2020年05月06日

イギリスの若者たちに学ぶ、立ち上がること!声を上げること!映画「白い暴動」

おうちで映画を楽しんでいらっしゃる方も多いでしょう。
新作を映画館ではなく配信で公開するという動きも一部進んでおります。
その中からぜひ見てほしいな〜と思い、先日番組で紹介させていただいたのがこの作品です。
70年代後半のイギリスで人種差別の撤廃を主張した若者たちによるムーブメント”ロック・アゲインスト・レイシズム”に迫るドキュメンタリー映画「白い暴動」。


「白い暴動=White Riot」っていうのは、イギリスのパンクバンドThe Clashの曲名。
この映画のルビカ・シャー監督はこうおっしゃっています。
「混沌とした世の中でこそ、自身で考え、声を上げることの大切さを知ってもらいたい。たとえ自分一人だったとしても、声をあげることで仲間を見つけることができる。ともに行動し、乗り越えられるから」と。





1970年代の経済破綻に陥っていたイギリスは「英国病」と呼ばれるほどで、生きてゆくのにめっちゃ不安なわけです。で、その不満を政府に、じゃなくて、第二次世界大戦後に増加した移民のせいにしちゃうんですね。「おれたちの仕事をあいつらが奪ってんだ」って言って・・・。
街は暴動と化すし黒人を襲撃しちゃうし、で、そんな中「人種や生まれで差別しちゃだめだよ〜」と抗議するために数人の若者で発足したのが「ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)」という団体。The Clashも支持をしたという、その団体のドキュメンタリーとなります。


【ここからはネタバレあります】


先日この映画を見たジッピーから映画の感想が届いていて、ロッドスチュワートやデヴィッドボウイがレイシズム(つまり人種差別をする側)にいたことを知って驚きました、なんてメッセージもありましたが、もう国が国民を支えられない仕事がないお金がないっていう、パニック状態の中でどうすればいいのか、どの主張が国民を救うのか混乱状態なわけです。
でも、そういう中で、若者たちが立ち上がって、で、今みたいにSNSがない時代にもかかわらず、どの人種の生き方や思想にもいいね!しようぜって集結する、その若者の勇気に感心してしまいましたね。

「人種差別は単なる嫉妬ではない。憎しみからきている。」っていう・・・。
この動きはRARの団体が率いてデモ活動に発展していくんですけど、はっきり言うんですよ。15歳くらいの少年少女ですよ。
「担任の先生がファシズムで聞いてられない」
「弱いものいじめは反対だ。自分たちは意思表示をしないと」と。立派ですよね。


で、一方若い人の中でももちろんレイシズムの人たちもいて、その代表的な団体に「NF(ナショナルフロント)」というものがあって、そっちはそっちで活動があったんです。なので、今の世の中にも近いですけど、全くちがう2つの意見がバチバチ。

で、これがこのころの70年代後半なのでパンクロックにも影響していて、The Clashは自分たちで公言していたこともあって「人種差別反対派」のバンドですけど、シャム69っていう今でも歴史に残っている人気バンドがいて、彼らは本人たちの意に反してなぜかNFの支持者のファンがついたんですね。そういうことも起こったわけです。

じゃあ、そんな中で混乱する人々が手を取り合って乗り越えていくために、音楽の力、パンクロックの力でどうしたらいいか、っていうのがラストのライブのシーンにあるんですね。ぜひ見てほしいです。
1978年4月に行われたRARによる野外コンサートには10万人が集結しました。そこで歌われたこの曲”White Riot”





この歌詞は、ホワイトライオット、暴動を起こしたいっていう、自分自身のための正しいって意味のホワイトライオットで、黒人は問題だらけでレンガ投げつけるし、白人は学校には通うけど言いなりのアホになる方法を教わってるだけだ。って歌で・・・
だから、白人よ黒人よ、立ち上がろうぜっていう後押しソングになったんですよね。

映画「白い暴動」、先月公開となりましたが、新型コロナウイルスの影響を受けて現在は各音楽配信サイトで見ることができます。ぜひご覧ください。





トッパー・ヒードンがクラッシュ代表でコメントしていました。
良識ある大人な感じで素敵でしたね。この作品に安心感を与えていました。

実際には1982年にバンドを解雇されたドラマーで、再びメンバーと再会できたのは19年後。
(ま、悪いのはヒードンなんですが。笑)

2002年に再会し再結成も期待されましたが、その年の12月にジョーストラマーが他界。
伝説に残るバンドですが、どこか儚さもぬぐえません。
posted by なりたま at 19:40| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年04月16日

4月上旬に見た映画&ネトフリまとめ。

おうちにいることが多くなって見る映画の本数が増えました。
おうちなので旧作やNetflixがほとんどとなるのですが、せっかくならとツイッターで紹介しているうちに溜まってきたので、ブログにも残しておくことにしました。
140文字での紹介って考えさせられますね。

今回は6本。ギロッポン。





今話題の映画「コンテイジョン」見た。新型コロナウイルスの状況とあまりにも重なることが多くて、なんか自然に受け止めて見てしまった。ワクチン摂取の順番を決めるのが誕生日が書かれたピンポン玉っていうのは笑ってしまったけど。常日頃、愛する家族などを裏切ることもしたくない。手は洗おう。





Netflix「最高に素晴らしいこと」
エル・ファニング主演。心に傷を抱えた2人の高校生が同じ課題に取り組む中で、深い友情を築きさらには恋愛にまで繋がっていくストーリー。ティーン向けだけど描写が繊細で心に染みる。





父がタリバン政権に捕まり、女性だけでは外にも出られない中で、主人公11歳の少女パヴァーナが髪を切り少年の稼ぎ手となって町に出る話。クライマックスの少女が語る物語と父を救おうとする行動の勇敢さのリンクに惹き込まれる。Netflixでのタイトルは「生きのびるために」





Netflix「ザ・ランドロマット」
メリル・ストリープ演じるエレンが事故で夫を失い、保険金を受け取ろうとしたら保険会社自体がないペーパーカンパニーだったというストーリー。パナマ文書の事件をベースにしたコメディで映画を見てから事件を振り返るととてもよくわかる。





映画「クレイマー、クレイマー」
ダスティンホフマン演じる男が妻に去られ息子との二人暮らしに奮闘しながらも父と子の絆が深まってく話。映画「マリッジストーリー」の1979年版ともとれる。「パパの幸せがママの幸せだと思っていた」ってセリフに呆れながらも気づけば応援しちまう作品。





映画AKIRA見た!今更ながらあの作品もこの作品もAKIRAのあの設定やシーンのオマージュなのね。それでもって芸能山城組の音楽が今聴いてもカッコイイ。ガムランやケチャなどがアキラを崇める人々にリンクしてたり、どれだけ時が経っても同じような事が繰り返される不変性にも合っていて完璧。

そういえば、赤い服を着ている主人公は金田なんですね。
この人がアキラだとばっかり思っていました。


少しでも早く新作紹介ができる日が来ることを願って・・・。



posted by なりたま at 15:22| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年03月04日

当時の戦争、戦術も踏まえながら。映画「1917 命をかけた伝令」

現在公開中の映画「1917 命をかけた伝令」。
アカデミー賞作品賞を取るんじゃないかって言われていましたけど、パラサイトが受賞して、かなり話題も観客もパラサイトに持って行かれた感じもしますが(笑)、映画ファンは必見の作品ですね。「007 スカイフォール」のサム・メンデス監督のおじいさんの体験談が元になっている作品です。





イギリスとアメリカの合作の戦争映画となります。
第一次世界大戦真っ只中の1917年。若きイギリス兵スコフィールドとブレイクに、ある朝、重要な任務が命じられます。それは、一発触発の最前線にいる1600人の味方に作戦中止の命令を伝えること。その中にはブレイクの兄も配属されていました。
作戦を止めなければ、そこにはドイツ軍が仕掛けた罠が待っていて、イギリス軍は敗北することとなってしまう・・・タイムリミットが迫る中、2人は危険なミッションに挑むのですが、というお話。

ちょっと戦争のお話になるんですが、第一次世界大戦。このときに生まれたものって何かご存知ですか?

