2021年09月17日

エレクトロ・ミュージックの登場でロックは死・・・?映画「ショック・ドゥ・フューチャー」

今朝ご紹介するのは、1970年代後半、時はエレクトロ・ミュージックの世界的なブレイクの直前くらいですね。シンセサイザーやリズムマシン、シーケンサーなどの電子楽器が普及し始め、日本でもYMOが結成された頃。未来的な音の響きに心躍らせる女性ミュージシャンと友人たちを描いたフランスの作品です。タイトルは「ショック・ドゥ・フューチャー」。
主演を映画監督の祖父を持ち、自身はモデルのアルマ・ホドロフスキー。めっちゃ可愛いです。





1978年、パリ。若手ミュージシャンのアナは、部屋ごと貸してもらったシンセサイザーで、依頼されたCMの作曲に取りかかっていましたが納得の曲が書けずにいました。すでにプロデューサーと約束した締め切りの時間は過ぎ、明日の朝にクライアントに提出しなければいけない担当者は何度も急かしにやってきます。
なのに、こんな時にかぎって機材が壊れ修理を呼ぶ羽目に。しかし、修理に来た技術者が持っていたのは日本製のリズムマシン(ROLAND CR-78)。すっかり魅せられてしまったアナは「これがあれば、ものすごい曲が作れるわ」と希望に胸を膨らませるのですが・・・というお話。





時代がいいですね。1978年。
主人公のアナが住む部屋のレコードのコレクションの中からパティ・スミスの名盤「Hoses」が見えるんです。1975年のアルバムなんですけどね。それで、アナが息巻いて言うんですよ。
「ロックは今にソファにくつろいで聴く音楽になるんだわ。ジャズと一緒よ。」と。

ロックは終わってく音楽になる・・・それがどうかは別として当時の20代の子からしたら、その感覚もわからなくないですよね。それまでにない斬新なサウンドを生み出すことに無我夢中になるし、それは電子音楽の中にあると信じているんですね。

で、電気グルーヴの石野卓球さんがこの映画に「たまらなくスタジオに行って曲を作りたくなった」とコメントを寄せているんですが、それが納得の壁一面の機材!これが圧巻です!
ツマミが何百個あるんだ!という・・・配線もいっぱいあって、シンセサイザーで音を出して、その音を加工して、バランスを調整して、録音するのはオープンリールですよ。わかります?
カセットテープのもっともっと大きい盤というか、ラジオも昔はオープンリールで素材とか声とか流したり、新曲がオープンリールで届くっていうこともありましたよね。

で、日本のリズムマシンROLAND CR-78に出会って、何がすごいかと言うと
「ドラムがいらないのね!?」っていうことなんですよ。電子音というものを鍵盤で奏でられるものがあっても、リズムを打ってくれる、これが画期的!
それまでは、曲作りはバンドで、もしくは作曲したら演奏家に演奏してもらって曲を作るのが当たり前だったわけですが、自分一人でも音楽が作れちゃうっていう感動があったんですね。

そのリズムマシーンのスイッチ(っていうんですかね)、リズムパターンに「ロック」とか「ディスコ」「ワルツ」とかあって、機材を見ていても楽しいし、単調な音にウイ〜ンとか重ねていって踊らせる音にしていく作業とか、映画を見ていると一緒に体験しているようで楽しいです。

で、アナはCM用の歌録りにやってきた女性歌手のクララと一緒にオリジナルの曲を作って、パーティーで大物プロデューサーに手渡しします。さぁ、どうなるのでしょうか。ぜひ映画館で。
映画「ショック・ドゥ・フューチャー」は現在、今池シネマテークで公開中です。





アナとクララのオリジナル曲。
手掛けているのは、なんと監督のマーク・コリンです。というのも、監督はヌーヴェル・ヴァーグっていう音楽ユニットのプロデューサーの方で音楽人なんですね。

監督で音楽プロデューサーのマーク・コリン。は向こうでは有名な方で、でペッシュ・モードのマーティン・ゴアとかスペシャルズのテリー・ホールなどをフィーチャーしてアルバム出してたりしています。あと、自身の制作会社を持っているんですが、その会社の名前がニュー・オーダーの曲名から拝借して「パーフェクト・キッス」っていう。笑

今では当たり前に流れているエレクトロ・ミュージックですが、それが生まれて世に出ていこうとする瞬間とトキメキが描かれているっていうのが素敵な映画です。
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2021年09月08日

終わらない夏、映画「サマー・オブ・ソウル」でフェス体験を。

コロナがあって、今年も数々のイベントやフェスが中止になって、何か忘れかけていた熱気やみんなで集まって何かメッセージを発信すること、そういうものを思い出させていただきました。
先週末公開になりました映画「サマー・オブ・ソウル」。50年間封印されていたソウルミュージックの音楽フェスのドキュメンタリー映画です。





ドキュメンタリーですけど、もうフェスそのものって言ってもいいような内容の映画でした。

時は1969年。1969年といえば、そうです。ロックではウッドストック・フェスティバルが開催された年ですが、同じ年の夏に160キロ離れた場所で開催された歴史的なフェスティバルが「ハーレム・カルチャラル・フェスティバル」という6週間に渡って行われたフェスティバルです。

