途中から一体何を見させられているのか、わけがわからず、というか映画が始まって、いろんな人が出てきて何かするたびに笑いが止まらないという・・・。ジム・ジャームッシュ好きにはたまりませんね。
イギー・ポップが始まってゾンビ役で出てくるんですけど、もう出てきた瞬間「出落ち」なんですよ・・・笑っちゃう。で、ダイナーに入ってきてもうひとり女性のゾンビがいるんですけど「コーフィー・・・コーフィー・・・」って。インパクトが強すぎる。
トム・ウェイツも出ていて、森で野宿する世捨て人っていう役で、役でもう出落ちですよ。笑。見た目がずるいもん!で、割とずーっと出ています。
結局、俳優さんにとって「映画がヒットするから出演したい、とかではなく、この監督だから出ます」っていうのがジム・ジャームッシュ監督で。こういう系の監督、日本だったら三谷幸喜監督とかでしょうか。いわゆる毎回出演する俳優さんもおなじみで・・・今作品では、
一番ぶっとんでるティルダ・スウィントンは「葬儀屋」の役です。東洋に傾倒していて、部屋には仏像があり、腰には常に日本刀を刺しているという・・・死体に対してあることもしますが、それは日本の慣習だと思います。
それから、ミュージシャンでいくと、ヒップホップのウータンクランのリーダーRZA(リッザ)出てます。ZIP-FMでかかるのはセレーナ・ゴメスですかね。彼女は若いですけどアメリカではもう完全に実力派の人になっていてNetflixの「13の理由」では製作総指揮をやっているんですよね。で、ジムジャームッシュが声をかけて集めたのは、いつものメンバーだけじゃなくて、若手ではもともとはSNSのインフルエンサーだったルカ・サバトっていう今注目の人だったり、「X-MEN」とかに出ているケイレブ・ランドリー・ジョーンズは日本でいう中村倫也さんのようなカメレオン俳優っていうんですかね、ミュージシャンでもあって奇抜なタイプの人なんですけど、そういった「今知っておいたほうがいい俳優さん」もいっぱい個性的すぎる役で出ています。
こういうことができるのが、ジム・ジャームッシュのすごいところなんですよね。
結局みんなゾンビになっていきますからね〜。むちゃくちゃです。笑
ただ、この構想は「今の時代に、スマホ中毒やコンピューター中毒になっている人たち」を見て思いついたそうで「今日(こんにち)人々の振る舞いというものが、よりゾンビ化している印象がある。みんな自分のことしか考えられなくなっている。そういう生き方が結果的に世界を破滅に追いやっているのに、多くの人が無関心だ。」とジムジャームッシュはおっしゃっています。さぁ、この映画は警鐘を鳴らせるでしょうか?
映画「デッド・ドント・ダイ」現在公開中です。
【ネタバレあり】
吹き出してしまったのは、土の中から出てきたゾンビたちが、自分たちが依存してきたものを追いかけさまよい歩くシーンがあるんですが「Wi-Fi〜 ワイファ〜〜イ」ってさまよってたのが爆笑でした。もう街で見かけるスマホに夢中な方々も、映画を思い出したらゾンビに見えてしまうかも。ま、自分も含めてですが・・・。
2020年06月03日
映画館の再開、嬉しいね。映画「ブレッドウィナー」
映画館が再開して距離を保っての鑑賞とはなりますが、少しづつ戻っていつの日かまた満席になることを願っています。
先週末土曜日から今池シネマテークで公開されている映画「ブレッドウィナー」。Netflixでは「生きのびるために」というタイトルで配信されています。
タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、過酷な日常を生き抜こうとする少女とその家族の姿を描き、第90回アカデミー賞にノミネートされた社会派アニメ映画。原作はカナダの児童文学作家デボラ・エリスの小説「生きのびるために」。
両親と姉、幼い弟と暮らす少女パヴァーナは、戦争で片足を失った父と一緒に露店を出して日銭を稼いでいました。そんなある日、父が突然タリバンに連行されてしまいます。女性だけでの外出が禁じられているので、一家は食料を買うことすらできず窮地に陥ってしまいます。そこで、パヴァーナがとった行動は、髪の毛を切って男装し、街へ働きに行こうとするのですが・・・というお話。