それは「戦車」なんですよね。

この映画で多く出てくるシーンって、 塹壕(ざんごう)の中を銃を構えながら進んだり、味方の兵士でいっぱいの中を急いでかいくぐったりするシーンなんですけど、塹壕っていうのは、敵の銃砲撃から身を守るために陣地の周りに掘った溝ですね。
(今でいう巨大迷路を想像してもらってもいいかもしれません。)
で、この塹壕での戦いっていうのは圧倒的に攻めるよりも守るほうが有利なんですって。なぜなら、守ってるほうが近づいてきた敵を塹壕の中から射撃すればいいんで。

そんな中で、新兵器として登場したのがイギリスが生んだ「戦車」です。
塹壕の中で射撃されても跳ね返すことのでき、力強く機動力を兼ね備えた装甲車である戦車の誕生で、敵のほうは、それはそれは大パニックになったそうです。
そして、各国で戦車が作られるようになると戦争は戦術が変わっていって、第二次世界大戦のころには、ドイツ軍の「電撃戦」っていう、陸軍と空軍が連携したり、司令部ではなく前線の戦車や歩兵が無線通信で連絡を取り合ったりするっていう方法が生まれていくんですね。


1917.jpg


この映画のなかで戦車の話は別に出てこないんですけど、最後のほうのシーンでベネディクト・ カンバーバッチが出てきて、そのときの会話を聞いて「なんて戦争とは虚しいものなんだ」と思いました。

そして、それをなぜ深く考えさせられるかっていうと、この映画が「ワンシーン、ワンカット」の撮影で製作されていて、主人公たちがまるでゲームのプレイヤーのように、ミッションクリアのために動かされているからなんですよね。
とても今っぽい若い人たちが見慣れたゲーム感覚の映像構成で、1917年っていう100年も昔に起こった戦争の話を描いているっていう・・・取り合わせも、こういう見せ方があるんだなぁ、と感心しながらのめり込んで見てしまいました。

とても面白いので、大人の方はぜひこの当時の戦争のことも知って見ていただけたらなぁ、と思います。これからAI駆使したら戦争ってどうなっちゃうんでしょうね〜。





映画で使われている音楽ではないんですが”1917”っていうタイトルの曲で、兵士を受け入れる女性の歌があったのでオンエアさせていただきました。


posted by なりたま at 15:15| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月28日

特殊メイクで楽しむのもGOOD!映画「スキャンダル」

特殊メイクの日本人アーティストで現在はアメリカ市民権を取得されたのKazu Hiroさんがアカデミーの「メイクアップ&ヘアスタイリスト賞」を受賞して話題となりました映画「スキャンダル」が公開中です。
SNSの時代に生きている私たちにとって、情報のスピードの早さにはもう慣れてしまっていることと思うんですが・・・この映画は2016年にアメリカの放送局で実際に起こったことを映画化しています。そして、トランプ政権であるうちに製作し、公開したことが非常に大きな意味のある作品で、そこがまずすごいことなんですね。





人気・実力ともにFOXニュースのトップに君臨するキャスターのメーガン・ケリー。(実話ですから実在する人です。シャーリーズ・セロンが演じていて、顔を似せているのがカズ ・ヒロさんです)
この頃、アメリカ全体が共和党の大統領候補のひとりであるトランプに振り回されていました。メーガンは容赦なくトランプの女性軽視発言に追求するのですが、激怒したトランプが、執拗にメーガンに向かって汚い言葉で罵るツイートをするようになります。

一方、朝のニュースの顔として活躍してきましたが、2年前に昼の番組に降格されたベテランキャスターのグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)は、なぜ自分が冷遇されたのかわかっていました。CEOのロジャー・エイルズから迫られた性的関係を拒絶したからです。
2016年5月。ついに首を言い渡されたグレッチェンでしたが、7月6日、グレッチェンは、 テレビ界で大きな力を持つロジャーをセクハラで訴えます。

さぁ、果たしてロジャーにセクハラ被害を受けた女性たちは名乗り出るのか、また、ちょうどその頃、野心にあふれロジャーに近づいた(マーゴット・ロビー演じる)若いキャスターのケイラは、ロジャーに「服を持ち上げ、足を見せろ」と迫られ・・・というお話。





女性が出世するにあたって、ま、出世とは関係ないところでも、日本でだってセクハラっていうものは存在しますよね。それを乗り越えてきた方もいらっしゃるかもしれませんが・・・女性として思うのは、性的な接触を受け入れて恩恵を受けることに全く理解できないわけではないけれど、仕事っていうのはやはり実力で認められてこそであって、例えば「女性なんだから足を見せろ」みたいな「女性なんだから、わかるだろ」みたいな風潮をいつまでもやってるのはおかしいわけで・・・
この映画って、#MeTooの前には草案が練られていたそうなんですが、まぁでもここ数年の女性たちが起こした流れっていうのは、とても意味あることだと思うんですよね。
あらためて、女性の方たちが勇気を持ったり、あと間違った謙虚さを持たないようにするにも、ぜひ見て元気になったらいいんじゃないかなと思います。

主演であり、プロデューサーでもあるシャーリーズ・セロン渾身の一作というのが随所に現れて伝わってきます。
119分間、かぶりついて私は見てしまいました。
テーマの割には、シュッとしていたのが良かったですね。

映画館でも手洗いはしっかりと!


posted by なりたま at 22:47| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月13日

映画「ハスラーズ」ジェニファー・ロペスに勇気をもらう。

アメリカでNFLスーパーボウルのハーフタイムショーで全米、いや、全世界を魅了したジェニファーロペスが主演し製作総指揮まで務めた渾身の一作「ハスラーズ」が公開中です。
ハーフタイムショーでこの映画で見せた「ポールダンスを」披露したんですが・・・見ました?
すごいです。50歳です。あのスタイル、 体幹、色気、強さ、 美しさ、ジェニファーロペスの今が凄い!というのを200%体感できる作品です。





アメリカ・ウォール街を震撼させた驚愕の実話を描いたクライム・エンターテインメント。これ、実話が基になっていまして、みなさんご存知、2008年にリーマンショックがあったじゃないですか。そのあとに、ニューヨークは急激に景気が悪化しまして、そこで大打撃をくらった職業のひとつがストリップクラブで働く女性たちだったんですね。そのダンサーたちが中心となって、ウォール街の裕福な男達から数年にわたって大金を巻き上げたっていう事件が2013年に起こった(発覚した)わけです。

映画のストーリーとしては、、
その事件を起こした(主犯とでもいいましょうか)トップダンサー役がジェニファーロペス。最初に登場するシーンのポールダンス、ショーがとにかくカッコイイ!
で、もうひとり主役が、映画「クレイジーリッチ」の主演だったアジア系アメリカン女優のコンスタンス・ウーなんですけど、デスティニーっていう役で、デスティニーは幼少の頃に母に捨てられて、おばあちゃんに育てられたです。そのおばあちゃんを養うために働き始めた場所がストリップ・クラブで・・・最初は全然お客さんにも相手にされないし、働けないとお金は稼げないし、そんなときに目の前で踊っていたジェニファーロペスが演じるラモーナが、もう、キラキラしているわけです。憧れますよね。で、そばに行って「どうしたらあなたみたいになれるのか?」って聞くんです。素直で頑張り屋さん。
そこで、タッグを組むようになって、大金を稼げる、仕事でもプライベートでも姉妹のようにふたりはなっていくんですね〜。

でも、安定した生活が送れるようになったのもつかの間、2008年、リーマンショックがやってくると、ダンサーたちにも不況の波が押し寄せてきます。
ストリッパーをやってる理由も様々で、シングルマザーとしての生活費を稼いでいる女性もいれば、収監中の恋人の弁護費用を貯めてる女性もいるし・・・それぞれの差し迫った事情でお金が必要なストリッパーたちに、ラモーナはウォール街の裕福な男たちからお金をだまし取る計画を企てるのですが・・・というお話。

犯罪であるにもかかわらず、作品として成立したっていうのには、映画のセリフにも出てくるんですが、
「真面目に働いても生活が苦しいのに、経済危機を引き起こした張本人であるウォール街の金融マンたちは、なぜ相変わらず豊かな暮らしをしているのか」という点ですね。
この金融マンたちの騙されていく様が、また無様で爽快っていう面白さがあるのかもしれません。





映画で使われていて久々に聴きました。好きだった〜。96年の曲です。
他には、アッシャーとかブリトニースピアーズ、ジャネットジャクソン、ショーンキングストンなどなど、ちょっと懐かしいあの頃のイケイケなサウンドで・・・華やかなストリップクラブを彩りつつ、またその裏にある必死に生きる女性たちとの対比にもなって、すごく効果的に使われています。

あとは、この映画、アーティストからは今大人気のリゾと、ラッパーのカーディーBが出演してまして、、リゾは迫力あるダイナマイトボディでドーン!と。お胸もブルンブルン、ボヨーンと大胆さが気持ちいいですね。カーディーBっていう配役も彼女の人生も照らし合わせてみると・・・しみじみ。抜群な配役です。