場所はニューヨーク北部のハーレム。そう、ハーレムといえば黒人が多く住む街として有名です。
映画では「ハーレムは、貧困層の街。しかし、都であって、発信地であるのよ。」なーんて語られていましたが、そのハーレムに30万人以上が集まったんですね。





彼が19歳の時ですね。映画はスティーヴィー・ワンダーのドラムソロで始まるんですよ。
彼はマルチ・プレイヤーですけれども、ドラムのプレイは本当に凄まじくって圧巻でした。

監督がザ・ルーツのドラマー、クエストラブことアミール・トンプソンだったからこういう始まりになったんですかね。分かりませんが、とにかくもうクエストラブのソウル愛がたっぷり詰まった作りになっていました。40時間以上あった映像の中から2時間にまとめたのが、この作品です。





このフェス、貧困の黒人たちが住むこのエリアになぜ30万人も集まったのかというと、なんと無料だったんです。それが実現できたのがすごいですよね。

出演したアーティストも凄いんです。
スティーヴィー・ワンダー以外に、BB KING、ニーナ・シモン、グラディス・ナイト&ザ・ピップス、スライ&ザ・ファミリーストーン、テンプテーションズを脱退したばかりのデヴィッド・ラフィン、今流れているフィフス・ディメンション・・・

フィフス・ディメンションは今のメンバーがコメントで登場して当時のことをお話ししてくれたんですけど、彼女たちはポップス扱い、白人の音楽をやっていると思われていた、と。だから、このフェスに出られたことはとても意味のあったことだと話していましたね。へぇ〜。





こちらは、メイヴィス・ステイプルズが彼の娘たちと結成したザ・ステイプル・シンガーズ。

このフェスの凄かったところは、ソウルだけじゃなく、ジャズもファンクもゴスペルもあったというところで、黒人音楽といってもそれぞれ音も違えば聴いている年代、ファン層も違うっていうのが、みんな一つの場に集まってみんなで気持ちや興奮、楽しさを共有できたってことなんですね。ゴスペルは、エドウィン・ホーキンス・シスターズの”Oh Happy Day”も聴けますしね。

あとは、ゴスペルの女王マヘリア・ジャクソンとメイヴィス・ステイプルズ、二人による大熱唱。
これが、大きな見どころのひとつですね。この映画で2回泣きました。笑





【ネタバレあり】

当時人気絶頂!もう何もかも別格でした、スライ&ザ・ファミリー・ストーン。
音がモダンですね。

今でいうユニバーサルなバンド。ドラムが白人で、その頃はソウルバンドでそんな白人に叩けるのかとまで言われていたらしいです。しかも、トランペットが女性なんですけど、これもまた当時、女性のトランペッターは珍しかったそうですね。スライにとっては、ドラマーが白人だろうが、トランペッターが女性だろうが、そんなことはどうでもよかったんですね。固定概念がないっていうのも感じられました。


https://youtu.be/Bm64mp0hSyU

ニーナシモン36歳。この後パリに移ることになります。黒人パワーを過激にメッセージにしたアーティストでもあります。なんというか、思想もそうかもしれませんが、よくも悪くも歌が凄すぎて、聴く人を動かしてしまう力があって・・・要はジョンレノンと一緒のような感じですかね。パワフルでカッコイイとも思うけど好きだからこそ切なくもなります。


映画「サマー・オブ・ソウル」
現在、ミッドランドスクエア・シネマ、ユナイテッド・シネマ豊橋で公開中です。

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2021年08月31日

2021年8月に聴いた、なりたまとめ。

フェスのシーズン、
昨年は中止せざるを得なかったフェスたちが、断念したりなんとかできたり・・・
いずれにしても断腸の思いで決断されたことが、運営された方も町の人々もアーティストさんにもみんなにあったかと思います。
だからそれを受け止めるフェスファンの私たちも、いっぱい考えて参加したり諦めたりしたはずです。
常滑のは本当に残念でなりませんが、音楽やフェスが一括りでコメント(&いいね)されないように、諦めずに説明したり語っていくことを続けようと決心した8月の終わりです。

新曲&新作はたくさん出ていて聴くのが追いつかなかったくらいかなぁ。。うふふ。





日々の嫌〜なニュース疲れを癒してくれたのが彼のアルバムかも。
っていうか、70年代のソングライター時代からやってきたのか!?と言わんばかりのサウンド。
テックス・クリックは、MAC DeMARCOのレーベルMAC'S RECORD LABELからのリリースです。
ピアノの音が外れているのも修正することなく(わざとではないだろう・・・)ほっこり。





いいですね。ビビビとやられます。MVもかなりオフェンシブ。
オーディオブックなんて検索しても簡単には出てこないアーティスト名です。
フランク・オーシャンやエックス・エックスと仕事をしているプロデューサーのデヴィッド・リンチ(写真見るとまるでハリーポッターとかに出てきそう)とVoエヴァンジェリン・リングによるプロジェクト。ダサくなるちゃんと一歩手前なのが巧みです。

2ndAL「ASTRO TOUGH」は10月6日リリース。





芸術的でクオリティも高く、聴けば聴くほどのめり込むのが彼女たちの作品。
ローラ・マーリングとマイク・リンゼイによるバンドLUMP(ランプ)の2ndAL「Animal」から。
両者ともマーキュリー賞などアワードに名を連ねる実力者ですが、このふたりの組み合わせ、とても好きです。
「LUMP を通して自分の中の動物を見つけ、その動物を通してパラレルワールドに旅するのです」とのこと。わぉ。