2017に制作された映画で、女優のアンジェリーナ・ジョリーが制作総指揮だったことでも注目された作品です。
アフガニスタンの人って、目がグリーンなんですよね。褐色の肌に黒髪で、ちょっと話がずれるんですが、モデルさんになる人も結構いるんだそうです。この映画の主人公パヴァーナのまっすぐな緑色の瞳もすごく印象的です。で、性格も活発で物怖じしない感じで。
お父さんが元教師で、市場の露店ではなにかを売るだけでなく、人々の手紙の読み書きをすることでも生計を立てるんですが、パヴァーナも教わっているんですね。これが、ストーリーに後々関係していきます。
お父さんがタリバンに連れて行かれて、さぁ、大変。一度はお母さんと一緒に父を探しに行こうとするんですが叶わず、街で見つかろうものなら罰を与えようと追いかけ回され、そんな中で中で髪を切って男の子になりすましたパヴァーナは、まず買い物をしてみるわけです。すると、ばれないんですよ・・・いえーい。そんな時に、ある友人に声をかけられるんですが、それがなんと同じく男の子に変装した女の子の友達で、それで働き方や生き方を教えてもらう、と。
で、この映画ではアニメーションではありますが、向こうで実際に起こっていることも描かれているでしょうし、あとはタリバン政権下のアフガニスタンの中でも女性と分かればすぐに攻撃する男性もいれば、そうではない情を持って接してくれる人も現れて、そのパヴァーナを取り巻く人それぞれの物語にもグッときますし、パヴァーナはお父さんを助けにも行くんですが、その姿は最初はか弱い部分もあるんですが、だんだん勇敢になって冒険物語のようでもあるんですよね。
そして、その物語を想像力豊かに彩ってくれるのが妄想の物語を語るシーンなんですよね。小さい時からお父さんに聞かされてきた物語で、パヴァーナも幼い弟に聞かせるシーンもあるんですが、この物語の再現シーンが切り絵のアニメでできているのがすごく可愛くて素敵なのと、映画のクライマックにこの物語と重なっていく迫力がすごいので、ぜひご覧ください。
余談ですが、監督のノラ・トゥーミーさんは10代のころに生計を立てるために、野菜工場で働いていて、野菜の品質チェックを1日12時間、3年もの月日に渡ってやっていたそう。そのときに、自分自身に物語を語り続けることで、過酷な時間を乗り切ったんだそうです。なので、この映画でも、パヴァーナが何度も語るんですけど、降りかかってくる困難に対してポジティブなことを思ったり行動したりするんですよね。常に希望があるんですよ。その発想が映画を見る人にも元気を与えてくれると思います。
先週末土曜日から今池シネマテークで公開されている映画「ブレッドウィナー」。Netflixでは「生きのびるために」というタイトルで配信されています。
タリバン政権下のアフガニスタンを舞台に、過酷な日常を生き抜こうとする少女とその家族の姿を描き、第90回アカデミー賞にノミネートされた社会派アニメ映画。原作はカナダの児童文学作家デボラ・エリスの小説「生きのびるために」。
両親と姉、幼い弟と暮らす少女パヴァーナは、戦争で片足を失った父と一緒に露店を出して日銭を稼いでいました。そんなある日、父が突然タリバンに連行されてしまいます。女性だけでの外出が禁じられているので、一家は食料を買うことすらできず窮地に陥ってしまいます。そこで、パヴァーナがとった行動は、髪の毛を切って男装し、街へ働きに行こうとするのですが・・・というお話。
2017に制作された映画で、女優のアンジェリーナ・ジョリーが制作総指揮だったことでも注目された作品です。
アフガニスタンの人って、目がグリーンなんですよね。褐色の肌に黒髪で、ちょっと話がずれるんですが、モデルさんになる人も結構いるんだそうです。この映画の主人公パヴァーナのまっすぐな緑色の瞳もすごく印象的です。で、性格も活発で物怖じしない感じで。
お父さんが元教師で、市場の露店ではなにかを売るだけでなく、人々の手紙の読み書きをすることでも生計を立てるんですが、パヴァーナも教わっているんですね。これが、ストーリーに後々関係していきます。