映画「ハスラーズ」公開中です。ぜひ見に足を運んでください。
posted by なりたま at 19:08| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月06日

作家と作品を守るためにそこまでするかぁ・・・映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」

日本でも大ヒットした長編推理小説「ダ・ヴィンチ・コード」、ファンです!という方もいらっしゃるでしょう。映画化もされましたよね。
その「ダ・ヴィンチ・コード」シリーズの権利を持つアメリカの出版社が、作家のダン・ブラウンの同意を得た上で、世界的ベストセラーの第4作「インフェルノ」を世界中のファンに同時に届けることと、海賊行為や違法流出を防ぐために、各国の翻訳者たちを秘密の燃料庫に隔離して翻訳作業を行いました・・・

これ、今物語を話しているわけではなくて、本当にあったことです。
で、このエピソードを知って驚いたレジス・ロワンサル監督が「もし、その本が盗まれたり、ダウンロードされたりしたら・・・それは新しいジャンルの犯罪になるのではないか」、と着想を得て作った映画「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」が公開中です。





舞台はフランス。
豪邸の地下に隠されたシェルターのごとき密室。大ベストセラーミステリー三部作の完結編「デダリュス」の翻訳のために選ばれた9人は、外出も電話もSNSさえも禁止されます。ところが、最新鋭のセキュリティーを突破して原稿の一部がネットに流出。「24時間以内に500万ユーロを支払わないと、次の100ページも公開する」という脅迫メールが、出版社社長のアングストロームのもとに届きます。原稿にアクセスできるのは、作家のオスカル・ブラックと、アングストロームだけ。翻訳者の内部犯行だと確信したアングストロームは、自ら犯人探しに乗り出しますが、銃さえ突きつけた厳格な監視のもと、第2の流出が実行される・・・というストーリー。

いったい誰が、どうやって、新作を流出させたか・・・という謎解きですね。
とはいえ、本当の話で、いくら世界の大ベストセラー作品だからとはいえ、密室に翻訳家を(言い方悪いですけど)閉じ込めてたって、なかなかハードですよね?
まぁ、世界同時発売だから、翻訳もみんな一緒に同じページから同じページまでってことなんでしょうけど・・・。


9人の翻訳家.jpg


この作品は映画「タイピスト」の製作チームが手がけています。そのときはタイプライターをカタカタやっていたんですが、今回は翻訳家たちがカタカタしたり書き書きしたりしております。
この映画のキャラクター作りのために、脚本家チームが実在する5人のベストセラー翻訳者に、仕事の仕方とかどういう生活をしているかなどリサーチしたそうです。

確かに、守秘義務とかあるでしょうからね〜。あとは、翻訳する人によって原文の捉え方や表現の仕方ってきっと特徴があるじゃないですか。
この映画に出てくる9人の翻訳家たち。ロシア語、イタリア語、デンマーク語、スペイン語、英語、ドイツ語、中国語、ポルトガル語、ギリシャ語にそれぞれ訳す人たちが集まっているんですけど、なぜ今回翻訳に選ばれたかとか、それぞれの事情もあったりして、謎に関係しているのかしていないのかも、結構あとの方までわかんないんですよね。

で、ただの謎解きではなく、トリックの解明が進んでいくにつれ、また話が予想外の方向に進んでいきます。あとは、ぜひ映画をご覧ください。





ニューヨークのバンドInterpolのこの曲がすごくハマっていました。

そして、音楽を担当しているのは、2016年のリオオリンピック閉会式で「君が代」がアレンジされて流れたんですが、椎名林檎の依頼を受けてそのアレンジを行った三宅純。作曲家であり編曲家ですが、もともとはジャズ・トランペッターです。
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2020年01月29日

誰かが誰かを守れば、世界はきっと平和になる。映画「ジョジョ・ラビット」で子供が見た戦争とナチス。

公開中の映画「ジョジョ・ラビット」、もうご覧になりましたか?

アカデミー賞6部門にノミネートされて話題の作品ですが、ロックがお好きな方は確実に好きなこと間違いなしの映画です。
カンヌでパルムドールを獲った韓国映画「パラサイト」について先週ブログを書きました。それはもちろん素晴らしかったんですけど、その後で「ジョジョ・ラビット」を見たらもうジョジョ・ラビットで今は頭も心もいっぱいになってしまいました。





舞台は、第二次世界大戦中のドイツ。
10歳の少年ジョジョは、空想上の友人アドルフ・ヒトラーに励まされ、ナチス党内の青少年組織ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していました。
しかし、心優しいジョジョは、訓練でウサギを殺すことができず、教官に「ジョジョ・ラビット」とあだ名を付けられてしまいます。
そんな中、母と二人で暮らしている家の隠し部屋に、ユダヤ人の少女エルサがかくまわれていることに気づきます。
いつの間にか勇敢なエルサに心惹かれていくのですが・・・というお話。


ジョジョラビット.jpg


すごくお洒落にできている作品です。
全体的なアートワーク、衣装、おうちが外から見たら上の階の窓が目になっている顔に見えたり、内装のデザイン、あとはヒトラーの動きのひとつひとつのポーズとか、いざ街が戦場になる時のサム・ロックウェルの色鮮やかな軍服とか、、
(アカデミー賞では、美術賞と衣装デザイン賞にノミネートされていますが)
ワンシーンそれぞれが絵になる映画の作り方で、それってウェス・アンダーソンの世界観にも近いのですが、この映画のほうがメッセージが明確な分、反戦映画とも言えます。

今この世界がなんとなく緊張感があって荒れている中で、「戦争はいけないよ」っていうメッセージを発することってすごく大事だと思うんですよね。
で、この映画、監督をしているのは、なんとヒトラー役で演技もしているタイカ・ワイティティで脚本も書いている、現代の「天才」って呼ばれている人です。この方は映画界ではとても珍しいニュージーランドのマオリ族とロシアのユダヤ人をルーツに持つ方で、この作品については「広めるべきはヘイトじゃない。愛と寛容だ。」という思いで製作をされたそうです。もう、その思いは十二分にスクリーンから感じ取れます。

で、その役割を最も演技で担ったのがジョジョの母親役のスカーレット・ヨハンソンじゃないでしょうか。アカデミー賞では「マリッジ・ストーリー」で「主演女優賞」、この「ジョジョ・ラビット」で「助演女優賞」にノミネートされているんですが、んまー素敵な母なんですね。強くたくましく優しくユーモアがあってダンスが好き・・・♡
そして、自分の思想を息子に押し付けないっていう・・・。

母と息子もそうですが、母とユダヤ人少女、ジョジョと少女、ジョジョと軍の大尉とか、登場人物それぞれの会話とかやりとりが、どれも笑いあり思いやりありで、途中なんども涙ぐんじゃいましたね・・・あとは劇場でご覧ください。





映画「ジョジョ・ラビット」サウンドトラックにも収録されています。
I want to hold your handのドイツ語バージョン。あの頃のドイツの人々の映像に合わせて流れてきます。

その他音楽はデヴィッド・ボウイ、トム・ウェイツ、エラ・フィッツジェラルドなど、選曲もタイミングも抜群です。
まだ見ていない方は、ぜひぜひ見てくださいね!
posted by なりたま at 18:35| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月22日

映画「パラサイト 半地下の家族」ひょっとして・・・。

週末は、映画「パラサイト」を見に行きました。
これからアカデミー賞をひかえ、賞レースに名乗りをあげる作品が日本でも次々に公開されています。
これから公開する予定の作品も含め、一足早く試写会で見させていただいているのですが、それらをすべて含めても「アカデミー賞の作品賞、パラサイトいけるんじゃないかな」と思うほどでした。

そのくらい、上映時間132分、最初から最後までいっさい無駄がない作品・・・





全員が失業中のキム家族は、お父さん、お母さん、兄ギウ、妹ギギョンの貧乏ながらも仲の良い4人家族。
ある日、ギウに家庭教師の話がきて、生徒の家を訪れると、父親がIT企業のCEOという大豪邸でした。
運転手やお手伝いさんなど、全員がその大豪邸で働くことになったキム家族は、高額なお給料が入ってホックホク。
しかし、予想だにしない出来事がその家に起き、事態は急展開。さぁ、どうする、キム家族・・・というお話。


【ここからかなりネタバレ】

「半地下の家」では、ギウとギギョンがスマホの電波を探し、最終的にキャッチできたのがトイレで、そのトイレが家の床より小高い位置にあるという家の作りに、キム一家の経済状況を垣間見ることができます。