夏を感じるために聴いてたのは彼かなぁ・・・いかにもってサウンドですがやっぱいいです!
アジア系アメリカ人、ウェストコースト・インディロック、日本で言えばシティポップなサウンドです。
EP「City Slicker」に入っている他の曲"Lorette"はYouTubeの再生回数がもうすぐ180万回ですから凄いですね。クルアンビンとも一緒にやっていました。
今は大木凡人風、2年前は岡村ちゃん風でとても親しみやすいのです。弾む。





ギニア出身のFalle Nioke(なんて読むんだろう)とスウェーデン出身のsir Wasによる共作のNewシングル。
今めちゃハマって聴いています。暑くても心地よいし、雨でも心地よい。





ジェイムス・ブレイクの新曲のMVに、ビリー・アイリッシュのお兄ちゃんフィニアスがしっかり出演していて面白いですね。
仲も良いのでしょうし、この曲、MVに共感できる相通じるところもあるのではと勝手に推測してしまいます。
この曲は「比較することの虚しさ」について歌われているのですが、MVのラストに出てくる言葉"Comparison is the thief of joy"は、アメリカ大統領だったセオドア・ルーズベルトによるもので「比較は喜びを奪ってしまう」という意味。ふむふむ。

9月10日にリリースされるNewAL「Friends That Break Your Heart」を一足早く聴かせていただく機会があったのですが、やっぱすごいです。心も体もフワッと持ってかれた感じ。





Jungle(ジャングル)の新曲はMountain High Enough的な高揚感があって、めちゃ好きです。
NewAL「Loving In Stereo' now」から。





では、ジェームス繋がりでMy Morning Jacketを。
フロントマン(Vo/Gt)がジム・ジェームスという人ですね。
サウンドは一気に都会からカントリーサイドな感じになりましたが、MVはハイウェイでの走行中にスマホでネットショッピングしまくるというユニークなストーリー。
10月リリースの新作は9枚目にしてセルフタイトルのアルバムです。楽しみ。





churches(チャーチズ)がポピュラーになって、フロントウーマン、ローレンちゃんはすっかり垢抜けましたね。
にしても、ロバート・スミスの存在感がどんどん増しているのも凄いですね〜。
日本人アーティストでこういう風に若いバンドから呼ばれて歌うシンガーっているかな・・・。





あまりにも大きな訃報で・・・驚きもありましたが、あらためて寂しいですね。

にしても、シャーリー・ワッツのライブ映像はきちんとドラムをフィーチャーした撮影の映像があるのがいいですね。
ミック・ジャガーのあのヒップフリフリの動きは、やはりチャーリーのドラムがあってこそじゃないかなぁ。





そうそう、こういう映像・・・。
すっきすきのドラムセットで奥まで見える。完璧な美しさ。





うわ〜かっこいい。
映画のワンシーンみたい。

こういうドラマーはもう現れないでしょうね。RIP
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2021年08月24日

オンライン映画館で見た映画「ROCKS」で見るロンドン。音楽はクール。

東京・渋谷にBunkamuraル・シネマという映画館があるんですが、今月そのル・シネマがスマートフォンやタブレットから見られるオンライン映画館「APARTMENT by Bunkamura LE CINEMA」を開設。特徴は、独自に映画の権利を取得して公開するということで、劇場とは違ったラインナップになっています。そのオンラインシネマで公開中の映画「ROCKS」見ました。





イギリス映画となります。2021年はアメリカから「ノマドランド」「ファーザー」「ミナリ」などの大作があったんですが、英国アカデミー賞ではこれらを上回って監督賞を含む最多8部門にノミネート。ほぼ全てのキャストがプロの俳優ではなく無名だったにもかかわらず主演女優賞、助演女優賞にノミネートして、主役をつとめたブッキー・バックレイはライジングスター賞を受賞しました。

映画「ロックス」、ロックスっていうのは、主人公の女の子の名前です。
黒人でちょっと体格がしっかりしていて、15歳の彼女はいつも友達6人組でつるんでいるんですね。お喋りして騒いで、アクセサリーやサングラスでお洒落をしては生活指導の先生に注意されて・・・そして、進路のことも考えないといけません。
ロックスはメイクが得意で、メイクアップ・アーティストになることが彼女の夢でもあります。

そんなある日、お母さんが手紙とお金を残して家を出て行ってしまうんです。
公営住宅に住んでいる彼女は、隣に住む女性が福祉局に連絡をしたことを知り「もし母親がいないことが見つかってしまったら弟と引き離されてしまう」と恐れて、弟を連れて家を出ます。
右も左もわからないままロンドンの街を漂流するロックスですが、やがてお金も尽き限界を迎えて・・・というお話。





これロックスが住んでいるところが「カウンシル・エステート」って言って、建物なんですけど、地方自治体(カウンシル)が管理している低所得者向けの住宅のことをカウンシル・エステートって言うんですよ。これは1980年代のサッチャー政権のときに、家がない人たちが溢れてしまったときの対策で、こういう公共住宅がポコポコ建ったんですけど、ミュージシャンでいうと、そこで生まれ育ったのがSEX PISTOLSのフロントマン、ジョニー・ロットンです。他にもジェイク・バグとか結構います。
このカウンシル・エステートに住んでいる人たちは、ワーキングクラスの誇りを持っているっていうのも、このカウンシル・エステートの特性だそうです。