お父さんがタリバンに連れて行かれて、さぁ、大変。一度はお母さんと一緒に父を探しに行こうとするんですが叶わず、街で見つかろうものなら罰を与えようと追いかけ回され、そんな中で中で髪を切って男の子になりすましたパヴァーナは、まず買い物をしてみるわけです。すると、ばれないんですよ・・・いえーい。そんな時に、ある友人に声をかけられるんですが、それがなんと同じく男の子に変装した女の子の友達で、それで働き方や生き方を教えてもらう、と。
で、この映画ではアニメーションではありますが、向こうで実際に起こっていることも描かれているでしょうし、あとはタリバン政権下のアフガニスタンの中でも女性と分かればすぐに攻撃する男性もいれば、そうではない情を持って接してくれる人も現れて、そのパヴァーナを取り巻く人それぞれの物語にもグッときますし、パヴァーナはお父さんを助けにも行くんですが、その姿は最初はか弱い部分もあるんですが、だんだん勇敢になって冒険物語のようでもあるんですよね。
そして、その物語を想像力豊かに彩ってくれるのが妄想の物語を語るシーンなんですよね。小さい時からお父さんに聞かされてきた物語で、パヴァーナも幼い弟に聞かせるシーンもあるんですが、この物語の再現シーンが切り絵のアニメでできているのがすごく可愛くて素敵なのと、映画のクライマックにこの物語と重なっていく迫力がすごいので、ぜひご覧ください。
余談ですが、監督のノラ・トゥーミーさんは10代のころに生計を立てるために、野菜工場で働いていて、野菜の品質チェックを1日12時間、3年もの月日に渡ってやっていたそう。そのときに、自分自身に物語を語り続けることで、過酷な時間を乗り切ったんだそうです。なので、この映画でも、パヴァーナが何度も語るんですけど、降りかかってくる困難に対してポジティブなことを思ったり行動したりするんですよね。常に希望があるんですよ。その発想が映画を見る人にも元気を与えてくれると思います。
2020年05月22日
巣ごもりにオススメの長尺映画B「6才のボクが、大人になるまで。」
上映時間2時間45分 映画「6才のボクが、大人になるまで。」
長尺の映画で個人的に最も好きな映画がこれです。2014年の作品。
6才のメイソンくんが大人になるまでを綴った、本当に12年かけて撮影した映画です。両親が離婚して、新しい父が暴力的だったり新しい兄弟と仲良くしたり、転校繰り返さなきゃいけなかったり、いろいろありながら成長していく。
特に何か出来事があるわけじゃないんですよ。でも、セリフが5分おきに面白かったり名言だったりするし、10分おきにロックが流れるっていう・・・これは映画「スクール・オブ・ロック」と同じ監督っていうところでロックが好きな人にも楽しい映画です。
【ネタバレ含みます】
時がいつかがわかる描写にも注目です。
バラク・オバマ氏が大統領になる前から、大統領選直前に変わるところでは支持する人しない人との会話のシーンがあったり(子供たちが支持を表明するフラッグをあちこちに配りに行くなんてアメリカらしいですね)、携帯電話もスマホに変わるタイミングがあれば、あとはわかりやすいのは子供たちがジュニアスクールからハイスクールになり・・・という。
最初の方は、ハリーポッターが公開っていうところでも、それが何年のことだったかわかる人にはわかるんじゃないでしょうか。
そして、お父さん役のイーサン・ホークがいいんですよ。
夢見やさんで仕事もままならなくてメチャクチャなんですけど、週末に子供たちと遊ぶ時は野球見に行ったりキャンプしたり、そんな中で、いいことも言うんです。
娘、メイソンのお姉ちゃんに「会えなかった2週間、どんなことがあった?」って聞くと「別に」って言うんですよ。すると車を止めて「それじゃダメだ」って。家族が普段あったこと、学校であったことを話すことを怠けさせないっていうんですかね。
お母さんも「宿題しなさい」が口癖なんですけど、子供を守るし、愛情深いし、再婚は2回するんですけど、本当に素敵でラストのシーンは涙が出ます。「人生ってもっと長いと思ってた」振り返る間もないまま子育てやお仕事に必死だった母の言葉です。