仕事がないからピザ屋さんのピザを入れる箱の組み立ての内職をするんですが、きっちり仕事どころか粗末な組み立てで減給になったりして、そのダメな部分に愛着がわくんですよね〜。

そんな家族なので、ギウが家庭教師の仕事でお金持ちの家に通うようになり、そこから家族全員が職をつかむと、図々しくも家が留守の間にその大豪邸でキム家族は団らんしちゃうんです。おいおい!とツッコミ。笑

なんですが、最終的に考えさせられる「韓国の格差問題」、あらゆるシーンでほんのちょっとずつ考えさせられるようできていて、ラストシーンは悲惨ながらも同情さえしてしまいました。


キャラクターそれぞれの「キャラが濃いんじゃ〜(千鳥風)」というのが、またストーリーをうまく展開させています。
ギウが家庭教師をすることになる女の子と結局恋仲になってしまうこと、もともと働いていた家政婦には夫がいたこと、そして、その夫が毎日何をして過ごしているのか・・・予想外の出来事がどんどんやってきて観客を飽きさせません。

また、とっても人の良い大豪邸の奥様と旦那様なんですが、途中から「ニオイ」を気にしだします。
「地下にいるような匂い」だと言うんですね。上の世界で生きている者と下の世界で生きている者の違いが、このあたりから感じ始めます。
上流の人たちは下の世界にいたことがないので、匂いと言ってもすぐにピンとくるわけではないし、なんなら家で起こる不可思議なことにも疑問を持つことすらしません。その鈍さが、またこのストーリーを面白くしているんですけどね。

あぁ、かなり内容書いちゃってますが、まだまだ話したいところ。笑
「時計回り」も吹き出して笑っちゃったなぁ・・・あぁ。

ということで、映画「パラサイト 半地下の家族」ぜひ劇場で見てくださいね。
posted by なりたま at 18:44| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月15日

『なりたま2019年のベストムービー』〜The 10 Best Movies of 2019〜

今のところの「2019年 興行収入ランキング」を見てみると、

1位「天気の子」
2位「アラジン(実写版)」
3位「トイ・ストーリー・4」
4位「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」
5位「ライオン・キング」

でした。年が終わる頃には「アナ雪2」が食い込んでくるのでしょう。
2016年に次ぐ、絶好調の興行収入だったそうです。
映画館に足を運ぶ人が増えて、映画館っていう場所がますます人気になり、個性のある映画館がまた増えるといいなと思います。

そんな中、名古屋は「伏見ミリオン座」が移転して、スクリーンが増えました☆
嬉しいですね。コーヒーもパンも美味しい映画館です。
初めて訪れた時は、思わず外観の写真を撮ってしまいました。

私個人的に2019年はいつも通り音楽映画(ロック映画)を楽しめたことはもちろんですが、音楽映画ではないものの選曲にこだわりのある作品が目立ったことで、昔の音楽を掘る時間が長かったような気がします。
数年前の作品が積極的に劇場公開されているのも嬉しいですね。熱心なファンや映画関係者の尽力によるものと思われます。感謝。

では、2019年の映画トップ10を順不同で発表します。





80年代のイギリスのロックを彩った伝説のバンド、ザ・スミスのボーカリスト、モリッシーの映画。
ポイントはなんといっても「ザ・スミスを結成するまで」を描いた点にありました。
仕事は続かず、内気で、大の音楽ファンで皮肉屋の彼の人生がひとつの物語になってしまうのが凄い。

今ちょうどニュースになっている氷河期世代(ま、私の世代ですが)に見てほしいですね。
モリッシーの歌詞がなぜあんなに寄り添ってくれるのか、この映画を見てもわかると思います。
そして、ファンにとってはラストシーンがやっぱり・・・ね。笑





デヴィット・ボウイが好きな人はたいていミック・ロンソンもお好きだと思うのですが、このドキュメンタリー映画の公開に関しては、映画館やファンの方々の愛を感じずにはいられなかったですね。
それって、ミックの人柄やギタープレイに魅了されたことや音楽への貢献度はもちろんなんですが、金銭面でちょっと不運だったことや死が早かったことへのちょっと可哀想な部分っていうのも、ミックを応援したい心理に繋がったと思います。

このドキュメンタリーは、本当に製作されてよかった作品のひとつです!





上記2つとともに、私の部屋にフライヤーが飾られているのがこの映画。
ニューヨークの片隅にある小さなお店に、ただ毎日ギターを作りに自転車で通う人生。素敵じゃないですか。
でもただ作っているわけではなく、ニューヨークの建物の廃材を使うことにこだわった職人さん。

やりたい仕事に就けることは幸せですが、就いた仕事に信念を持てることもまた幸せなことです。
ヤイリギターの矢入さんのドキュメンタリーもあったらよかったですねぇ・・・。





本来なら昨年の段階でベストムービーに入られればよかった作品ですが、見たのが年が明けてからだったので。
パリに住んでいた時に、友人のお父様が持っていた別荘に数回遊びに行ったことがあるのですが、そこにはお手伝いさんがいてハウスキープしていました。この映画は、なんとなくそのときのことを思い起こさせてくれます。

ラストの海のシーン、思い出します。胸が熱くなるのを景色の美しさが引き留めてくれます。いいんですよ。
Netflix、やっちゃいましたね。ストリーミング作品をオスカーに、作品賞はノミネートのみでしたが、この作品は大健闘でした。
そして、2020年、ゴールデン・グローブ賞ノミネート作品は、Netflix作品がすでにノミネートされまくっております。





今年一番笑った映画はこれかなぁ。
フランス人って、いわゆるダメ人間に情が移る国民性がありまして・・・
こういう笑いは本当に好きなんですよねぇ。





美しければ怖くても良いのか。
トム・ヨークであれば怖くても良いのか。

頑張って見た私の度胸を褒めたい。





この映画が今回ゴールデン・グローブ賞(おそらくアカデミー賞も)にノミネートされたことが、とても興味深かったです。
せっかくならNetflix作品に負けてほしくないなぁとも思います。

映画見終わった後に、新たに知った当時の事実や俳優さんについてなど、楽しめることがいっぱいあったのがよかったです。
使われていた音楽も、結局全部調べちゃったしなぁ・・・タランティーノ先生ありがとうございました。


さ、ではここで、途中ですが『あのときの作品を日本で上映してくれてありがとう!2作品』いきましょう!!





2014年公開の作品です。
自分たちだけの音を探した若者たちの青春物語であり、ひとつのロック史を解説してくれる映画でもあります。
このシーンがなければ、後のマッドチェスター・ムーブメントなどには繋がらないですからね。

今は便利な世の中なので、世界中の音を即時に聞くことができます。
それもあって、多様なサウンドを吸収したユニークなバンドもいっぱいいるし、「今の音」というのもすぐに探して取り入れることができます。

でも、不自由だからこそ生み出す「自分たち流のカッコイイ」っていうのが、やっぱりたまらないんですよねぇ〜。
この映画はスクリーンで見られて本当によかったです。





2013年公開の作品。
これはもうThe Undertonesの"Teenage Kicks"という名曲あっての、ですね。
北アイルランドの「グッド・ヴァイブレーションズ」というレコード店&レーベルの実話。

先ほどのノーザン・ソウルといいグッド・ヴァイブレーションズといい、英国のどちらかといえば田舎でのシーンの話、というのが、都会にはない「必死なロック愛」みたいなものが感じられて、どうしようもない人たちでも愛さずにはいられないグッとくるものがあるんですよね。
アイルランド・アカデミー賞でノミネートされた翌年に、脚本で英国アカデミー賞のほうにもノミネートされちゃうってのも、さすがロックの国イギリスな感じがして心温まりました。

では、ベストムービー10選に戻りましょう!





普通に考えて、父と娘が一緒に曲を作るっていうのは、あんまりないと思うんですよ。
お父さんの影響で同じ音楽を聴いて育つことはあるとしても。

でも、このふたりを結びつける理由の一つが「お母さんがいない」ってことで、父も娘もお互いの幸せを人一倍強く願っているんですよね。
ふたりのコラボは、まるで学校の卒業制作のようで、ラストのライブシーンから別れに至るまでが清々しくうるっとさせてくれます。
インディロック好きは必見の映画ですが、オリジナル曲がさらにいい曲なのもGOOD!