まぁ、映画の方に話を戻すと、そういうところで生活しているロックスの友達も、おうちの状況も違えば、国籍や人種もバラバラなんですね。ロックスの母のルーツはアフリカですし、親友のスマヤちゃんは宗教上、頭に布を巻いていてアフリカの民族衣装を着るシーンもあります。他の白人の女の子はあるセリフからドイツ系の女の子なんだってこともわかります。
男の子と出会うシーンでは「そんなんじゃ、クリスマスに何を食べるの?」なんて皮肉を言って笑っているシーンとかもあって、多くのシーンのいろんなセリフが今のイギリスの一部ですけど若い子たちを知る上で、とても興味深かったです。
そして、ラスト、いろいろあった女の子6人の思い切った行動、その結末、私はちょっと涙が止まらなかったですけどキラキラしてます。
今どきのイギリスの音楽、ヒップホップにあたるグライムっていう音楽が中心になりますが、もうめっちゃカッコイイです。それらに体揺らしながら楽しんでください。

ぜひ、オンライン映画「ROCKS」見てみてくださいね。





このKoffeeもGood!!
ジャマイカン・レゲエの新星だそうで。

そういえば、印象的なシーンに、主人公ロックスが自分のことを心配する親友のスマヤに「私にかまわないで」って突き放して喧嘩になるシーンがあります。ロックスは「味方なのにどうして何も話してくれないの」って言われて。自分の弱みを見せたくなかったり、でもどうすることもできずに不安だけが膨らんでいって・・・ブッキー・バックレイの演技は見事でしたね。これからどんどんオフォーがくる女優さんになるんだと思います。


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2021年07月31日

2021年7月に聴いた、なりたまとめ。

オリンピックが始まってみると、やはり盛り上がってしまいましたね。
中でも出だしのスケートボートで個人的には勢いづいちゃったかなぁ。
もちろんコロナ対策含め、まだまだみんなで乗り越えなければいけないものはありますが、明るい気持ちにならないと頑張れないこともありますし、そこは常にバランスを保って強く前に進んでいきたいものです。

音楽の方はリリース&公開ラッシュで毎日いろんな曲を追ってますが、それでも聴けてないものも溢れてます。笑





久々にただ純粋に好みで聴いています。たまたま出会ったデュオ。
Lightman Jarvis Ecstatic Band(ライトマン・ジャーヴィス・エクスタティック・バンド)は、カナダの男女で、男性(Dr/Gt)がYves Jarvis、女性がシンセサイザーのRomy Lightmanという人。彼女は普段は双子姉妹で活動しているそうです。

デビューアルバム「Banned」から。
オンタリオ州田舎の屋外アートギャラリー(広さはなんと200エーカー=東京ドーム約17個分!)で即興演奏で作られた作品だそうで、なんというか聴いていると、ソーシャルディスタンスを取らなくても大丈夫そうな観客が少なめのユルイ野外イベントでライブを楽しんでいるような気分になります。





War on Drugsの新曲。NewAL「I Don't Live Here Anymore」が10月にリリース。
最近週末の早朝に見ている映画は「サクッと1時間半くらいのにしとこう」なんて選び方をしていて、それが恥ずかしくなるくらい、とても充実した5分間の曲を聴かせていただいた感じ。
アコギが主体にはなっているものの、ピアノ、シンセ、メロトロンが入っていて美しく仕上がっています。





The Nationalのアーロン・デスナーとBon Iverのジャスティン・バーノンによるBig Red Machineの8/27リリースのNewAL「HOW LONG DO YOU THINK IT’S GONNA LAST?」から。Fleet Foxesのロビン・ペックノールドとアナイス・ミッチェルが参加した曲です。
ここ数年代の仲良しテイラー・スウィフトをフィーチャーした曲の方は、なんと再生回数が300万回越え。完全なテイラー効果。

なんですが、今作はテイラーが2曲に対してアナイスは3曲というところで、なんとなくBRMの意図みたいなものは伝わってくる気がしています。ちなみにSharon Van EttenやThis Is The Kitなど女性シンガーの参加が目立つ作品で楽しみです。





再生回数700回・・・。あはは。でもSpotifyとかですごいらしい。From LA。
ちょっとM気質のドリーミーな歌詞とサウンド。





個人的にはもっと音が体に響くくらい重くても良いのですが。笑
ちょっと懐かしさも感じつつ。ユニバーサルだからそのうちもっと身近になるアーティストかも。





いやいや、かっこいい。King Kruleのプロデュースです。
フィリピンのアーティスト、EYEDRESS(アイドレス)。フィリピンにこういうアーティストがいるんだ〜と(ここのところずっと番組でかけてるBea Ba Doo Beeはフィリピン出身ですがイギリス人なので)。
前にリリースされた"Jealous"とかもいいんですよね。でもフィリピンではどうなんだろう、人気あるのかなぁ。昔フランスのバンドTahiti80が流行ったとき、実はフランス人には認知度が低かったってこともあったので、この人もそんな感じがするのですが・・・。
とにかく、8/27リリースNewAL「Mulholland Drive」楽しみです!