そして、映画で流れる音楽。
Coldplayの”Yellow”から始まるのがまたテンション上がります。笑
このポールマッカートニーは、お父さんのイーサンホークがありもしない「ブラックアルバム」を作ってプレゼントするっていうシーンがあって、ビートルズ4人のソロの曲を勝手に選曲して一枚のアルバムにしてパッケージも作ってるっていう。
そのときに流れたのがWingsのこの曲でした。
こちらは、ドライブシーンで。
イーサンホークが子供たちに「この曲を聴け!アビィロードと同じレベルだ!」と。
そんな、子供たちに言っても。でも、そんな親になりたい。笑
アメリカ・ロサンゼルスのインディーロックバンドです。
この曲は映画で使用されたことで、特にヨーロッパでヒットしたそうです。
他にもBlink-182やシェリルクロウなども流れますよ〜。
映画を紹介するためにこの度あらためて見直したんですが、やっぱり素敵な映画でした。
長尺の映画で個人的に最も好きな映画がこれです。2014年の作品。
6才のメイソンくんが大人になるまでを綴った、本当に12年かけて撮影した映画です。両親が離婚して、新しい父が暴力的だったり新しい兄弟と仲良くしたり、転校繰り返さなきゃいけなかったり、いろいろありながら成長していく。
特に何か出来事があるわけじゃないんですよ。でも、セリフが5分おきに面白かったり名言だったりするし、10分おきにロックが流れるっていう・・・これは映画「スクール・オブ・ロック」と同じ監督っていうところでロックが好きな人にも楽しい映画です。
【ネタバレ含みます】
時がいつかがわかる描写にも注目です。
バラク・オバマ氏が大統領になる前から、大統領選直前に変わるところでは支持する人しない人との会話のシーンがあったり(子供たちが支持を表明するフラッグをあちこちに配りに行くなんてアメリカらしいですね)、携帯電話もスマホに変わるタイミングがあれば、あとはわかりやすいのは子供たちがジュニアスクールからハイスクールになり・・・という。
最初の方は、ハリーポッターが公開っていうところでも、それが何年のことだったかわかる人にはわかるんじゃないでしょうか。
そして、お父さん役のイーサン・ホークがいいんですよ。
夢見やさんで仕事もままならなくてメチャクチャなんですけど、週末に子供たちと遊ぶ時は野球見に行ったりキャンプしたり、そんな中で、いいことも言うんです。
娘、メイソンのお姉ちゃんに「会えなかった2週間、どんなことがあった?」って聞くと「別に」って言うんですよ。すると車を止めて「それじゃダメだ」って。家族が普段あったこと、学校であったことを話すことを怠けさせないっていうんですかね。
お母さんも「宿題しなさい」が口癖なんですけど、子供を守るし、愛情深いし、再婚は2回するんですけど、本当に素敵でラストのシーンは涙が出ます。「人生ってもっと長いと思ってた」振り返る間もないまま子育てやお仕事に必死だった母の言葉です。
そして、映画で流れる音楽。
Coldplayの”Yellow”から始まるのがまたテンション上がります。笑
このポールマッカートニーは、お父さんのイーサンホークがありもしない「ブラックアルバム」を作ってプレゼントするっていうシーンがあって、ビートルズ4人のソロの曲を勝手に選曲して一枚のアルバムにしてパッケージも作ってるっていう。
そのときに流れたのがWingsのこの曲でした。
こちらは、ドライブシーンで。
イーサンホークが子供たちに「この曲を聴け!アビィロードと同じレベルだ!」と。
そんな、子供たちに言っても。でも、そんな親になりたい。笑
アメリカ・ロサンゼルスのインディーロックバンドです。
この曲は映画で使用されたことで、特にヨーロッパでヒットしたそうです。
他にもBlink-182やシェリルクロウなども流れますよ〜。
映画を紹介するためにこの度あらためて見直したんですが、やっぱり素敵な映画でした。
2020年05月20日
巣ごもりにオススメの長尺映画A「風とともに去りぬ」
おうちにいる時間が長い今、映画はご覧になっているでしょうか?