全て「企画勝ち」といいますか・・・だって全編ザ・ビートルズなわけですから。
だけど、それを見る人も巻き込んで「もしこの世に彼らが存在していなかったら」を考えられる作品にした製作陣の手腕に拍手です。

ラストのジョンも、なんか「いっかー!」って思っちゃったもんなぁ。笑





この映画は真実に基づいて作られた映画ですが、とにかくタイミングがよかったように思います。
ここで描かれたミュージシャンは、60年代前半に人種差別の根強いアメリカ南部にツアーに行くことを決めた黒人ピアニスト。
さらには、ゲイであったということもツアーの途中にわかり、映画を見ながら「すごい度胸の人だな」と心の中でツッコミを入れたことを覚えています。笑

アメリカを横断する新たな「ドライブ映画」でもありましたね。青空も音楽も爽快でした。


ということで、なんか音楽ものばかりになっちゃったかな。ま、いっか。
もしご興味あるものがありましたら、私のそれぞれについて書いているブログを見てみてください。

2020年は、新たな映画の時代がやってくるのか・・・ワクワクビクビク。



posted by なりたま at 19:18| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月04日

2019年のうちに、またシャラメに会えちゃった☆

というほど、ティモシー・シャラメに恋してるわけではないのですが、やはり公開される映画はチェックしないわけにはいかないのが、今は彼です。

「君の名前で僕を呼んで」でアカデミー賞主演男優賞ノミネートしたティモシー・シャラメと、アカデミー賞6部門受賞した「ラ・ラ・ランド」のプロデューサーが製作&脚本としてタッグを組んだ『2016年の作品』となります。

つまり、もっとあどけないシャラメくんを見られるということですね・・・(ま、といっても10代最後の作品なので、彼はすごく若いわけでもないのですが。)





学校の中ではマイナーな部活動「演劇部」の大会の引率をお願いされた英語教師のスティーヴンス先生。
会場までドライブし、数日間一緒にホテルに泊まりながら見守った生徒の中のひとりビリー(ティモシー・シャラメ)は、無口ながらも行動障害があるという男の子。
感情を上手くコントロールできないビリーですが、スティーブンス先生に恋心を抱く彼は、この大会中、あらゆる場面で真っ直ぐに気持ちをぶつけていきます。
さぁ、どうする、スティーブンス先生〜!

というお話。ざっくりいうと、生徒が先生に恋する映画です。

この映画で使われている曲が素敵なんですね。





「告白はできていないけど、その時だと思ったんだ

 君のことばかり考えているよ 金色の髪の少女

 もう君なしじゃ生きていけない 眩しくて見ていられないくらいさ

 ほんのちょっとでいいから愛してほしい 気にかけてくれるだけでいいんだ」


自分が不器用で、気持ちをどうしていいか整理することもできない未熟さも含めて、この映画のビリーととてもリンクしています。
先生役は「バイス」などに出演していたリリー・レーブ。元々は彼女が「サウス・バイ・サウスウェスト・映画祭2016」で最優秀女優賞を受賞したことでもこの映画は注目されています。


マイビューティフルデイズ.jpg

 
先生と生徒ですが、学校から離れて少人数になることで、これまで教室ではできなかったような会話ができて、演劇の大会中みんなは仲良くなっていくんですね。
そんな中、ビリーがいきなり先生を呼び捨てにしたりして・・・まぁ、そこまでではないにしても、仲良くなった先生に直接「先生」以外の名前やあだ名で呼ぶことの特別感ってわかるような気がします。

自分を見てほしい、気にかけてほしい、好きだからこその欲求ですが、振り向いてもらうための方法が若すぎるがうえにわからないんですね。
はたから見ると「困ったちゃん」なんでしょうが、それをシャラメくんがやると・・・なんだか卑怯だなぁ。笑


ファン待望の公開です。ぜひ劇場で。
東海地方は、まずは愛知県名古屋では12月7日土曜日シネマスコーレで公開となります。




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2019年11月08日

細野晴臣さんの映画を観に行ってきました。

デビュー50周年を記念したドキュメンタリー映画「NO SMOKING」が公開中です。
すでにご覧になった方から、番組宛にメッセージもいただいていました。
まだ見ていないというファンの方、どうぞお早めに。

ノースモーキングと言っている割には、タバコを吸っているシーンが多めの細野さん。笑
「煙草のけむりを燻らせることは、音楽を燻らせることと一緒」だそう。

このドキュメンタリーでは、幼少のころから始まり、はっぴぃえんどやYMO時代はもちろん、その前後も含めて細野さんの音楽歴を写真や映像とともに辿ることができます。
結構、近年のアメリカ&イギリスのツアー映像が多かったかな。

その合間に細野さんのゆる〜いお喋りが聞けたり、キュートなステップが見られたり、テンポよく編集されています。
ナレーションは、星野源。

ロサンゼルスでは、マック・デマルコが出てきて"冬越え"の歌にトライしているシーンも。
(マックは、細野さんのカバーのリリースもしていましたね。)


NOSMOKING.jpg


「今の(細野さんの)バンドは何かが欠けている。その欠けていることをなくしたくない。」

そうおっしゃる細野さん。
そこに、楽しみや可能性があるっていうことなんでしょうかね。

とにかく終始、お茶目で素敵でした。


カフェラテ.jpg


double tall cafeに久々に行きました。

カフェラテを頼んだら、しっかりアートされて出てきました。
クレーム・ブリュレは、大きかった。笑
トロトロ。パリパリ。





ロンドンのバンドです。The Proper Ornaments。
秋深まってAL「Six Lenins」、めっちゃ聴いてます。

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2019年10月23日

映画「真実」、みんな見てるのかな・・・。

昨年「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞であるパルムドールに輝いた是枝裕和監督の待望の新作「真実」が公開中です。
もうご覧になりましたか?

これまで海外の批評家や観客に認められてきた、とはいえ、それはあくまで日本が舞台で日本の俳優さんが演じて、日本の文化や風習が織り込まれた作品たちでした。
今回は「初の国際共同製作」ということで、フランスと日本の合作。出演者に日本人が出てくることはありません。日本人が撮ったフランス映画といっても過言ではありません。
では、その映画は是枝作品と言えるのか・・・しっかり是枝作品しておりました。





世界中にその名を知られるフランスの国民的大女優ファビエンヌが、自伝本を出版することになりました。タイトルは「真実」。
アメリカで脚本家として活躍する娘と、テレビ俳優としてようやく目が出始めた娘婿。
ふたりの娘。さらにファビエンヌの現在のパートナーと落ちぶれた元夫。また公私にわたる全てを把握する秘書。
「出版祝い」を口実に全員が集まるのですが、気がかりはただひとつ。
「いったい彼女は何を綴ったのか」というところからストーリーが展開していく物語。

主人公のファビエンヌを演じるのがフランスの大大大大女優、カトリーヌ・ドヌーブ。
娘役を、何年も前から是枝監督と一緒にやりましょう!と、ある意味この映画のきっかけにもなったジュリエット・ビノシュ。「イングリッシュ・ペイシェント」に出演していた大女優ですね。そして、娘婿役は、アメリカからイーサン・ホーク。
もうこの3人が、是枝監督の作品に集まっちゃってるのが、ものすごいことです!
それだけで、もう見た方がいい映画なんですけど、、

フランスっていう国とかフランス映画にこれまで興味がなかった人も、ちょうどいい入り口かもしれません。
日本と同じで四季がはっきりしている国で、映画の中に紅葉の景色が出てきますが鮮やかすぎなくてちょうどいい美しさですし、撮影とか録音とかの技術スタッフはみんなフランス人なんですけど、是枝監督のテイストとぴったり調和して、どのシーンも素敵です。


映画真実.jpg


その中で、カトリーヌ・ドヌーブ演じるファビエンヌっていう大女優が、女優たるものいい母でいる必要はないっていう女性なんです。気まぐれで傲慢(ごうまん)で、でもチャーミングだから嫌いになれないっていう感じで。
フランス人の「いい女」の気質って、ツンとした猫みたいな女性を指すことがあるんですけど、まさにそのような女性で、みんなが翻弄される、という・・・

で、カトリーヌ・ドヌーブの素敵な撮影エピソードがあって、是枝監督がお話しされていたんですけど、彼女ってどのシーンも必ず素晴らしいテイクがあるんですって。
で、それが出ると本人もわかって嬉しそうにしていて「今のがOK?」と聞く、と。
さらには「私今晩8時にディナーの約束をしているの」っていう日は、早い段階でそのOKテイクが出る、と。笑

さらには、カトリーヌ・ドヌーブは、お昼に来てメイクしながら台本を開くそうなんですけど、そこに呼ばれてセリフを「こういう風に言っていいかしら?」とどんどん提案をしてくる、それって、樹木希林さんと一緒なんだそうです。

カトリーヌ・ドヌーブの話ばかりになってしまいましたが、子役の子も可愛いですし、ご飯も美味しそうですし、、

ま、人って劇的じゃないところにドラマがあって、静かな会話の中に人生の大きな瞬間がある、それを切り取るのが是枝作品の魅力ですけど、「真実」って何なんだろう、誰のためのものなんだろう、と考えさせられる作品でした。

映画「真実」、まだ見ていない方はぜひ〜。
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2019年10月16日

今年のベストムービーのひとつかな。映画「イエスタデイ」。

イギリスの名匠「トレインスポッティング」や「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル監督と「ノッティングヒルの恋人」「ラブ・アクチュアリー」を手がけた脚本家リチャード・カーティスがタッグを組んだ映画「イエスタデイ」。

ちょっと想像してみてください。もしこの世にThe Beatlesが存在していなかったら?