では、もういっちょ。アジアンの方で。と言っても、Hana Vuはアメリカ人です。
相変わらず、声が素敵。新曲はGhostly Internationalというエレクトロ色の強いレーベルから出ていて、ちょっと意外。日本でも人気のTychoとかがレーベルメイトになるんですね。
今まだ20歳くらいでこの豊かな表現力。新作出したら日本にも来てほしいなぁ。ファン層って若いのかな、どうなんだろう。何にしても絶対見に行くけど。





90年代から活躍しているバンドなので、お馴染みな人にはお馴染みなバンドなんですが、今回の新曲はヤバイです。
思いっきりオートチューンをかけた歌も加工しすぎて壊れてる?と勘違いしそうなコードの楽器の音も不思議と全部が溶け合って、無茶苦茶引き込まれます。
9月にNewAL「HEY WHAT」がリリース。一体どんなことになるのでしょうか。このMVも好き。





Sufjan Stevens(スフィアン・スティーヴンス)もAngelo De Augustine(アンジェロ・デ・オーガスティン)も以前から取り上げているので、何度もになっちゃうかなぁとも思いますが、でもやっぱり二人が一緒にアルバムを出すとなるととえいあげない訳には・・・しかも、ワンコ!芝犬!!
9/24にコラボアルバム「A Beginner's Mind」をリリース。兄弟みたいな間柄ですからね。必聴。





ラストは永遠にシンガーとして名前が残る人です。Brittany Howard(ブリタニー・ハワード)のソロアルバム「Janie」を再構築したアルバム「Jaime Reimagined」から、チャイルディッシュ・ガンビーのバージョンでの1曲。まぁ、夢見心地なアレンジで♡
にしても、いろんなアレンジやリミックスが詰まってて、どれも個性的で、よく一枚になったなと驚きです。


うーん、今月は元々好きなアーティスト多めになってしまった。
夏は選曲のやりがいもあるので楽しいですね。特に番組では張り切っちゃいます。
この夏はリクエスト大会がないらしく、でも何か楽しいことはしたいなぁと思っているのですが・・・。
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2021年07月27日

映画「フィッシュマンズ」は見終わった後しばらく動けなかった。




今朝ご紹介する映画、というか日本のこのバンドっていうことになるでしょうね。
1991年にデビューシングル「ひこうき」でデビューしたフィッシュマンズ。今年30周年ということで公開になったのがドキュメンタリー映画「フィッシュマンズ」です。
フィッシュマンズは現在、東京スカパラダイスオーケストラでドラムを担当している茂木欣一さんが元々活動しているバンドですね。結成は1987年、明治学院大学の音楽サークルで茂木さんとボーカルの佐藤伸治さんが出会ったことでした。





今では国内外で高く評価されているフィッシュマンズの音楽ですが、その道のりは平坦ではありません。セールスの不調。レコード会社の移籍。相次ぐバンドメンバーの移籍。そして、1999年にボーカルの佐藤さんがこの世を去りました。

2005年に北海道のRISING SUN ROCK FESTIVALに出演し、再始動。このときに脱退したメンバーが再び集まり、ゲストボーカルには、原田郁子、ハナレグミ、山崎まさよし、UA、そして忌野清志郎などが参加。東京公演には、ファーストアルバムをプロデュースしたこだま和文が出演しました。このファーストアルバムはオーストラリアでレコーディングされた作品なんですが、その時のエピソードをこだまさんが映画では語ってくださっています。





映画「フィッシュマンズ」栄のセンチュリーシネマに月曜日に見に行ったんですけど、私が去年と今年映画館で見た映画で一番人が入っていました。お昼すぎの回だったんですけどね。笑
ボーカルの佐藤さんを中心とした、佐藤さんのドキュメンタリーと言っても過言ではない作品。長さがなんと約3時間あるんですけど、もっともっと見ていたかったですね・・・。


【ネタバレあり】

時代が80年代終わりから90年代、同期のスピッツやウルフルズが売れていく中で、実はフィッシュマンズもめちゃくちゃ売れたいバンドだった、っていうのも興味深かったですけど、ヴァージンレコードでタイアップの曲の依頼がきて思いっきりポップな曲にしたのに結果は売れなかった。それを機に佐藤さんは自分が好きな音楽(自分が信じる音楽)しかやらなくなった。。フィッシュマンズが独自の音楽性でポップスを奏でたことは、今の日本の音楽シーンに多大な影響を与えているなぁと思いました。

また、原田郁子さんやUA、ハナレグミが当時のフィッシュマンズの印象や曲について語っているんですけど、佐藤伸治さんから生まれてくる言葉や、歌詞の文と文の行間っていうんですかね。。ホント自然に一緒にいて独特な優しい言葉で背中を押してもらってるような。
いろんなフィッシュマンズのよさに気づかせていただきました。

実はフィッシュマンズは私はリアルタイムというよりは後追いで好きになったんですけど、身近にフィッシュマンズが好きで好きでしょうがないっていう女性スタッフさんがいたんですよ。
そうすると自分はそこまでのファンじゃないからちょっと引いちゃうというか好きだけど遠慮しちゃうところがあったんですが、このドキュメンタリーを見ると本当によくわかるんです。人柄、佐藤さんのイメージと音楽への向き合い方の相対するところ、茂木さんはじめバンドメンバーの魅力、レコード会社の人たちやマネージャーさんが話すエピソードから知る皮肉的なところやファンを大切にしてるところとか。