私は映画館は行けなくなっちゃいましたけど、見てる本数は変わりなしですね。
で映画紹介をこの番組ではよくしていますけど、新作がない今どうしようかってディレクターに相談したら「この機会に時間が長い映画はどう?」って話になって、それはいいなぁと思って名作をいろいろ見てみました。
長尺の名作を見て思ったのは、3時間4時間続いても無駄なシーンがなくて、淡々と続くストーリーのリズムがいいんですよね。
で、長尺の映画を観るコツはとにかくレンタルすること、そして「再生ボタン」を押す、クリックすることです。そうすればあっという間に映画の世界に引き込まれて、見終わったあとの達成感は格別です。
番組で2つめにピックアップしたのがこの映画でした。
上映時間3時間51分 映画「風とともに去りぬ」
見たことあります?この機会じゃないと見られないなぁって思って。1952年の作品です。
1861年のアメリカの南北戦争直前の園遊会のシーンから始まります。
なんといっても主人公スカーレットがいい人じゃないっていうのがいいですね。
気が強くて、妹の好きな人を簡単に奪ってしまうようなひどいことも平気でするような女性なんですけど、ただ自分の片思いはずっと実らないし、家を守り土地を守るために一生懸命働くんですね。それが彼女の人生、というか。こういう女性が主人公っていうのも、当時画期的だったそうですね。とても魅力的ですよ。
また、南北戦争中で男性は戦争にいっている中で、スカーレットは片思いしている男性の奥さんになる人とともに生きる時間が長いんですけど、優しくで聡明で方で、全くタイプが違う人間が寄り添うことで激動の世の中を生き抜いていくっていう、それは妙に納得させられました。
私は映画館は行けなくなっちゃいましたけど、見てる本数は変わりなしですね。
で映画紹介をこの番組ではよくしていますけど、新作がない今どうしようかってディレクターに相談したら「この機会に時間が長い映画はどう?」って話になって、それはいいなぁと思って名作をいろいろ見てみました。
長尺の名作を見て思ったのは、3時間4時間続いても無駄なシーンがなくて、淡々と続くストーリーのリズムがいいんですよね。
で、長尺の映画を観るコツはとにかくレンタルすること、そして「再生ボタン」を押す、クリックすることです。そうすればあっという間に映画の世界に引き込まれて、見終わったあとの達成感は格別です。
番組で2つめにピックアップしたのがこの映画でした。
上映時間3時間51分 映画「風とともに去りぬ」
見たことあります?この機会じゃないと見られないなぁって思って。1952年の作品です。
1861年のアメリカの南北戦争直前の園遊会のシーンから始まります。
なんといっても主人公スカーレットがいい人じゃないっていうのがいいですね。
気が強くて、妹の好きな人を簡単に奪ってしまうようなひどいことも平気でするような女性なんですけど、ただ自分の片思いはずっと実らないし、家を守り土地を守るために一生懸命働くんですね。それが彼女の人生、というか。こういう女性が主人公っていうのも、当時画期的だったそうですね。とても魅力的ですよ。
また、南北戦争中で男性は戦争にいっている中で、スカーレットは片思いしている男性の奥さんになる人とともに生きる時間が長いんですけど、優しくで聡明で方で、全くタイプが違う人間が寄り添うことで激動の世の中を生き抜いていくっていう、それは妙に納得させられました。
2020年05月19日
巣ごもりにオススメの長尺映画@「ベン・ハー」
この週末、とにかく時間が長い映画をいろいろ見ました。
番組で紹介するのがきっかけだったんですけど、まぁ見るとしたら今がチャンスですからね。
しかも、せっかくならいわゆる「名作」と呼ばれているものを見ようと・・・。
普段は新作を見ることに追われてしまうので、ちょっとしたいい機会でした。
で、まず見たのがこの映画でした。
上映時間 3時間42分 映画「ベン・ハー」
長い!何が長い、まず序曲っていうんですか〈OVERTURE〉って書かれた画面だけで6分45秒あるんですよ。で、バン・ハーのタイトルが出てくるのが11分50秒経ってやっと出てくる・・・長い!笑
ストーリーとしては、ユダヤの豪族の青年ベン・ハーがローマ軍に入った親友メッサラに裏切られて奴隷の身分になってしまったことから船の漕ぎ手になり、そこからどんどんのし上がって昇格していって最後にはメッサラと再会して対決するっていう話。
【ネタバレあります】
時代が西暦1世紀のローマ帝国時代、戦闘用の船にエンジンがないから奴隷たちが手で漕ぐっていうことが私「テルマエロマエ」でしか見たことがなかったので衝撃で。笑
そのたくさんいる手漕ぎの奴隷たちを管理する係りの人がいて、太鼓を抱えて「ドン・ドン・ドン♪」と一定のリズムで鳴らすとそれに合わせて奴隷たちが漕ぐんですけど、総長の気分でめっちゃ早いリズムで太鼓の音が鳴ると、ついていけなくてヘトヘトの奴隷が倒れるんですよ。すると、ムチで打たれるんです・・・おいおい。
で、敵と遭遇し戦闘シーン。武器は・・・火をつけたたいまつを投げ合うんです。
これまで、様々な戦争映画を見ましたが、なんというかそういう次元を超えていて、逆に新鮮というか。
最新兵器を見ることはあっても、たいまつを投げ合うなんて・・・すんません、笑ってしまいました。
なんというか、歴史を学びながらも、そういうのを楽しんでもいいんだと思います。
名言もあります。「愛は憎しみより強い」
ベン・ハーの人生は多難です。つつましくも豊かな生活を送っていた青年が急に奴隷になるわけで、徐々に昇格していく、といっても年月がかかります。それもこれも裏切った親友のせいです。いくら人のいいベン・ハーでも復讐の気持ちが芽生えます。
途中であったおじいさんに「君の目には殺意が・・・そんなことをしなくても神が導いてくださる」と言われますが、母と妹にもいち早く会いたいベン・ハーの焦りと憎しみは増すばかり!?