舞台はイギリスの小さな町サフォーク。シンガーソングライターのジャックは、幼馴染で親友のエリーの献身的なサポートもむなしく、まったく売れず、音楽で有名になりたいという夢がしぼんでいました。
そんな時、世界規模で原因不明の大停電が起こり、彼は交通事故に遭ってしまいます。
昏睡状態から目が覚ますと、史上最も有名なバンド、ビートルズが存在していないことに気づきます。


予告映像の途中で弾き語りをしているのは主人公ジャック演じるヒメーシュ・パテル。コメディ俳優としても人気です。
"イエスタデイ"を、仲間数人の前で歌って、みんながあまりの名曲に驚くというシーン。

エリーが感動して「この曲は、一体何なの?」と聞くと
ジャックは「イエスタデイ」

エリー「いつの間に、こんな曲を書いていたの?」
ジャック「俺じゃないよ。ビートルズのポール・マッカートニーだろ。」

エリー「誰?」
ジャック「ビートルズ。」

エリー「何それ?」
ジャック「ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ」

っていう。自分以外、誰もビートルズが知らない世界になっているんですね。
そこでジャックがとった行動は「ビートルズの曲を自分の曲として歌う」ということ。
たちまちライブは大盛況。SNSでも大反響を呼び、マスコミも大注目。
すると、その曲に魅了された超人気ミュージシャンエド・シーランが突然やってきて、彼のツアーのオープニングアクトを任されることになります。
そして、ついにメジャー・デビューのオファーが舞い込んでくるのですが・・・というストーリー。





このカバー好きです。オリジナルのキラキラにリスペクトしたようなイントロ(*^_^*)

さて、、

譜面や歌詞を思い起こしながらビートルズを歌うことに、もちろん主人公ジャックは罪悪感や戸惑いもあるんです。でも同時に喜びもある。
そんな中で、ジャックが最終的に何を選択するか、っていうのが物語のよさで、ヒューマンコメディとラブストーリーのバランスが絶妙なリチャード・カーティスの脚本が素晴らしいんですが・・・

せっかくなので、ビートルズがもしこの世にいなかったらっていう妄想をぜひ楽しんでください。この映画のいいところは「ビートルズ愛に溢れている」っていうところです。


【ちょっとネタばれ】

さっきのイエスタデイを弾き語りするシーン。その後に仲間の一人がColdplayの”Fix You”って曲と比較をしてジャックが怒るってシーンがあるんですけど、Coldplayには失礼なんだけど笑えるんですよ。

で、The Beatlesがいないってことは・・・っていうので、ジャックがネットでいろいろ検索するんですが、これが面白いの〜。ビートルズがいないってことは、イギリスのあのバンドがいなかったり・・・ね。

この映画のすごいところは、ビートルズのありとあらゆる楽曲使用の許可が下りたっていうことで、映画で20曲ほどもカバーしていて、オリジナルサウンドトラックまでできあがったほどなんです。
また、ビートルズから拝借するのは曲だけじゃなかったり、あのビートルズのアルバムについて、今の時代の感覚で冷静にダメ出しされたりもするので、ぜひビートルズのいない世界にいるつもりで一緒に批評してみてください。

あとは、ぜひ映画館で!映画「イエスタデイ」公開中です。


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2019年10月08日

音楽だけでも楽しい♪ 映画「ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD」後半。

サウンドトラックを聴きながら書いていると、このブログは意味があるのかとも思ってしまうのですが、サントラのラジオ仕立ての音作りが楽しく、なんかノリノリで書き進めていけそう。

よし、後半戦。【ネタバレあり】





バフィ・セント・マリーは60年代から活躍し、カナダのジュノー賞最優秀カナダ先住民音楽賞はじめ1980年代から各年代で数多くの賞や名誉を与えられてきた大シンガーソングライター。
ジョニ・ミッチェルが書いた曲です。





テレビ番組のライブパフォーマンス。このベンベケベースでバックダンサーがヒラヒラ舞っちゃうあたりが素敵すぎます。笑
スペイン・マドリードのバンド、ロス・ブラヴォス。この曲、リッキー・マーティンがカバーしていました。





50年代ドゥーワップ〜R&B、ロック期と活躍したリトル・リチャードのようなスタイルのシンガー、ディー・クラーク。
70年代にイギリスでヒットした"Ride a Wild Horse"っていう曲もカッコ良いっす。





シャロン・テート殺害事件が起きたのは1969年の8月9日でした。
この曲の歌い出しは"Hot August Night〜(暑い8月の夜〜)"。
さぁ、シャロンはどうなるのか、マンソン・ファミリーは計画を実行するのかー!





これはズルい。ハリウッドで夢を見続けてきた者たちの切なさが滲み出てくるかのようなカバーバージョン。
ホセ・フェリシアーノ、私大好きなギタリストなんですが、今年6月に来日していたんですね。見に行けばよかった。





こうやって聴いていくと、タランティーノ好みというだけでなく、自然と世界のアーティストや音楽ともコネクトしてくるあたり、偶然なのか策略なのかとさえ思ってしまう抜群のチョイス。この曲だってノーザン・ソウル・ファンが黙ってはいないでしょう。
ミック・ジャガーとキース・リチャーズが提供した1966年の全英No1ソング。





ママス&パパスはなんだか大活躍です。

ということで、使用されている曲は膨大な数なんですが簡単に振り返ってみました。
タランティーノのシャロン・テートへの愛情感じるラストパート。
シャロンが自分が出演した映画を映画館へ観に行くシーンがあるのですが、観客が笑って楽しんでいるのを見て、嬉しくなっちゃうんですね。それがもうたまらなくキュートです。

もし彼女が生きていたら・・・女優人生、様々な作品で輝いていたのでしょうか。



posted by なりたま at 15:06| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月03日

全曲とはいきませんが、映画「ONCE UPON A TIME IN HOLLYWOOD」前半。

公開中の映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」、好評ですね。

クエンティン・タランティーノ監督の最高傑作!とも言われていますが、ブラッド・ピット&レオナルド・ディカプリオという2大俳優を輝かせつつ、1969年の8月9日に起きた女優のシャロン・テート殺人事件についても描いている作品。
ハリウッド黄金時代から時が流れ、西部劇が衰退したりテレビが登場する中で、それまで映画で活躍していた俳優たちがどんな道を歩めばよいのか、その中のひとりディカプリオ演じる落ち目の俳優リック・ダルトンも「時代の転換期」に翻弄される俳優のひとりです。

映画を見る人によって、心惹かれるポイントはそれぞれでしょうね。
往年の映画スターファンにとっては、昔懐かしの俳優や作品を思い出すでしょうし、カルト集団「マンソン・ファミリー」について初めて知った人もいるかもしれません。(Rolling Stoneによると、農場でのシーンはかなり真実を盛り込んでいるみたいですね。それ以外のシーンや人物についても、細かいところの再現を忠実かつ引き立つように見せているようで。)

また、60年代後半のファッションや音楽を楽しんだ方もいるでしょう。
そして、なんといってもシャロン・テート演じるマーゴット・ロビーが可愛いったらありゃしない♡

はぁ〜。

で、映画は2時間41分とかなり長めだったんですが、その長さは全く感じませんでした。
なぜなら、DJがプレイしているかのように次々と流れる音楽がかっこよすぎたから・・・。

選曲は、熱と愛がこもりまくっております!【ネタバレあり】





オープニングを飾るRoy Head & The Traitsの曲。足の動きがかっこいいですね。
The Beatlesの"Yesterday"と互角にチャート争いをしていたというヒットソング。