フィッシュマンズの大ファンが楽しめるのはもちろんですが、そんなに知らなかったって人もあらためてきっと大ファンになると思います。映画「フィッシュマンズ」現在公開中です。





97年AL「宇宙 日本 世田谷」から。
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2021年07月21日

新聞と冷蔵庫と掃除機でのライブシーンはブラボー!映画「ベルヴィル・ランデブー」

「ベルヴィル・ランデブー」が、なんと現在、伏見ミリオン座でリバイバル上映が行われています。
アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされた2003年の作品です。制作からまもなく20周年記念なんですね。





先ほどアカデミー賞の話をしましたが、この作品がどのくらい評価されているかと言いますと、今年の2月にNewsweekが発表した批評家が選ぶ100本の映画15位、アメリカのエンターテインメントメディアIndieWireが発表した21世紀のベストアニメーション映画26位、その他ロッテントマトやタイムアウトなどがトップ100に選出するなど、時が経っても残すべきアニメーション作品として選ばれているんですね。





音楽的にもとても評価された作品で、この”ベルヴィル・ランデブー”という主題歌はフランスのアカデミー賞と言われるセザール賞を受賞。アカデミー賞のほうでも歌曲賞にノミネートしました。ノスタルジー感じる・・・ジャズです。カッコイイ。

そして、映画ですが、キャバレーシーンから始まります。
こういうタッチのギターを刻むキャラクターとして描かれているのが、ジャンゴ・ラインハルト。映画「ギター弾きの恋」で知った方もいるでしょう。スウィングギターの伝説のギター奏者です。
その脇には、腰にバナナをぶら下げて踊っている女性が・・・こちらはジョセフィン・ベーカー。こういった実在する人たちがちょっとクスッとするような幕開けをしてくれます。

ストーリーは、両親を失った男の子、シャンピオン。
内気で寂しそうな孫を元気付けようとおばあちゃんが自転車を買ってあげたことをきっかけに猛特訓し、シャンピオンは世界最大のロードレース、ツール・ド・フランスに出場することになります。ゴールのマルセイユに向かうのですが、体力は限界。仕方なく救護車に乗ると、なんとその車は偽物で、船に詰め込まれたシャンピオンたちはベルヴィルという大都市に連れて行かれるのでした、というお話。

おばあちゃんは飼っている犬のブルーノと一緒にシャンピオンを助けるために後を追っていきます。誘拐されてしまったシャンピオンを取り戻すっていうのがストーリーの軸にはなるんですが、ここでおばあちゃんに協力するのが老婆の三つ子の姉妹なんですよ。
出会いが、おばあちゃんがベルヴィルについたものの途方に暮れて自転車の車輪を楽器に見立てて音を奏でていたら、おうちに連れて行かれるんですけど、その三つ子は実はいつもステージをやっているミュージシャンで、(ここがユニークなのが)音を鳴らす楽器が新聞と冷蔵庫と掃除機なんですよ・・・そこにおばあちゃんの自転車の車輪が鉄琴のように加わってライブをするんですけど、これがもう最高に素晴らしいです。

シルヴァン・ショメ監督の絵のタッチが独特で、砂時計みたいにウエストが細かったり、黒い羽子板みたいなマフィアいたり、とても惹きつけられるアニメーションとセリフが一切ないのにストーリーがわかるという、その世界観もぜひ体感してください。
映画「ベルヴィル・ランデブー」現在伏見ミリオン座で公開中です。


ちょっとネタバレになりますので、見たい方だけどうぞ。




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2021年07月11日

「一緒に歌おう。70年代どこにいた?」なんて会話も愛おしい映画「スーパーノヴァ」

映画「スーパーノヴァ」が現在公開中です。

これまでもゲイカップルの作品とか、脇役にゲイカップルが存在するっていう映画は何本か見てきたんですけど、そのときは、なんというかこれも上手く言えていないかもしれませんが「応援して見る」とか「キャラクターのように見る」とか少し遠目で見ていたような気がするんですけど、今回の作品は感情移入して号泣してしまいました。大恋愛映画の傑作です!





20年来のパートナーである、ピアニストのサムと作家のタスカーがキャンピングカーで旅に出るというお話しです。
不器用で無口、でも胸の奥に熱い愛情を燃やし続ける「サム」を演じるのが、「英国王のスピーチ」でアカデミー賞主演男優賞を受賞したコリン・ファース。「ブリジット・ジョーンズの日記」とか「キングスマン」でもおなじみのイギリスの国民的俳優ですね。

そして、人を惹きつける才能に溢れ、いつも周囲に笑いをもたらすタスカー役は、「ラブリーボーン」でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたスタンリー・トゥッチ。彼は、「プラダを着た悪魔」で、メリル・ストリープ演じる編集長の右腕として働くアート・ディレクター役をやってたメガネの男性で、そのときもゲイの役だったんですよね。「トランスフォーマー」とかいっぱい出演しているニューヨーク出身の人で、まぁ、この2大紳士俳優が恋人同士ということで、すごいです!