後半の競馬のシーンも見ものですね。
1959年製作の映画です。CGとかはあるはずないので、馬たちも本物です。数頭でも大変なはずなのに、なんと1人の騎手に対して馬が4頭なんです!なぜ1頭じゃないんだ!!
競馬では9チーム出るので、合計36頭。36頭がトラックをグルグル走ります。
凄いです。馬がお好きな方は必見です。
さらに、この作品は神様の存在がキモで、キリストも出てくるんですけど、「理想の世界とは何か」っていうことも少し考えさせられます。「ローマによる世界統一」なのか「民族の平和、未来」なのか。それって今起こっている世界情勢にも結びつくので、昔の映画ではあるんですが、ギャップと共感とで楽しめた映画でした。
面白かったですよ〜。
番組で紹介するのがきっかけだったんですけど、まぁ見るとしたら今がチャンスですからね。
しかも、せっかくならいわゆる「名作」と呼ばれているものを見ようと・・・。
普段は新作を見ることに追われてしまうので、ちょっとしたいい機会でした。
で、まず見たのがこの映画でした。
上映時間 3時間42分 映画「ベン・ハー」
長い!何が長い、まず序曲っていうんですか〈OVERTURE〉って書かれた画面だけで6分45秒あるんですよ。で、バン・ハーのタイトルが出てくるのが11分50秒経ってやっと出てくる・・・長い!笑
ストーリーとしては、ユダヤの豪族の青年ベン・ハーがローマ軍に入った親友メッサラに裏切られて奴隷の身分になってしまったことから船の漕ぎ手になり、そこからどんどんのし上がって昇格していって最後にはメッサラと再会して対決するっていう話。
【ネタバレあります】
時代が西暦1世紀のローマ帝国時代、戦闘用の船にエンジンがないから奴隷たちが手で漕ぐっていうことが私「テルマエロマエ」でしか見たことがなかったので衝撃で。笑
そのたくさんいる手漕ぎの奴隷たちを管理する係りの人がいて、太鼓を抱えて「ドン・ドン・ドン♪」と一定のリズムで鳴らすとそれに合わせて奴隷たちが漕ぐんですけど、総長の気分でめっちゃ早いリズムで太鼓の音が鳴ると、ついていけなくてヘトヘトの奴隷が倒れるんですよ。すると、ムチで打たれるんです・・・おいおい。
で、敵と遭遇し戦闘シーン。武器は・・・火をつけたたいまつを投げ合うんです。
これまで、様々な戦争映画を見ましたが、なんというかそういう次元を超えていて、逆に新鮮というか。
最新兵器を見ることはあっても、たいまつを投げ合うなんて・・・すんません、笑ってしまいました。
なんというか、歴史を学びながらも、そういうのを楽しんでもいいんだと思います。
名言もあります。「愛は憎しみより強い」
ベン・ハーの人生は多難です。つつましくも豊かな生活を送っていた青年が急に奴隷になるわけで、徐々に昇格していく、といっても年月がかかります。それもこれも裏切った親友のせいです。いくら人のいいベン・ハーでも復讐の気持ちが芽生えます。
途中であったおじいさんに「君の目には殺意が・・・そんなことをしなくても神が導いてくださる」と言われますが、母と妹にもいち早く会いたいベン・ハーの焦りと憎しみは増すばかり!?
後半の競馬のシーンも見ものですね。
1959年製作の映画です。CGとかはあるはずないので、馬たちも本物です。数頭でも大変なはずなのに、なんと1人の騎手に対して馬が4頭なんです!なぜ1頭じゃないんだ!!
競馬では9チーム出るので、合計36頭。36頭がトラックをグルグル走ります。
凄いです。馬がお好きな方は必見です。
さらに、この作品は神様の存在がキモで、キリストも出てくるんですけど、「理想の世界とは何か」っていうことも少し考えさせられます。「ローマによる世界統一」なのか「民族の平和、未来」なのか。それって今起こっている世界情勢にも結びつくので、昔の映画ではあるんですが、ギャップと共感とで楽しめた映画でした。
面白かったですよ〜。