ブルルルルルルルル〜。
体のおっきな(いわゆる巨漢の)Billy Stewartは、ピアノを弾き、ドラムも叩けたミュージシャン。
この曲調は日本人には馴染みがあるのでは。





Joe Cockerの初期です。この動画でのライブバージョンはアレンジが割としっかりしています。
The Box Topsのカバー。オリジナルのほうが歌がしゃがれているかな。





Bob Segerのこの曲は、のちにイーグルスを創設するグレン・フライがアコースティック・ギターを弾いています。
かっこいいですね。たくさんのロックアーティストにカバーされています。





映画のはじめのほうで一気にテンション上がったのがドライブシーンのHushでしょうか。
曲とシャロン・テートが合っているんですよね。





2人のハーモニーがいいですね。チェスターとレスターによるブキャナン兄弟。名曲。
映画では、華やかなパーティーでシャロンが踊る姿がキュート。





こちらもいろんなバンドに影響を与えていそうなガレージ・バンドですが、当時は少しアイドル的な扱いもされていたそう。
しかもこのバンド、リーダーのポール・リヴィアとボーカルのマーク・リンゼイが去った70年代後半からもずっと活動を続けていまして、なんと今もなお存在するんですよね。


まだまだ続くので、ひとまずここまで。
後半に続く。


posted by なりたま at 19:21| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月19日

映画「Good Vibrations」音楽メモ。

先日見た映画「Good Vibrations」。

北アイルランドのレコード店&音楽レーベル「グッド・ヴァイブレーションズ」の創設者テリー・フーリーを主人公にした実話です。
The Undertonesの名曲"Teenage Kicks"が生まれたのは彼のおかげで、ロック愛に溢れているので、見ていて面白いし微笑ましいのですが、一方1970年代の北アイルランドの紛争がどんなものだったかをも知る作品。

今、世界中、なにかと"分断"の風潮にある中で、考えさせられるシーンやセリフもありました。
この作品は2012年製作、本国イギリスでは2013年公開の映画なんですけどね。


さて、レコード屋さんが舞台の映画。
かかっていた音楽は素敵なものばかりで、その並びもまるで一夜クラブにいたかのような気分にさえなりました。
ちょっと、メモメモ。





シャングリラズは1960年代に活躍したガールズグループです。
ロック好きにも彼女たちの曲のファンが多く、それはやはりニューヨークのR&Bグループだったからでしょうか。
のちの1970年代のNYパンクロックシーンにも影響を与えたとされています。
この曲は1966年の曲。なぜかたまたまダークな曲ですが。





アメリカのデュオ、Suicide(スーサイド)の1979年の曲です。
斬新ですね。シンセでパンクです。
この曲をプロデュースしているのは、訃報を伝えたばかりのリック・オケイセック。
なんか、沁みる。





まさに、Good Vibrationsが産み出した、北アイルランドのバンドと名曲。
この曲がどういう風にリリースされることになったのか、リリースされてバンドやレーベルがどうなったのか、というのが、この映画の中盤のストーリーです。
この曲がヒットするんですね。そして、喜びもつかの間、バンドは他のレーベルに・・・はぁ〜。





Good VibrationsのバンドRudi(ルディ)です。
この曲は1979年に3rdシングルとしてリリースされるはずだったのが、できなくなってしまったという不運の曲。
しかし、バンドはその後、ほかのレーベルに拾われ80年代に入るとThe Jamの前座を務めることにもなります。
2000年に待望のレコード化。なんか、Green Dayみたい!?





北アイルランドのバンド、まだまだいますね。スティッフ・リトル・フィンガーズ。
1979年にRough Tradeからリリースされています。安定感ありますね。
The Undertonesとは仲が悪かったそうですが、映画では並べられて流れているのがGOOD。同郷ですからね。
このバンドは現在も活動しています。





エンディング。こういう映画はやっぱりデヴィッド・ボウイなんですね。
そして、「ジギースターダスト」の中でもこの曲とは、渋い!
テリー・フーリーがスターってことでしょうかね。

もっと書きたいですが、本日はここまで(*^_^*)/

posted by なりたま at 15:57| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月05日

ニューヨークを訪れたいね〜、映画「カーマイン・ストリート・ギター」。

ニューヨークに憧れる理由は、やはりこういう職人さんがいて、その人の作るモノの良さを理解している人たちが集うところもひとつにあると思う。
この映画の主人公は、ニューヨークの建物の廃材を使ってギターを作る職人さん。
その木々は、19世紀からニューヨークで愛されるホテルやバーだというので、それらのギターはまるでニューヨークの歴史そのものを音にして永遠に鳴り響いていくといっても過言ではない。






彼の名は、リック・ケリー。
映画は彼のお店「カーマイン・ストリート・ギター」にやってくるお客さん(ギタリスト)との会話やギタープレイを一週間シンプルに収録したものです。

といっても、やってくるのは、ルーリードの相棒だったスチュアート・ハウッド。
パティ・スミス・バンドのレニー・ケイ。
ボブ・ディラン・バンドのチャーリー・セクストン。
ザ・ルーツのカーク・ダグラス。ウィルコのネルス・クライン。
ジム・ジャームッシュは来たついでにギターを治してもらっていましたが、とにかく毎日豪華。

ビル・フリゼールの柔らかいお人柄が大物感漂いまくりでしたが、そういったギタリストたちがふら〜っと来て、ポロローンと弾いてくわけです。
ある意味ライブ以上のレアな瞬間で、ポロローンと言ったって、聴いてうっとり夢見心地な気分に浸れる一味違ったドキュメンタリーでした。

個人的には、ザ・キルズのジェイミー・ヒンスの、事故によってギターが普通に弾けなくなり奏法を変えたというエピソードと、それを聞いたリック・ケリーの対応にジーンときました。


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カーマイン・ストリート・ギターで働くのは3人。
弟子の若い女性シンディと、電話番をしているリックのお母さんが毎日一緒に働いているんですが、このおふたりのキャラがたまりません。
この映画ではリックとシンディの素敵な師弟関係も描かれています。
女性職人がギターを作ることで、お客さんからからかわれた経験なども話していましたね。

とにかくギター愛、ニューヨーク愛が詰まった映画です。
まだ間に合いますので、ぜひ見てくださいね。



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2019年08月14日

映画「存在のない子供たち」で知る世界の片隅のSOS。

お誕生日がやってくれば、いろんな人から「おめでとう」とメッセージをもらい、
子供の頃は、母がおうちでパーティーを開いてくれて、そこに集まる人がいてくれて・・・
大人になってからは「わぁ、また歳を重ねちゃうなぁ」なんて言ってみたりして。

そのどれもが、幸せなことなんですよね。
だって、自分がこの世にいることを受け入れてもらって、お祝いまでしてもらっているのですから。

現在公開中の映画「存在のない子供たち」は、
自分の誕生日を知らない、戸籍もない少年が両親を「僕を産んだ罪」で訴えるというお話です。





この映画はフィクションではありますが、ナディーン・ラバキー監督自身が貧困地域、拘置所、少年院を訪れて見たことや知ったことが反映されています。
レバノン生まれのナディーン監督は、監督・脚本・主演を務めたデビュー作が、いきなりカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、本年度のカンヌでは「ある視点」部門審査委員長に就任したという、若いながら才能を発揮しまくっている監督さんです。
この「存在のない子供たち」では、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の外国語作品賞にノミネートされました。

中東の貧困と移民問題に挑んだ作品です。ストーリーは、

12歳の少年ゼインは両親を訴えます。
中東の貧民窟に生まれたゼインは、両親が出生届を出さなかったために、自分の誕生日も知らないどころか社会に存在すらしていません。
学校に通えず、兄弟と路上でものを売ったり、小さなお店を手伝ったり、両親に劣悪な労働を強いられていました。
そんなある日、仲良しだった大切な妹が11歳で強制結婚させられます。
あまりの怒りに家出するゼイン。バスに乗ってたどり着いた場所で、なんとか生きていこうとするのですが・・・



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ここからは少しネタバレになります。

仲のいい妹を守りきれなかったゼインですが、守る必要があったのは、ある日妹に初潮が訪れたからです。
子供ながら、お尻から血を流す妹を見て、すぐに状況がわかるんですね。そして、隠さないと妹が無理やり連れて行かれることも理解しているわけです。