さらに、この配役は、最初から元々友達同士の人をセッティングしようっていうことだったそうです。
その息の合う感じをそのまま撮影する・・・さらには、キャンピングカーで旅する話なので基本2人の映画で、ロンドンから北西に400kmも行った湖水地方っていう大自然「ピーターラビット」の世界が広がるようなところにまで撮影しに行ったときには、毎日2人っきりで過ごしていたそうです。スタンリー・トゥッチが毎日ご飯を作っていた、なんていうエピソードもあります。





さぁ、ということで、この2人の演技に引き込まれていく映画「スーパーノヴァ」なんですが、行き着く先は「愛の終わり方」です。

サムがキャンピングカーを運転して、喧嘩をしてもタスカーが皮肉交じりのジョークで笑わせてくれたり、そんなどこにでもいそうなカップルなんですが、サムが食料を買い込んで車に戻るとタスカーがいなくなっているんですね。なぜか・・・車を出て、呆然と立ちすくんでいるんです。「薬はもう飲まないよ」というセリフからもわかってきます。タスカーは、若年性認知症。少しずつ記憶がなくなっていくんですね。

一方サムは、そんなタスカーを支えようとするんですが、目の前で病状が悪化していくタスカーを見て、胸が張り裂けそうに(というか張り裂けちゃってる〜泣)・・・。タスカーは、愛するの人の記憶も失っていく中で、サムのお姉さん夫婦が暮らす家でサムのためのサプライズパーティーを懐かしい友人達を呼んで開くんですけど、そのときのスピーチが、また愛と感謝が詰まってて、グッときちゃいます。

最愛の相手に死が訪れることがわかったときに、どういう風に送り出すのが一番いいのか、わかっていても受け入れがたい現実でもがくなかで、その答えを見つけていく、という・・・ぜひ見てください。





映画で流れるドノヴァン。
♪リリリリ〜雨が木の葉を涙で濡らすよ〜♪と歌っています。

タスカーの記憶があるうちにたくさん声を録ろうっていうことなんでしょう。テープに二人で録音するシーンがあって、明るく「認知症アワーへようこそ〜」なんてラジオ風に話すシーンがあるんですけど、すごく素敵なシーンでしたね。


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2021年06月30日

2021年6月に聴いた、なりたまとめ。

父の日にウナギを実家に送りました。
とっても喜んでくれて嬉しかったのですが、やはりまだ帰省するというのは会話にすらできません。
ま、田舎の方は都会ほどピリピリしていないので、そんなに生活は窮屈ではなさそうですが。
鰻は私も食べたいな・・・。

どんどん新作情報が入ってきて楽しくてたまりません。





今月のベストアルバムはFeye Webster(フェイ・ウェブスター)ですね。
16歳でデビューしゃちゃっているので、もう4枚目のアルバムとなりますAL「I Know I'm Funny haha」から。
ディア・ハンターやステラ・ドネリーのエンジニア、ドリュー・ヴァンデンバーグがプロデュース。

この曲は、私は勝手に「大谷翔平選手と一緒に夢を見る曲」として楽しんでいます。大谷選手のニュースも毎日嬉しいです。
アルトサックスも艶やかな素敵な雰囲気を醸し出していますが、20代アーティストが作る"色っぽい&ピュア"な曲はとても好きです。日本のバンドにもいますけどね。このくらいのお年頃のある意味、特権のような気もします。





イギリスのバースの4人組バンド、Declan Welsh and The Decadent West。
たまたま耳に彼らの曲が流れてきて気に入って聴いています。
一昨年出した1stアルバムがデビューアルバムになるんですかね。ソールドアウトって書いてあったのはフィジカルリリースのレコードか何かなのかな。
過去のMVではテレビ番組をパロディにしたものとかもあってWeezer臭が感じられたり、サウンドはアークティック臭を感じさせたり、ちょっと懐かしさが漂っているからチェックしちゃったのかも。





Modern Woman(モダン・ウーマン)というと、ビリージョエルかテニスか、はたまた中森明菜の曲なのかと想像しちゃいますが、これがバンド名です。
ロンドンを拠点とする女性ボーカルのポスト・パンク、エクスペリメンタルのバンドのデビューシングル。
なんか、ワクワクゾクゾクさせるサウンドです。これは要チェック。今iTunesなどでもこの曲しかないのですが、日本でもすでにいくつかのインディロック・メディアがチェック済み。





こちらはスウェーデンのオルタナティブ・ロックバンドでEnd of Fun。そんな・・・楽しみの終わりだなんて、とも思うインパクトの強いバンド名ですね。
美しい自然に囲まれた中でのサウンド、といった感じがしますが、ここ数年北欧はシューゲイザー&ドリームポップが盛んなのだそうで、そう考えるとそんなに珍しいタイプの新人バンドでもないんでしょうね。
でも、好きです。4曲どれも良いです。1stEP「I Feel It All, Forever」から。





こういう50代女性でありたい、と憧れるシンガーのひとり、シャーリー・マンソン。
F**kin'と歌っても余計な力がなくて、なのに説得力があって、言うべきことはハッキリ言っていてカッコイイ。彼女を慕う女性アーティストが今も後を絶たない理由が分かるのが今回のアルバム「No Gods No Masters」。
デラックス・エディションには、デヴィッド・ボウイやパティ・スミス&ブルース・スプリングスティーンのカバー曲も入っていて、なかなか味のあるカバーが聴けます。





Sharon Van Etten(シャロンヴァンエッテン)とAngel Olsen(エンジェルオルセン)の今欧米が大絶賛する2人のコラボは驚きました。日本であえて無理やり例えるなら椎名林檎と宇多田ヒカルのコラボと近い感じでしょうか。
ちなみに7月16日公開の映画「17歳の瞳に映る世界」の予告編にシャロンヴァンエッテンの"Seventeen"が使われています。ピッタリ。エンディング曲も彼女の曲だそうで、こちらも楽しみです。





アメリカの若きSSW勢では、やっぱり注目してほしいボーイ・ジーニアスの3人。
フィービー・ブリジャーズは昨年のアルバムがグラミー賞にノミネートされ、ジュリアン・ベイカーは今年出した新作の評価が非常に高く、そして、残るルーシー・ダッカスがついにリリース、NewAL「Home Video」から。
優しさと包容力があって、先ほどの仲良し2人(アルバムにも参加しています)と比べるとヒリヒリする痛みは一見ないように感じるのですが、"Thumbs"という曲は、親友のダメな父親を虐殺するという衝撃的なテーマが描かれていたりして、彼女の紡ぐストーリーにも注目です。





Doja CatのNewAL「Planet Her」から。
このSZAとの1曲は、グウェン・ステファニのフォロワー的な歌唱で好きですね。





ハイエイタス・カイヨーテ(Hiatus Kaiyote)は、フジロックが普通にあったら出演が決まっていたんじゃないでしょうかね・・・。
今回のサウンドもスゴイの一言。波に押されて進むヨットになった気分。





いやぁ、これもベストアルバムだなぁ。
ロスタム(Rostam Batmanglij)のNewAL「Changephobia」から。
今やハイムの曲も手掛けて勢いに乗りまくっている彼が真骨頂を発揮するとこうなるんだ、とため息が出るような見事さです。
移民であるが故の東洋と西洋のメランジェを味わえるのはもちろん、ジャズファンも好きになりそうな作品ですし、この一枚で一つの音楽空間で寛げるような充実感に満ちたアルバム。

ありがとう、ロスタム。


さて、7月も頑張ろう。



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2021年06月23日

東ドイツのボブ・ディランと言われたシンガーソングライターのドラマ。映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」

昔「ベルリンの壁崩壊」という歴史的な出来事がありました。鮮明に覚えていらっしゃると思います。
この映画の主人公はミュージシャンで「東ドイツのボブ・ディラン」と呼ばれた男性なんですが、実は同時にシュタージと呼ばれる秘密警察の一員でもありました。
ドイツ映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」、この作品は実話となります。





では、「シュタージ」とは何かというと・・・
東ドイツの秘密警察・諜報(ちょうほう)機関である国家保安省の通称です。盗聴や密告を通して東ドイツ全域を監視して、ドイツ社会主義統一党の支配体制維持を目的に、反体制運動や危険思想を持つとみなされる人物を弾圧していたんですね。

主人公はグンダーマン。昼間は褐炭(かったん)採掘場でパワーショベルを運転する労働者ですが、仕事が終わるとステージに上がり、自分が作った曲を仲間とともに歌っていました。夢や希望に溢れた歌は人々に感動を与え、人気者になっていました。その一方で、シュタージに協力するスパイとして仲間を裏切っていたグンダーマンは、1990年の東西ドイツ統一後、自分も友人にスパイされていたことを知ります。自分の過去に対して葛藤を覚える彼は自分について調べ始めるのですが・・・というお話。

2019年ドイツで最も権威のあるドイツ映画賞で作品賞、監督賞、主演男優賞を含む6部門で最優秀賞を受賞。こういう映画が多大な評価を受けたことがまず興味深いですよね。
ドイツの人たちって、やっぱり戦後に西ドイツと東ドイツに分かれて国のあり方が全く違ってしまったことが根強くあって、歴史にきちんと向き合うことだったり、反省して二度と同じ過ちを繰り返さないんだ、っていう国民性みたいなものも伝わってくる映画でした。

グンダーマンの外見はサラサラの長髪でメガネをかけた男性で・・・。

ライブシーンがすごく多いんですけど、歌詞の中に「君のために節約してきた」とか「仕事に疲れても義務を果たし」とか「配給の安酒があった」というのがあって、まさに東ドイツならではのフォークソングなんだなぁとも思いましたし、グンダーマンが石炭を掘る作業場で偉い立場の人にちょっと楯(たて)つくシーンがあるんですが、そのときにバンドメンバーで後に恋愛パートナーになるコニーっていう女性に「そんなこことしたら党にいられなくなる。バンドを続けられなくなるわ。」って言われるんですよね。

音楽って楽しいものだったり励ましてくれるものだったりすると同時に、なにか訴える役割を果たすこともあるとは思うんですが、そういう国民の(特に過酷な労働を強いられている人々の)代弁をすることの難しさもあるんだろうなぁ、っていうのも感じましたね。
そんな中で、ストーリーはなぜグンダーマンがシュタージに協力することになったのか、そこで裏切った人たちがどうなっていくのか、それを知った彼がどういう行動を起こすのか、と展開していきます。

映画「グンダーマン 優しき裏切り者の歌」シネマテークで上映されていましたが、7/9からは刈谷日劇にて公開されます。
ぜひ見てみてください。





Ich mache meinen Frieden(イシ・マシェ・メイネン・フリーデン)

映画ではグンダーマンを演じているアレクサンダー・シェーアが歌っていました。
曲タイトルは「私は自らの平和を作る」という意味です。



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