もっと無邪気に遊んでいていいはずなのに、勉強していていいはずなのに・・・

学校に行けないのは、法的に存在していないからです。
周りの子供たちが学校に通うバスに乗っているのを、ただ眺める毎日です。

家を出たからといって、自由に暮らせるわけではありません。
出会った黒人女性の住む場所へ、彼女の赤ちゃんの面倒を見ることで住まわせてもらうことになります。

しかし、そこでまたゼインはとんでもない状況に置かれることになります。
黒人女性のほうにも、辛い現実があるんです。

ほんの短いシーンの中に、移民問題の複雑さも描かれています。
言葉にすると「移民問題」という4文字ですが、この問題には直面している国、人種、違法滞在している人々それぞれ、全部の数だけの問題が含まれています。

そして、この映画は中東の話になっていますが、世界のあらゆるところで起きている現実でもあります。


映画としてのクオリティが非常に高く、ゼインが家出してたどり着く場が遊園地なところも状況や感情と相反するイメージで目を引くんですが、その他にも、ゼインになつく赤ちゃんが可愛かったり、ゼインを守る大人がいたりと、生き抜く辛さと同時に希望を見出せるシーンがあって、(もちろん全て上手くはいかないんですが)それらに支えられて強く生きるゼインの行動を応援しながら見ていました。

ラストがいいですね。

映画「存在のない子供たち」ぜひ見てくださいね。


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2019年07月24日

日本では少年、フランスではおじさんたちでした。シンクロ映画「シンク・オア・スイム」で涼んで☆

現在公開中の映画「シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢」。

フランスでは400万人以上の動員で大ヒットしました。
おじさんたちによるシンクロナイズド・スイミング、今のアーティスティックスイミングのお話です。





2年前からうつ病を患い、会社を辞めて引きこもりがちな生活を送っていたベルトラン。
子供たちからは軽蔑され、義理の姉夫婦からも嫌味を言われる始末。
この日々をどうにかしたい!と思っていたある日、シンクロナイズド・スイミングのメンバー募集を目にし、チームに加入します。

しかしそこは、妻と母に見放され不満だらけのロラン、事業に失敗し現実逃避しているマルキュス、ミュージシャンになる夢をいまだに捨てきれないシモンなど、何かしらの不安をかかえたおじさん集団でした。

そんな中、元シンクロ選手のコーチのもと、トレーニングに励むおじさんたち。
すると、なんと彼らは、世界選手権にフランス代表として出場することになり・・・というストーリー。
スウェーデンでの実話がもとになっています。


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いや〜、終始笑ってしまいました。
「これぞ、フランス映画!」といったテイストで、人気俳優たちが出ていたというのもありますが、フランスで大ヒットするのはとても納得のいく作品です。

「カッコイイ俳優勢揃い」ではなく「イケてないおじさん勢揃い」で作品が大勢の人に愛されるというのは、日本ではあまり見ないフランス独自の文化のような気がします。

弱くて、怠け者で、へなちょこで、なのに意地っ張りだったりして、そんな「ダメおじさん」が努力して結束して、物事をやり遂げる様に感動するんですね。
フランス人の特徴なのか、自分の失敗をすぐ人のせいにしたりするんですよ。笑
そういうセリフが映画でも散りばめられていて、もうホント笑うしかない。

フランスに住んでいた頃を思い出しましたね。
遅刻をしたり、約束をやぶったりしたときに、謝らないで「言い訳」をいうのがフランスの文化で、私がオペラのディーゼルで働いていたときも、周りでよくそんな言い訳のシーンを目にしました。
言ってること無茶苦茶なんですけどね、言い訳している方は必死で、その様子が面白い。笑

感情を素直に出すし、弱いところや悪いところをさらけ出せちゃうので、映画でも、そういう人間味が感じられると感情移入しちゃうんでしょうね。

あとは(ちょっとネタバレですが)、シンクロの監督も失恋でダメになっていきます。
そして、彼女の元シンクロパートナーでケガで車イス生活になった女性が新コーチとしてやってくるんですが、その新コーチが鬼なんですよ。
厳しすぎて、爆笑です。そしておじさんたち、やって、やり返されて、また爆笑です。

障害者のキャラクターに対する接し方、いじり方が上手いなぁと思います。
本当は日本でも、こういう風であってほしいと思うんですけどね。







こういうのをサラッとBGMに使っちゃってます。
世界選手権のシーンも、おじさんたちのシンクロにピッタリな!?懐かしの曲が使われています。
音楽を楽しむのにも、この映画オススメです。

映画「シンク・オア・スイム」ぜひ見てくださいね(*^_^*)

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2019年06月27日

インディーロックファンは必見です。映画「ハーツ・ビート・ラウド」☆

お子さんが進学もしくは就職でいよいよおうちを出て行く、そんなご家庭もあるでしょうか。
現在公開中の映画「ハーツ・ビート・ラウド」。お父さんと娘のバンド親子の話なんですが、音楽好きはもちろん、素直に子供を応援してあげられない方にも、きっと心のよりどころになる映画です。





元ミュージシャンでシングルファーザーのフランクは、ニューヨーク・マンハッタンから近い海辺の街レッドフックで17年営んでいたレコード屋さんを、この夏閉店することにします。
フランクの娘サムがロサンゼルスの医大に通うことが決まっていて、このまま経営が厳しいレコード屋さんを続けられなくなったからです。
そんな親子ふたりのコミュニケーションは、バンドをやること。
久々にセッションしたふたりは曲作りに手応えを感じ、レコーディングをすると、フランクはサムに内緒でSpotifyにアップロードしてしまいます。
すると、その曲は瞬く間に拡散されていき・・・というお話。


ハーツビートラウド.jpg


監督のブレッド・ヘイリーさんがこの映画を製作するにあたって音楽映画「ハイ・フィディリティ」や日本の青春音楽映画「リンダ・リンダ・リンダ」の影響があった、とお話されているんですが、この映画「ハーツ・ビート・ラウド」はやっぱりイマドキの設定っていうのが好感もてましたね。

海辺の街のレコード屋さんっていうロケーションが素敵なんですけど、中に入ると陳列されているレコードが、もうレコード好きにはたまらなくて、、
で、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドやルー・リードが目立つところにあるっていうのもニューヨークだからなのかなぁ、とほくそ笑んでしまうわけです。笑

で、レコード屋さんが舞台なのでそこで音楽は鳴り響いてるはずなんですが、娘のサムは音楽を普通にパソコンのYouTubeでチェックしていて、で、ふたりで作った音楽も、ライブハウスに持ち込みなんていう昔とは違って今はSpotifyなどのネットにアップロードすれば、新しい音を求めるリスナーが世界中から拾ってくれるわけですよね。
その、2010年代っていう時代性が出ているのが面白くて・・・

じゃ、Spotifyで親子バンドの曲が広まり、注目され始めました。父フランクのところに音楽関係者がやってきちゃうんですよ。一度バンドを諦めたフランクにとっては、こんなチャンスがやってくるなんて夢にも思わないわけです。

それで、娘に話すわけなんですが、Spotifyに曲をアップロードしたことさえ知らなかった娘にしてみたら「はぁ〜?」って話ですよ。しかも、もう大学に進学することも決まっていますし。そしたら、そこで父は言うわけです。
「大学、一年くらい行くの遅らせてもよくない?」・・・と。おいおいっていう。笑

あとは、ぜひ映画でご覧下さい。





映画はこの曲で始まります。
ロンドンのインディーロック・デュオ、アルティメット・ペインティング。
港町の風景にも合う、ちょいへなちょこサウンド。笑





1957年のグレン・モリスの曲ですが、ギターを弾いているDuane Eddyのほうが有名かもしれません。
デュアン・エディは、ギターインストでヒットを生み出し、それがサーフ・ロックへと繋がっていったと言われる人です。ギターの音としてはトゥワンギーギターと言って、その魅力ある音は今でも奏でられています。





娘のサムが好きで聴いていたMitski。
この夏はフジロック出演が決まっていますね。





サンフランシスコのシンセポップバンド。

他にも、使われている音楽がウィルコのジェフ・トゥイーディが息子と組んだバンドのトゥイーディとか、ニューヨークのインディバンド、アニマル・コレクティブとかインディーロックファンにはたまらない音楽がふんだんに使われています。





そしてそんな中、見どころはこの親子バンドのオリジナルの曲のシーンです。むちゃくちゃ素敵なんですよ。ライブシーンも娘サムの歌声と楽曲のかっこよさに「おぉ〜」ってなりました。

もともと存在する曲も、映画のためのオリジナル曲も、両方かっこよく聴かせる映画製作者の音楽愛を感じます。

現在ミッドランドシネマ2で公開中です。
「ハーツ・ビート・ラウド」ぜひご覧ください。

posted by なりたま at 14:15| movie | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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